内申点とは?高校受験への影響・決まり方・上げ方を塾講師監修でわかりやすく解説
中学に入ると内申点が重要って聞くけれど、通知表の成績とは違うものなのか、そもそも何を指しているのか、はっきり分からない人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、内申点は9教科の通知表の成績をもとに算出され、テストの点数だけでなく日々の授業態度や提出物も影響する、高校受験における重要な持ち点です。
この記事では、内申点の基本的な仕組みから自分の内申点の確認方法、高校受験への影響、対象となる学年、そして今日から始められる上げ方まで、塾講師のアドバイスを交えて解説します。読み終える頃には、お子さんの内申点を正しく理解し、次に何をすべきかが分かります。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
若井雄司
海城高校から早稲田大学理工学部に入学。卒業後は大手ゼネコン勤務を経て進学塾の講師となる。多くの家庭と接点をもつ中で、生活環境や親子関係が学力へ及ぼす影響を痛感し、地域の教育を支えたいという熱い想いから独立。2017年にダーウィン進学教室を設立。学生時代から続けているブレイクダンスで世界1位となった経験を持つ。愛車はLEXUSで二児の父。監修書籍『最強の内申対策 中学実技(シグマベスト)』
目次
内申点とは?基本をわかりやすく解説

内申点は、高校入試で合否判定の材料として使われる点数です。そのもとになるのが、中学校の9教科につけられる「評定」と呼ばれる評価です。
内申点は9教科の評定がもと
内申点のもとになる「評定」は、中学校の9教科それぞれに、1〜5の5段階でつけられる評価です。対象になるのは、国語・数学・英語・理科・社会という主要5教科だけではありません。音楽・美術・保健体育・技術家庭という実技4教科も、同じように評定がつけられます。

各教科の評定は5点満点で、9教科分を合計すると45点満点になります。この評定は、定期テストの点数だけでなく、課題の提出状況や授業中の取り組み方なども含めて総合的に決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象教科 | 主要5教科(国語・数学・英語・理科・社会)+実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭) |
| 評価の段階 | 1〜5の5段階(1教科5点満点) |
| 満点の目安 | 9教科×5点=45点満点(基本の考え方) |
| 評価される内容 | 定期テストの点数、課題・提出物、授業中の取り組み方など |
副教科だからといって軽視してしまうと、内申点全体に影響が出ることがあります。
内申点は学校生活すべてにつく漠然とした点数ではなく、教科ごとの評定の積み重ねです。
なぜ内申点はそんなに重要なの?
高校入試の多くは、入試当日の「学力検査(テストの点数)」と「内申点」を合わせて合否が判定されます。つまり、どれだけ入試本番で高得点を取れても、内申点が低いとそれだけで不利になってしまう可能性があるのです。
逆に、内申点をしっかり積み上げておけば、入試当日にプレッシャーがかかる場面でも、多少の失点をカバーできる余地が生まれます。内申点は「今日から少しずつ積み上げられる、もう一つの得点源」と捉えると分かりやすいでしょう。
なお、内申点がどのくらいの比重で使われるかは、公立・私立や入試方式によって異なります。詳しくは後述の「内申点は入試方式でどう変わる?」で解説します。
内申点は何点満点?
内申点の満点について調べると、記事によって書かれている数字が違い、戸惑った方もいるかもしれません。
基本となるのは、9教科×5段階の45点満点です。ただし、実際の高校入試では、この45点がそのまま使われるわけではありません。都道府県ごとに定められた計算方法によって、65点満点や135点満点など、別の点数に換算される場合があります。
つまり、45点というのはあくまで基本の考え方であり、実際の入試で使われる満点は地域によって異なるということです。ご自身の地域での具体的な計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
内申点・評定・通知表の違い
内申点について調べていると、「評定」「通知表」という似た言葉が次々に出てきて混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
この3つの言葉が指すものを、以下の表で整理しました。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 評定 | 各教科につけられる1〜5の評価そのもの |
| 通知表 | 評定などの成績を、学期ごとに生徒・保護者へ知らせる書類 |
| 内申点 | 評定をもとに、高校入試で使うために算出される点数 |
評定がすべての土台になっており、それを保護者や生徒に伝えるのが通知表、高校入試で使うために換算したものが内申点、という流れです。
なお、内申点や生活態度などが高校へ伝えられる書類は「内申書(調査書)」と呼ばれます。内申書の詳しい記載内容については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
内申点はどう決まる?

各教科の評定は、以下の3つの観点別評価をもとに総合的に決まります。
評定を決める3つの観点
| 観点 | 見られるポイント |
|---|---|
| 知識・技能 | 基本的な知識や技能が身についているか |
| 思考・判断・表現 | 知識を活用し、自分の言葉で考え表現できるか |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 粘り強く学習に取り組み、自ら改善しようとしているか |
評定は単なるテストの点数ではなく、3つの側面から総合的に判断されています。
「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数や先生への印象だけで決まるものではなく、学習に粘り強く取り組み、自分で工夫や改善を重ねる姿勢そのものが評価の軸になっています。
何点取れば「4」「5」?
「テスト何点で4になる、90点で5になる」という全国共通の基準はありません。
これは、評定がテストの点数だけでなく、先ほどの3つの観点をもとに総合的に判断されるためです。定期テストで高得点を取っていても、他の観点の評価が伴わなければ、期待した評定にならないことがあります。
点数だけを追いかけるのではなく、3つの観点それぞれをどう伸ばすかという視点を持つことが大切です。
高得点でも評定が低い理由
定期テストで80点、90点を取っていても、評定が3や4になることはあります。
テストの総得点だけでは、3つの観点それぞれの評価までは判断できません。総得点が高くても、記述・説明など特定の観点で改善の余地がある場合があります。例えば、知識を問う問題は得点できていても、考えを自分の言葉でまとめる記述問題や、日頃の提出物・振り返りの内容で評価が伸びきっていないケースが考えられます。
一つの原因と評定を直接結びつけるのではなく、複数の評価材料を総合して評定が決まっているという前提を持っておきましょう。
通知表から改善点を見つける
通知表を見る際には、評定の数字だけでなく観点別評価にも目を向けることが重要です。
知識・技能が低い場合は基礎の理解や定着に、思考・判断・表現が低い場合は記述問題や活用問題への取り組みに、主体的に学習に取り組む態度が低い場合は振り返りや学習の工夫に、それぞれ課題があると考えられます。
通知表は「結果を知らせるための書類」であると同時に、「次に何を改善すればよいかを教えてくれる資料」でもあります。数字だけを見て一喜一憂するのではなく、観点別評価まで確認する習慣をつけることが、内申点を理解する出発点になります。
具体的にどう行動すればよいかは、後述の「内申点を上げる方法」で詳しく解説します。
若井先生のアドバイス
内申を上げるための行動は、「何でもできる優等生になれ」ということではありません。自分の興味関心や向上心、努力を内部に留めておくのではなく、学習の過程や、自分なりに工夫・改善したことを具体的に表すことが大切です。
自分の内申点を確認しよう

まずは内申点のもとになる、9教科の評定合計を確認しましょう。
9教科の評定を合計する
通知表に記載されている9教科の評定を、単純に合計してみます。
例えば、国語4・数学3・英語4・理科3・社会3・音楽3・美術4・保健体育3・技術家庭4という評定だった場合、45点満点のうち31点が、9教科の評定合計です。
この合計値は、あくまで45点満点における基礎的な把握のためのものであり、実際の入試で使われる点数とは異なる場合があることに注意しておきましょう。都道府県ごとの詳しい換算方法は、後述の内申点計算方法の記事をご参照ください。
オール3・オール4は何点?
「オール3だと何点?」という疑問も多く寄せられます。
9教科すべてが同じ評定だった場合の合計点は、以下の通りです。
| 評定 | 9教科合計(45点満点) |
|---|---|
| オール3 | 27点 |
| オール4 | 36点 |
| オール5 | 45点 |
ただし、27点だから「平均」「安全圏」という意味ではありません。仮に「4が3教科、3が6教科」であれば合計30点になるように、実際は教科ごとにばらつきがあるのが一般的です。
なお、評定と偏差値の関係については、「オール3で偏差値40〜45程度」「オール4で偏差値50前後」といった目安を紹介する情報もありますが、地域の内申点計算方法や学校ごとの評定のつけ方によって差が大きく、全国共通の対応表があるわけではありません。あくまで大まかな傾向として捉え、実際の可能性は志望校の合格実績などとあわせて確認することをおすすめします。
内申点は都道府県で扱いが変わる
自分の評定合計がわかったところで、注意しておきたいのが、実際の入試ではこの45点満点の数字がそのまま使われるわけではないという点です。
内申点は、都道府県の教育委員会がそれぞれ独自に定めたルールに従って、別の点数に換算されます。具体的には、「何年生の成績を対象にするか」「実技教科の評定を何倍にするか」「最終的に何点満点にするか」が地域によって大きく異なります。
例えば、次のように同じ「評定」でも扱いはまったく異なります。
| 都道府県 | 対象学年 | 計算方法・満点 |
|---|---|---|
| 東京都 | 中3のみ | 主要5教科+実技4教科×2=65点満点 |
| 神奈川県 | 中2〜中3 | 中2の評定+中3の評定×2=135点満点 |
同じ「オール3(27点)」でも、都道府県によって最終的な内申点の数字も、入試における重みも変わってくるということです。
47都道府県すべての計算方法・対象学年の一覧は、以下の記事で詳しく解説しています。
内申点は入試方式でどう変わる?

多くの公立高校入試では、学力検査や内申点などをもとに合否が判定されます。
公立入試での内申点の使われ方
面接や作文など、他の資料をあわせて選考する高校もあります。
配点の割合や計算方法は都道府県や高校、入試方式によって異なります。「内申点は合否の何割」という全国共通の数字は存在しないため、志望校の入試要項で個別に確認する必要があります。
推薦・一般・私立でどう違う?
入試方式によって、内申点の役割は大きく異なります。
| 入試方式 | 内申点の役割 |
|---|---|
| 公立高校(一般) | 学力検査などとあわせて選考資料として使われる |
| 公立高校(推薦・特色選抜等) | 調査書や面接など複数の資料を使って選考される場合がある |
| 私立高校 | 推薦・併願制度などで内申基準が設けられる場合がある |
一般入試では学力検査と組み合わせて使われる一方、推薦入試や私立入試では内申点そのものが選考条件の一部になる場合があります。ただし、これも高校や制度によって異なるため、志望校ごとの確認が欠かせません。
部活動・生徒会活動は内申点に入る?
部活動の実績や生徒会活動そのものが、9教科の評定に直接加点されるわけではありません。ただし、内申書(調査書)には「活動の記録」という項目があり、部活動の成果や生徒会・委員会活動などが記載されます。
この「活動の記録」は、特に推薦入試や一部の高校の選考で参考にされることがあります。ただし、扱いは高校や入試方式によって異なるため、部活動の実績だけで大きく有利になると考えるのではなく、まずは9教科の評定を着実に積み上げることを優先しましょう。
内申書に記載される内容の詳細は、以下の記事で解説しています。
内申点を上げる方法

内申点を上げるための第一歩は、ただ「テストを頑張る」ことではなく、自分がどの観点で評価を落としているかを踏まえて対策を変えることです。
3つの観点を意識する
前述の通知表の見方を踏まえ、知識・技能が弱いのか、思考・判断・表現が弱いのか、主体的に学習に取り組む態度が弱いのかによって、取るべき行動は異なります。
提出物は振り返りまで行う
提出物に振り返り欄がある場合は、正解を書くだけで終わらせず、「なぜ間違えたのか」「次はどう改善するか」まで考えることが大切です。
若井先生のアドバイス
提出するワークを自己採点する場合、赤字で正解を書くだけではなく、なぜ間違えたのか、どう考えるべきだったか、ポイントは何かなど、振り返って分かったことまで書き込むことをおすすめします。学習の過程や改善点も整理しやすくなります。
これは、先生に見せるための工夫というより、自分の理解を整理し直すための振り返りそのものが、学習の質を高めることにつながるためです。
先生に改善点を確認する
評定や提出物の評価に疑問がある場合は、「次に評価を上げるには、何を改善すればよいですか」と具体的に確認してみるのも一つの方法です。
これは、良い印象を与えるためではなく、自分に足りない評価ポイントを具体的に知るための行動です。
若井先生のアドバイス
提出したレポートや作品にAがついた場合、「次にSを取るには、どこを改善すればよいですか」と確認すると、次の提出物や作品で何を変えればよいかが明確になります。
実技4教科も対策する
音楽・美術・保健体育・技術家庭といった実技4教科も、主要5教科と同じように5段階評定の対象です。地域によっては、実技教科の評定を高い倍率で換算する場合もあります。
実技が苦手だと感じていても、筆記テストの対策、作品やレポートの丁寧な提出、振り返りの充実など、できる対策は複数あります。
若井先生のアドバイス
実技が苦手な場合は、「どこをどう改善すればよいですか」と先生に確認してみましょう。具体的な改善点が分かれば、次の実技や作品づくりに生かせます。
内申点が低いときの対処法

内申点が低いと感じたとき、まず確認したいのは合計点そのものではなく、通知表の観点別評価です。
内申点が低いと不利になる?
内申点が低いと不利になる場面があるのは事実ですが、それがそのまま不合格を意味するわけではありません。
内申点が低いから終わり、と数字だけで判断するのではなく、志望校での内申点の比重と、学力検査など他の選考資料とのバランスを確認することが大切です。
志望校での比重を確認する
内申点が低いと感じても、それがどの程度不利に働くかは、志望校での内申点の使われ方次第です。
志望校の入試方式によって内申点の比重は異なるため、内申点の数字だけを見て一喜一憂するのではなく、志望校での扱いを確認したうえで対策の優先順位を考えることが大切です。
改善ポイントを1つ決める
「全部を一気に頑張ろう」とすると、かえって行動に移しにくくなります。
次の定期テストの基本問題、記述問題の練習、提出物の振り返り、実技教科の対策など、いくつかの選択肢の中から、まずは優先度の高い改善ポイントを1〜2個に絞って取り組むことをおすすめします。
若井先生のアドバイス
「内申点が低い」と相談を受けたとき、まず確認するのは合計点ではなく、教科ごとの評定や観点別評価です。テストの得点が原因なのか、記述や提出物など別の部分が原因なのかによって、必要な対策はまったく変わってきます。
内申点・高校受験に関するよくある質問

Q. 1学期の成績が悪くても2学期で挽回できる?
A. 内申書に書かれる「学年評定」は、1学期・2学期(・3学期)の成績を総合して決定されます。1学期の評価が思わしくなかった場合でも、2学期以降の授業態度・提出物・定期テストの結果次第で、学年評定を上げられる可能性は十分にあります。
Q. 転校すると内申点はどうなる?
A. 転校前の成績は「指導要録」として転校先の学校に引き継がれますが、それを高校受験の内申点としてどう扱うかは自治体や志望校のルールによって異なります。
一般的に中1・中2での転校は影響が比較的小さく、転校後の学校での評価が中心になりますが、中3での転校は評価期間が短くなるなど影響が大きくなりやすいため、転校先の学校・教育委員会に早めに確認しておくと安心です。
Q. 私立高校を受験する時でも内申点は関係ある?
A. 私立高校の入試方式によって扱いが大きく異なります。当日の試験結果のみで合否が決まる「オープン入試」では内申点は考慮されない一方、推薦入試や併願優遇(併願確約)制度では「評定平均◯以上」といった内申基準が出願条件になっているケースが多く、内申点が合否を左右します。
同じ私立高校でも入試方式ごとに扱いが違うため、志望校の入試要項を必ず確認しましょう。詳しくは以下の記事もご覧ください。
まとめ 内申点は評価の理由を知ることが大切

内申点のもとになる評定は、テストの点数だけではなく、3つの観点をもとに総合的に決まります。
内申点対策の近道は、なんとなく頑張ることではありません。まずは通知表の評定と観点別評価を確認し、「なぜ今の評価なのか」「何を改善すべきなのか」を知ることから始めましょう。そのうえで志望校での内申点の扱いを確認し、改善すべきポイントを1〜2個に絞って行動に移すことが、着実な一歩につながります。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
海城高校から早稲田大学理工学部に入学。卒業後は大手ゼネコン勤務を経て進学塾の講師となる。多くの家庭と接点をもつ中で、生活環境や親子関係が学力へ及ぼす影響を痛感し、地域の教育を支えたいという熱い想いから独立。2017年にダーウィン進学教室を設立。学生時代から続けているブレイクダンスで世界1位となった経験を持つ。愛車はLEXUSで二児の父。監修書籍『最強の内申対策 中学実技(シグマベスト)』
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