都立高校入試 2024年入試結果アンケートによる学校別の過去問目標点は?
編集部
塾選ジャーナル編集部
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司
都立高校入試を控え、「どの程度の得点を目標にすればいいのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、のべ1,000件以上のアンケートデータを基に、学区別に過去問目標点が高い高校や、その活用方法を具体的に解説します。ぜひ参考にして、志望校合格への対策を万全にしていきましょう。
都立高校入試の得点計算方法は?
都立高校一般入試では、以下の3つの要素を合計した総合点で合否が決まります。
① 内申点(換算内申点)
「主要5教科の内申点」と「技能4教科を2倍した内申点」を基に、以下の計算式で求めます。
(主要5教科の合計+技能4教科の合計×2)÷65×300
具体的な例で計算しましたので、参考にしてみてください。
例: 主要5教科の内申点:国語3、数学4、理科4、社会3、英語5 技能4教科の内申点:音楽4、美術3、保健体育4、技術・家庭5
【1】主要5教科の内申点を合計する 国語3+数学4+理科4+社会3+英語5=19点
【2】技能4教科の内申点合計を2倍にする (音楽4+美術3+保健体育4+技術・家庭5)×2=32点
【3】(【1】+【2】)÷65×300をする (19点+32点)÷65×300=189点
例の場合、内申換算点は189点となります。
② 当日点(5教科の合計点×1.4)
当日の得点を700点満点に換算します。
③ スピーキングテストの得点
A:20点 B:16点 C:12点 D:8点 E:4点 F:0点
過去問目標点の算出方法
本記事で紹介するデータは2024年度都立受検生を対象としたアンケート結果を基にしております。
- 不合格者の最高得点 (自己採点および開示請求)
- 合格者の最低得点 (同上)
これらを比較し過去問の「目標総合点」を算出。 内申点・当日点・スピーキングテストを総合的に加味した合計点を基に、各学区ごとに過去問目標点が高かった高校を紹介していきます。
学区ごとで過去問目標点が高かった高校は?
2024年度都立受験生を対象としたアンケート結果を基に目標総合点を算出し、学区別に過去問目標点が高かった高校を紹介します。
※都立日比谷高校など自校作成校(試験問題を独自で作成する高校)や、独自の傾斜配点があるなど他の高校と得点計算の方法が異なる高校は含まれておりません。
学区 | 高校名 |
---|---|
第1学区 | 都立三田高校 |
第2学区 | 都立駒場高校 |
第3学区 | 都立豊多摩高校 |
第4学区 | 都立竹早高校 |
第5学区 | 都立上野高校 |
第6学区 | 都立城東高校 |
第7学区 | 都立町田高校 |
第8学区 | 都立昭和高校 |
第9学区 | 都立武蔵野北高校 |
第10学区 | 都立調布北高校 |
※アンケート上の高校や合否結果などは、あくまで提供者から送信された自己申告によるデータであり、根拠となる情報(画像や氏名など個人情報)の提出・確認は行っておりません。
※学校ごとの具体的な目標総合点や算出方法、上記以外の学校について知りたい方は、都立合格ドットコム「【特設ページ】合格ラインアンケート2024」をご覧ください。
目標総合点を有効活用!過去問演習の質をあげよう!
目標総合点は、過去のアンケートデータを基にした参考値です。今年度の合格点は変動しますので、あくまで「過去問演習の質」をあげるためにご活用ください。
当日点の目標を具体的に計算
内申点(換算内申点):(主要5教科の内申点合計+技能4教科の内申点合計×2倍)÷65×300で、300点満点に換算。
当日点:5科目合計点を1.4倍して700点満点に換算。
スピーキングテスト:ご自身のスピーキングテストの成績、ここではB評価の16点を想定。
例:A高校(878点)を内申点58(267点)の人が目指す場合、スピーキングテスト16点を引くと、当日点の目標は 595点(700点満点換算) となります。これを1科目あたりに換算すると、1教科85点が必要という計算になります。
足りない点数を問題数に置き換え、改善する科目を明確にしよう
足りない点数を具体的な問題数に置き換え、改善すべき分野を明確にしてください。過去問をやった日付、年度、科目ごとの点数を記録することで、必要当日点との比較がしやすくなります。「何点分足りないか」ではなく「何問分足りないか」を知ることがポイントです!
例:数学の目標点が85点、実際の得点が75点の場合、「あと10点」ではなく「ミスした2問分」というように置き換えるようにしましょう。
「何問分足りないか」が明確になることで「この問題はミスしないようにしよう」「この分野に着手できていなかった」など改善点を見つけやすくなります。
自校作成校の対策:内申点が低い場合の戦略
内申点が低いと、自校作成校(試験問題を独自で作成する高校)への合格は難しいのでしょうか?実は、内申点が足りなくても、当日点で巻き返せる可能性があります。
自校作成校は国語・数学・英語の難易度が高い傾向にあり、上位層でも得点が頭打ちとなる場合があります。内申点に不安がある場合は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。
・国語/数学/英語では平均点以上を目指し、内申点の不足をカバー
・理科/社会で8~9割の得点を目指し高内申生に負けない
これらのポイントが合否を分ける鍵となります。
まとめ
記事で紹介したデータを参考に、ぜひ過去問演習の質を上げてください。保護者の方は温かく見守り、受験生本人が主体的に学習を進めることが大切です。
➤詳しい内容は以下の参考動画もチェック!
※参考動画:【都立入試】合格目標ボーダー2024
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
執筆者プロフィール
塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。