中学受験に落ちた後にすべき親のサポート|メンタルフォローについても解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
「何年も時間をかけて準備をしたのに、中学受験に落ちた」「子どもがショックを受けて、大きく落ち込んでいる」といった状況にある人はいませんか?せっかく頑張って中学受験をしたにも関わらず、志望校に合格できないのは辛いこと。ショックを受けた子どもに対して、どう接すればよいのかわからない親御さんもいるかもしれません。
今回は中学受験に落ちた後にすべき親のサポートについて、メンタルフォローのコツと一緒に解説します。
中学受験に落ちた後にすべき親のサポート
子どもによっては数年以上も時間をかけて、中学受験合格に向けて大きな努力をしていることでしょう。その分、志望校に落ちてしまったときのショックは大きくなります。親がするべきサポート内容を、全部で5つ見ていきましょう。
合否を正直に伝えて、子どもに考える時間をあげる
志望校に落ちてしまった事実は隠さず、正直に子どもへ伝えましょう。ただし、「〇〇中学校は不合格だった」「〇〇中学校はダメだった」と否定的な言葉を使わず、「〇〇中学校とは縁がなかったね」など、オブラートに包んだ柔らかい表現が好まれます。
合否を伝えた後は、親があれこれいわず、子どもが自分自身で考える時間を与えてください。結果を受け止め、子どもなりに考える時間が必要です。
そして、子どもから話があれば、しっかりと耳を傾けて聞いてあげましょう。悔しい気持ちや悲しい気持ちに寄り添い、共感を示すことでショックから立ち直れるようになるはずです。
結果に関わらず褒めてあげる
結果に関わらず褒めてあげることも、絶対に忘れないようにしましょう。受験に落ちてしまったことは残念ですが、受験で得られるものは合否の結果だけではありません。
たとえ不合格だったとしても、これまでに一生懸命勉強してきたプロセス自体は、高く評価されて当然です。「合格できなかったけれども、2年間は本当に頑張ったね。学力だけでなく、一人の人間として成長できているよ」「遊びたいのも我慢して、よく頑張った。これからもチャンスはたくさんあるから、大丈夫だよ」など、子どもの自己肯定感を高められるような言葉がけを意識してください。
また、実際にあった経験談を伝えることも効果的です。「お父さんは高校受験で志望校に合格できなかったけれども、大学受験で頑張って第一志望校に合格できた」など、モデルケースを提示することで、子どもへの説得力が高まります。
子どもが希望すれば、別の中学を受験させる
子どもが希望した場合は、積極的に別の中学校を受験させましょう。
中学受験では多くの学校が、1月上旬に1次募集の試験がおこなわれます。1月下旬の合格発表を経て、募集定員に満たない中学校の中には、2次募集や3次募集をおこなうところがあります。
そのため、第一志望校に合格できなかったとしても、他の中学校の受験にチャレンジできることもあるのです。第一志望校以外にも良い中学校はたくさんあるので、子どもが希望すれば受験させてください。
普段通りに接してあげる
いつもと変わらず、普段通りに接してあげることも大切です。子どもに早く立ち直ってほしい気持ちから、必要以上に気づかう必要はありません。反対に、子どもが親の言動を気にするようになってしまうでしょう。
特別なことはせず、いつも通りの生活を意識してください。一緒にテレビを見て笑ったり、おいしい食事をとったりする生活を通して、時間とともに少しずつ立ち直ります。
新たな目標を一緒に考えてみる
不合格だった現実を受け入れ、気持ちの整理がある程度できたら、新しい目標を一緒に考えてみましょう。中学受験以外の目標を持つことで、前向きな生活を送れるようになります。
たとえば、将来なりたい職業を考えてみるのもよいですね。特定の職業に就くためにはどのような資格が必要なのか、何を勉強すればよいのか、どのような学校へ通えばよいのかなどを調べてみてください。中学受験に失敗しても、希望する職業に就くための手段はたくさんあることに気がつきます。
中学受験に落ちた子どもにやってはいけないこと
中学受験に落ちると親は感情的になって、子どもにとってマイナスの行動をとってしまうことも少なくありません。多くの親がやってしまいがちな、NG行動を全部で4つ紹介します。
周りと比較する
まずは周りと比較することです。「〇〇君は、第一志望校に合格できたのに」「お兄ちゃんみたいに努力しなかったから」など、同級生や兄弟姉妹と比べることは止めましょう。
他人と比べられると、子どもはマイナスの自己イメージを持ちます。「自分は〇〇君よりも劣っている」「どうせ自分はダメだ」など、自己肯定感を失ってしまうでしょう。比較された相手を恨む気持ちも生まれ、兄弟仲の悪化にもつながります。
全否定する
「やっぱり何もできないのね」「何をやってもうまくいかない」など、子どもを全否定するような言い方にも注意が必要です。
親は感情的になってつい口にしまったとしても、言われた子どもの心には深く突き刺さります。一生忘れられない傷になることもあるでしょう。自分自身に対する自信を失うだけでなく、口にした親に対する不信感も生まれます。
結果のことばかり言う
3つ目は結果のことばかりを言うことです。もちろん結果は大切です。中学受験をする子どもや親にとって、志望する学校への合格は大切なこと。そのため、不合格だったときの親の辛い気持ち、結果にこだわりたい想いは理解できます。
しかし、子どもに結果のことばかり言うのは止めましょう。「不合格になって、この先どうするの?」「努力が足りなかったから、不合格になった」などです。結果をふり返って今後の糧にするのは大切ですが、できなかったことばかりを口にしても、良いことは何ももたらしません。
正論を言う
正論を言うのも止めましょう。「勉強を始めたのが遅かったから、不合格でも仕方ないよね」「学力よりも高いレベルの学校を受けたのだから、不合格になって当たりまえだよ」などは、どれも正論です。親は「なぜ子どもはわかってくれないのか」といった気持ちで正論を口にしますが、実は子どもは十分に理解しています。
理解していることをさらに正論でたたみかけられると、子どもは反発するかもしれません。前向きな気持ちにもなれないでしょう。
どうしても正論を伝える必要がある場合、まずは共感するところから始めてみてください。子どもの気持ちに寄り添って共感することで、正論にも耳を傾けてくれるようになるはずです。
中学受験に落ちたメンタルを立ち直らせるコツ
中学受験に落ちると、メンタルも落ち込みます。受験した子ども本人はもちろんのこと、これまで一生懸命サポートしてきた親自身も落ち込むかもしれません。
以下で紹介するように、メンタルを立ち直らせるコツがいくつかあるので、上手に実践していくとよいでしょう。
好きなものに没頭する
まずは好きなものに没頭することです。受験からいったん離れて、好きなものに思いっきり時間を費やしてみましょう。
受験勉強中は行けなかったテーマパークや遊園地で遊んだり、好きなアーティストのコンサートへ参加したり、旅行に行ったりと、思いっきり好きなことに没頭してみてください。
また、普段は食べられない豪華なものや、ケーキ、パフェなどの子どもが好きなものを食べるのもよいでしょう。気持ちがリフレッシュして、落ち込んだ気持ちが回復するはずです。
受験失敗よりも、悪いことをイメージする
「中学受験は人生のすべてではな��」と頭で理解していても、受験に失敗すると大きな絶望に襲われることでしょう。絶望の状態でポジティブになるのは難しいため、反対に、受験失敗よりも悪いことをイメージするのもおすすめです。
たとえば、「命に関わる病気にかかった」「交通事故に遭った」「大きな災害に見舞われた」など、受験失敗よりも悪い状況はたくさんあるはず。悪いことをイメージすることで、「中学受験に失敗したことなんて、ささいなことだ」と思えるようになります。
当初の目的を確認する
3つ目は当初の目的、つまり何のために中学受験をしたのかを確認してみることです。
おそらく多くの親御さんは「子どもが将来、幸せな生活を送れるように」と思って、中学受験をさせていることでしょう。「将来の幸せな生活」という目的を達成する一つの手段として、中学受験を考えていたわけです。
幸せな生活を送るための手段は、中学受験以外にもあるはず。当初の目的を確認することで他の道があることにも気づき、メンタルの落ち込みを回復させてくれます。
中学受験に落ちた原因を考え次に生かす
中学受験に落ちてしまったことには、何かしらの原因があるはずです。単に不合格として済ませるのではなく、原因を分析した上で次に生かしましょう。たとえば、不合格にいたった考えられる原因は次の5つです。
・子どもの学力を客観的に把握していなかった
・レベルの高い学校ばかりを受験していた
・学習時間ばかりに目が向き、学習内容を重視しなかった
・使用する教材や通塾先を、何度も変えてしまった
・親が子どもにプレッシャーをかけすぎた
中学受験で不合格だった小学生の中には、次は高校受験でリベンジをしたいと思っている子どももいることでしょう。高校受験では失敗しないように、中学受験の経験を生かすことが大切です。
効果的に受験勉強を進めるなら、塾に通う方法があります。中学1年生から高校受験を意識して塾に通い始めれば、余裕を持って受験対策ができるはずです。
中学生におすすめの集団塾と個別塾については、下記の記事でそれぞれ解説しています。ぜひチェックしてみてください。
・【中学生】集団指導のおすすめ塾10選!塾ごとの特徴・費用も徹底解説!
・【中学生】個別指導塾おすすめ10選!塾の特徴・費用も徹底解説!
まとめ
中学受験に落ちてしまうことは、子どもにとって大きなショックをもたらします。できる限りショックをやわらげて、前向きな生活に戻れるように、親が最大限のサポートをしてあげましょう。結果だけにこだわらず、努力をしたプロセス自体はしっかり褒めてあげたいところです。
また、受験に落ちた経験はそのままにしておかず、必ず次に生かしてください。原因をふり返って分析することで、普段の学習や高校受験、大学受験などにつながります。
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