2024/03/26
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【中学受験】小学6年生の夏期講習は必要?夏休みの過ごし方も解説! 

中学受験を目指す小学6年生の子どもにとって、夏休みは大きな正念場の一つです。時間をどのように活用するかによって、志望校合格を左右するといっても過言ではありません。 多くの塾では受験生向けの夏期講習を開催していますが、参加させた方が良いのか迷ってしまう人もいることでしょう。 今回は中学受験を控えた小学6年生に夏期講習は必要かどうかを取り上げ、メリット、夏休みに実践したい過ごし方、子どものタイプ別に大手のおすすめ塾などを解説します。 

目次

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中学受験に向けて夏期講習に通わせるべきか 

現在は塾に通っていない子ども、または通っているけど夏休みは塾が休みとなる子どもにとって、夏期講習に通わせるべきかどうかは悩むところです。特に模擬試験の成績が良く、現時点でも志望校合格の可能性が高い子どもの場合はなおさらでしょう。 

まずは夏期講習に通わせるべきかどうかについて紹介します。 

中学受験で夏期講習に通う小学6年生は9割以上 

ある塾によると中学受験を予定している小学6年生の9割以上が、夏期講習に参加しているとされています。つまり100人中、90人以上の子どもという計算です。ライバルのほとんどが夏期講習に参加をしていることが分かります。 

中には通常授業と講習をセットで開催している塾もあり、朝から晩まで教室で勉強をしている子どもも少なくありません。 

中学受験を控えた小学6年生に夏期講習が必要な理由 

上記で述べたように受験を予定している小学6年生の9割以上が、夏期講習に参加をしています。つまり志望校合格のために夏期講習へ参加をすることは、ある意味で必須といえるでしょう。講習への参加が必要な理由は明確にあります。主な理由は全部で次の4つです。 

長期休みでも浮かれずに勉強に集中できる 

まずは長期休みでも浮かれることなく、勉強に集中できることです。 

受験生といっても、小学6年生はまだ小さい子ども。受験をしない友達の多くは夏休みに友達同士で遊んだり、プールに行ったり、お祭りに行ったり、家族と一緒に旅行に行ったりと楽しんでいることも多いでしょう。 

周りの友達が遊んでいる中で、自分だけ自宅にこもって勉強を続けるのは大変です。「今日ぐらいはいいか」とついつい友達と遊んでしまう…ということも考えられます。夏期講習に通うと受験を予定している子どもばかりが集まるので、長期休みでも浮かれずに勉強に取り組めるはずです。 

精神的な成長を遂げて、受験本番までを乗り越えられる 

夏期講習は期間も長く、また受験対策を目的とした講習の場合は内容もハードです。勉強のスピードが速くて学ぶ量も多く、授業中はピリピリとした空気に包まれるでしょう。子どもにとってハードな環境・時間となることは確かです。大きなストレスを感じることがあるかもしれません。 

しかしハードな講習を他の仲間や塾の講師たちと一緒に乗り越えることで、精神的に大きな成長を遂げられます。受験を乗り越えるためには学力の高さだけでなく、プレッシャーやストレスに負けないぐらいの精神力も必要です。 

講習会の参加で培った精神的な成長をベースとして、受験本番までをしっかり乗り越えられるようになるでしょう。 

これまでの学習範囲を効率的に復習できる 

夏休みはこれまでの学習範囲を復習できる最大のチャンス。基本的に夏休み以降は発展問題や、入試問題の演習に取り組むためです。特に大手塾が開催している講習の多くでは、これまでの学習範囲をザっと復習するカリキュラムを組んでいます。 

取りこぼしを見つけたり、苦手科目や分野を克服したりする機会にもなるでしょう。 

難関中学受験に特化したカリキュラムを受けられる 

4つ目は難関中学受験に特化したカリキュラムを受けられることです。偏差値の高い私立中学や公立中高一貫校を受験する場合、受験に特化したカリキュラムを受けることが求められます。 

大手の塾ではカリキュラムの一環として夏期講習を開催しているため、講習に参加することで難関中学受験に向けた準備を進めていけるはずです。 

夏期講習を受けない場合の注意点 

夏期講習にはたくさんのメリットがありますが、家庭の事情や都合で参加させないケースもあるでしょう。講習には参加をせず、自宅で勉強する場合は次の3つに注意してください。 

子どもの学力と理解度を確認する 

1つ目は子どもの学力と理解度をしっかり確認することです。自宅学習をする場合、塾の講師のように学習管理をしてくれる人はいません。限られた時間を最大限に活用するために、まずは子どもの学力と理解度を正確に確認しておきましょう。 

科目ごとに志望校合格に向けて何が不足しているのか、何に重点的に取り組まなければいけないのかを明確にさせます。これまでに受けた模擬試験の成績表などを参考にすると良いですね。学力と理解度を明確にさせることで、学習計画を立てられるようになるはずです。 

苦手分野を洗い出す 

夏休みは苦手科目や分野の克服にピッタリです。ある程度まとまった時間が取れる時期に苦手科目や分野に取り組んでおくことで、夏休み明けにスタートする志望校別の問題演習もスムーズに進められるようになるでしょう。 

まずは苦手分野がどこなのかを徹底的に洗い出してください。おすすめの方法が小学4年生以降に受けた、テスト結果を見直してみること。学校のテストや外部模擬テストの結果を探して、中身をふり返ってみましょう。苦手科目や分野が判明したら教科書や参考書、問題集などを使って復習していきます。 

一人で勉強させず、フォローする 

成績がなかなか伸びずに悩んでいる子どもの場合、一人で勉強をさせるのはおすすめできません。成績が思ったように上がらない子どもの場合、勉強方法や理解の仕方に課題がある可能性があります。 

夏期講習に通わない分、周りにいる親がしっかりとフォローをしてあげましょう。ただし勉強する間ずっと付いているのは難しいため、特に苦手としている科目だけでもフォローするようにしてください。 

・関連記事:小学生向け映像授業スタイルの塾費用について。メリット・デメリットも解説!

小学6年生の夏期講習後のポイント 

夏期講習が終わった後、つまり夏休み以降も受験勉強は続いていきます。 

講習終了後の受験勉強をする上でのポイントは、全部で次の3つです。 

夏期講習の成果はすぐに出ない 

講習の成果はすぐに出ないことを理解しておきましょう。「毎日講習に通って、1日10時間は勉強した」「友達と遊ぶのも我慢して、受験勉強だけに専念した」など、多大な努力を重ねたにも関わらず、夏休み明けの模擬試験で成績が伸びないのは良くあることです。 

理由は2つあります。 

1つ目は他のライバルも夏休み中に必死で勉強していること。他の子どもの多くも必死に勉強をしていたため、模擬試験全体のレベルは高くなります。 

2つ目は成果が目に見えて現れるまでに、2カ月程度かかるためです。夏休みに頑張った分の成果は10月~11月ごろに現れます。そのため成果がすぐに出なかったとしても、落ち込む必要はありません。 

模試の結果で一喜一憂しない 

2つ目は模擬試験の結果で一喜一憂しないことです。 

模擬試験の成績は志望校合格の可能性を測る大きな材料の一つですが、絶対ではありません。模擬試験との相性や、試験を受けた当日の子どもの体調なども成績に影響を与えます。 

試験の結果で一喜一憂をせず冷静に結果を分析して、学習スケジュールの修正などに活用していきましょう。 

焦らず、コツコツ着実に子どもと勉強を進める 

夏休みが明けて秋以降になっても成績が思ったように伸びないと、「本当に大丈夫なのかな」「家庭教師を別に付けた方が良いのかな」などと不安に感じたり、焦ったりすることもあるでしょう。 

成績が伸びない理由は子どもによってさまざまですが、勉強している内容を全て理解しきれていない可能性があります。これまでに勉強した内容をふり返って消化できていない部分を復習する、問題演習をくり返して知識を定着化させる、分からない箇所は学校の先生や塾の講師に質問をするなど、コツコツと着実に勉強を進めていくことが大切です。 

子どもへの「声かけ」で親が気を付けること 

親の声がけ次第で子どもは意欲的に勉強をしたり、反対にやる気を失ったりします。 

続いては子どもへの声がけやで、親が気を付けるべきことを見ていきましょう。 

今すぐやめたい、子どもへのNGな声かけ 

まずは子どもへのNGな声かけです。 

「勉強しなさい」「頑張りなさい」などの命令 

勉強していない子どもを見ると、ついつい「勉強しなさい」「もっと頑張りなさい」と命令的な口調になってしまいます。しかし命令されると子どもは反発したくなるもの。何度も命令的な口調でいわれ続けると、勉強からどんどん遠ざかっていってしまうでしょう。 

「いま勉強しておかないと、大人になってから困るよ」といった脅し 

「お母さんは勉強しなかったから後悔している」「大人になってから困るよ」といった脅しもNGです。 

内容自体は正しかったとしても、子どもは実際に体験していないことからイメージがわきません。 

「友達は頑張っているのに」といった他者との比較 

競争心をあおるために「友達は頑張っているよ」などと、比較をするのも止めましょう。子ども一人ひとりのペースや課題は違います。他者と比較をされるとプライドが傷つき、学習意欲が低下するかもしれません。 

子どもがやる気を出す、理想的な親の声かけとは 

では、やる気をしっかり引き出すための理想的な声かけとは?いくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。 

頑張りを認める声かけをする 

褒められて嫌な気持ちなる子どもはいません。頑張っていることやできたことを、積極的にほめてあげましょう。「問題が解けた」「成績が上がった」といった成果だけをほめるのではなく、頑張っているプロセス自体もほめていあげると効果的です。 

注意は最小限にとどめる 

勉強をさぼるなど、学習態度に対して注意をすることもあるでしょう。注意や小言はグダグダと続けず、最小限にとどめることが大切です。要点だけをサラっと伝えることで、お互い過度に嫌な気持ちになりません。 

常に優しい言葉を心がける 

最後は常に優しい言葉を心がけることです。受験に対するプレッシャー、日々の勉強によるストレスなどから、子どもは心身共に疲れがち。 

学校や塾から帰ってきた時、自宅での勉強を終えて一息つく時に、親から優しい言葉をかけてもらうとホッとします。 

子どものタイプ×塾のタイプで見る、夏休みの過ごし方 

中学受験に特化した学習塾として有名なのがSAPIXと日能研、早稲田アカデミーです。 

すでにこれらの塾に通っている子どもも多いのではないでしょうか。夏期講習の特徴としてSAPIXは学習難易度が高く講習時間が短い反面、日能研と早稲田アカデミーは1日の拘束時間が長く、また講習自体の日数も長めです。 

次に、子どもを2つのタイプに分けてみてみましょう。基礎理解の定着が不十分なタイプと、SAPIXの模擬試験で偏差値50台後半、または日能研の模擬試験などで偏差値60以上が取れるタイプの2パターンで考えてみます。子どものタイプと塾のタイプから、おすすめの夏休みの過ごし方を見ていきます。 

基礎理解の定着が不十分な子どもの場合 

SAPIX 

SAPIXで使用するテキストは、このタイプの子どもには難し過ぎるかもしれません。あまりにもレベルが高いと感じたら、家庭学習で使用する教材について塾のスタッフに相談してみましょう。 

日能研と早稲田アカデミー 

日能研と早稲田アカデミーは拘束時間が長いため、必然的に家庭学習の割合が低くなります。講習でどのようなことを学んだのかを、親が毎回チェックしていくと良いですね。 

ある程度学力が身に付いている子どもの場合(SAPIXの模擬試験で偏差値50台後半目安) 

SAPIX 

特に難関校を受験する子どもにとって大切なのが、難しい問題も自分の頭でじっくり考えてみること。SAPIXの講習は夕方からスタートするため、日中は難問にもじっくり取り組めます。 

早起きをして頭のクリアな午前中に勉強に取り組み、午後は仮眠を取ってから講習へ行く方法もあるでしょう。 

日能研と早稲田アカデミー 

拘束時間が長くなるため、体調を万全にして講習に臨みましょう。 

子どもによっては大きな負担がかかるため、目に見えて疲労が表れていれば思いきって授業を休ませるのも効果的です。 

まとめ 

中学受験を予定している小学6年生の9割以上が、夏期講習に通っているといわれています。講習に通うことで、これまでの学習範囲を効率的に復習できる、難関中学受験に特化したカリキュラムを受けられるといったメリットが生まれるでしょう。 

夏休み明けは思ったように成績が伸びず、落ち込んだり勉強意欲をなくしたりする子どももいるかもしれません。しかし一般的に勉強の成果は10月~11月ごろに表れ始めるので、焦らずに勉強を続けることが大切です。 

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塾選(ジュクセン)編集部

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