小学生の春休みは何する?理想的な勉強時間や学習計画の立て方などを解説
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
学校の宿題が課されない小学生の春休みは、ついつい中だるみしがちな時期です。しかし新しい学年の勉強をスムーズに進めていくためには、春休み中にもしっかり勉強時間を確保しなければいけません。春休みに小学生は一日に、どのくらい勉強をすれば良いのでしょうか? 今回は春休み中の理想的な勉強時間や学習計画の立て方、科目別におすすめの勉強法などを紹介します。
小学生春休みの平均勉強時間と理想的な勉強時間は?
まずは小学生の平均的な勉強時間と、春休み中の理想的な勉強時間について紹介します。
小学生の平均勉強時間
ベネッセがおこなった「ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査 2013」によると、小学生の平均勉強時間は1日あたり67分です。学年別に見ると小学1~2年生は56分、3年生は66分、4年生は71分、5年生~6年生は76分となっており、学年が上がるにつれて勉強時間も長くなることがわかります。
ただし上記は学校がある日も含めた勉強時間のため、学校の授業がない春休みは、さらに平均勉強時間は多くなることが予想されるでしょう。
【学年別】勉強時間の目安
春休み中の勉強時間の目安は、子ども一人ひとり異なります。たとえば同じ学年で同じ学校に通っている子どもであっても、「中学受験を目指しているのか」「基本的な学習習慣が身についているのか」「現在の学校の成績はどの程度なのか」などによって、必要となる勉強時間は変わってくることでしょう。
小学生の家庭学習時間の目安は、「学年×15分」といわれています。つまり小学1年生は15分、2年生は30分、3年生は45分、4年生は60分、5年生は75分、6年生は90分です。
そして学校の授業がなくなる春休みの場合、上記で述べた家庭学習時間の目安の2倍が理想。小学1年生は30分、2年生は60分、3年生は90分、4年生は120分、5年生は150分、6年生は180分です。
春休みは新学年に向けて意識を変えよう!
春休みは1つの学年が終わる区切りです。学校の授業内容は学年が上がるにつれて難しくなり、1日の平均勉強時間も少しずつ増えていきます。
新しい学年における勉強に向けて、春休み中は少しずつ意識を変えていけると良いでしょう。「勉強時間をこれまでよりも、少し長く取ってみる」「今までよりも勉強に集中できる環境を整えてみる」「スケジュールを決めて勉強をして、学習習慣を身につける」などです。
おすすめの勉強時間帯
春休み中は、普段学校の授業がある時間帯に勉強するのが良いでしょう。生活リズムを崩さず、また家庭学習時間と合わせることで、より長い勉強時間を確保できます。
小学校低学年の子どもは机に向かって勉強することに慣れていないため、食事時間中や入浴中に、さりげなく勉強の話題を出してみるのもおすすめです。お風呂に入りながら計算問題を出してみたり、食事中にテレビを見ながら地名の問題を出してみたりと、楽しみながら勉強を進めるとスムーズです。
勉強時間をしっかり確保!春休みに入る前に学習計画を立てよう
無計画のまま春休みを迎えてしまうと、休みが終わる頃に「全然勉強しなかった」といった状況になりかねません。約2週間と短い春休みを有意義に過ごすためには、学習計画が必須です。何を・いつ・どこまでやるのかを春休みに入る前に考えて、スケジュールを立てましょう。学習計画を立てる際は、次の3点に注意してください。
学年のまとめの問題集を1週間くらいで終わらせる
1つ目は学年のまとめの問題集を、最初の1週間くらいで終わらせることです。
春休みにやるべきことに個人差はありますが、大切なことは予習よりも復習に重点を置くこと。春休みは1年間勉強したことを復習する、絶好のチャンスです。これまでに勉強したことをざっと振り返り、わからなかった箇所や理解不十分なところをピックアップして、重点的に勉強しましょう。新そうすることで学年進級後の勉強でつまずきにくくなります。
春休み期間中に一つひとつの単元を細かく復習する時間はないので、複数の科目が1冊にまとまった問題集がおすすめです。最初の1週間で問題集を一通り解いてみて、できなかった箇所やわからなかった部分に残りの1週間で取り組みます。特に国語と漢字と、算数の計算は完璧に仕上げておきましょう。どちらも積み上げ式の内容のため、1日や2日で克服することは困難です。
新学年の予習や応用問題を解いてみる
教科書の例題や基本問題、標準問題が簡単に解ける力がある場合、新学年の予習や応用問題へチャレンジしてみましょう。
新学年で学ぶ学習項目の予習をしておくことで、余裕を持って授業へ臨めるようになります。特に春先はクラス替えなどで環境が大きく変わり、またゴールデンウィークの大型連休などから勉強に集中できなくなる子どもも珍しくありません。5月くらいまでの単元を予習しておくと良いでしょう。
また特に中学受験を目指している場合、どんどん応用問題に慣れておくことも大切です。低学年の子どもでも、早い段階から難しい問題へ取り組む習慣をつけておけば、本格的な受験勉強に向けた心構えを作れます。
中学受験を考えている場合は、1年間の学習計画を立ててみる
中学受験を考えている場合は、1年間の学習計画を立ててください。子どもの学年にもよりますが、早め早めに計画的に行動することが、志望校合格へのカギとなります。
「模擬試験はいつ受けるのか」「学校説明会はいつあるのか」「志望校をいつまでに決めるのか」「いつから志望校の入試問題演習へ取り組み始めるのか」など、受験に関係するものや勉強スケジュールなどを考えましょう。
小学生におすすめの勉強法を科目別に紹介!
勉強内容は学年によって異なりますが、科目ごとにある程度の共通した勉強法があります。それぞれの科目で特徴が違うため、科目の特徴を踏まえた上で勉強をすると、効率性がアップするはずです。
続いては小学生におすすめの勉強法を、科目別に紹介します。
国語は音読や文章要約を取り入れる
国語の学習で欠かせないのが、音読と文章要約です。
人間は目を使うよりも耳を使った方が得意とする傾向があるため、国語の教科書や問題文の音読を習慣づけるようにしましょう。声に出して読むことで、文章の理解力アップが期待できます。また文章をスラスラ読めるようになると子どもの自信につながり、モチベーションアップや学習習慣の形成にも効果があります。
小学5年生以降では、文章要約にもチャンレジしたいところです。文章の段落単位で「何が書いてあったか」「筆者は何を言いたいのか」など、内容を要約する練習を取り入れてみてください。客観的に文章を理解する力が身につきます。
算数は基本的なルールに基づいた計算を何度もくり返す
算数の基本は計算です。たし算やひき算、かけ算、わり算、小数の計算など、学年が上がるにつれて内容はどんどん複雑になっていきます。
計算のルールをメモにして子ども手元に置き、メモを確認しながら例題や基本問題に取り組みましょう。基本ルールが確実に身についたら、標準問題や応用問題にもチャレンジしていきます。計算も国語の音読と同じように、できたことが子どもの自信につながりやすいのが特徴です。
また中学受験を目指している場合は、思考力を求められる問題も解いてみてください。解法にいたるプロセスを頭の中で考えるクセをつけておくことで、本格的な中学受験対策に臨めるようになります。
理科と社会は興味を持てるような工夫をする
理科と社会は、子どもがどれだけ学習内容に興味を持てるかが、成績アップのポイントです。写真やイラストがたくさん掲載されている図鑑や資料集、歴史のマンガなどを準備したり、博物館や科学館、歴史資料館などへ足を運んだりしてみましょう。子ども自身が興味を持てるようになると、親が言わなくても自ら進んで勉強するようになります。
子どもの勉強を習慣化させるために、春休み中にできることは?
高い学力を身につけるためには、毎日コツコツと勉強する習慣が大切です。学力は短期間で身につくものではありません。毎日の積み重ねの結果、難しい問題も解ける実力が育まれます。春休み中に子どもの勉強を習慣化させるために、以下で紹介するポイントを意識してみましょう。
毎日勉強する時間を決める
勉強する時間が決まっていないと「今日は気分が乗らないから、勉強は明日にしよう」「友達と遊ぶから、勉強はパス」など、子どもの気分や都合に合わせて、勉強をしたりしなかったりするようになります。
春休み中は毎日勉強する時間を決めましょう。先に述べたように、普段学校の授業を受けている時間帯に、勉強時間を設定するのがおすすめです。
具体的な学習内容を決めてから勉強を始める
「勉強する」「今日は算数をやる」などの漠然とした目標では、子どもの学習意欲は高まりません。「算数の問題集を3ページやる」「漢字ドリルを5ページ終わらせる」など、具体的な学習内容を決めてから勉強を始めてください。やるべき内容を明確にさせることでモチベーションが保たれ、毎日勉強する習慣も身についていきます。
勉強に集中できる環境を整える
子どもが勉強に集中できる環境を整えることも大切です。周りにマンガやゲーム、テレビ、スマホなどの娯楽があると、子どもは勉強に集中できません。娯楽となるものをできるだけ勉強場所から遠ざけ、さらに勉強中は邪魔にならないように、他の家族も話し声やテレビの音などに配慮しましょう。低学年の子どもは一人で勉強するのが難しいこともあるので、親の目が届くリビングなどで勉強させるのも効果的です。
春休み中の勉強で、親が気を付けるべきポイント!
最後に春休み中の勉強で、親が気を付けるべきポイントを全部で3つ紹介します。
つまずいている原因を分析する
子どもが勉強でつまずいている場合、子ども自身でつまずきの原因を分析するのは難しい面があります。わからない状態をそのまま放置しておくと学力はアップせず、また勉強へのモチベーションも大きく下がってしまうでしょう。
つまずきが見られた場合は親がテストや問題集のミスをさかのぼって振り返り、原因を分析してください。何が原因となってつまずいているのか、どうすれば先に進めるのかを分析し、子どもと一緒に改善をしていきましょう。
適切な距離で学習内容を確認する
学年を問わず、勉強のすべてを子どもに任せてしまうのは危険です。子どもによっては学習計画や学習内容、モチベーションを一人で上手くコントロールできず、任せきりにしてしまうと思ったような学習成果は出ません。
低学年の子どもや学習習慣が身についてない子ども、学力に不安がある子どもの場合は親が積極的に関与します。親がやるべきことを示したり、できたことを褒めたりしながら、無理なく勉強を続けられるようになるはずです。
反対に高学年の子どもや学習習慣が身についている子ども、学力が安定している子どもの場合は付きっきりにならず、少し離れた距離から見守ってください。ただし放置ではありません。勉強が終わった後や食事中に勉強内容を尋ねて、しっかりと勉強が進んでいるかどうかをチェックします。困ったことがあれば、その都度フォローをしてください。
親が積極的に褒める
子どもにとって親から褒められることは、何よりもうれしいことです。勉強への大きなモチベーションとなります。ささいなことでも構わないので、親は子どもの勉強に関することを積極的に褒めてあげましょう。
「今日は1時間も勉強してすごいね」「間違えずに計算できるようになったね」「間違ったところがあったけれど、きちんと確認してえらいね」など、ポジティブな声がけをどんどんしてください。
まとめ
小学生の春休み中の理想的な勉強時間は、「学年×15分×2」です。ただし現在の学力や学習習慣が身についているかどうか、中学受験をするかどうかなどによって、必要となる勉強時間は変わってきます。スムーズに新学年の勉強をスタートさせるためには、春休み前に学習計画を立てて、特に1年間の復習に力を入れましょう。理解不十分な点や苦手な分野を克服しておくことで、4月以降の授業内容もしっかり理解できるようになるはずです。
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塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。