塾が開催する冬期講習への参加経験者の中には、「受けない方がいい」と否定的な感想を持つ生徒や保護者も一定数います。一方では「学力が上がった」「勉強習慣が身についた」と、肯定的な意見も少なくありません。冬期講習は行くべきか、行かないべきか、いったいどちらが正しいのでしょうか?今回は塾の冬期講習は受ける意味がないのかどうかについて、メリットやデメリット、講習効果をアップさせるための方法、小学生・中学生・高校生ごとに、おすすめの冬期講習情報などを解説します。
目次
塾の冬期講習は受けない方がいいと言われていることもありますが、受講する意味があるかどうかは、受講する子どもの学力や特徴、勉強の目的などによって変わってきます。そのためすべての小学生・中学生・高校生に、冬期講習が必要となるわけではありません。
受ける意味がない子どもが冬期講習へ参加しても、時間とお金のムダになってしまう可能性があるでしょう。
どのような子どもに受ける意味があるのか、反対に受ける意味がないのかを理解した上で、受講するかどうかを検討することが大切です。
以下の項目に当てはまる子どもは塾の冬期講習へ通うことで、十分な効果が期待できるでしょう。
まずはなぜ冬期講習を受けるのか、その目的がはっきりしている子どもです。
「他の友達に誘われたから、何となく」「親に参加しろといわれたから」など、あいまいな目的で冬期講習へ参加しても、思ったような学習効果は表れません。勉強へのモチベーションが上がらず、また学習ニーズとは違った授業を受ける可能性も高まるためです。
「数学が苦手なので、冬期講習で克服したい」「年明けの入試に向けて、志望校の入試予想問題に取り組みたい」など目的が明確になっていると、講習が意味のあるものになるでしょう。
すでに志望校が決まっている子どもにとっても、冬期講習への参加は意味があります。
中学受験や高校受験、大学受験などで志望校が決まっている場合、多くの子どもは自分にとって必要なこと、冬休み中に取り組まなければいけないことを理解しているはず。
自分の学習ニーズに合った冬期講習を取捨選択できるため、十分な効果を上げられるようになります。
基礎学力に自信がない子どもにも、冬期講習への参加に意味があります。
たとえば中学生や高校生の中には、これまで部活動に力を注いできたために、十分な学習時間を確保できなかったケースもあるのではないでしょうか。
冬期講習によってはこれまでの復習に力を入れているところがあり、講習への参加を通して基礎学力アップへの効果が期待できます。
4つ目は自分一人だけでは勉強ができない子どもです。
勉強は基本的に一人でおこなうものですが、学習習慣が身についていない場合、子ども一人で勉強を続けるのは難しいでしょう。また学習習慣は身についていても、周りに同じように勉強している子どもがいないと、集中できない子どももいます。
冬期講習へ参加をすると、必然的に勉強を強いられます。毎日一定時間、しっかりと集中して勉強に取り組めるようになるはずです。
冬休みは使い方次第で、子どもの学力を効果的にアップできる大切な時間です。生活リズムや学習計画などスケジュール管理が苦手な子どもの場合、貴重な時間がムダに終わってしまう可能性が高くなるでしょう。
冬期講習によっては子どもが抱える課題をふまえて、冬休み中の学習目標やスケジュールを組んでくれるところがあります。提示されたスケジュール通りに勉強を進めていくことで、学力アップにつながります。
高校受験をひかえた中学生向けに、冬期講習のメリットや重要性を紹介している記事もあります。
詳細は以下の記事でご確認ください。
【高校受験】冬期講習に行く?行かない?メリット・重要性について解説
冬期講習へ参加した方が良い子どもが講習を受けなかった場合、以下のようなデメリットが生まれるでしょう。
基礎学力や学習習慣が身についている子どもの場合、自主学習でわからない箇所があっても放置せず、理解できるまで調べたり、誰かに聞いたりします。
反対に基礎学力や学習習慣がないと「調べるのが面倒くさい」と感じ、そのままにしてしまうかもしれません。
しかし勉強は一つひとつの積み重ねのため、わからない箇所を放置するのは危険です。冬期講習へ参加をすると、わからない部分が生じても、その場で講師に確認をして解消できるようになります。
多くの中学受験・高校受験・大学受験では、冬休み明けから本格的な入試がスタートします。そのため受験生にとって冬休みは、追い込みの時期となるでしょう。
追い込みで大切なことの一つが、志望校の傾向に合わせて問題演習をくり返すこと。多くの学習塾では志望校の入試傾向に合わせたカリキュラムを組み、問題演習などをおこないます。
入試傾向や直前の受験対策法を理解していない子どもが冬期講習へ参加をしないと、受験対策が疎かになる可能性が生じます。
冬休みはクリスマスや大晦日、お正月など、子どもにとって楽しいイベントが目白押し。自宅学習のみでは楽しいイベントの誘惑に負けて、まったく勉強しなくなる子どもも少なくありません。
冬期講習へ参加をすると、毎日決まった時間に塾へ行って勉強するようになります。気が緩みがちな冬休み中も勉強を継続し、冬休み後の学習にもつながっていくでしょう。
塾の冬期講習について徹底解説!いつから開始?参加メリットや費用など
冬期講習の効果を2倍、3倍とアップさせるためには、いくつかの方法があります。
まずは先に述べたように、目的を明確にしてから参加する講習を選ぶこと。子どもの学習ニーズとぴったりの講習に参加することで、冬期講習の効果はグンとアップします。
また必要な科目を絞って、ピンポイントで受講することも大切です。冬休みは期間も短いため、「あれもこれも」と欲張って授業を受けるのは得策ではありません。どれも中途半端に終わってしまいます。
「自分で勉強できる科目」と「勉強できない科目」を分けて、必要な科目だけ受講するようにしてください。中学生向けの冬期講習に参加する際の注意点を、以下の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
中学生が通う「冬期講習」を徹底解説!費用やメリット、おすすめ塾も紹介
続いてはジュクセンが厳選した、おすすめの冬期講習情報を小学生・中学生・高校生ごとに紹介します。冬期講習選びの参考にしてください。
小学生向けの冬期講習の目的は主に2つ。中学受験対策と学校の授業理解です。
個別指導と集団指導、どちらの指導スタイルが適しているかは、子どもの性格や特徴によって異なるため、じっくりと検討しておきましょう。ジュクセンがおすすめする、小学生向けの冬期講習を開催している塾は次のとおりです。
【個別指導塾】
・個別教室のトライ
・個別指導WAM
・創英ゼミナール
・明光義塾
・個別指導塾スタンダード
・栄光の個別ビザビ
・城南コベッツ
【集団指導塾】
・早稲田アカデミー
・四谷大塚
・河合塾
こちらで小学生向け冬季講習の概要や費用、おすすめ塾の冬季講習情報を掲載しているので、併せてチェックしてみてください。
中学生が冬期講習を受ける場合、学年ごとの主なポイントと合わせて、個々の目的に合った塾を選ぶことが大切です。
中学1年生~2年生は特にこれまで学習した単元の復習をメインに、そして中学3年生は間近に迫った高校受験の準備として、志望校別の対策ができる冬季講習を選ぶようにしましょう。
中学生向けの冬期講習では、以下の塾がおすすめです。
【個別指導塾】
・個別教室のトライ
・進学個別指導のTOMAS
・個別指導塾スタンダード
・明光義塾
・東京個別指導学院
・城南コベッツ
・個別指導Axis
・栄光の個別ビザビ
【集団指導塾】
・湘南ゼミナール
・早稲田アカデミー
こちらで中学生向け冬季講習の特徴や費用、おすすめ塾の冬季講習情報を掲載しているので、併せてチェックしてみてください。
冬期講習受講を考えている高校生のほとんどは、大学受験を視野にいれているはずです。そのため、志望校に特化した受験対策ができるかどうかもチェックしてみましょう。
高校生向けの冬期講習では、以下の塾がおすすめです。
【個別指導塾】
・大学受験予備校のトライ
・武田塾
・個別教室のトライ
・東京個別指導学院
・個別指導学院フリーステップ
・坪田塾
・大学受験ディアロ
【集団指導塾】
・KEC近畿予備校
・臨海セミナー 大学受験科
・駿台予備学校
・河合塾
・代々木ゼミナール
・四谷学院
・早稲田アカデミー
【映像授業型】
・東進ハイスクール
・河合塾マナビス
こちらで高校生向け冬季講習の特徴や費用、おすすめ塾の冬季講習情報を掲載しているので、併せてチェックしてみてください。
冬期講習は多くの子どもにとってメリットをもたらしますが、中には塾の冬期講習を受けない方がいい子どももいます。
時間と費用がムダになる可能性もあるので、以下に該当する場合は受講するかどうかを慎重に検討してください。
冬期講習に対する目的がはっきりしていない場合、受講をしても意味がないかもしれません。自分の学習ニーズに合わないコースを選んだり、科目を選択したりするため、講習が終了しても思ったような学力アップは期待できないでしょう。
目的を明確にした上で受講する、または目的を明確にできない場合は、思いきって講習を受講しない方が無難です。
自分のペースで学習したい子どもも、冬期講習への参加は合っていない可能性があります。講習によっては通常授業にプラスして、自宅での予習や宿題などを求めるところもあるでしょう。
自分のペースで自宅学習をしたいと思っても、冬期講習の予習や宿題がたくさん課されると、自分が勉強したいことを上手く進められません。
冬期講習へ参加する場合は「苦手な科目を1つだけ受講する」「予習や宿題が課されないかを、申し込み前にチェックする」など、自分のペースを崩さずに受講できる方法を考えてみてください。
塾の冬期講習は「受ける意味がない」といわれることもありますが、意味があるかどうかは、個々のケースによって異なります。
「受講目的がはっきりしている」「すでに志望校が決まっている」「基礎学力に自信がない」といった子どもにとっては、冬期講習が意味のあるものになるはずです。
反対に「目的が明確になっていない」「自分のペースで勉強したい」などの子どもの場合、本当に冬期講習への参加が適しているかどうかを、一度検討してみると良いでしょう。
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