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【高校漢文】再読文字の覚え方!頻出10個をまとめて覚えるコツ

更新日:
大学受験
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「漢文の再読文字の意味がよくわからない……」「再読文字って、どうやって覚えればいいの?」

漢文の勉強を頑張っているものの、再読文字が理解できずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

再読文字とは、返り点に従わずに副詞として先に読み、その後で返り点に戻って助動詞や動詞として二度目に読む漢字のことです。読み方が独特なため、漢文が苦手になる原因の一つです。

本記事は、独自の学習法「お金も時間も節約する自習術」で東京大学に合格し、現在はカルペ・ディエムに所属して全国各地で勉強法に関する講演活動を行っている教育ライター・布施川天馬さんの監修のもとで作成しています。

豊富な指導経験と確かな専門性に基づき、本記事では再読文字の意味や読み方、効率的な覚え方を基礎からわかりやすく解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

再読文字とは?

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再読文字とは、漢字一字でありながら、訓読する際に二度読まれる文字のことです。再読文字は、一度目は返り点を無視して副詞として読み、二度目は返り点に従って助動詞や動詞として読むという特徴があります。

このように独特な読み方が、漢文に苦手意識を持つ原因の一つです。「未」や「将」などが、再読文字の代表的な例にあたります。

ここでは、再読文字の読み方の基本ルールを確認したうえで、置き字や返読文字など、漢文で用いられるほかの文字との違いについても解説します。

再読文字の読み方の基本ルール

再読文字の読み方

再読文字は、「返り点をいったん無視して読む → 返り点に戻ってもう一度読む」が基本ルールです。

ここでは、再読文字「未」を使った次の例文を見てみましょう。
「我未嘗敗北」

再読文字の例文

この文を訓読するとき、再読文字である「未」は、返り点に従って戻る前に副詞として先に読みます。そのため、まずは「未だ(いまだ)」と読み、「まだ〜ない」という意味を補います。
次に文全体を読み進め、返り点に従って戻った位置で、、再び「未」を読んで文を完成させます。

この基本ルールに従うと、本文は次のように書き下すことができます。
「我未だ嘗て敗北せず」

このように、再読文字は、先に意味を補い、後から文法的に文を整える役割を持っています。同じ漢字を二度読むことで、漢文의 語順を日本語として自然に整えているのです。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字のキホン」

漢文は、中国語の古文を日本語の古文に当てはめて読むものです。そのため、中国語としてはその文字ひとつで意味を表すことができても、日本語では2回読まないと理解できないこともあります。それが再読文字というわけです。

 

置き字との違い

漢文における置き字とは、原文の中には書かれているものの、訓読の際には日本語としては読まれない文字のことです。
ただし、まったく意味を持たないわけではなく、文と文の関係を示したり、文章全体の調子を整えたりする役割を担っています。

これに対して再読文字は、置き字とは異なり、書き下し文や現代語訳の中で、実際に意味を持つ語として読まれるのが特徴です。

このように、訓読の際に読まれないのが置き字、二度読まれるのが再読文字という点が、両者の最も大きな違いだといえるでしょう。

なお、置き字については、以下の記事でより詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字と置き字の違い」

日本語として読んだときにわざわざ訳す必要がないのが置き字、2回読んで始めて意味が取れるのが再読文字なので、これら2つは全然違います。混同して間違えると文章の意味を正しく読み取れないので、注意しましょう。それぞれ代表的な文字を覚えるのが結局一番手っ取り早いです。

 

返読文字との違い

返読文字とは、日本語とは逆の語順で読む必要があるため、返り点を付けて訓読する漢字のことです。
置き字のように読まれない文字ではなく、書き下し文では必ず意味を持つ語として読まれる点が特徴です。

再読文字が「同じ漢字を二度読む文字」であるのに対し、返読文字は、一度だけ読むものの、日本語とは語順が逆になるため返り点が必要になる文字だといえます。

返読文字にはいくつかの代表的なパターンがあり、高校漢文では次のような語がよく登場します。

分類 返読文字 主な意味・特徴
有無を表す語 有・無・多・少 存在や量を表し、日本語とは逆の語順で読む
認定・可能を表す語 難・易・欲・得・不得・能・不能 「〜できる」「〜しようとする」などの意味を持つ
前置詞的・接続詞的な語 為・以・自・従・於・乎・于・雖 動作の対象・理由・条件などを示す
特殊な返読文字 文脈によって返り点を付けて読む
名詞句を作る語 所・所以 「〜ところ」「〜ゆえん」などの形を作る

 

東大卒教育ライター・布施川さん「紛らわしい再読文字」

再読文字、置き字、返読文字の3つは、どれも漢文を読み進める上で理解しておくべきなので、しっかり使い分けられるようにしましょう。どれも漢文を日本語として読み、理解するために重要なルールなのです。

 

再読文字一覧!この10個だけ覚えておこう【意味・読み方つき】

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ここでは、高校漢文で特に重要な再読文字を厳選して一覧で紹介します。
再読文字は数が限られているため、よく出るものを意味ごとに整理して覚えるのが効率的です。

意味の近い再読文字はまとめて覚える

再読文字は、意味や働きごとにグループ化して覚えると、暗記の負担を大きく減らせます。
ここでは、これまで見てきた3つのグループに分けて整理します。

再読文字のグループ別まとめ表

グループ 再読文字 書き下し(読み方) 主な意味
① 当然・義務 当・応 まさニ〜べし 〜するのが当然だ/〜すべきだ
すべかラク〜べし 〜しなければならない
よろシク〜べし 〜するとよい/〜するのが適切だ
② 否定・未然 いまダ〜ず まだ〜ない
将・且 まさニ〜ントす 〜しようとする/〜しそうだ
③ 疑問・比喩 盍(蓋) なんゾ〜ざル どうして〜しないのか
猶・由 なホ〜のごとシ 〜のようだ

このように再読文字を整理すると、実際に覚えるべき「型」はそれほど多くないことがわかります。

  • 「当・応・須・宜」は、行動の是非や判断を表すグループ
  • 「未・将・且」は、まだ起きていないことを表すグループ
  • 「盍・猶・由」は、問いかけやたとえに関わるグループ

それぞれの意味の方向性(義務/未然/疑問・比喩)を意識して覚えると、書き下し文や現代語訳でも迷いにくくなります。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字の覚え方」

系統なども無視して一つひとつを暗記しようとするのは、非常に効率が悪いです。せっかく同じ読みや同じ意味のセットがあるのですから、いくつかはまとめて覚えたほうがいいでしょう。意味のグループごとに振り分けて覚え、その中の細かい違いは文章の中で体感として理解しましょう。

 

よく出る再読文字グループ①(当然・義務)

ここでは、「当然・義務」を表す再読文字について、書き下しと意味を一覧で整理します。
このグループの再読文字は、行動や判断について「どうするべきか」を述べる表現に使われます。

中でも「須」は義務の意味が最も強く、「当・応」は「当然である」という判断、「宜」は「するとよい」というやや柔らかい勧めを表します。

意味の強さの違いを意識して覚えると、訳し分けで迷いにくくなります。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字はまず当然のグループから覚えよう」

最初はこれらを当然グループとしてまとめて覚えてください。それから、それぞれの詳細な意味を文章の中でのニュアンスとセットで覚えていくのがいいでしょう。ちなみに、「須」は現代では「すべて」と間違えて使われることが多いようです。

 

よく出る再読文字グループ②(否定・未然)

ここでは、「否定」や「まだ実現していない状態(未然)」を表す再読文字を、書き下しと意味を対応させて一覧で整理します。

このグループの再読文字は、動作や状態がまだ実現していないことを表します。

「未」は否定を表す再読文字で、「まだ〜ない」という意味になるのが特徴です。

一方、「将」「且」は、これから起こる動作や状態を表す再読文字で、「〜しようとする」「〜しそうだ」と訳されます。

「すでに起こったこと」なのか、「これから起こること」なのかを意識すると、意味を取り違えにくくなります。

東大卒教育ライター・布施川さん「未来形グループの再読文字」

未来形グループとして覚えておくといいでしょう。ただ、注意すべきは「未」だけ「否定系」ということです。つまり、唯一「やっていない」ことに注目している表現。他2つは「これからする」ことに注目しています。この違いを意識しておきましょう。

 

よく出る再読文字グループ③(疑問・比喩)

ここでは、「疑問」や「比喩(たとえ)」を表す再読文字を、書き下しと意味を対応させて一覧で整理します。

このグループの再読文字は、文の意味を問いかけたり、物事をたとえて表現したりする働きを持っています。

「盍(蓋)」は疑問を表す再読文字で、相手に行動を促すような問いかけとして使われるのが特徴です。

一方、「猶」「由」は比喩を表し、「〜のようだ」「〜に似ている」という意味になります。

「盍(蓋)=疑問」「猶・由=比喩」と役割がはっきり分かれているため、役割ごとに覚えると整理しやすくなります。

東大卒教育ライター・布施川さん「その他グループの再読文字」

これらは「その他」として覚えるのがいいかもしれません。「盍」は否定の疑問形であることを意識すると特徴的で覚えやすいでしょう。その他2つは同じ意味なので、まとめて頭に入れるのが手っ取り早いです。

 

現代語・熟語と結びつけてもよい

再読文字は、現代語の熟語と意味を結びつけることで、丸暗記せずに理解しながら覚えることができます。

特に次の再読文字は、熟語との相性がよく、暗記に向いています。

現代語の熟語と結びつけて覚える再読文字一覧

再読文字 書き下し(読み方) 意味 結びつける熟語 覚え方のポイント
いまダ〜ず まだ〜ない 未定・未熟 「まだ〜ない」という共通イメージ
まさニ〜べし 〜するのが当然だ 当然 そのまま意味が一致
よろシク〜べし 〜するのがよい 適宜 「状況に合ってよい」→「〜するのがよい」
すべかラク〜べし 〜しなければならない 必須 「必須」=義務

これらの再読文字は、現代語の熟語でも意味がほとんど変わらず使われているのが特徴です。

漢文を読むときに熟語を思い浮かべれば、再読文字の意味も自然と連想できるようになります。

東大卒教育ライター・布施川さん「現代語の熟語と結び付けて覚えるメリット」

そもそも日本語で使われている漢字や熟語のほとんどは、中国語から引っ張ってきたものなんですよね。だから、漢文中の文字は現代でも使われている熟語と意味が同じであることも多いのです。そして、再読文字もそう。連想できるものはセットで思い出せるようにしておきましょう。

 

再読文字でよくある間違い

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再読文字は、仕組みがわかっていても実際の問題でミスしやすいポイントです。ここでは、テストや入試で特に多い間違いを確認しておきましょう。

読み飛ばしてしまうミス

再読文字は、最初に副詞として読み、返り点に戻ってもう一度読む必要があります。
しかし実際の問題では、文脈に沿って読み進めてしまい、二度目に読むことを忘れてしまうケースがよくあります。

例えば、次のような場合です。

  • 「未」を「いまだ」と一度読んだだけで、「〜ず」を補わずに訳してしまう
  • 「当」「応」を「まさに」と読んだまま、「〜べし」を落としてしまう

このような読み飛ばしが起こると、文の意味が肯定・否定で逆になったり、義務のニュアンスが抜けたりと、致命的な誤訳につながることがあります。

再読文字を見つけたら、「これは二度読む文字だ」と意識し、必ず書き下し文の中に反映されているかを確認するようにしましょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字を見かけたら、何か自分で決めた記号をつけておく」

再読文字を見かけたら、何か自分で決めた記号をつけておくとミスが減ります。丸や四角で囲む、二重線を引く。大切なのは、一度決めたルールをずっと使い回すことです。毎回変えるとなんの記号かわからなくなりますし、その都度ルールを考える手間がかかってしまいます。

 

書き下すときのミス

再読文字でよくある間違いの一つが、二回目に読む部分だけをひらがなに直し忘れです。

再読文字は、

  • 一度目は 漢字のまま副詞として読む
  • 二度目は 助動詞や動詞として読み、ひらがなで書き下す

という特徴があります。

例えば、次の文を見てみましょう。

我未だ嘗て敗北せず

この文は、

  • 一度目:「未だ(いまだ)」
  • 二度目:「〜ず」

と読むため、正しい書き下し文は「我未だかつて敗北せず」となります。

しかし実際の答案では、「我未だかつて敗北未」「我いまだかつて敗北未」のように、二回目に読む部分を漢字のまま書いてしまうミスがよく見られます。

書き下し文を書くときは、「一度目は漢字、二度目はひらがな」という再読文字のルールを意識して確認することが大切です。

東大卒教育ライター・布施川さん「日本語に特有の助詞と助動詞はひらがな」

助詞や助動詞という品詞は、基本的に日本語に特有のものです。元の漢字の意味を日本語的に訳した結果出てきたものなので、漢字ではなくひらがなにします。このルールの成り立ちを考えると忘れることも減るのではないでしょうか。

 

再読文字を使った例題【問題編】

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ここでは、再読文字を含む漢文を、実際に書き下してみる例題にチャレンジしましょう。
これまで学んだ読み方のルールや書き下しのポイントを意識しながら取り組してください。

例題
次の漢文を、それぞれ書き下し文に直しなさい。

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① 将順江東下
② 須重礼儀
③ 過猶不及

再読文字を使った例題【解説編】

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ここでは、先ほどの例題について、書き下し文・再読文字のポイント・現代語訳の順に解説します。自分の答えと照らし合わせながら確認してみましょう。

①将順江東下の解説

書き下し文
将に江に順ひて東に下らんとす。

「将」は再読文字で、一度目は副詞として「まさに」と読み、二度目に「〜んとす」として未来・意志を表します。

現代語訳は「(今にも)長江の流れに従って、東へ下っていこうとしている。」となります。

②須重礼儀の解説

書き下し文
須(すべ)からく礼儀を重んずべし。

「須」は「〜しなければならない」という強い義務を表す再読文字です。

現代語訳は「人は、礼儀を重んじなければならない。」となります。

③過猶不及の解説

書き下し文
過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし。

「猶」は再読文字で、「〜のようだ」「〜と同じだ」という比喩を表します。

現代語訳は「やり過ぎることは、控えめ過ぎることと同じようなもので、どちらも十分とはいえない。」となります。

まとめ 再読文字をマスターすればみるみる漢文が読める!

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再読文字は、一見すると複雑で覚えにくい文法事項に思えるかもしれません。しかし実際には、種類は限られており、読み方にも一定のルールがあります。

本記事では、再読文字の基本的な仕組みから、よく出る10個の一覧、意味ごとの覚え方や熟語を使った暗記のコツ、さらによくあるミスと例題まで、基礎から整理して解説しました。

再読文字を正しく処理できるようになると、漢文の語順が一気に整理され、文全体の意味がつかみやすくなります。最初は意識しながら読む必要がありますが、例題を通して繰り返すうちに、自然と判断できるようになるはずです。

ぜひ、一覧表と例題を何度も見返しながら、再読文字を自分のものにしていきましょう。再読文字をマスターすれば、漢文は必ず読みやすくなります。

東大卒教育ライター・布施川さん「再読文字を覚えると漢文がスラスラ読める!」

再読文字は一見すると馴染みのない読み方をしたり、2回読むというルールが面倒に感じられたり、覚えにくいかもしれません。でも、文中で何度も登場するうちに、それぞれの読み方と意味やニュアンスを理解できるようになるはずです。いまできることは、グループごとに分け、大まかな意味を頭に入れること。そうすれば、必ず少しずつ読めるようになっていきます。

 

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