2024/03/29
公開

【中学受験】小学5年生が夏期講習に参加するメリット・デメリット

中学受験を予定しているほとんどの小学5年生は、もうすでに受験勉強をスタートさせていることでしょう。そして多くの保護者にとって気になるのが夏期講習です。「受験学年ではないけど、講習に通わせた方が良いのかな」「費用も高いし、自宅学習はできないのかな」などと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。 今回は中学受験を目指す小学5年生向けの夏期講習について、メリットやデメリット、受ける際と受けない際の注意点、夏休みの過ごし方などについて解説します。 

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【中学受験】小学5年生が夏期講習に参加するメリット・デメリット

夏期講習にはメリットとデメリットの両面があります。 それぞれの内容をしっかり理解した上で、参加させるかどうかを判断すると良いでしょう。

【小学5年生】夏期講習のメリット

参加する最も大きなメリットの一つが、余裕を持って受験学年の準備ができることです。志望校のレベルや子どもの学力にもよりますが、小学6年生になるとほとんどの子どもは余裕がありません。受験勉強が本格的に忙しくなり、志望校別の問題演習や公立中高一貫校向けの適性検査対策などで精一杯の状況になるでしょう。 

例えば苦手科目や苦手分野を克服しないでおくと、さらにやるべきことが増えて大変です。小学校5年生のうちから夏期講習に参加をすれば、これまでに学んだ内容を総復習して基礎を固めたり、苦手科目や分野を克服したり、また予習をしたりして、余裕を持って受験学年の準備ができるようになります。 

【小学5年生】夏期講習のデメリット

前述したように小学6年生になると受験勉強が本格的になるため、夏休みも勉強漬けの毎日となるでしょう。友達と遊んだり、家族と一緒に旅行へ行ったりする余裕はほとんどありません。 

小学5年生から夏期講習に参加をしてしまうと、2年連続で子どもらしい夏休みを過ごせず、良い思い出が作れない可能性もあります。 

・関連記事:小学生が通う「夏期講習」の特徴・費用を徹底比較!申込み手順・注意点も解説

小学5年生が夏期講習を受ける上で注意したいこと 

小学5年生が夏期講習を受ける場合、いくつか注意すべき点があります。

夏期講習を受ける目標を整理 

前提としてどのような夏期講習に参加する場合でも、講習を受ける目標を整理しましょう。一般的に中学受験対策を目的とした、小学5年生向けの夏期講習は内容が難しく、課させる宿題の量も多くなります。そのため「全部を完璧にこなそう!」と思って頑張ると、消化不良やエネルギー切れになるケースも珍しくありません。上手に取捨選択をしながら、やるべき目標を整理するようにしてください。

主な目標は次の3つです。参考にしてみてください。 

計算力と語彙力・読解力を身に付ける 

算数の計算力、国語の語彙力・読解力は入試突破に必要となる基礎力。小学5年生のうちに、基礎力を固めておきましょう。少数や分数の計算問題を数多くこなして計算力を身に付け、また漢字や熟語の読み書きを固めることで読解力も向上していきます。 

自分で考えて理解する習慣を付ける 

2つ目は自分で考えて理解する習慣を付けることです。 

中学入試では暗記や公式だけでは対応できず、子ども自身が考えて解答を導き出すような問題も出題されます。そのため暗記や公式だけで問題を解いてきた子どもの場合、自分で考えて理解する習慣付けが大切です。全ての公式や問題に対して、「なぜ?」「どうして?」と意識するようにしましょう。 

1学期の総復習と2学期の予習をする 

比較的時間がある内に1学期の総復習と、2学期の予習をしておきましょう。総復習は前述したように、考えて理解することを意識してください。夏期講習の多くは授業自体が2学期の予習となっているため、授業をしっかり理解することで十分です。 

夏期講習を受ける上での注意点 

続いては夏期講習を受ける上での具体的な注意点です。 全部で5つを見ていきましょう。 

その日の授業内容は当日中に復習しておく 

小学5年生向けの夏期講習は塾にもよりますが、1日の拘束時間はさほど長くはありません。そのため講習が終わった後、自宅学習する時間を十分に確保できます。 

積み残しを防ぐために、その日の授業内容は当日中に復習をして理解しておきましょう。 

予備日を設定しておく 

どれほど積み残しをしないように頑張っていても、子どもによっては理解できなかった学習項目が出てくるかもしれません。 

「絶対に今日中にマスターしないと!」と思うと、大きなプレッシャーになってしまいます。理解できなかった箇所を復習するための予備日を設定しておくと良いですね。講習期間中の休日や、講習終了後でも構いません。 

テキストの理解を最優先にする 

3つ目はテキストの理解を最優先にすることです。「余裕があるうちにあれもやりたい」「これもやっておきたい」とさまざまなことに手を出すと、全てが中途半端に終わってしまう可能性があります。 

中学受験対策向けの講習で使用されるテキストは相対的にレベルが高いため、まずはテキストの理解を最優先に考えるのがベストです。 

やるべきことに優先順位を付ける 

講習によっては課される宿題の量が多く、こなすだけで精一杯となる可能性もあります。宿題の中でやるべきことに、優先順位を付けるようにしてみましょう。有効な優先順位のつけ方は以下の通りです。 

〇良く理解しており、すぐに問題が解けた 

△完全に理解しているか不安がある 

×講師や問題の解説を読んでも理解できない 

取り組んだ問題を上記のように3つに分類をします。やるべきことのトップは△の問題です。もう少し時間を割いて勉強すれば完全に理解をして、成績アップにつながります。 

親が適度にフォローする 

最後は親が適度にフォローすることです。先に述べたように講習で使用するテキストは難易度が高いことが多く、こなすだけで精一杯となる子どもが少なくありません。「どうしてこの答えになったのか分かった?」「問題の解き方を説明してみて」など、可能な範囲で構わないので親がフォローをしてください。 

中学受験対策の夏期講習スケジュール 

中学受験対策をメインとする夏期講習のスケジュール、そしてカリキュラムの内容を紹介します。 

夏期講習スケジュール 

まずは小学5年生向けの夏期講習スケジュールです。 

大手学習塾のSAPIXと早稲田アカデミーの、2023年度の予定を見てみましょう。 

塾名  日程  日数  講習時間 
SAPIX(渋谷校)  ・首都圏:7月19日~8月9日or10日、8月15日or16日~22日or23日or24日
・関西圏:7月25日~8月10日、8月16日~24日
20日間 

・17:00~20:00(7月19日、21日) 
・9:00~12:00(7月23日~) 

早稲田アカデミー(私国立中受験)  ・7月21日~8月2日、8月16日~21日  18日間 

・10:00~11:50 
・13:00~14:50、15:00~16:50 

日数は20日間前後、講習時間はSAPIXで1日3時間、早稲田アカデミーは2科目受講で1日3時間40分、4科目受講で1日5時間30分です。一般的な講習では4日~5日ごとに休日が入り、8月上旬か中旬ぐらいに連休が組み込まれます。 

夏期講習の内容 

具体的なカリキュラムは塾や講習の種類によってさまざまです。 

SAPIXや早稲田アカデミー、四谷大塚といった大手の学習塾の場合、予習型のカリキュラムを採用しているところが多いでしょう。夏休みでも新しいことを毎日学び続けるため、子どもにとっては大きな負担になるかもしれません。「苦手科目の克服もしたい」と思っている子どもは予習と両立させる必要があり、大変な期間となるのは確かです。 

しかし上記で解説した注意点に沿って勉強を進めていけば、秋以降の成績アップにつながっていきます。 

上記2校以外のおすすめ夏期講習については以下で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

小学生が通う「夏期講習」の特徴・費用を徹底比較!申込み手順・注意点も解説

中学受験に向けて夏期講習を受けない場合

「受験学年になってから受講させたい」「家族で過ごす時間も大切にさせたい」などの理由から、夏季講習に参加させずに自宅学習を選ぶ人もいるでしょう。自宅で勉強させる場合は、次の点に注意をしてください。 

学習スケジュールを立てる 

自宅学習をする際に最も大切なものの一つが、学習スケジュールを立てることです。限られた時間を有効活用させるためには、事前のスケジュール作成が必須。計画を立てずに思いついたまま勉強をしていても、効率的・効果的に成績は上がりません。 

目標達成までの道のりを作っておくことでやるべきことが明確になり、またダラダラすることなく自宅学習に取り組めます。 

1学期の総復習をする 

2つ目は1学期に習った学習項目の総復習をすることです。理解が不十分な箇所やテストの点数が取れていなかった箇所を洗い出し、徹底的に復習をしておきましょう。復習する際は暗記や公式の単純理解だけにとどまらず、必ず「どうしてそうなるのか」と考えることを意識してください。本当の意味で問題を理解して、応用問題にも対応できる力が身に付きます。 

レベルの高い問題集に取り組む 

中学受験をする場合、学校教材だけでは不十分です。学校の授業理解が十分にできている子どもであれば、レベルが高い問題集にも積極的に取り組んでおきましょう。 

薄い問題集で構わないので、1冊を何度もくり返してマスターすることが大切です。 

2学期以降の予習をする 

4つ目は2学期以降の予習をすることです。1学期で学んだ内容がしっかり身に付いていれば、2学期の予習もしてしまいましょう。余裕を持って2学期の授業に臨めるようになるだけでなく、空いた時間を応用問題や苦手科目の克服に費やせるようにもなります。 

家庭教師やオンライン講習の受講も活用する 

ずっと自宅学習ばかりを続けていると、子どもによっては勉強に飽きてしまったり、間違って理解している箇所に気づけなかったりする可能性も生じます。家庭教師やオンライン講習の受講を活用するのも良いでしょう。夏期講習として通塾しなくても、例えば週に1回~2回ほど組み込むことで、子どもにとって良い刺激となるはずです。 

【小学5年生】夏休みを有意義に過ごすためのポイント

最後に小学5年生にとって、良い夏休みとするためのポイントを全部で4つ紹介します。

弱点把握 

1つ目は弱点を把握することです。 

夏期講習への参加有無に関わらず、子ども一人ひとりの弱点がどこにあるのかを理解しておきましょう。これまでに受けた学校のテストや塾の模擬試験などを振り返り、苦手科目や苦手分野を洗い出してください。 

成績アップ、そして志望校合格のカギの一つが苦手科目や分野の克服です。夏休み中に弱点を把握しておくことで、その後の学習スケジュールが作りやすくなります。 

学習スケジュールを立てて勉強を進めていく 

夏期講習受講の有無に関わらず、学習スケジュールは必ず立てましょう。 

スケジュールは1日単位と、夏休み全体の2つを立てます。 

【1日単位のスケジュール 】

まずは1日単位のスケジュールです。ざっくりで構わないので、起床してから就寝するまでの予定を作ります。勉強する時間を決めたら、具体的にどの科目を勉強するのかも決めてください。苦手科目や苦手分野を中心に、さらに受験のコア科目となる算数と国語を当てはめていくと良いでしょう。 

スケジュールは当初作成した通りに、必ずしも進めていく必要はありません。勉強を進めていく内に学習の優先順位が変わることは多いため、適時内容を修正しながら進めていきましょう。 

【夏休み全体のスケジュール】 

夏休み全体のスケジュールも立てた方が効果的です。夏期講習や学校の行事、家族旅行の予定など、すでに分かっているものを視覚化させてみましょう。 

空いたところが自宅学習できる日となり、具体的に確保できる勉強量も見えてきます。 

復習をしながら基礎力を高める 

基礎力が不十分だと自覚している子どもの場合、復習に力を入れましょう。 

学校や塾で習った学習項目や、これまでに受けたテスト・模擬試験を徹底的に復習します。内容が難しすぎる場合は、さらに前の学習項目を理解していない可能性もあります。理解できていない箇所まで立ち戻って、一つずつ確実に理解するようにしてください。 

息抜きと体調管理の調整 

最後は息抜きと体調管理の調整です。毎日ずっと勉強ばかりをしていると、子どものストレスはどんどん大きくなっていきます。ストレスがたまると心身の健康バランスを崩したり、勉強へのモチベーションが下がってしまったりするでしょう。息抜きができるように子どもや家庭の状況に合わせて、1日の中で余暇時間を設けたり、1週間に1回は自由に過ごせる日を作ったりしてください。 

また体調管理も大切ですね。生活リズムを崩さないように起床時間・就寝時間は一定化させ、さらに栄養のバランスがとれた食事摂取も心がけたいところです。 

まとめ 

中学受験を予定している小学5年生の子どもが夏期講習に通うことで、余裕を持って受験学年に臨めるメリットがあります。一方で小学5年生から夏期講習に参加をしてしまうと、2年連続で子どもらしい夏休みを過ごせず、良い思い出が作れない可能性もあるでしょう。 

それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、各家庭に合わせた夏休みの過ごし方や勉強方法を選んでくださいね。 

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塾選(ジュクセン)編集部

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