保護者が知っておきたい受験・進路情報まるわかり!

お気に入り
メニュー
  1. 塾選(ジュクセン)
  2. 進学
  3. 塾選ジャーナル
  4. 中学生の7割が“勉強やる気なし”!? 保護者100人に聞いた、効果があった工夫とは?

中学生の7割が“勉強やる気なし”!? 保護者100人に聞いた、効果があった工夫とは?

更新日:
高校受験
アイキャッチ画像

「勉強しなさい!」と言っても我が子が机に向かわない…。そんな悩みに直面している中学生の保護者は少なくありません。実際、塾選ジャーナルが中学生の保護者100人に調査したところ、74%が「やる気のなさに悩んだ経験がある」と回答しました。

本記事では、やる気が出なくなっている原因を掘り下げながら、保護者が実際に取り入れて効果のあった工夫をランキング形式で紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断

目次

勉強のやる気のなさに悩む中学生の保護者は74%。具体的な悩みとは?

アンケートの結果、「子どもの勉強のやる気のなさに悩んだことがある」と答えた保護者は74%にのぼり、「悩んだことがない」と答えたのは26%でした。

勉強のやる気のなさに悩む保護者の割合グラフ

それでは、保護者は具体的にどのような点に悩んでいるのでしょうか。

悩みランキング1位は「なかなか勉強に取り掛からない」

勉強のやる気について、保護者が抱えている具体的な悩みを複数回答形式で尋ねたところ、最も多かった悩みは、「なかなか勉強に取り掛からない」で71.6%でした。

次いで多かったのは、「勉強に対する意欲が低い」で59.5%、「勉強していても集中力が続かない」が51.4%と続きます。また、「苦手教科がある」という悩みは47.3%、「成績を気にしない」は36.5%、「勉強について何か言うと反発する」は25.7%でした。

勉強のやる気について具体的な悩みランキング

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

この結果から多くの保護者は、子どもが「勉強そのものが嫌い」ということより、「机に向かわせること」でつまずいていると感じていることがわかります。

勉強のやる気が出なくなっている原因、ダントツ1位は“スマホ”

なぜ中学生は勉強のやる気が出ないのでしょうか。保護者に、その原因について尋ねたところ、最も多かった回答は「スマホに時間を取られてしまう」でした。回答率は54.1%と、他の項目を大きく引き離しています。

勉強のやる気が出なくなっている原因ランキング

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

次いで多かったのは、「勉強する目的や目標が見つからない」で32.4%。同率で「部活で疲れて勉強する気力がない」「ゲームに夢中になってしまう」が31.1%となりました。この結果から、保護者はスマホやゲーム、部活動といった勉強以外の時間の使い方に原因があると考えていることがうかがえます。

また、「勉強のやり方がわからない」29.7%、「学校の授業がわからない・つまらない」14.8%といった、学習に対する興味関心の低さが原因だと感じている保護者も少なくありません。

次からは保護者が考える原因の上位5つについて、具体的なエピソードを交えながら深掘りしていきます。

1位「スマホに時間を取られる」

中学生の保護者が考える「子どもの勉強のやる気が出ない原因」として、最も多く挙げられたのが「スマホに時間を取られてしまう」(54.1%)でした。なぜスマホが子どもの学習意欲を阻害してしまうのでしょうか。

帰宅後、すぐにスマホに夢中になる

多くの保護者が、子どもが学校から帰宅するとすぐにスマホを手にする様子を語っています。

「帰宅後、手洗いうがいを終えるとすぐにスマホの確認です。LINEグループは中学校でのクラス、小学生の時のクラス、その他に友人のみなど、いくつもありますので、まずそのチェックをしています。チェック後は推しの動画、TikTokやYouTubeで1日終わります。」(中1女子 保護者)
「帰宅後すぐにスマホを手に取って、ゲームや動画に夢中になってしまいます。勉強しようという気持ちはあるようなのですが、スマホの誘惑に勝てず、結局宿題も後回しになります。」(中2男子 保護者)
「学校ではスマホの利用が禁止のため、帰宅するとまずスマホをいじってしまいます。特にオンラインゲームをしていることが多く、ゲーム上の友人との兼ね合いなどで中断するのが難しいようです。」(中1女子 保護者)

「少しだけ」が勉強の妨げになる

勉強に取り掛かる前に「少しだけ」とスマホを触り始めたつもりが、気づけば長時間経ってしまい、そのまま学習意欲が失われるという声も多く聞かれました。

「勉強を始めようと机に向かったつもりが、つい手に取って動画やSNSを見てしまい、気づけば1時間以上が過ぎていることが何度もあるようです。『少しだけ』のつもりが集中力を完全に削がれてしまい、その後もやる気が戻らなくなる悪循環が続いています。」(中1女子 保護者)
「SNSやYouTubeの動画など、ちょっとだけと思って見始めると、面白くてずーっと見てしまっている。」(中2女子 保護者)
「時間があるととりあえずスマホを見てしまって他のことが後まわしになっている。」(中2女子 保護者)

勉強中もスマホが気になり集中できない

勉強中であっても、LINEの通知などが気になり、集中力が途切れてしまうという状況も発生しています。

「友達とのLINEのやり取りやLINE VOOMへの投稿などしていると、相手からの返信が気になってしまうようで、延々とスマホをいじってしまっている。」(中2女子 保護者)
「勉強していても、スマホが気になり集中力が続かない事が多い。」(中1女子 保護者)
「勉強中に友達から連絡がきたら、勉強を中断してスマホを触っている姿をよく目にします。」(中3女子 保護者)

このような保護者の声から、スマホが子どもたちの日常生活に深く浸透し、学習習慣を確立する上で大きな障壁となっていることがわかります。勉強を始める前の準備段階、そして勉強中のいずれにおいても、スマホが学習の妨げとなっている実態が浮き彫りになりました。

塾選ジャーナルが過去に実施した調査では、中学生の家庭の半数以上がスマホの利用にルールを設けていることが分かりました。

中学生・高校生の門限は何時?スマホの利用時間は?保護者が悩む生活ルールを徹底調査中学生・高校生の門限は何時?スマホの利用時間は?保護者が悩む生活ルールを徹底調査

また、スマホのルールをどのように設定すれば良いのかを、高校受験のプロ・大山先生にも解説いただいています。併せてご覧ください。

中学生のスマホルール、みんなはどうしてる?決め方や注意点中学生のスマホルール、みんなはどうしてる?決め方や注意点

2位「勉強する目的や目標が見つからない」

保護者が考える「勉強のやる気が出ない原因」として、2番目に多かったのが「勉強する目的や目標が見つからない」(32.4%)でした。

この背景には、子どもたちが『なぜ勉強するのか』という問いに答えを見つけられていない現状があります。将来の夢や進路が明確でないため、目の前の勉強に価値や意味を見出せず、モチベーションが上がらないという保護者の声が多く聞かれました。

将来の夢や目標が定まらない

多くの保護者は、子どもたちがまだ将来について具体的なイメージを持てていないと感じています。

「まだ中学1年生なので、受験したい高校が決まっていなくて勉強する目標が見つからないと言っていました。」(中1男子 保護者)
「将来の夢や具体的な目標を尋ねても、今はまだ漠然としていてイメージが持てないようです。そのため、学校の勉強が将来どう役立つのかという実感が湧かず、ただ言われるがままに勉強することに意義を見出せず、なかなか自主的なモチベーションが上がらないのだと感じています。」(中2男子 保護者)
「子どもとの夕食中に「勉強する価値が分からない」と言っていた。重要さを伝えても特にやりたいことがないと言って伝わらない。」(中3女子 保護者)

目先の目標がない

高校受験がない中高一貫校に通う子どもや、中学受験を終えてひと段落した子どもを持つ保護者からは、目先の目標が見えにくいという声が挙がりました。

「中高一貫校のため、高校受験がないことから、目先の目標がないようです。そのため、なかなか勉強に対する緊張感がなく、真剣に向き合うことができないです。」(中1女子 保護者)
「中学受験が終わり、ほっとして、そのままずっとほっとしていて次の目標がまだ見えてないからです。」(中1女子 保護者)

これらのコメントからは、子ども自身が勉強の必要性を実感できていない様子が伝わってきます。将来の夢や目標といった遠い目標だけでなく、高校受験といった具体的な目先の目標がないことも、子どもたちの学習意欲を低下させる一因になっていることがうかがえます。

3位「部活で疲れて勉強する気力がない」

保護者が考える「勉強のやる気が出ない原因」として、3番目に多かったのが「部活で疲れて勉強する気力がない」(31.1%)です。中学生にとって、部活動は学校生活の多くを占め、心身の成長に欠かせないものですが、その一方で、学習時間や集中力の確保を難しくしている実態が明らかになりました。

ハードな練習で帰宅後はヘトヘト

運動部に所属している子どもを持つ保護者からは、部活の疲れで勉強する体力がないという声が多く寄せられました。

「野球部に入っていることもあってか、帰ってくるとすぐにご飯とお風呂を済ませて寝てしまう。」(中2男子 保護者)
「運動部に入っているが、県大会常連の強豪校なので、週6日朝練&午後練があり、家に帰ってきたらそのまま夕飯までソファーで寝てしまう。勉強しなさいと声かけしても、疲れて無理、もう寝ると言って寝てしまう。」(中2男子 保護者)
「体育会系の部活なので帰ってくるとヘトヘトで勉強する力が湧いてこないようです。」(中2女子 保護者)
「部活から帰ってきてご飯を食べると眠くなり勉強に身が入らなくなる。」(中1男子 保護者)

これらの声から、部活動に熱心に取り組む子どもたちは、身体が疲弊し、物理的にも時間的な余裕がないことがわかります。その結果、学習習慣を維持するのが困難になっていると言えるでしょう。

3位「ゲームに夢中になってしまう」

保護者が考える「勉強のやる気が出ない原因」として、「部活で疲れて勉強する気力がない」と同率で多いのが「ゲームに夢中になってしまう」(31.1%)です。スマホの項目でも触れましたが、ゲームは現代の子どもたちにとって大きな誘惑であり、学習習慣を妨げる要因となっていることがわかります。

オンラインゲームで時間がコントロールできない

オンラインで友人とつながるゲームは、時間管理をさらに難しくしている実態があります。

「友達とオンラインで遊び始めてしまいます。ゲームの世界に没頭すると時間を忘れてしまい、気づけば夜になっていることもよくあります。何度か『まず宿題を済ませてからにして』と声をかけましたが、『あとちょっと』『今セーブできない』と言いながら続けてしまい、勉強に取りかかれずに終わる日もあります。」(中2男子 保護者)
「オンラインで友達と手軽にゲームができるので、やりたい欲が勝ってしまい、ついやってしまう。」(中3男子 保護者)
「友達とオンラインで繋がりながらやるゲームを好んでやっていて、みんなやっているから仲間はずれにされないようにずっとゲームをしていること。」(中1男子 保護者)

「少しだけ」が長時間に

休憩のつもりで始めたゲームが、気づけば長時間に及んでしまい、学習時間が削られてしまうという声も多く聞かれます。

「ゲームは15分までの制限をかけているが、休みの日などは1時間ゲームしたら勉強するからと言って時間制限を解除させ、そこから3、4時間ゲームを続けている。」(中2男子 保護者)
「少しの時間のつもりでゲームを始めたのに止まらなくなり、気づいたら夜になっていて、勉強する気をなくしてしまうことがよくあります。」(中2男子 保護者)
「子どもはゲームを始めると、途中でやめるのが難しいようで、あっという間に1〜2時間が過ぎてしまうことがあります。」(中2男子 保護者)

これらの保護者の声は、ゲームが時間管理や自制心を養う上での大きな課題となっている現状を浮き彫りにしています。オンラインでの友人とのつながりやゲーム特有のルールが、子どもたちがゲームをやめるタイミングを難しくし、結果的に勉強時間の確保を阻んでいると言えるでしょう。

5位「勉強のやり方がわからない」

保護者が考える「勉強のやる気が出ない原因」として、5番目に挙げられたのが「勉強のやり方がわからない」(29.7%)です。これは、子どもが単に勉強を嫌がっているのではなく、「どうすれば成績が上がるか」という具体的な方法が分からずに困っている状況も見て取れます。

何から手をつければいいかわからない

多くの保護者が、子どもが「勉強しなきゃ」という気持ちはあっても、具体的に何をすればいいかわからず、机に向かっても進まない様子を語っています。

「さぁ勉強を始めるよ!と本人も用意するものの、ハッキリと何をやっていいかわからない。と言われる。」(中3女子 保護者)
「どこから手をつければいいのか分からず、ただノートを眺めて終わってしまうことが多く、やる気が出ません。」(中2男子 保護者)
「子どもは教科書やノートを開いても、どこから手をつければよいのか分からず、ただ見ているだけで終わってしまうことがあります。」(中2男子 保護者)

努力が結果に結びつかない

「頑張って勉強しているつもりなのに、なかなか成績が上がらない」という状況に、子どもたちが無力感を感じている様子がうかがえます。

「一応机に向かって勉強をしてはいるのだが、いまいち結果に結びつかない。」(中1女子 保護者)
「どんな勉強が自分に合っているか分からず、勉強をしても、なかなか良い成績が取れないことです。」(中3女子 保護者)
「本人は一生懸命勉強しているつもりですが、親の目線で見ると、ただの作業になっていて身になっていなかったり、勉強するポイントがずれていてテストで点が取れず、苦手意識を持ってしまうようです。」(中1男子 保護者)

これらのコメントから、多くの子どもたちは「勉強しなきゃ」という意識は持っていますが、自分に合った学習方法を知らないため、せっかくの努力が成果につながっていないことがわかります。

やる気を引き出す工夫、1位は「前向きな声かけと励まし」

これまで、保護者が悩む子どもの「勉強のやる気」について、その具体的な実態と原因を深掘りしてきました。では、保護者は子どものやる気を引き出すために、どのような工夫をしているのでしょうか。

アンケートの結果、最も多くの保護者が実践していたのは「前向きな声をかけたり、励ましたりした」の50%でした。これは、保護者が子どものやる気の問題を叱るのではなく、寄り添って解決しようとしている姿勢の表れと言えるでしょう。

次いで多かったのは「小さな達成でも褒める」(33%)、「ご褒美を用意した」(30%)、そして「集中できる環境を整えた」「目標や意味づけを一緒に考える」(28%)が同率ででした。

勉強のやる気を引き出す保護者の工夫ランキング

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

これらの結果から、保護者は子どもの自主性を尊重しつつ、精神面と環境面の両方からサポートを試みていることがわかります。

1位「前向きな声かけと励まし」

最も多く実践されている「前向きな声かけと励まし」(50%)は、具体的にどのような内容なのでしょうか。保護者からのコメントをいくつかご紹介します。

「少しでも机に向かった時には、『今、すごく集中できてたね』『頑張ってるね、応援してるよ』と、できたことに目を向けて声をかけるようにしています。結果だけでなく過程を認めることで、本人も少しずつ自信がついてきたように感じます。」(中2男子 保護者)
「テストで前回よりもいい点だったり、努力している姿が見えれば、すぐに褒めるように心がけている。」(中2男子 保護者)
「テスト前頑張っていたのに成績が上がらなかった時、今頑張ったことはすぐに成果は見えないかもしれないけど、このまま続けて行くとそのうちグンと伸びる時が来るよ。だから頑張ろう!と声をかけている。」(中2男子 保護者)

これらのコメントから、保護者たちがただ「頑張れ」と伝えるだけでなく、子どもの努力を具体的に認め、その過程を評価していることがわかります。結果だけでなく、努力そのものを肯定することで、子どもの「自分は頑張っているんだ」という自己肯定感を高め、次の学習への意欲へとつなげようとしています。

2位「小さな達成でも褒める」

やる気を引き出すための工夫として、2番目に多かったのが「小さな達成でも褒める」(33%)でした。子どもの努力を認め、成功体験を積み重ねさせることで、自発的な学習意欲を育もうとしていることがわかります。

「テスト結果はもちろん褒めますが、日々の復習を短時間だけしただけでも、ちゃんとお疲れ様!と声をかけるようにしています。」(中1女子 保護者)
「子どもが苦手な教科の問題を少しでも解けたときや、前よりも机に向かう時間が増えたと感じたときには、その努力に気づいて声をかけるようにしています。できたことを認めて伝えることで、子どもも少しずつ自信を持てるようになり、勉強に対して前向きな気持ちが見られるようになってきました。」(中2男子 保護者)
「自分もそうですが、成功体験の積み重ねで『好き』になることがあると思います。なので、昨日できていなかったことが今日出来るようになればそれを褒めるようにしています。」(中2男子 保護者)

単にテストで良い点を取った時だけでなく、日々の地道な努力や小さな進歩に注目して、それを言葉で伝えるようにしていました。この「小さな達成」を積み重ねることで、「やればできる」という自己肯定感が育み、勉強への苦手意識を克服し、前向きに取り組む姿勢へと変わるように促しているようです。

3位「ご褒美を用意した」

やる気を引き出す工夫として3番目に多かったのが、「ご褒美を用意した」(30%)でした。ご褒美と聞くと物質的なものだけを想像しがちですが、今回の調査では、子どもが喜ぶさまざまな工夫が見られました。

「テストで良い点数を取ると特別にお小遣いをあげたり、息子を連れて高級なレストランで外食してやる気を出させています。」(中1男子 保護者)
「次のテストで〇〇点以上だったら焼肉連れて行くなど具体的に提案してあげたら勉強してくれました」(中1男子 保護者)
「テストで80点以上取れたらゲームの課金コンテンツを買ってあげるなど言うと少し頑張っていた。」(中1男子 保護者)
「自分の好きな歌手の応援グッズなどを成績に応じて渡すようにしたところ、やる気が出てきて勉強を頑張れるようになりました。」(中2女子 保護者)
「宿題が終わったらPCで少し遊んでいいことにしたら、だらだらしなくなった。」(中1男子 保護者)
「勉強を終わらせたらゲームをしていいよ。早く宿題を終わらせたらそのぶんゲームできるよと言っています。」(中1男子 保護者)
「テストで良い点数を取った時にどこか一緒に買いに行く?と欲しかったものを小出しに言っている」(中1男子 保護者)

これらのコメントから、ご褒美はモノだけではないことが分かります。好きな場所に行く、好きなものを食べるといった体験や、スマホやゲームをする時間といった自由な時間を与えることで、子どもたちのやる気を引き出そうとしています。

ご褒美を活用することに抵抗を感じる保護者もいるかもしれませんが、目標達成のモチベーションを高めるための有効な手段として結果を出しています。適切なご褒美は、子どもが目標に向かって努力するきっかけとなり、小さな成功体験を積み重ねる助けになると言えるでしょう。

4位「集中できる環境を整えた」

やる気を引き出す工夫として4番目に多かったのは、「集中できる環境を整えた」(28%)でした。

「まずはリビングの一角に勉強専用スペースを設け、周囲に余計なものを置かず、タブレットやスマホは視界に入らない場所に移しました。また、子どもが集中しやすい時間帯に合わせて、テレビの音量を下げたり家族の会話も控えめにするよう心がけています。」(中1女子 保護者)
「家にいると怠けたりゲームしたりで勉強に集中できないので、塾の自習室へ毎日連れていき、スマホを触れない環境を作った。」(中3男子 保護者)
「子ども部屋に勉強に関係ないものを置かないようにしたのと、なるべく塾の自習室に行くよう促して、勉強しかやることのない空間に居る時間を増やしたら、以前より勉強に集中して取り組めるようになりました。」(中1男子 保護者)

これらのコメントから、集中を妨げる原因を視界から取り除くことが大切だとわかります。特に、スマホやゲームといったデジタル機器を物理的に遠ざける工夫が効果的。リビング学習の場合は家族が協力して静かな環境を作るなど、子どもの「やる気」だけに頼らない、物理的なアプローチが有効なようです。

4位「目標や意味づけを一緒に考える」

やる気を引き出す工夫として4番目に同率で多かったのが、「目標や意味づけを一緒に考える」(28%)でした。これは、子どもが「何のために勉強するのか」という根本的な疑問を解消し、自ら意欲を持てるようにするアプローチです。

保護者がどのように取り組んでいるのか、具体的なコメントを見てみましょう。

「まず、テストの結果をどうしたいのか目標を決めました。高校受験がないので先の大学受験を見据えるのはまだイメージしにくいからです。」(中1女子 保護者)
「漠然とした将来像でもいいから一緒に考えてみようと話し合いました。例えば、『将来なりたいもの』や『どんな大人になりたいか』といった大きなことから、好きなゲームやアニメを例に出して『その仕事にはどんな勉強が必要かな?』と具体的に掘り下げていきました。」(中1男子 保護者)
「一緒に勉強の目的や目標を話し合ったことで、勉強に対する意味を見出すことができました。具体的な目標を設定し、それに向けてどのように努力するかを考えることで、やる気が少しずつ出てきたようです。」(中2男子 保護者)

これらのコメントから、保護者は子どもに一方的に目標を押し付けるのではなく、対話を通じて子ども自身の興味や関心から、勉強の意義や目的を探していることがわかります。

将来の夢に限らず、テストの点数といった身近な目標を設定することで、学習に取り組む意味を理解させ、少しずつやる気を引き出しているようです。

中学生の勉強のやる気を引き出す方法やコツは、以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

中学生に勉強のやる気を出させる方法|やる気が出ない原因や効率の良い勉強のやり方やおすすめ塾も紹介 中学生に勉強のやる気を出させる方法|やる気が出ない原因や効率の良い勉強のやり方やおすすめ塾も紹介 中学生の家庭学習が成績アップのカギ!集中力の高め方と勉強法のコツを徹底解説中学生の家庭学習が成績アップのカギ!集中力の高め方と勉強法のコツを徹底解説

まとめ|子どもの「やる気」は、保護者の「工夫」で引き出せる

今回の調査から、7割以上の保護者が子どもの「勉強のやる気」に悩みを抱えていることがわかりました。その原因は、スマホやゲームといったデジタル機器の誘惑、将来の目標が見えないこと、部活動の疲れ、そして勉強方法がわからないなど多岐にわたります。

しかし、多くの保護者はこの課題を前に諦めているわけではありません。それぞれのご家庭でさまざまな工夫を凝らし、子どものやる気を引き出そうと試行錯誤しています。精神的なサポートは、「前向きな声かけ」や「小さな達成を褒める」こと。また、「集中できる環境を整える」「目標を一緒に考える」といった具体的な工夫も見られました。

「勉強のやる気」は、子どもだけで解決する問題ではありません。子どもと保護者が協力し、対話と工夫を重ねることで乗り越えられる共通の課題です。

本記事で紹介した保護者の悩みや解決策が、同じ思いを抱える方々の参考となり、子どもが前向きに学ぶきっかけになれば幸いです。

アンケート調査概要
調査対象:中学生の子どもを持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年8月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:中学生の勉強のやる気についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「中学生の勉強のやる気」についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/30291)へのリンク設置をお願いします。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

関連記事

が選ばれる 3

掲載をお考えの学習塾様へ

初期費用無料で掲載可能 
お気軽にお問い合わせください

塾選で塾を探す