ビブリオバトルのコツ!中学生・高校生向けに本選びから原稿テンプレートまで解説
ビブリオバトルで何を話せばいいのか、どんな本を選べばいいのか迷っていませんか。ビブリオバトルは、ただ本のあらすじを紹介する発表ではありません。聞き手に「この本を読んでみたい」と思ってもらうことが、発表の本当のゴールです。
でも、そのために何を準備すればいいのか、原稿はどう書けばいいのか、3分や5分にどうまとめればいいのかと、不安に感じている人は多いのではないでしょうか。人前で話すのが苦手な人や、できればチャンプ本に選ばれたいと思っている人もいるかもしれません。
この記事では、中学生・高校生向けに、ビブリオバトルのコツを本選びから発表構成・原稿テンプレート・学年別の発表例・やりがちなNGパターンまで具体的に解説します。型に沿って準備すれば、人前で話すのが苦手な人でも発表しやすくなります。ぜひ最後まで読んで、自分だけの発表を作り上げてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
そもそもビブリオバトルとは?

ビブリオバトルのコツを理解するために、まず基本的な仕組みを押さえておきましょう。ルールを知っておくと、何を意識して準備すればいいかがわかりやすくなります。
あらすじ紹介ではなく「一番読みたい本」を決めるゲーム

ビブリオバトルは、参加者それぞれが好きな本・おすすめしたい本を発表し合うゲームです。発表時間は一般的に5分で、発表後には2〜3分の質問タイムがあります。学校で行う場合は3分に短縮されていることも多いです。全員の発表が終わったあと、「一番読みたくなった本」に投票し、最も票を集めた本が「チャンプ本」になります。
勝敗の基準は「本の内容の良し悪し」ではなく、「どれだけ読みたいと思わせたか」です。
だからこそ、あらすじを全部説明する必要はありません。聞き手が「続きが気になる」「自分も読んでみたい」と思えるような紹介が、ビブリオバトルでは理想的です。
大切なのは上手に話すことより「自分の言葉」で伝えること
「人前で話すのが苦手だから、うまく発表できるか不安」と感じている人もいるかもしれません。しかし、ビブリオバトルで大切なのは、話し方の上手さではありません。
きれいな言葉を使わなくても、原稿を完璧に読み上げなくても大丈夫です。「なぜこの本をすすめたいのか」という理由がはっきりしていれば、それは聞き手に届きます。
自分が本当に面白いと思った理由を、自分の言葉で話すことが、何より大切なコツです。
緊張していても、伝えたいことがはっきりしていれば発表は伝わります。まず「自分はなぜこの本が好きなのか」を言葉にするところから始めてみましょう。
ビブリオバトルで紹介する本の選び方

ビブリオバトルの発表のしやすさは、本選びで大きく変わります。有名な本や難しい本を選ぶ必要はありません。自分が本当に話したいと思える本を選ぶことが、よい発表への第一歩です。
以下のチェックリストを参考に、自分の本を選んでみましょう。
- 自分が本当に面白いと思ったか
- 友達にすすめたい理由があるか
- あらすじを30秒〜1分で説明できるか
- 好きな場面を1つ選べるか
- ネタバレなしで魅力を伝えられるか
- 読んでほしい人を具体的に言えるか
6項目すべてに「できる」と答えられる本は、ビブリオバトルに向いています。1〜2項目に自信がなくても、準備次第でカバーできることがほとんどです。
自分が本当に面白いと思った本を選ぶ
本選びで最も大切な基準は、自分が心から面白いと思えるかどうかです。読書感想文向きの難しい本を選ぶ必要はありません。漫画やイラスト付きの本でも、「友達にすすめたい」と思える本であれば、どんな本でも構いません。
自分が面白いと思っていない本は、発表の熱量が聞き手に伝わりにくくなります。好きな理由をスラスラ話せる本を選ぶと、原稿も作りやすくなります。
「なぜこの本が好きなのか」を自分の言葉で説明できる本こそ、ビブリオバトルに向いている本です。
あらすじを短く説明できる本を選ぶ
発表時間は3分か5分と限られています。あらすじが複雑すぎる本は、説明だけで時間を使い切ってしまいます。登場人物や設定を一言で説明できる本は、紹介がしやすいです。特に3分発表では、あらすじはできるだけシンプルに済ませることが重要です。
あらすじより「この本の魅力」を話す時間を残すことが、発表のクオリティを上げるポイントです。
「主人公が〇〇という問題に直面する話です」と一言で言えるくらいシンプルな本を選ぶと、発表の組み立てがしやすくなります。
ネタバレしないと魅力が伝わらない本は避ける
結末を話さないと面白さが伝わらない本は、ビブリオバトルでは発表が難しくなります。特にミステリーや叙述トリック系の作品はネタバレに注意が必要です。「この先どうなるのか気になる」と聞き手に思わせるところで止めることが、ビブリオバトルの発表では重要です。
結末ではなく、設定・登場人物・テーマ・雰囲気で魅力を伝えることを意識しましょう。
「どんな人物が登場するのか」「どんな世界観なのか」「読んでどんな気持ちになったか」を軸に話せば、ネタバレなしでも十分に魅力は伝えられます。
ビブリオバトルの基本構成|3分・5分の時間配分と穴埋めテンプレ

「何をどの順番で話せばいいかわからない」という人は多いです。まずは全学年共通の基本の型を覚えて、そのあとに3分・5分それぞれの構成に当てはめていきましょう。
発表に必要な5つの要素(理由・あらすじ・魅力・感想・おすすめ)
ビブリオバトルの発表には、共通して入れておきたい5つの要素があります。発表に入れるべき5つの要素を以下の表で確認しましょう。
ビブリオバトルの発表に必要な5つの要素
| 順番 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 本を選んだ理由 | なぜこの本にしたかを一言で |
| ② | あらすじ | 簡潔に。設定と登場人物を中心に |
| ③ | 一番伝えたい魅力 | 好きな場面や言葉と合わせて |
| ④ | 自分の感想 | 読んでどう感じたか、自分の言葉で |
| ⑤ | おすすめしたい人 | どんな人に読んでほしいかを具体的に |
この5つを順番に話すだけで、発表の形が整います。特別なことを言おうとしなくても、この構成に沿って準備すれば、聞き手に伝わる発表ができます。
3分発表の時間配分と【穴埋めだけ】原稿テンプレート
3分発表では、話す内容を絞ることが最大のポイントです。あれもこれも詰め込もうとすると、時間が足りなくなります。3分発表の時間配分と文字数の目安を確認しましょう。
ビブリオバトル3分発表の時間配分
| 時間 | 内容 | 文字数目安 |
|---|---|---|
| 0:00〜0:30 | タイトル・選んだ理由 | 約100字 |
| 0:30〜1:10 | あらすじ | 約150字 |
| 1:10〜2:20 | 一番伝えたい魅力 | 約250字 |
| 2:20〜3:00 | 感想・おすすめしたい人 | 約150字 |
全体の文字数目安は650字程度です。魅力を伝える時間が最も長くなるように配分することが、3分発表のコツです。あらすじは40秒以内に収め、残りの時間を「魅力を伝えること」に使いましょう。
以下は、3分発表で使える穴埋め式原稿テンプレートです。空欄に自分の言葉を入れるだけで原稿の骨格ができます。
ビブリオバトル3分発表のテンプレート
私が紹介する本は『___』です。この本を選んだ理由は、___だからです。
あらすじを簡単に説明すると、___という話です。主人公の___が、___という状況に置かれます。
私が一番魅力だと思ったのは、___です。特に___の場面では、___と感じました。
この場面を読んで、___と思いました。この本は、___な人におすすめです。ぜひ読んでみてください。
【例文】3分用テンプレートを実際に使うとこうなる(小説編)
テンプレートに言葉を当てはめると、どんな発表になるのかを確認しましょう。以下は『かがみの孤城』(辻村深月著・ポプラ社)を使った例文です。
ビブリオバトル3分発表の例
私が紹介する本は『かがみの孤城』です。この本を選んだ理由は、友達にすすめられて読んだら自分も誰かに話したくなったからです。
あらすじを簡単に説明すると、学校に行けなくなった中学生の主人公が、ある日突然鏡の中の不思議な城に招かれる話です。
主人公のこころが、同じような事情を抱えた7人の子どもたちと出会います。私が一番魅力だと思ったのは、登場人物たちがお互いの事情を少しずつ打ち明けていく場面です。特に、みんながそれぞれ違う理由で学校に来られないのだと知る場面が、すごく胸に刺さりました。この場面を読んで、「誰にでも話せない理由がある」ということを改めて考えさせられました。
この本は、学校のことで悩んでいる人や、誰かにわかってほしいと思っている人におすすめです。ぜひ読んでみてください。
この例文のように、テンプレートの空欄を自分の本に置き換えるだけで、発表の形が整います。難しい表現を使わなくても、気持ちが伝わる発表になっています。
5分発表の時間配分と【穴埋めだけ】原稿テンプレート
5分発表では、3分発表より魅力や感想を深く話すことができます。魅力を2〜3個紹介したり、自分の体験や考えを加えたりする余裕が生まれます。5分発表の時間配分と文字数の目安を確認しましょう。
ビブリオバトル5分発表の時間配分
| 時間 | 内容 | 文字数目安 |
|---|---|---|
| 0:00〜1:00 | タイトル・選んだ理由・聞き手への問いかけ | 約200字 |
| 1:00〜2:00 | あらすじ | 約250字 |
| 2:00〜4:00 | 魅力を2〜3個紹介 | 約500字 |
| 4:00〜5:00 | 感想・読んでほしい人・締め | 約250字 |
全体の文字数目安は1,200字程度です。5分発表では、最後に「印象に残る一言」で締めると、聞き手の記憶に残りやすくなります。
以下は、5分発表で使える穴埋め式原稿テンプレートです。
ビブリオバトル5分発表のテンプレート
私が紹介する本は『___』です。突然ですが、___と感じたことはありますか?この本は、そんな___という気持ちに答えてくれる一冊です。
この本を選んだ理由は、___だからです。あらすじを説明すると、___という話です。主人公の___が___という状況に置かれ、___していく様子が描かれています。登場人物の中で特に印象的なのは___で、___という人物です。
この本の魅力は、大きく2つあります。1つ目は___です。特に___の場面では、___と感じました。2つ目は___です。___という部分が、自分の___という経験と重なりました。この本を読んで、私は___と思うようになりました。___な人には、特に読んでほしい一冊です。___(本や読後の気持ちに関する印象的な一言で締める)
【例文】5分用テンプレートを実際に使うとこうなる(エッセイ編)
5分用テンプレートに言葉を当てはめた例文を確認しましょう。以下は『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル著・池田香代子訳・みすず書房)を使った例文です。
ビブリオバトル5分発表の例
私が紹介する本は『夜と霧』です。突然ですが、「どんなにつらい状況でも、人は前を向けるのだろうか」と考えたことはありますか?この本は、そんな問いに一つの答えをくれる一冊です。
この本を選んだ理由は、「生きる意味」について真剣に考えたくなったからです。あらすじを説明すると、第二次世界大戦中に強制収容所へ送られた精神科医が、極限状態での人間の姿を記録したノンフィクションです。著者のヴィクトール・フランクルが、絶望的な環境の中でも尊厳を失わなかった人々の姿を、淡々とした文章で描いています。登場人物の中で特に印象的なのは著者自身で、どんな状況でも意味を見出そうとし続けた人物です。
この本の魅力は、大きく2つあります。1つ目は、苦しみの中にこそ生きる意味があるという考え方です。特に、収容所の中で夕焼けを見て感動する場面では、人間の強さに胸を打たれました。
2つ目は、自分の経験と重なる部分があることです。うまくいかないことが続いていたとき、この本を読んで「どんな状況でも自分の受け取り方は選べる」と思えるようになりました。この本を読んで、私は「つらいときこそ、何かに意味を見つけようとすることが大切だ」と思うようになりました。将来や自分の生き方について考えることが多い人には、特に読んでほしい一冊です。読み終えたあと、きっと自分の「当たり前」が少し変わります。
この例文のように、5分発表では自分の経験や考えの変化を入れることで、発表に深みが生まれます。テンプレートの空欄を埋めたあとは、自分らしい言葉に少しずつ直していきましょう。
【小説以外・自分流】型にはまらない「構成メモ」フレーム

テンプレートはあくまで「型」のひとつです。小説以外の本を選んだ人や、作文風の文体が合わないと感じる人は、キーワードをメモする形式のフレームを使ってみましょう。
実用書・漫画・図鑑を紹介したい人は「4つの箱」を埋めよう
小説以外の本(実用書・漫画・図鑑・エッセイなど)は、あらすじや登場人物という概念がなじまないことがあります。そういった本には、一言一句指定のテンプレートより、「4つの箱」を埋めるフレームが使いやすいです。4つの箱に入れるキーワードを以下の表で確認しましょう。
| 箱 | 内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 箱1:タイトルと理由 | 本のタイトルと選んだ理由 | 『___』を選んだ。理由は___ |
| 箱2:どんな本? | 一言で言うとどんな内容か | ___について書いてある本 |
| 箱3:ここを語りたい | 一番伝えたい魅力・場面・データ | ___というところが面白かった |
| 箱4:まとめ | 読んでほしい人・締めの一言 | ___な人におすすめ |
小説以外の本でも、この4つの箱を埋めれば発表の骨格が完成します。あとは箱の中のキーワードをつなげて話すだけでよいです。一字一句覚えようとせず、箱を見ながら自分の言葉で話すことで、自然な発表になります。
3分・5分の「構成メモ」枠(キーワード記入用)
4つの箱を、3分・5分それぞれの時間配分に合わせて使う場合の目安を確認しましょう。
3分発表の構成メモ枠は以下のとおりです。
- 【箱1:タイトルと理由】(約30秒)
本のタイトル:『___』
選んだ理由のキーワード:___ - 【箱2:どんな本?】(約40秒)
一言で言うと:___
特徴・ジャンル:___ - 【箱3:ここを語りたい】(約1分10秒)
一番伝えたい魅力:___
具体的な場面・データ・セリフ:___
そのときに感じたこと:___ - 【箱4:まとめ】(約40秒)
読んでほしい人:___な人
締めの一言:___
5分発表の構成メモ枠は以下のとおりです。
- 【箱1:タイトルと理由】(約1分)
本のタイトル:『___』
聞き手への問いかけ:___と感じたことはありますか?
選んだ理由のキーワード:___ - 【箱2:どんな本?】
(約1分)一言で言うと:___
特徴・ジャンル・著者について:___ - 【箱3:ここを語りたい①②】(約2分)
魅力その1:___
具体的な場面・データ・セリフ:___
魅力その2:___
自分の経験・考えとのつながり:___ - 【箱4:まとめ】(約1分)
読んでほしい人:___な人
自分の変化・気づき:___
締めの一言:___
このメモ枠はノートに書き写して、発表練習のときに手元に置いて使いましょう。キーワードだけ見ながら話すことで、原稿を棒読みせずに自然な発表ができます。
テンプレートの空欄がスラスラ埋まる!原稿作成3つの思考ステップ

テンプレートを前にして「何を書けばいいかわからない」と手が止まってしまう人は多いです。ここでは、空欄を埋めるための考え方を3つのステップで解説します。順番に取り組むことで、原稿の材料が自然と集まってきます。
ステップ1:「一番好きな場面」を1つだけ選ぶ(魅力の絞り方)
テンプレートの空欄が埋まらない最大の原因は、「あれもこれも伝えたい」と欲張りすぎることです。まず、自分が一番心が動いた場面・セリフ・データをたった1つだけ選びましょう。
好きな場面が複数あっても、発表で話すのは1つで十分です。3分発表では特に、魅力を1つに絞ることが発表をまとめる鍵になります。
「この本で一番好きな場面はどこか」という問いに即答できるものが、発表の核になります。1つ選んだら、「なぜその場面が好きなのか」を一言メモしておきましょう。そのメモがそのままテンプレートの「感じたこと」の欄に使えます。
ステップ2:友達にLINEする言葉で書いてみる(言葉の崩し方)
テンプレートに文章を書こうとすると、つい作文風の硬い表現になりがちです。しかし、ビブリオバトルは作文の発表ではありません。以下のように、硬い表現を自分の言葉に崩してみましょう。
| NG例(硬すぎる) | OK例(自分の言葉) |
|---|---|
| 主人公の心情の変化に感銘を受けました | 主人公が変わっていく様子に、なんか泣きそうになった |
| この作品は現代社会の問題を鋭く描いています | 読んでて「あ、これ自分のことだ」って思った |
| 非常に示唆に富んだ内容でした | 読み終わったあと、しばらく頭から離れなかった |
「友達にLINEで本をすすめるとしたら、なんて送る?」と自問してみると、自分らしい言葉が出てきます。硬い表現より、自分が実際に感じた言葉の方が聞き手に届きます。一度書いた文章を声に出してみて、不自然に感じたら友達に話すような言葉に直しましょう。
ステップ3:「読む前と読んだ後」を比べる(感想の深め方)
「面白かったです」で終わってしまう感想を深めるには、読む前と読んだ後を比べる「ビフォーアフターの型」が有効です。以下の流れで考えてみましょう。
【読む前】この本を読む前、自分は___と思っていた。(または)___という悩みがあった。 【読んだ後】でも読み終わったあと、___と思うようになった。(または)___ということに気づいた。
たとえば「読む前は、努力すれば必ず報われると思っていた。でも読んだあと、結果より過程に意味があると感じるようになった」という形です。
「読む前と後で何が変わったか」を一言で言えるようになると、発表の締めが自然と決まります。この型は5分発表の「自分の変化」を書く欄にそのまま使えます。3分発表でも、感想の一文としてコンパクトに入れることができます。
学年別|中学生・高校生がビブリオバトルで入れるとよい内容

ビブリオバトルの基本構成は学年に関係なく共通です。ただし、中学生と高校生では、発表に加えると効果的な内容が少し変わってきます。ベースとなる型に、学年に合った要素をプラスしていきましょう。
中学生は「自分がどう思ったか」を素直に言葉にする
中学生がビブリオバトルで意識したいのは、難しく見せようとしないことです。難しい言葉を使ったり、気の利いた表現をしようとしたりする必要はありません。
「びっくりした」「ここが好き」「続きが気になった」という素直な感想を、友達に教える感覚でそのまま出すことが、中学生の発表の強みになります。あらすじは短めにして、好きな場面を1つ具体的に話す時間をしっかり確保しましょう。
「難しいことを言わなきゃ」と思わず、自分が感じたことをそのまま言葉にすることが、中学生の発表の一番の武器です。
高校生は「本から学んだこと・自分の変化」を言葉にする
高校生の発表では、中学生の発表にさらに「深み」を加えることを意識しましょう。深みとは、難しい言葉を使うことではありません。本のテーマや登場人物の考え方について、自分なりの言葉で話すことです。
本を選んだ理由に自分の関心や問題意識を入れると、発表に厚みが出ます。ステップ3で紹介した「ビフォーアフターの型」を使って、読む前と読んだ後で自分の考え方がどう変わったかを入れると、発表がより印象的になります。
最後に「あなたならどう考えますか?」のように聞き手へ問いを投げかけると、余韻が残り記憶に残りやすい発表になります。
ビブリオバトルでやりがちなNG例と改善のコツ

発表の準備をしっかりしていても、気づかないうちにやってしまいがちな失敗があります。よくあるNG例と改善のコツを知っておくことで、本番前に自分の発表を見直せるようになります。
あらすじだけで終わってしまう
本の選び方の段階でも触れましたが、あらすじが長くなりすぎる問題は発表当日にも起こります。練習のときは時間内に収まっていたのに、本番で緊張すると説明が増えてしまうケースが多いです。
対策として、発表前に「あらすじは1分以内で終わらせる」とルールを決めておきましょう。1分を超えそうになったら、登場人物の説明を削って「主人公が〇〇という状況に置かれる話です」の一文だけに絞ります。
「私はこの場面で〜と感じました」という一文を入れるだけで、発表が一気に自分の言葉になります。
結末までネタバレしてしまう
本の魅力を伝えようとするあまり、結末まで話してしまうケースがあります。結末を知ってしまうと、聞き手は「もう読まなくていいか」と感じてしまうことがあります。特にミステリーやどんでん返しがある作品は、ネタバレに注意が必要です。以下のフレーズを使って、盛り上がりの手前で止める練習をしておきましょう。
「このあとどうなるのかが、この本の最大の見どころです」「続きは読んでからのお楽しみです」「ここから先は、ぜひ自分の目で確かめてほしいです」
ネタバレなしで魅力を伝えるには、「結末」ではなく「雰囲気」「登場人物の魅力」「読んでいるときの感情」を語ることが大切です。
たとえば「最後の展開に、思わず声が出そうになりました」と言うだけで、聞き手は「どんな結末なんだろう」と気になります。
原稿をずっと読んでしまう
基本構成のパートで解説した通り、本番で原稿を全文読み続けると聞き手に言葉が届きにくくなります。下を向いたまま読み上げる発表は、気持ちが伝わりにくいからです。
本番では、全文原稿ではなく「箱1〜4のキーワードメモ」を手元に置く形に切り替えましょう。キーワードだけ見れば話せる状態にしておくことで、顔を上げる余裕が生まれます。
ときどき顔を上げて聞き手を見るだけでも、発表の印象は大きく変わります。どうしても不安な場合は、最初の一文だけ声に出して覚えておきましょう。話し始めさえすれば、あとはキーワードメモを見ながら自分の言葉で話せるようになります。
「面白かったです」だけで具体的な理由がない
「この本は面白かったです」という感想は、それだけでは聞き手に何も伝わりません。「面白かった」という言葉に「どこが」「なぜ」「自分はどう感じたか」を足すことで、はじめて感想になります。
語彙が出てこないときは、以下の言い換えリストを参考にしてみましょう。
言い換えリスト
| 漠然とした言葉 | 具体的な言い換え例 |
|---|---|
| 面白かった | 読んでいるうちに時間を忘れた/気づいたら泣いていた |
| すごいと思った | こんな考え方があるのかと驚いた/自分には思いつかなかった |
| 感動した | 読み終わったあとしばらく頭から離れなかった |
| ためになった | 読む前と読んだあとで、〇〇への見方が変わった |
感想を具体的にすることが、「この本を読んでみたい」と思わせる発表の核心です。ステップ2で紹介した「友達にLINEする言葉で書く」方法も合わせて使うと、自分らしい感想の言葉が見つかりやすくなります。
ビブリオバトルのコツに関するよくある質問

ここでは、ビブリオバトルの準備や本番でよく出てくる疑問に答えます。細かい点を確認して、発表の仕上げに役立ててください。
チャンプ本に選ばれるためのビブリオバトルのコツは?
チャンプ本を狙うために、全員に好かれようとする発表をする必要はありません。「誰に読んでほしいか」を明確にして、その人に向けて話す方が、聞き手の心に刺さりやすいです。
あらすじの説明より、自分が心を動かされた理由を話すことを優先しましょう。聞き手が「続きが気になる」と思えるところで止めることも大切です。
チャンプ本に選ばれる発表に共通しているのは、発表者自身の熱量が伝わることです。
ビブリオバトルの原稿は丸暗記した方がいいですか?
全文を丸暗記する必要はありません。丸暗記すると、途中で言葉が出てこなくなったときに完全に止まってしまうリスクがあります。
おすすめは、話す順番とキーワードだけを頭に入れておく方法です。万が一頭が真っ白になっても、キーワードメモを見れば話を再開できます。
丸暗記より「流れを覚えてキーワードで話す」方が、本番でのリカバリーがしやすいです。
本番で緊張して早口にならないためのコツは?
緊張すると声が小さくなったり早口になったりしやすいです。文と文の間に1秒間の間を置くことを意識するだけで、聞き手はぐっと聞き取りやすくなります。
最初の一文だけゆっくり話すことで、そのあとのペースも落ち着いてきます。声の大きさは、会場の最後列の人に届かせるつもりで出しましょう。
練習のときにタイマーや録音を使うと、自分の話すスピードや声の大きさを客観的に確認できます。
紹介する本は小説以外(新書や漫画、エッセイなど)でもいいですか?
学校や大会のルールで禁止されていなければ、小説以外の本を紹介できる場合が多いです。エッセイ・ノンフィクション・伝記・新書・漫画なども、ビブリオバトルで紹介されることがあります。
小説以外の本を選んだ場合は、テンプレートより「4つの箱」フレームの方が使いやすいことがあります。学校の授業でおこなう場合は、本の種類に指定があるケースもあるので事前に確認しておきましょう。
どんな本を選んでも、「読んでみたい」と思わせる紹介ができれば、それがビブリオバトルの正解です。
3分発表、5分発表はそれぞれ何文字くらいが目安ですか?
3分発表は650字程度、5分発表は1,200字程度が目安です。ただし、早口になりやすい人は少なめに抑えておくと安心です。
文字数を合わせることより、実際にタイマーを使って声に出して練習する方が大切です。自分のペースは人によって異なるので、練習で確認しておきましょう。
文字数はあくまで目安です。「時間内に魅力を1つ伝えきれるか」を練習で確認することが、一番確実な準備になります。
まとめ ビブリオバトルのコツは自分の言葉で「読みたい」と思わせること

ビブリオバトルは、上手に話すことよりも、自分が感じた面白さを自分の言葉で伝えることが大切です。あらすじを完璧に説明しようとしなくても、「なぜこの本をすすめたいのか」が伝われば、それは立派な発表になります。
準備の流れを振り返ると、まず自分が心から面白いと思える本を選び、一番好きな場面を1つ絞り、友達に話すような言葉で原稿の骨格を作る、という順番になります。テンプレートや構成メモはその骨格を作るための道具です。道具を使いこなすことより、自分の気持ちを乗せることの方がずっと大切です。
まずはこの記事のテンプレートや4つの箱を使って、自分の本に合わせた構成メモを一度ノートに書いてみてください。書いたあとは声に出して読み、タイマーで時間を測って練習することが、本番への一番の準備になります。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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