小学校の授業は高学年になればなるほど、難易度があがっていきます。特に3年生や4年生以降になると授業についていけず成績が下がってしまう…という子どもも珍しくありません。 そんな時、学校の授業理解や基礎力養成をフォローしてくれるのが補習塾です。ここでは補習塾の費用相場について解説。あわせて、塾の選び方や通い始めるおすすめの時期なども紹介していきます。
目次
まずは小学生が通っている塾の費用相場をチェックしていきましょう。
小学生が通う塾と一口にいっても大きく中学受験向けの塾と、学校の授業理解をメインとする補習向けの塾の2種類があります。具体的な費用は塾によって異なるものの、中学受験向けの塾と補習向けの塾である程度の相場があります。それぞれの相場は次の通りです。
学年 | 月の費用相場 | 年間の費用相場 |
---|---|---|
4年生~6年生 | 27,000円~40,000円 | 300,000円~450,000円 |
6年生 | 36,000円~55,000円 | 400,000円~600,000円 |
多くの塾で8月は通常授業がないことから、授業料が発生しません。
そのため上記の年間費用相場は11ヶ月分となっています。
・関連記事:【中学受験】小学生の塾費用は?トータル料金や私立学費についても解説!
学年 | 月の費用相場 | 年の費用相場 |
---|---|---|
4年生~6年生 | 8,000円~17,000円 | 100,000円~200,000円 |
多くの塾で8月は通常授業がないことから、授業料が発生しません。
そのため上記の年間費用相場は11ヶ月分となっています。
中学受験向けの塾はハイレベルな学習指導を行うため、補習向けの塾と比べて費用相場は割高です。
またどちらのタイプの塾も、指導スタイルによって費用に差が生まれます。一般的に個別指導の塾は人件費がかかる分、集団型の塾よりも費用は高くなると考えておきましょう。
上記で解説した費用相場は授業料です。
一般的な補習塾では授業料の他に、次のような費用が必要となります。
まずは入会金です。塾によっては入塾時に入会金を支払わなければいけません。
相場は20,000円~30,000円ほどです。入会金を設定していても、キャンペーンなどで入会金無料としている塾もあるでしょう。入会金が不要な塾は予算的に魅力かもしれませんが、塾のカリキュラムや指導内容が子どもに合っているかどうかをチェックすることが大切です。
塾によっては授業で使用する教材が指定されているため、教材費も必要となるでしょう。どのくらいの教材を購入するのかにもよりますが、年間10,000円~50,000円ほどかかる場合もあります。
3つ目は模擬試験や各種テスト代です。模擬試験や塾内テストなどを受験する場合、別途で費用を徴収している塾があります。有料の場合は必須受験なのか任意受験なのかを、入塾前に確認しておくと良いでしょう。年間10,000円~100,000円と、受験回数によって費用相場に幅があります。
塾によっては諸経費を設定しているところもあります。呼び方は塾によってさまざまです。一般的には塾の設備費や通信費、その他の雑費などを含めたものを指します。受講しているコースや学年などに関わらず、塾に通っている生徒は一律料金を払うのが通常です。月2,000円~3,000円ほどが相場となっています。
最後は季節講習や特別講座代です。
季節講習は学校が長期休みとなる春休みと夏休み、冬休みに開催されます。塾によっては必ず受講しなければいけません。費用相場は補習塾の場合で、1つの季節講習につき20,000円~50,000円です。
特別講座は夏合宿や正月特訓など、通常授業以外で開催される講座を指します。塾によっては年間100,000円~200,000円ほど必要となることもあるでしょう。
他の小学生は学習塾にどのくらいの費用をかけているのでしょうか。
文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)」によると、小学生が学習塾にかける費用は次のようになっています。
学年 | 公立小学校 | 私立小学校 |
---|---|---|
全学年平均 | 53,313円 | 252,790円 |
1年生 | 17,991円 | 114,452円 |
2年生 | 30,278円 | 121,978円 |
3年生 | 40,629円 | 162,612円 |
4年生 | 47,773円 | 257,528円 |
5年生 | 84,579円 | 384,113円 |
6年生 | 96,289円 | 485,494円 |
ただし上記の数値は学習塾を利用していない家庭も含まれていることに注意してください。そのため塾を利用している家庭のみの平均値は、データの数値よりも高くなります。学年が上がるにつれて、特に3年生から4年生、4年生から5年生に上がるタイミングで費用がアップしていることが分かります。中学受験をする場合、小学校4年生や5年生ごろから塾に通い始める子どもが多いためです。
文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)」によると公立小学校では60.9%、そして私立小学校では24.9%の人が学習塾にお金をかけていないことが分かりました。つまり公立小学校では約4割、私立小学校では約7.5割の子どもが塾に通っている計算です。
またベネッセ教育総合研究所が行った「学校外の教育活動に関する調査」によると、小学生の学年別通塾率は次のようになっています。
学年 | 通塾率 |
---|---|
全体平均 | 33% |
1年生 | 27.6% |
2年生 | 26% |
3年生 | 28.4% |
4年生 | 35% |
5年生 | 42.1% |
6年生 | 43.1% |
全体平均の通塾率が33%となっており、実に3人に1人の割合で塾に通っていることが分かります。特に小学4年生から通塾率が高くなるのは、前述したように中学受験に向けた対策が本格的に始まるためです。
また中学受験を目的としない補習塾に通っている子どもの場合も、「学校の授業が難しくなった」「公立中学校進学に向けて基礎を身に付けておきたい」などが理由と考えられます。
効果的に成績をアップさせて基礎学力養成や学習習慣の獲得、中学受験合格などの目標を達成させるためには、塾に通わせ始める時期が大切です。受験向けの塾と補習向けの塾、それぞれにピッタリな時期を見ていきましょう。
多くの塾では小学校3年生の2月から中学受験対策がスタートします。そのため中学受験を予定している子どもの場合、3年生の2月~4年生の4月頃から通塾を始めることが少なくありません。
しかし中には「中学受験を決めたのが遅くなってしまった」「家庭の事情で塾に通えなかった」などの理由から、小学校5年生や6年生から通塾を検討し始める人もいることでしょう。基礎学力が身に付いて塾の指導に付いていけるレベルに達していれば、5年生や6年生からの通塾でも問題はありません。
また基本的な学習習慣や勉強する楽しさを体感するために、小学校低学年からの通塾にも意味があるでしょう。
補習向けの塾の場合は学校の授業に付いていけなくなったり、明らかに成績が下がったりした時が通わせ始める時期です。
小学校の学習項目はどれも、中学校や高校で習う項目の基礎となるもの。分からない部分を放置してしまうとその後の学習が積み上がっていかず、ますます勉強に付いていけなくなる可能性が生じます。「学校の授業に付いていけない」「成績が以前よりも下がった」などと感じた時は、できるだけ早く通わせ始めた方が良いでしょう。
塾と一口にいっても指導内容やスタイル、特徴などはさまざまです。最後に子ども一人ひとりにピッタリ合った塾の選び方を紹介します。
1つ目は目標や目的に合った塾を選ぶことです。前述したように塾と一口にいっても中学受験向けの塾や補習向けの塾など、塾のタイプは異なります。例えば学校の授業理解が乏しくて基礎学力習得を目的としているのに、中学受験向けの塾に通うとどうなるでしょうか。
中学受験向けの塾はすでに基礎学力を習得していることを前提に授業が進められ、内容もハイレベルです。学校の授業では習わない内容も多くなり、授業自体に全く付いていけないことが予想されます。
反対に中学受験を目標としている子どもが補習向けの塾に通っても、すでに理解している授業内容ばかりで受験対策ができないかもしれません。
まずは何のために塾に通うのかを明確にした上で、目標や目的に合った塾を選ぶことが大切です。
子どもの性格に合った塾を選ぶことも大切です。学習塾の指導スタイルは大きく集団型と個別型の2つに分けられます。
複数の生徒が一緒に授業を受け、全員が同じカリキュラムに沿って勉強を進めていきます。生徒数は塾やコースによって異なりますが、中には数十人の子どもが一斉に授業を受ける塾もあるでしょう。
生徒1人~3人ほどに対して講師が1人付いて、生徒一人ひとりの学習課題やペースに合わせて指導してくれます。また個別型の場合、生徒と講師の距離が近くなる分、講師との相性が重要です。相性が悪い講師の場合は子どもとの意思疎通が上手くいかず、分からない箇所があっても質問しにくい状況が生まれてしまいます。子どもの性格に合った講師を選んでくれるかどうか、また万が一講師との相性が悪いと感じた場合に変更ができるかどうかも確認しておくようにしましょう。
「クラスでトップになってやる!」などと競争心が高く、さらに授業中でも積極的に質問ができる子どもは集団型、内向的で自分だけのペースで勉強を進めていきたい子どもは個別型が合っているでしょう。
個別型の塾に通う場合、個別カリキュラムを作成してくれるかどうかをチェックしましょう。学校と同じようにあらかじめ決まったカリキュラムを淡々とこなすだけでは、個別型の塾に通う意味がありません。
子ども一人ひとりの学習ニーズを捉え、ニーズに合わせてカリキュラムを作ってくれるところを選んでください。
4つ目は無理なく続けられるかどうかです。ちょっとの間だけ塾に通ったからといって、劇的に成績がアップするわけではありません。長く通い続けることで、少しずつ成果が表れていくものです。
そのため子どもに大きな負担をかけることなく、通い続けられる塾かどうかも考えましょう。
学校や自宅から通いやすい場所にあるか、宿題の量はちょうどいいか、そして1週間の授業回数が子どもに適切かどうかなどです。特に子どもが一人で通塾する場合、塾の立地を良く確認してください。子どもが一人でも安全に通える場所にあるのか、駅の近くにあるのかなどをチェックします。
塾の費用は決して安くありません。1週間で通塾する回数を多くしたり通う期間を長くしたりすると、その分の費用が大きくなるのは当然です。家庭によっては経済的な負担が大きくなるかもしれません。
先に述べたように、塾は長く通うことで少しずつ成果が表れていくものです。できるだけ長く通えるように月額費用や諸経費を入塾前にしっかり確認して、無理なく通い続けられそうな塾を選ぶようにしてください。
インターネットやパンフレットに掲載されている情報が良かったとしても、実際に授業を受けてみないと良し悪しは分かりません。塾によっては体験授業を設定しているため、気になった塾があれば積極的に参加してみましょう。教室の雰囲気や他の塾生の様子、授業の進め方、講師の性格などを意識してチェックしてください。
また塾について分からない点は直接スタッフに質問できるため、事前に質問したい内容をメモにまとめておくとスムーズです。
学校の授業理解や基礎力養成、公立中学校の進学準備などで活用できるのが補習塾です。
補習塾の費用相場は4年生~6年生で月額8,000円~17,000円、年間で100,000円~200,000円となっています。また塾によっては他に入会金や教材費、季節講習や特別講座代なども必要です。
小学校の学習項目は中学校・高校で学ぶ内容の基礎となるため、「授業に付いていけない」「成績が下がった」などと感じた場合は通塾を検討すると良いでしょう。
今回紹介した塾の選び方も参考にして、子どもにピッタリ合った塾を見つけてくださいね。
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塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。
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