高校受験で社会科の点数を上げる勉強法は?覚え方のコツも紹介


編集部
塾選ジャーナル編集部

株式会社カルペ・ディエム所属 東京大学教育学部卒ライター
永田耕作
「高校受験の社会の勉強法がわからない!」そんな悩みを抱えていませんか?主要3教科と呼ばれる「国数英」に比べ、社会、理科の対策にはあまり時間をかけない受験生が多く、受験で差がつく教科といわれています。
社会の勉強法として、「歴史は流れをつかむ」「地理は実際の地図上で学びを確認する」「公民は内容を理解して覚える」といったことが重要です。
今回は、高校受験の社会の出題範囲や傾向をおさらいし、勉強法や受験で高い点数を取るためのテクニックをご紹介します!高校受験に向けた、社会科目の勉強に役立ててください。
高校受験の社会の出題範囲や傾向は?
ここでは、高校受験の社会の出題範囲や傾向について紹介していきます。
出題範囲は「地理・歴史・公民」の3分野
高校入試の社会では、中学校で学ぶ歴史・地理・公民の3分野から幅広く出題されます。
もちろん受験する学校の地域によって差はありますが、多くの都道府県や高校では大問ごとに各分野が割り当てられます。例えば、日本地理・世界地理、歴史(日本史・世界史)、公民(政治経済・現代社会)といった形でバランスよく出題されるのが一般的です。
以下は大問構成と配点の一例です(配点は試験によって異なります)。
大問 | 出題内容(例) | 配点(例) |
---|---|---|
第1問 | 地理①(日本の地理) | 20点 |
第2問 | 地理②(世界の地理) | 15点 |
第3問 | 歴史①(日本の歴史) | 20点 |
第4問 | 歴史②(世界の歴史) | 15点 |
第5問 | 公民①(政治・経済) | 15点 |
第6問 | 公民②(現代社会〈倫理〉) | 15点 |
この例のように、地理、歴史、公民が同じくらいの配点で出題されることが多いため、まんべんなく出題範囲をさらうことが必要になるでしょう。
最近の入試傾向:融合問題・資料読み取り・時事問題も増加
近年の傾向として、複数分野にまたがる融合問題も増えています。
例えば、歴史上の出来事を地理的な視点から分析させる問題や、地理と公民の知識を組み合わせて考えさせる問題などが出題されることがあります。グラフ・統計資料・地図・歴史資料などを読み取る問題や、与えられた事実から考察して記述させる問題も多く、単純な知識の暗記だけでは解けない応用力重視の問題が増加しています。
公民分野では、その年の時事問題(ニュースになった社会問題や政治経済の出来事)が問われることも少なくありません。
このように、社会科の入試では幅広い知識と思考力が求められるため、教科書の内容をくまなく理解しておくことが大切です。
なお、具体的な出題範囲や出題形式の細部は地域や学校によって異なる場合があります。受験予定の都道府県の過去問分析や、各教育委員会・志望校が公表している出題範囲があれば必ず確認しておきましょう。
高校受験の社会の勉強法や覚え方は?
高校受験の社会では3分野(歴史・地理・公民)それぞれ内容が大きく異なるため、分野ごとに効果的な勉強法で学習することがポイントです。ここからは、分野別に勉強法や覚え方を紹介していきます。
歴史の勉強法や覚え方のコツ
歴史分野で最も大切なのは、第一に時代の流れ(年代順の大きな流れ)を理解することです。最初から細かい年号や人名を丸暗記しようとするのではなく、まずは各時代にどんな出来事が起こったのか、その出来事同士にどんな因果関係やつながりがあるのかをざっくりとつかみましょう。
年代ごとのストーリーを把握する
教科書や資料集の年表を見ながら、「いつ・どこで・誰が・なぜ・どのように」その出来事を起こしたのかを意識して読むと、歴史の背景や理由が見えてきます。
可能であれば自分で簡単な年表を書いてみたり、既存の年表に重要事項を書き足したりして、歴史の流れを物語のように理解しましょう。
歴史は一つの物語なので、断片ではなく通しで何度も読む(通読する)ことで大筋をつかむのがおすすめです。
流れをつかんだら詳細を暗記する
大まかな流れが頭に入ったら、重要な人物名・出来事名・年号を覚えていきます。これらはセットで関連付けて暗記すると効率的です。「○○年に△△が□□をした」といった形で、一緒に覚えると忘れにくくなります。
例えば「1016年に藤原道長が摂政になる」「1517年にルターが宗教改革を行う」など、年号と人物・出来事をワンセットにすると良いでしょう。
年号のゴロ合わせ(語呂合わせ)集などを活用するのも、暗記が苦手な人には効果的です。
因果関係と結果も考える
単に「何年に何が起きたか」だけでなく、その出来事が起きた理由(原因)やきっかけ、そして結果として世の中がどう変わったかまで合わせて押さえると、記憶が定着しやすくなります。
入試では歴史上の出来事の背景や影響を問う問題も多いので、出来事の前後のつながりを意識しておきましょう。
地理の勉強法や覚え方のコツ
地理分野は地図帳(地図)と教科書を両方使った学習が基本です。ただ文章を読むだけではなく、文章で読んだ知識を実際の地図上で確認し、具体的なイメージを持つことが理解への近道になります。勉強の際のポイントは次の通りです。
教科書+地図帳で確認する
教科書に出てくる国名・地域名・地形などは、必ず地図帳で位置を確認しましょう。「この県は日本のどのあたり?」「この国はどの地域に属する?」と、読みながら指で地図をたどってみてください。
加えて、その地域の主な産業・地形の特徴・気候・人口などのデータも教科書から読み取り、地図上にイメージしていきます。教科書の文章に地図で肉付けをする感覚で学ぶと、地理の知識が頭に入りやすくなります。
地形・気候と産業を関連付ける
地理では、自然環境と人間の活動(産業や生活)が深く結びついています。
例えば「なぜ臨海部の都市は工業が発達したのか」「なぜ地中海性気候の地域でオリーブ栽培が盛んなのか」など、地形や気候の特徴から各地域の産業の特徴を考える習慣をつけましょう。
こうした理由まで理解しておくと、知らない問題が出ても「この地域は雨が少ないから〇〇な農業が盛んかな?」と推測できる力が身につきます。
資料問題に慣れる
地理では、統計グラフや地図資料の読み取り問題が頻出します。これらは、問題演習を繰り返して慣れることが大切です。市販の問題集などでグラフ問題・地図問題を見たら、1目盛りずつ丁寧に読み取るクセをつけてください。
また、「グラフから何がいえるか、自分の言葉で説明する」練習も有効です。解説が詳しい問題集を選び、間違えた問題はなぜ間違えたかをしっかり確認しながら、データ読み取りのスキルを上げましょう。
公民の勉強法や覚え方のコツ
公民分野は政治や経済、国際関係など現代社会の仕組みを扱うため、抽象的で難しい用語が多く登場します。暗記すべき情報も多いですが、用語自体を丸暗記するよりも内容の理解が重要になります。
公民の学習ポイントは次の通りです。
わかりやすい参考書を活用
教科書だけでは理解しづらい場合、図解や平易な言葉で解説している公民の参考書や資料集を使うとよいでしょう。教科書は事実に忠実である必要があるので、どうしても難しい言葉が多くなってしまいます。
しかし、「三権分立」「弾劾裁判所」「違憲立法審査権」などの難しい言葉も、噛み砕いた説明で理解すれば怖くありません。学校の先生や塾の講師に質問して教えてもらうのも有効です。
用語の意味と目的を押さえる
公民では新しい単語(専門用語)が次々に出てきますが、ただ用語の定義を覚えるだけでなく、その制度・仕組みが何のためにあるのか(目的)にも注目して覚えましょう。
例えば「憲法改正の発議には国会の各議院で総議員の3分の2以上の賛成が必要」という知識だけでなく、「なぜそんな厳しい条件が定められているのか」という背景まで理解しておくと、知識が定着しやすくなります。
数字や名称も確実に暗記
公民では、法律や制度に関する具体的な数値や名称も問われます。
例えば「衆議院と参議院の定数(議員の人数)はそれぞれ何人か」「内閣総理大臣は誰が指名するか」など、細かい知識もしっかり暗記しましょう。こうした情報は表や一覧にまとめたり、イラスト付きの教材で視覚的に整理したりすると覚えやすくなります。
時事問題への備え
公民では時事的なテーマが出ることがあるため、日頃からニュースや新聞に目を通す習慣をつけておくと安心です。
特に、政治・経済・国際情勢・科学技術・文化などに関するニュースで大きく報じられた話題(例:選挙による政権交代、新しい法律の成立、日本人のノーベル賞受賞、世界遺産の登録など)は入試でも取り上げられやすい傾向があります。
社会科の先生が授業で触れた時事ネタや、新聞の受験時事特集などもチェックしておきましょう。
高校入試に向けた社会の効果的な対策法は?
社会科で点数を伸ばすには、ただやみくもに暗記するだけでなく、効率よく理解・定着させる工夫が必要です。
ここでは、社会があまり得意ではない中学生でも実践しやすい効果的な勉強の進め方を6つ紹介します。
苦手意識がある場合は漫画から入る
「社会科が苦手、読むのがつまらない...」と感じている人は、学習漫画から勉強を始めてみるのも一つの方法です。
最近は中学社会の内容を扱った歴史漫画・地理漫画・政治経済の漫画など、多くの学習漫画シリーズがあります。難しい文章を読む前に漫画で大まかな流れや雰囲気をつかんでおくと、その後に教科書や参考書を読んだときに内容が頭に入りやすくなります。
もちろん漫画だけで受験対策を完璧にすることはできませんが、とっかかりとして漫画で興味を持つことは効果的です。例えば歴史が苦手なら『日本の歴史』漫画を読んでみる、地理が苦手なら都道府県や世界の国々を紹介した漫画で楽しみながら知識を広げる、といった形です。
漫画で「そうなんだ!」と思ったことは教科書で確認し、逆に教科書で難しく感じたところを漫画で補うなど、併用して学ぶと理解が深まります。
歴史・地理・公民をバランスよく学習する
得意分野ばかり勉強して、苦手分野を後回しにしていませんか? 社会は前述の通り、歴史・地理・公民の3分野がだいたい均等に出題されます。そのため一つでも極端に苦手分野があると、大きな失点につながる恐れがあります。
「歴史は好きだから満点だけど、公民は捨てちゃっている」などの偏った勉強は危険です。苦手な分野がある場合は集中的に対策して克服し、3分野まんべんなく得点できるようにしましょう。
逆に、ある分野が得意ならほかの分野の勉強時間を増やして全体の底上げを図るなど、バランスを意識した学習計画を立てることが大切です。
計画的に勉強をする
社会科は暗記中心だからといって、「入試直前の追い込みで何とかしよう」と思っていませんか?確かに社会は、国語や数学に比べると短期間で成績が伸びやすい科目だといわれます。
しかし、入試直前期には他教科の過去問演習や模擬試験なども重なり、社会だけに時間を割く余裕は少ないのが実情です。そのため、最後にまとめて詰め込もうとすると時間切れになる可能性が高いでしょう。そうならないためにも、早めに計画を立ててコツコツ勉強を進めることが重要です。
理想をいえば、中学3年生の夏休みが終わる頃(9月頃)までに社会の全範囲の学習を一通り終えておくのが望ましいでしょう。その後、秋以降は問題演習や暗記の総仕上げに時間を充てることで、入試直前に慌てず余裕を持って対策できます。
レベルに合った問題集に繰り返し取り組む
社会科の問題集や参考書は数多く出ていますが、自分の現在の学力に合ったものを選ぶことが大切です。
志望校のレベルが高いからといって、今の自分には難しすぎる問題集に手を出しても思ったように解き進められず、消化不良になってしまいます。偏差値50前後であれば、まずは中堅校レベルの標準的な問題集や、一問一答形式の基本問題集などから始めてみましょう。
また、問題集は一冊を何度も繰り返すことをおすすめします。1回解いただけで終わりにせず、2周、3周と解き直してみてください。「この問題集は全部スラスラ解ける!」となって初めて次のレベルの問題集に進むのが理想です。
解いて丸つけをしたら、間違えた問題やあやふやだった問題に印をつけましょう。そして時間を空けてからその印のついた問題だけをもう一度解き直し、できるようになるまで反復練習します。こうすることで、自分の弱点を確実に潰しながら力を伸ばすことができます。
志望校の過去問を解く
志望校が決まっている人は、過去問演習にも挑戦しましょう。過去問は本番と同じ出題形式・難易度を知ることができる貴重な教材です。
中学3年生の場合、夏休み明け(9月頃)や冬休み明け(1~2月頃)などのタイミングを自分自身で決めて、志望校の過去問を時間を計って解いてみると良いでしょう。
過去問を実際に解いてみると、「どのような問題が出るのか」「どんなふうに時間配分すればよいか」「自分の弱点はどこか」など、多くのことが見えてきます。
例えば、地理の資料問題に時間がかかりすぎてほかが解けなかった、歴史の近現代の知識が不足していた等、具体的な課題が明らかになるでしょう。過去問演習の結果をふまえて、残りの勉強計画を調整すれば、より効率的な対策が可能になります。
なお、最初は点数が思うように取れなくても落ち込む必要はありません。過去問は弱点を発見し対策するために活用し、直前期には合格点が取れることを目標に繰り返し練習しましょう。
時事問題対策でニュースをチェックしておく
公民分野の対策として、時事問題の準備も忘れずにしておきましょう。前述の通り、公民では最新のニュースに関連した問題が出題されることがあります。特に政治(国内政治の動き)や経済、社会問題、国際関係、文化・科学の話題などで大きなニュースになった出来事は要チェックです。
日頃からテレビのニュースや新聞に目を通し、「今年話題になったこと」をリストアップしてみましょう。「総理大臣が交代した」「オリンピックが開催された」「新紙幣の発行が決まった」「〇〇法が成立した」「世界で□□問題が注目された」等、ニュースのキーワードと概要をノートにメモしておくと直前期の見直しに役立ちます。
特に政権交代や世界遺産の登録など、話題性の高いテーマは出題されやすい傾向があります。日本国内だけでなく、世界のニュースにもアンテナを張っておくと万全です。
高校受験と社会の勉強でよくある質問
最後に、社会の勉強に関して中学生や保護者からよく聞かれる質問とその回答を紹介します。疑問を解消して、効果的な学習に役立ててください。
社会科は暗記するだけで成績が上がりますか?
暗記だけに頼った勉強では限界があります。 社会は覚えるべき用語やデータが多い科目ですが、入試問題は単純な一問一答だけでなく背景知識や応用力を必要とするものが増えています。
確かに、学校の定期テストのように範囲が狭い場合は、用語を丸暗記する勉強でも点数は取れます。しかし、入試のように範囲が広いテストでは、丸暗記だけの学習法はかえって非効率です。その理由はシンプルで、覚えることが多すぎて混乱したり、少し聞き方を変えられると対応できなくなったりするからです。
社会科の成績を本当に上げたいなら、暗記は最終手段と考えましょう。
まずは、教科書の内容をしっかり理解することが大事です。例えば、歴史の出来事なら「なぜそれが起こったのか」「結果として何が変わったのか」まで理解し、地理なら「このデータから読み取れることは何か」を考え、公民なら「この制度は何のためにあるのか」を押さえる、といった具合です。内容を理解してしまえば忘れにくくなり、多少聞き方が変わっても自分の頭で考えて答えられるようになります。
もちろん基本用語や年号などは覚える必要がありますが、丸暗記に頼るのではなく、理解→整理→暗記という順序で勉強した方が効率は良くなります!ぜひ実践してみましょう。
高校入試の社会では何を勉強しますか?
中学で習う社会科の全範囲が出題対象になります。具体的には、「歴史」「地理」「公民」の3分野です。
歴史は原始・古代から近現代までの日本史を中心に、世界の歴史的出来事も関連づけて問われます。地理は、世界の大陸各地域および日本各地方の地理(気候・地形・産業・地域分布など)です。公民は日本の政治制度(憲法や三権分立、選挙制度など)や経済の仕組み(金融、流通、国際経済など)、現代社会の課題(環境問題や少子高齢化、国際平和など)を幅広く扱います。
加えて、公民分野を中心に時事的な内容(最近のニュースや社会問題)が出ることもあります。例えば、入試年度の前年度に起きた国内外の大きな出来事や話題が問題文に盛り込まれるケースです。したがって教科書内容の学習に加え、前述の通りニュースにも目を通しておくと安心です。
出題の内訳や難易度は、地域や学校によっても異なります。多くの公立高校では3分野からバランスよく出題されますが、一部で世界史の比重が高かったり、資料読み取り問題が非常に多かったりと特色があります。
自分の志望校ではどんな社会の問題が出やすいのか、過去問や学校説明会の情報などで把握し、その範囲を重点的に勉強するとよいでしょう。
高校受験の社会はいつから勉強すればよいですか?
できるだけ早く取り組み始めるに越したことはありません。 社会科は中1から中3まで3年分の内容が範囲となりますので、本格的な受験勉強の前からコツコツ積み重ねておくのが理想です。例えば中学2年生のうちに地理と歴史の基礎固めをしておけば、中学3年生になってからだいぶ楽になります。
しかし部活などで忙しく、なかなか余裕がない人も多いでしょう。その場合でも、中学3年生の春(新学期)からは本腰を入れて勉強を始めることをおすすめします。社会は暗記科目だからと後回しにすると、夏以降、ほかの教科で手一杯になり社会まで手が回らなくなる恐れがあります。先述のように、遅くとも夏休み終了時までに全範囲の学習を終える計画で進めるのが望ましいです。4月から教科書の復習を少しずつ始め、9月までに一通り学習→秋以降は問題演習と暗記の仕上げ、というペース配分ができると理想的です。
中学1~2年生のうちは部活動や行事もあり忙しいですが、授業の復習や定期テスト勉強を通じて基礎知識を着実に身につけておきましょう。その積み重ねが入試勉強への土台となります。3年生になったら早めに受験モードに切り替え、社会も計画的に進めてください。
高校受験生は1日何時間勉強していますか?
中学生の学年別勉強時間は以下のようになっています。
【中学生の学年別の平均学習時間(平日/学校の宿題をする時間は除く)】 | |
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学年 | 1日あたりの学習時間 |
中学1年生 | 約60分 |
中学2年生 | 約1時間38分 |
中学3年生 | 約1時間51分 |
調査対象:中学生の子どもを持つ保護者(有効回答数100名)調査時期:2024年3月 調査機関:自社調査 調査方法:インターネットによる任意回答 調査レポート名:中学生の勉強時間に関する調査
特に、部活動を引退した後(中3の夏以降)は平日でも3~5時間勉強している生徒が最も多く、休日は5~7時間以上勉強する生徒も珍しくありません。受験直前の時期(冬休み~入試直前)には、平日でも学校以外に5時間前後、休日は8時間以上勉強するという声もあります。
上位校を目指す生徒ほど勉強時間は長くなる傾向がありますが、大切なのは毎日欠かさず勉強する習慣をつけることです。例えば、平日は部活がある日は2時間、引退後は4時間、と生活リズムに合わせて計画を立てましょう。休日は、平日の復習+弱点補強にまとまった時間を充てると効果的です。
ただ、「〇時間勉強したから安心」というものでもありません。短時間でも集中してやる子もいれば、長時間でもだらだらしてしまう子もいます。あくまで質と継続が大事です。自分の目標に合わせて「今日はここまでやる」という課題を決め、時間を有効に使ってください。
偏差値70を目指すには1日何時間勉強すればよいですか?
偏差値70は、上位数%という非常に高い目標です。それだけの成績を取る生徒は、日頃から人一倍勉強しているのが実情です。偏差値70以上を安定して取るためには、平均的な生徒の勉強時間よりさらに多くの時間を継続的に確保する必要があるでしょう。
具体的には、中学3年生で偏差値70を目指すなら、平日は少なくとも3~5時間程度、休日は6~8時間以上の勉強時間を目安にすると良いです。部活動を引退する前の時期でも平日2~3時間は勉強し、引退後の秋以降は平日でも3時間半~5時間程度に増やすなど、徐々に勉強量を積み上げていきましょう。
重要なのは、質の高い勉強を一年間コンスタントに続けることです。
夏休みだけ、冬休みだけなど、一部の期間だけ頑張っても偏差値70には届きません。日々の積み重ねで学力は伸びていくので、「毎日欠かさず勉強する」「学校の授業も全力で集中する」といった基本を徹底しましょう。
高校受験に向けたおすすめの塾5選
ここでは、高校受験に向けたおすすめの塾を5つ紹介します。
臨海セミナー
塾の特徴
臨海セミナーでは、高校受験に向けて中学1年生から対策ができる「高校受験/定期テスト」「難関国私立受験」「都立・公立トップ校受験」などのコースが用意されています。
1クラスの人数は20名前後。同じ教室で学ぶライバルと切磋琢磨しながら、学力を高められる環境が整えられているのも特徴です。また授業では、確認テストにより講師が生徒の理解度を把握。苦手な科目や単元があれば克服のための相談にも乗ってくれる、めんどうみのよい塾です。
臨海セミナーが高校受験におすすめの理由
臨海セミナーでは、公立高校入試で必要とされる内申点対策にも力を入れています。講師は、中学校の先生の定期テストの出題傾向を分析。テスト直前の土・日曜には分析を基にした定期テスト対策講座を行い、定期テストの得点アップをサポートします。
東京都の自校作成問題、神奈川県の特色検査、埼玉県の学校選択問題にも対応できる応用力や実戦力が身につく「入試対策講座」も各地域別に実施。また千葉県の入試制度や入試問題の傾向の変更にも柔軟に対応するなど、公立TOP校の受験に必要な講座や対策を実施しているのが臨海セミナーの特徴です。
湘南ゼミナール
塾の特徴
湘南ゼミナールは集団授業ですが、授業後の「個別フォロータイム」で生徒一人ひとりに寄り添う丁寧な指導を実現。授業中に理解できなかった内容も、理解できるまでサポートしてもらえます。
湘南ゼミナールでは、生徒に自宅学習プランを提示。生徒が学習習慣を身につけられるような、完全個別の学習サポートを提供しています。
湘南ゼミナールが高校受験におすすめの理由
湘南ゼミナールの授業は「湘ゼミ合格逆算カリキュラムⓇ」によって進められます。このカリキュラムは、専門チームの徹底した入試分析によって作成されているため、トップ校合格に必要なハイレベルな問題を解く力を養成できる内容になっています。
湘南ゼミナールでは、中学校別の定期テスト対策を実施。定期テストの出題傾向や過去の通塾生の解答データを踏まえた対策授業が受けられるため、テスト範囲の要点をしっかり押さえられます。また内申点アップに重要な定期テストで高得点が取れるように、応用問題や発展問題の対策も行うなど、公立TOP校志望の生徒に対しても徹底的にサポートをしています。
市進学院
市進学院の特徴
市進学院は、市川、渋谷幕張や県立船橋、千葉、東葛飾など首都圏最難関校や、地域の名門校への高い合格実績を誇っています。
高い合格実績の理由は、講師が解答に至るまでのプロセスを生徒と一緒に考えていく発問形式(市進の共演授業®)の授業スタイルです。日々の授業で、難関校が重視する「主体性」や「思考力」を磨きます。
クラスは少人数制の集団指導で、志望校別のクラス分けを実施。同じ志望校を目指す仲間から刺激を受けながら、生徒一人ひとりの理解度に合わせた丁寧なフォローを受けられるのが市進学院の指導の特徴です。
市進学院が高校受験におすすめの理由
市進学院では入試から逆算したカリキュラムで授業を行い、入試で必要とされる得点力を養成します。復習をしながら新しい単元の勉強をする「らせん型カリキュラム」が、得点力向上のポイントです。学習内容の定着を図りつつも、新しい単元の理解度を深め、問題が「解ける」得点力を効率的に向上させます。
9月~1月にかけて行う高校入試対策合格突破講座では、各都県の入試問題の分析をもとに5教科の得点力アップに焦点を当てて授業を行います。2023年の千葉県入試では、市進学院の塾生と全県の平均点の差は92.7点。公立TOP校で必要とされる入試での高い得点力を身につけたい生徒には、市進学院がおすすめです。
より高みを目指したい公立TOP校の受験生には、難関校受験専科「PREPコース」の受講もおすすめです。より難度の高い問題を扱うため、得点力にさらに磨きをかけられるでしょう。
スクールIE
スクールIEの特徴
授業は1対1の完全マンツーマン、または講師1名に対して生徒が2名つくスタイルです。生徒一人ひとりの理想を現実にする、オーダーメイドカリキュラムに基づいて行われます。つまずきの原因がわかる学力診断テストのほか、子どもの個性や性格から効果的な学習方法を見つける個性診断テストも実施。テストの結果に沿ってカリキュラムを作成し、指導方法を一人ひとり工夫します。
個別指導WAM(ワム)
塾の特徴
AIによる分析、そしてオーダーメイドの学習カリキュラムに基づいて個別指導が行われます。不十分な箇所は何学年もさかのぼって学習し直すため、確実に成績が上がっていくことでしょう。
個別指導のため、学校の授業理解から定期テスト対策、そして高校受験対策まで幅広い学習ニーズに対応可能です。定期テスト2週間前からは、対策授業がスタート。過去問をベースにして反復学習を行い、テスト本番に備えられます。
高校受験におすすめの塾について詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。まとめ
高校入試の社会は暗記だけでは太刀打ちできない問題も増えており、早いうちから計画的に対策を進めることが大切です。歴史・地理・公民の3分野それぞれに特徴があるので、本記事で紹介したような分野に合った勉強法でバランスよく学習しましょう。
社会科目は正しい方法で継続すれば、比較的短期間で点数を伸ばしやすい科目でもあります。苦手意識がある人も、まずは興味を持つことから始めてコツコツ取り組んでみてください。社会は努力が結果に結びつきやすい科目です。
焦らず計画的に、そして着実に勉強を続けていきましょう!
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

2001年生まれ 東京大学教育学部卒 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を 勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。得意科目は数学で、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場した経験がある。現在は(株)カルぺ・ディエムに所属し全国各地で年間100回以上の講演活動を行い、勉強モチベーションや計画の立て方などを伝えている。自著に、「東大生の考え型(2022,日本能率協会マネジメントセンター)」「東大式 数値化の強化書(2024,彩図社)」などがある。 X公式アカウント:https://twitter.com/nagatakosaku08