【大学受験】現代文の勉強法|解き方のコツや点数が伸びない原因、おすすめ塾など解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
大学受験で文系学生だけでなく、国公立大学を目指している理系学生にとっても必須なのが現代文です。受験生の中には、「現代文の勉強法がわからない」「点数が低くて、他教科の足を引っ張っている」などと悩んでいる子どももいるのではないでしょうか。
今回は点数アップにつながる現代文の勉強法について、解き方のコツや点数が伸びない原因、受験対策におすすめの学習塾情報などと一緒に解説します。
大学受験で課される現代文とはどんな科目?
大学受験で課される現代文の具体的な内容は、大学によって大きく異なります。大まかには次のような分野から出題されるでしょう。
- ・漢字、四字熟語、異口同音
- ・文法
- ・評論や小説などの読解
- ・詩や短歌、俳句
- ・自由表現
多くの大学入試で出題され、最も大きな配点を持つのが評論や小説などの読解です。読み手の主観を交えずに文章を読み、書かれているものの中から筆者の主張や段落ごとの役割、主なテーマ、登場人物の心境変化などを、正しく理解しなければ問題が解けません。
よく「現代文にはセンスが必要」といわれますが、大切なのは問題を解くポイントを押さえられているかどうかです。普段から本を読んでいなくても、あまり得点率には関係ありません。そのため、これから紹介する勉強法や解き方のコツを理解することで、得点アップが期待できるでしょう。
現代文の点数を上げるために必要な4つの力
現代文の点数を上げるためには主に、語彙力と文法力、読解力、解答力の4つの力が求められます。それぞれの力の詳細を、一つずつチェックしていきましょう。
語彙力
現代文を正しく読み、解答を正しく記述するために必要なのが語彙力です。語彙力は主に漢字と、慣用句やことわざといったキーワードの2つに分類できます。
特に評論の問題があつかうジャンルは思想や経済、哲学、言語などの硬いものが多く、日常生活であまり馴染みの少ない言葉がたくさん出てくるでしょう。ジャンルやテーマ特有の語彙を知っているかどうかで理解の度合いが変わり、知らない語彙ばかりでは間違った解釈につながりかねません。
語彙力を身につけるためには、実際に問題を解いてみて、わからない漢字やキーワードがあればその都度調べてみましょう。また、専用の参考書などを使って、現代文における頻出キーワードを勉強しておくことも効果的です。
文法力
文法力も語彙力と同じように、文章を正しく読むために欠かせない力です。大学受験の現代文では一文が長く、何が何を指しているのかつかみにくいことが少なくありません。「主語と述語を明確にする」「省略された主語や目的語を理解する」「ある単語が、どの単語にかかっているかを理解する」力を身につけることで、正しく文章を読めるようになります。
文法が苦手な場合は、中学生向けの参考書を使ってください。高校の授業では、文法の学習がおこなわれないためです。「文と文の関係」や「指示語」「修飾関係」「接続詞」などに着目し、一通り知識を入れておくとよいでしょう。
読解力
長文読解の出題割合が多い中で、最も点数アップに必要となるのが読解力です。書かれている文章の大筋をつかみ、さらに筆者の主張や登場人物の心情変化などを正しく理解するための力を指します。
読解力を高めるためには、文同士のつながりを意識しながら読み進めることが欠かせません。文同士のつながりを正しく理解するには、接続詞に着目しましょう。特に「一方で」「しかし」などの逆説、「それゆえ」「~なので」などの因果、「つまり」「結局」「要するに」などの結論などのほか、「これ」「それ」といった指示語が何を指しているのかを意識しながら文章を読みます。
解答力
最後の力は解答力です。記述式問題では指示された文字数で論理的に答えをまとめ、マーク式問題では正しい選択肢を判断する力を指します。
解答力を身につけるためには、解答に至った根拠を見つけるトレーニングをくり返しましょう。問題演習が終わったら正解・不正解に関わらず、もう一度文章を読んで、解答の根拠を探してみてください。また、記述式問題ではいきなり解答を書き始めず、まずは全体の構成を練ってから書くことが大切です。
大学受験に向けた現代文の効果的な勉強法
続いては大学受験に向けた現代文の、効果的な勉強法を全部で3つ紹介します。
勉強法①:小説などではなく、現代文の参考書を読む
先で述べたように、普段から読書習慣があるからといって、必ずしも現代文の得点アップにはつながりません。筆者の主張を論理的に考えながら読む場合は別ですが、普段の読書でそこまで意識をする子どもは多くないはずです。
現代文の学習では小説などではなく、現代文に特化した参考書を読んでください。入試で実際に出題された文章や、似ている文章だけが収録されており、入試の文章形式に慣れることができます。
勉強法②:単語や文法を暗記する
現代文で出題される漢字や四字熟語、異口同音のほか、特に評論で使われる硬い語彙対策としても、単語や文法の暗記が有効です。
特に現代文の点数が低い場合は、語彙と文法の基礎が身についていない可能性があります。専用の参考書を用いて、率先して暗記に取り組みましょう。
勉強法③:解き終えたら復習をする
問題を解き終えたら、必ず復習をしてください。答え合わせをして、間違ったところの解説を読むだけでは足りません。解説を読んで内容を理解したら、他の日にもう一度文章に戻って、自分で解答へ至る根拠を見つけましょう。
現代文で問題を解くためには文章の要旨や論理構造を見抜き、どのようなプロセスで解答へ至ったかを説明できることが大切です。くり返し問題を解き直す過程を積み重ねていくことで、読解力と解答力がアップしていきます。
現代文ができない!点数が伸びない原因
現代文の点数が伸びない理由はセンスではなく、勉強法や考え方にあるのかもしれません。現代文ができない主な原因は、次の3つです。
センスや感覚で解くものと思っている
センスや感覚で解くものと思っていると、いつまでたっても現代文の点数はアップしません。文章を正しく読むために必要な文法力や読解力を身につけた上で、筆者の主張や論理的な構造を見抜くための訓練を重ねないと、入試レベルの問題は解けないでしょう。
現代文対策に、センスや感覚は必要ありません。
単語(漢字・語彙)を疎かにする
現代文の点数が伸び悩んでいる高校生の中には、漢字や語彙といった単語対策を疎かにしている子どもが少なくありません。基本的な漢字や語彙を知らずに文章を読んでも、文意を正しく読み取ることは不可能です。
単語の暗記は単調な作業ですが、苦手な場合はコツコツと積み重ねていきましょう。
解いたまま見直しをしない
点数が伸びない最後の原因は、問題を解いたまま見直しをしないことです。
現代文で問題を解いた後の復習は、他の教科以上に大切なこと。ただ解説を読んで「なるほど」と納得するだけでなく、もう一度問題に取り組んで、解答へ至った根拠を自分で見つけられるようにすることが欠かせません。
現代文対策!解き方のコツを紹介
現代文の読解問題を解く際は、どのような問題にも共通したいくつかのコツがあります。
コツ①:主語・述語・指示語を特定させる
現代文の問題の中には文章中で、主語・述語・指示語の3つがあいまいになっているものが珍しくありません。
これら3つが何を指しているのかを理解せずに文章を読み進めてしまうと、間違った解釈へつながってしまいます。たとえば、解答の選択肢の内容自体は文章と一致していても、主語・述語・指示語の内容が誤っているため不正解とするものもあるでしょう。
文章を読んでいく中で主語・述語・指示語が出てきたら、それぞれが何を指しているのかを意識することが大切です。
コツ②:接続詞の着目する
筆者が文章中のどこに重きを置いているのか、登場人物の心情がどのように変わっていくのかを知るために大切なのが、接続詞への着目です。
たとえば、「一方で」「しかし」などの逆説を表す接続詞の後には、筆者が強調したい内容が示される可能性が高まります。また、「たとえば」の後には、筆者の主張を肉付けする事例が示されることが多いでしょう。
代表的な接続詞の意味を理解し、文章を読む際は接続詞にチェックを入れながら読むと、文章構造が理解しやすくなります。
コツ③:段落ごとのトピックを理解する
最後のコツは、段落ごとのトピックを理解することです。文章全体で筆者の主張を理解するためには、全体を構成している段落ごとのトピック理解が役立ちます。
各段落のトピックを知るためには、メインとなる一文を探してみましょう。たいていは段落の最初や最後に書かれています。段落ごとで筆者が伝えたいことをつかみながら、文章を読み進めてみましょう。
【大学受験】現代文対策におすすめの塾
現代文は正しい勉強法を用いることで、しっかり点数が伸びる教科です。以下で紹介する学習塾では、現代文対策に向けた専門的な学習指導を受けられます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
おすすめ塾①:鶏鳴学園
鶏鳴学園は大学受験の国語専門塾です。
塾の特徴
高校生向けには「高1クラス」「高2クラス」と、高校3年生と高卒生を対象とする「受験クラス」の3つが開講されています。授業は少人数のゼミ形式。アットホームな雰囲気の中で、「読み、書き、話し、聞き、考える」といった総合的なスキルを磨いていけるのが特徴です。
「受験クラス」では受験に完全対応したカリキュラムで、志望大学合格を目指します。「現国」の授業では毎回1題の入試問題をテキストに用い、第Ⅰ期では評論文の読解を、第Ⅱ期の前半では小説文の読解を指導します。授業の最初に担当者がレジュメをもとに発表し、その後クラス内で意見交換を実施。最期に講師が解説をする流れです。
料金
鶏鳴学園のホームページによると、「受験クラス」の授業料は第Ⅰ期(4月~6月)と第Ⅱ期(9月~11月)のそれぞれで11万円となっています。
おすすめ塾②:直井メソッド国語専門塾
直井メソッド国語専門塾は、マンツーマン指導にこだわった国語に特化した学習塾です。
塾の特徴
授業スタイルはマンツーマン指導です。対面式の他にオンライン指導もおこなっているので、遠方から受講したい子どもにも適しています。マンツーマン指導のため、一人ひとりの国語力に合わせてカリキュラムをオーダーメイド。講師との会話を通して思考力が磨かれ、「わかった」「できる」体験を重ねていけます。
文章全体の意味を理解するためには、論理構造を図解することが効果的です。直井メソッド国語専門塾では図解チャートで論理構造を視覚化させ、現代文が苦手な子どもでも正しい文章構造に沿って読解練習を進めていけます。
H4.料金
直井メソッド国語専門塾のホームページによると、新高校3年生が対面式の「大学受験コース」を受講する場合、月の授業料は3万9,050円です(月4回、1回55分授業)。
おすすめ塾③:鈴木国語研究所
3つ目のおすすめ塾は、鈴木国語研究所です。
塾の特徴
鈴木国語研修機序は中学受験から大学受験までの、国語対策に特化した学習塾です。1クラスあたりの定員は、最大20人となっています。
「大学受験 現代文・小論文講座」では、大学入試レベルの論説文に比重を起きます。平易なものから難しいものまであつかい、あらゆるレベルの学力に対応可能です。記述式問題を通して論理的分析を深め、高い読解力と記述力を身につけます。さらに要約と小論文作成を通じて、大学受験で通用する現代文の力を養えるのが特徴です。
料金
鈴木国語研究所のホームページによると、「大学受験 現代文・小論文講座」の授業料は月2万6,000円です。
おすすめ塾④:東進ハイスクール
全国的に有名な現代文の講師が在籍しているのが、東進ハイスクールです。
塾の特徴
授業スタイルは映像授業です。たくさんある映像授業の中から、一人ひとりの学力や目標に合わせて個別に視聴して勉強していきます。
たくさんのテレビ番組に出演している現代文の有名講師、林修先生が在籍していることで知られています。現代文を苦手とする子どもから、東京大学を志望する子どもまで、あらゆるレベルのニーズに対応。問題を解く手順を論理的に解説してくれるので、わかりやすいのが魅力です。
他にもさまざまな特徴を持った講師が多く在籍しており、学習ニーズや希望に合わせて講座を選べます。詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
東進ハイスクールのホームページによると、通期講座(単科)受講料は、1講座あたり7万7,000円です。
おすすめ塾⑤:進学個別指導のTOMAS
最後のおすすめ塾は、進学個別指導のTOMASです。
塾の特徴
授業スタイルは個別指導。1対1の完全マンツーマンスタイルで、より密の濃い学習指導を受けられます。わからないところはすぐに講師へ質問できるので、疑問点を残したまま次に進む心配が不要です。
受講生一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成してくれるため、現代文対策にもぴったり。一人ひとりの学力やつまずいているポイントに応じて、適切な指導を受けられます。
塾の詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
高校3年生が週1回通った場合の月額授業料は、約4万2,000円です。こちらの記事でも料金について解説しています。
まとめ
大学受験の現代文を解くために、センスや感覚は必要ありません。正しい勉強法や解き方のコツに従って演習を重ねていくことで、点数が確実に上がっていくはずです。
独学が難しい場合は、学習塾での勉強を検討してみてはいかがでしょうか。国語指導を専門としている塾や、すきま時間を生かして勉強できる映像授業をおこなっている塾など、特徴が異なる塾がたくさんあります。今回紹介した塾情報も参考にして、いくつか気になったところを比較してみてください。
・関連記事 ~この記事を読んだ方は、こちらの記事も読んでいます。
・大学受験に向けた古文の勉強法|覚え方や読解のコツ、成績が伸びない原因、おすすめ塾など解説
・大学受験に向けた漢文の勉強法|覚え方や解き方のコツ、共通テスト対策、おすすめ塾など解説
・【大学受験】英語単語・文法・長文などの勉強法|苦手な子の特徴やいつ・何から始めるべきかなども紹介
・【大学受験】地理の勉強法|いつから勉強するべきか、苦手な人向けの対策のコツなども解説
・【大学受験】日本史の勉強法|入試対策のコツやいつから学習を始めるべきかなど解説
・大学受験に向けた世界史の勉強法|いつから学習を始めるべきか、入試対策のコツなどを解説
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。