【大学受験】地理の参考書おすすめ8選|共通テスト・難関大まで「ドラゴン桜」監修・西岡壱誠氏が解説
「地理の参考書は種類が多くて、どれを選べばよいかわからない」と迷っていませんか。
地理の参考書は、現在のレベルだけでなく、講義系・知識整理・問題演習・論述など、使う目的から選ぶことも大切です。新課程では「地理総合、地理探究」への対応も確認する必要があります。
この記事では、偏差値35から独自の「暗記術」「読書術」「作文術」を生み出し、東大に合格した西岡壱誠さん(カルペ・ディエム所属・講演家)の監修のもと、地理の参考書のおすすめや使い方を詳しく解説します。自分のレベルに合った1冊を見つけて、地理の得点を伸ばしていきましょう。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
西岡壱誠
1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。 そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。
目次
地理の参考書はどう選ぶ?自分に合う1冊の選び方

参考書選びで失敗する受験生に共通するのは、「有名だから」「友達が使っているから」という基準で選んでしまうことです。自分のレベルや目的に合わない参考書を選ぶと、途中で挫折する原因になります。
まず地理という科目の本質を理解したうえで、参考書を選びましょう。
自分のレベルと志望校から選ぶ
参考書選びで最も重要なのが、自分のレベルに合ったものを選ぶことです。内容がどれほど良くても、レベルがずれていれば効果は出ません。
レベルの目安は次の通りです。
- 基礎レベル:地理をほぼ初めて学ぶ人・基本概念が曖昧な人
- 標準レベル:基礎が固まり、共通テストなどの問題演習へ進みたい人
- 難関レベル:国公立二次や難関私大で記述・論述対策が必要な人
難しすぎる参考書を選ぶと、内容が理解できず途中で挫折します。反対に、簡単すぎる参考書を使い続けると、知識は増えても得点には結びつきません。
まず自分が「どこを目指しているか」を明確にしたうえで、参考書を選びましょう。
西岡先生のアドバイス
背伸びして自分には難しい参考書を使ってしまうと、解説さえ理解できず、ほとんど買った意味がないということになりかねません。
因果関係が大切な科目だからこそまずは基礎をじっくり固めることがとても重要です。反対に簡単すぎる参考書では実戦経験を積むことが難しくになってしまいます。
共通テストや難関大では使う知識を選んで頭の中で組み立てることが求められるので、相応の練習が必要になります。地理は暗記量が少ないからこそ、レベルにあった参考書を使うことで学習効率が大幅に高まります。参考書選びにこそ慎重になりましょう。
講義系・知識整理・問題集・論述系から目的で選ぶ
同じレベルの参考書でも、役割は異なります。地理の教材は、おおまかに「理解する本」「知識を整理する本」「問題を解く本」「論述を練習する本」に分けて考えると選びやすくなります。
参考書を何冊も買うより、自分に今足りない役割を補う1冊を選ぶことが大切です。 たとえば、用語は覚えているものの背景が理解できない人には、講義系参考書が向いています。一方、基礎知識がすでにある人には、問題集で知識を使う練習をするほうが効果的です。
地理では「なぜそうなるのか」を理解できる参考書を選ぶことも重要になります。
西岡先生のアドバイス
因果関係を理解することは応用力につながります。入試では知らない地名や、覚えていない統計データが出題されるなど初見の問題が多く、ときには植物の写真を見て雨温図を答えるというような複雑な問題も出てきます。
このときすべてを暗記しようとするのではなく、きちんと植物と気候の因果関係を整理しておきましょう。大学側は知識の豊富さを求めているのではなく知識を応用して論理的に解く力を求めているのです。
東大入試では基本的に、初見の因果関係を問う問題が出題されます。たとえば、「ハンガリーの小麦の生産量が1990年代に低下した理由を述べよ」といった問題です。当然どの参考書にも出てこないマイナーな知識ですが、ここで問われているのは知識ではありません。「ソ連崩壊後東欧は政権の混乱があった」という因果関係です。ソ連崩壊による影響は出生率や経済など多岐にわたります。
大切なのは普段から因果関係を意識することで、こうした問題が出ても予想して解答をだす思考力をつけることです。
「地理B」と「地理総合・地理探究」の対応を確認する
現在の大学入試では、新課程の「地理総合、地理探究」に対応した参考書が増えています。一方、定番教材の中には「地理B」と書かれた旧課程向けの本もあります。
これから新しく購入するなら、基本的には「地理総合・地理探究」対応版を優先するのがおすすめです。 旧課程の教材でも、地形・気候・農業・工業など、現在と共通する基本事項の理解には使えます。ただし、統計データが古かったり、新課程を前提とした内容を補えなかったりする可能性があります。
そのため、すでに持っている本を活用する場合は、新課程対応の教科書や問題集と組み合わせましょう。たとえば『山岡の地理教室【改訂版】Part1』は、旧『山岡の地理B教室』を改訂し、「地理総合」「地理探究」に対応しています。
また、2026年5月にはGakkenから『宇野の最速でわかる地理[地理総合+地理探究]』の系統地理編・地誌編も発売されています。
【一覧】地理のおすすめ参考書をレベル・目的別に比較

まず、この記事で紹介する参考書を一覧で確認しましょう。以下の表では、レベルだけでなく、参考書の役割と向いている人も整理しています。
地理のおすすめ参考書のレベル・目的別一覧
| 参考書 | レベル | 主な役割 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 村瀬のゼロからわかる地理B | 基礎 | 講義・理解 | 地理をゼロから学びたい人 |
| はじめる地理 要点&演習 | 基礎 | 要点整理・基礎演習 | 基礎を短く整理したい人 |
| 山岡の地理教室【改訂版】 | 基礎〜標準 | 講義・理解 | 理屈から地理を理解したい人 |
| 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本 | 標準 | 知識整理・理解 | 共通テストまで幅広く使いたい人 |
| 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる一問一答 | 標準 | 知識確認 | 覚え漏れを確認したい人 |
| 2027共通テスト総合問題集 地理総合,地理探究 | 標準 | 実戦演習 | 本番形式で演習したい人 |
| 実力をつける地理100題 | 難関 | 応用・論述 | 国公立二次・難関私大志望者 |
| 納得できる地理論述 | 難関 | 論述 | 記述答案を本格的に練習したい人 |
基礎段階では、講義系参考書を何冊も使う必要はありません。自分が読みやすい1冊を軸にし、理解が進んだら問題演習へ移るのが基本です。
また、『実力をつける地理100題』や『納得できる地理論述』は刊行から年数が経っています。論述方法や問題演習には活用できますが、統計資料は最新の教科書・資料集などで補いましょう。
地理のおすすめ参考書3選【基礎レベル】

基礎レベルの参考書が向いているのは、地理を初めて学ぶ人や、基本概念が曖昧な人です。共通テストで5割以下の人も、まずは基礎レベルから土台を作りましょう。
①村瀬のゼロからわかる地理B(村瀬哲史著・Gakken)
『村瀬のゼロからわかる地理』は、予備校講師・村瀬哲史先生による講義形式の参考書です。先生が話しかけてくれるような文体で、図・写真・イラストも豊富。「なぜそうなるのか?」を丁寧に解説してくれるため、知識を因果関係でつなげながら理解できます。
地理をゼロから始める人や、教科書を読んでも頭に入らない人に特に向いています。最初の1周は細かい知識を覚えようとせず、流れをつかむことに集中しましょう。
ただし、書名の通り旧課程の「地理B」向けです。これから新しく参考書を購入する場合は、新課程対応の講義系参考書と比較して選ぶとよいでしょう。
西岡先生のアドバイス
この参考書は教科書的な説明というよりも図版が多く、視覚的に捉えることができるため固い内容でも退屈さを感じづらく、理解が進みやすい一冊です。
一方で知識が網羅的な分、本も分厚くなっており、生半可に手を出すと一周回すことができず効率が悪くなります。じっくりでも地理に時間をかけられるときに利用しましょう。
②はじめる地理 要点&演習(吉田之彦著・Z会)
『はじめる地理 要点&演習』は、Z会が発行するコンパクトな地理入門書です。地理学習の基本事項を40テーマに厳選しており、要点と実戦問題がセットになっています。
基礎をひと通り押さえたい人や、入試に向けて基本事項を確認し直したい人に向いています。インプットとアウトプットを1冊で進めたい人にも使いやすい参考書です。
一方、刊行から年数が経っているため、新課程対策をこの1冊だけで完結させるのは避けましょう。最新の教科書や問題集と併用するのがおすすめです。
西岡先生のアドバイス
いきなり本格的な問題演習はハードルが高いという人にはおすすめです。各小問に解答のヒントがあり、レベル分けもされているので、この参考書を使って焦らず自分のペースで問題演習に取り組みましょう。
ただしこの参考書のみに頼ると、暗記の方に重点がおかれてしまい、重要な因果関係を疎かにしてしまうおそれがあります。教科書や資料集も併用しながら利用するべきです。
③山岡の地理教室【改訂版】Part1(山岡信幸著・ナガセ)
『山岡の地理教室【改訂版】Part1』は、旧『山岡の地理B教室』を大幅改訂した講義系参考書です。2026年に刊行され、「地理総合」「地理探究」に対応しています。
Part1では地形・気候を中心に、人口・民族・交通・環境問題などを扱います。各講の後には、共通テストレベルの必出事項をまとめた「テキスト」も収録されています。
これから新しく講義系参考書を購入するなら、有力な候補の一つです。 講義口調で読み進められるため、教科書だけでは地理を理解しにくい人にも向いています。
西岡先生のアドバイス
知識ではなく論理が重視されているので、地理という科目の面白さを実感することができます。何より読みやすさが特徴で、演習に疲れたから復習がてら読んでみるというのも効果的な使い方になります。
その代わり地誌は扱っていないので、この参考書をやって地理をある程度終えた気になってはいけません。教科書や別の参考書を使って知識を補填する必要があります。
※監修コメントは旧版についてのものです。改訂版Part1では収録範囲が変更されているため、購入時は最新の収録内容を確認してください。
地理のおすすめ参考書3選【共通テストレベル】

共通テストレベルの参考書が向いているのは、基礎が固まり、実戦的な得点力を身につけたい人です。
ここでは教材選びに絞って紹介します。共通テスト地理の具体的な出題傾向や勉強法は、以下の記事で詳しく解説しています。
④改訂第2版 大学入学共通テスト 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本
『大学入学共通テスト 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本』は、共通テスト地理の定番対策書です。地理的な知識・理論の正確な理解と、地図やデータの読解力を同時に鍛えられる構成になっています。
系統地理から地誌まで共通テストの範囲を網羅しています。知識の詰め込みではなく、地理的思考力を養いたい受験生におすすめです。
西岡先生のアドバイス
マーク式で、難しい知識は出ない共通テストの勉強に最適な参考書です。共通テストでは一問一答形式の問題ではなく幅広い知識を相互に関連させた問題が出題されますが、この本はそうした知識の関連が強く意識されています。
地誌の単元でも、系統地理との関わりがわかりやすく文章でまとめられているので、共通テストを意識しながら使うことで必要な考え方が身につくはずです。
秋までにはこの参考書を終えていることが理想になるため、効果的に使うなら一通り学習が終わって復習に入る、高校三年生の夏がいいでしょう。
⑤改訂版 大学入学共通テスト 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる一問一答
『地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる一問一答』は、知識確認用の教材です。選択・空所補充・正誤などの形式で重要事項を確認できます。
講義系参考書を読んだ後に、覚え漏れを短時間で確認したい人に向いています。 一問一答だけで地理を仕上げるのではなく、理解した内容を思い出せるかチェックする用途で使いましょう。
書き込み式の教材を使う場合は、復習できる状態を残しておくことも重要です。
西岡先生のアドバイス
書き込むタイプの参考書は使い方に注意する必要があります。書き込むことで、読み飛ばすことなく確実に知識の確認や問題演習ができる一方、一度書き終えた問題に対しては覚えた気になって復習がされづらくなる傾向にあります。
書き込むタイプの参考書を使う際には、代わりにノートに書きこんだり、赤字で書きこんだりして、あとで赤シートでも確認できるようにしましょう。
⑥2027共通テスト総合問題集 地理総合,地理探究(河合出版)
河合出版の「共通テスト総合問題集」は、いわゆる黒本として知られる実戦問題集です。2027年度版では、本番形式の問題を使って実戦演習ができます。
インプットがひと通り終わった後の総仕上げに向いています。 本番形式の問題を繰り返し解くことで、時間配分の感覚と得点力を同時に鍛えられます。
西岡先生のアドバイス
本番形式の参考書は当日の時間配分や難易度を意識するためにも、必ず取り組むべきです。特に全統模試など受験生が多い模試に関しては、ライバルも同じ問題を解いてくることになるため、差を詰める意味でも本番前に1度解いておいて損はありません。
本番と同様の難易度、形式になるので知識、演習ともに仕上がっている10月以降に取り組むのがいいでしょう。私立入試や国公立二次試験の勉強に時間が欲しい人は共通テスト直前期の12月に取り組むべきです。
はじめのうちは大丈夫ですが、慣れてきたら演習ではタイマーを使うようにしましょう。ひとつの問題にどれくらいの時間をかけたかということもその単元の理解力を示す指標になります。共通テストでも、論述でも、いかに素早く正確に解くかが勝負です。そのため思い出すのが遅くなったところも復習することで、実践的な勉強が可能になります。
正解不正解だけでなく、解く時間も気にすることで勉強の質が高まるのです。
地理のおすすめ参考書2選【難関大学レベル】

難関レベルの参考書が向いているのは、旧帝大・早慶や、地理の論述問題が課される国公立大学を志望する人です。
共通テストレベルまでの基礎が固まったら、論述や応用問題に対応できる力を鍛えましょう。
⑦実力をつける地理100題[改訂第3版](Z会)
『実力をつける地理100題』は、国公立二次・私大対策の定番問題集です。客観問題から論述問題まで幅広い形式を収録しており、解答編では「論述の組立て」「採点ポイント」も解説しています。
標準レベルの参考書が終わった後、応用問題や論述に慣れたい人に向いています。
刊行から年数が経っているため、統計や社会状況に関わる数値は、最新の教科書や資料集でも確認しましょう。
西岡先生のアドバイス
東京大学の入試対策としては、難易度は若干易しめぐらいのものになるでしょう。論述の基礎を頭に入れるという点では非常に優秀で、難関大学であればどんな大学にも汎用性が効く内容となっています。
一橋大学や東京大学など地理の問題に癖がある大学を受ける際には、過去問を解き始める前の「論述慣れ」のために使うのが適切です。
⑧納得できる地理論述(伊藤彰芳著・河合出版)
『納得できる地理論述』は、地理論述専門の対策書です。論述問題を6タイプに分類し、タイプ別の考え方と解き方を解説しています。
基礎知識が固まり、論述答案の作り方を本格的に身につけたい人に向いています。 単なる模範解答の暗記ではなく、必要な要素を選び、指定文字数でまとめる練習に使いましょう。
本書も刊行から年数が経っているため、最新統計が必要な問題は新しい資料で補う必要があります。
西岡先生のアドバイス
論述では問題文に正確に答えることと、論述に入れる要素を絞って適切な文字数で書くことが点数に直結します。
どれだけ十分な理解をしていたとしても、この2つができるようにならなければ、なかなか論述では点数を伸ばせません。成績を上げるためにはとにかく演習と復習を繰り返して、論述問題を解ききるスキルを身につけましょう。
目的別|地理参考書のおすすめの組み合わせ

参考書は、それぞれ単独で選ぶだけでなく、役割が重ならないように組み合わせることも重要です。ここでは「何をどの順番で使うか」に絞って紹介します。
具体的な地理の学習手順や、共通テストの分野別対策は別記事で確認してください。
地理をゼロから始める人
初学者は、講義系参考書で理解した後、知識整理、実戦問題へ進む組み合わせがおすすめです。最初から複数の講義系参考書を並行して進める必要はありません。
地理初心者向けの参考書の組み合わせは、次の通りです。
| ステップ | 参考書 | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 山岡の地理教室【改訂版】など | 地理の考え方を理解する |
| ② | 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本 | 知識を整理する |
| ③ | 2027共通テスト総合問題集 | 本番形式で確認する |
講義系参考書ですでに理解できている範囲を、別の講義系参考書でもう一度最初から学び直す必要はありません。②へ進んだ後も、わからない部分だけ①へ戻る使い方で十分です。
西岡先生のアドバイス
理解、整理、演習の流れが明確で、取り組みやすいルートになっています。インプット重視で、一番大事な基礎がしっかり身につくはずです。
ただしアウトプットにかけられる時間が少なくなり、復習の時間もあまり取れなくなってしまうので、①の因果関係にこそ力を入れて単純問題は絶対に取りきれるようにしましょう。
共通テストまで地理を使う人
学校の授業などで基礎が固まっているなら、講義系参考書を最初から読み直す必要はありません。知識整理用の1冊と本番形式の問題集を軸にするのがシンプルです。
共通テストまで地理を使う人の組み合わせは、次の通りです。
| ステップ | 参考書 | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本 | 必要な知識を整理する |
| ② | 2027共通テスト総合問題集 | 本番形式で確認する |
| 余力があれば | 実力をつける地理100題 | 応用力を補う |
①と②で不足が見つかったら、その部分だけ教科書や参考書に戻ります。
西岡先生のアドバイス
インプットと本番演習がシンプルに構成されているので、無駄な暗記事項や難しすぎる演習が省かれて、共通テスト対策の勉強時間を効率的にとれるのが強みです。
このとき、考えなしに解き続けているだけではマーク式での点数は伸びません。「なぜ間違えたのか」まで分析して復習することで初めて実力が伸びてくるのです。
国公立二次・難関私大まで地理を使う人
二次試験や私大で記述・論述が必要な人は、標準レベルの知識を固めてから論述問題集へ進みます。論述問題集は、基礎知識が不足した状態で始めても効果が出にくい教材です。
難関大学まで地理を使う人の組み合わせは、次の通りです。
| ステップ | 参考書 | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本 | 基礎知識を整理する |
| ② | 実力をつける地理100題 | 応用問題・論述に慣れる |
| ③ | 納得できる地理論述 | 論述答案の作り方を磨く |
| ④ | 志望校の過去問 | 大学固有の出題に合わせる |
参考書だけで完成させようとせず、最後は必ず志望校の過去問につなげましょう。
西岡先生のアドバイス
最も難しい論述を重点的に対策できる構成になっています。このルートをやり抜けば、「わかっていたのに正解できない」状況になることなく、本番でも十分に力を発揮できるはずです。
しかし同時に、このルートは最も足をすくわれやすいルートでもあります。基礎知識の完全な定着が前提にあるので、基礎が疎かな受験生は伸び悩んでしまうことになるからです。
このルートで成功するためには、間違いを演習不足のせいにするのではなく、基礎を見直すことも視野に進めていくべきでしょう。
地理の参考書に関するよくある質問

最後に、地理の参考書を選ぶときに迷いやすい点をまとめます。本文で紹介した参考書を購入する前に、自分に必要な冊数や教材の役割も確認しておきましょう。
地理の参考書は何冊必要?
地理の参考書は、多ければよいわけではありません。まずはインプット用の1冊を決め、必要に応じて問題集を1冊追加する程度から始めるのがおすすめです。
参考書を何冊も並行すると、同じ内容を繰り返し読む時間が増えてしまいます。1冊で理解できない部分がある場合だけ、別の参考書を補助的に使いましょう。
地理Bの参考書は地理総合・地理探究でも使える?
旧課程の地理B参考書でも、地形・気候・産業・人口などの基本事項を理解するためには活用できます。ただし、2027年度入試に向けて新しく買うなら、新課程対応本を優先したほうが安心です。
特に統計データは時間とともに変化します。旧課程本を使う場合は、新しい教科書や資料集、問題集と併用してください。
講義系参考書と問題集はどちらから買う?
基本事項の理解に不安があるなら、講義系参考書を先に選びます。すでに学校の授業で基礎を理解できているなら、問題集から始めても構いません。
「読めばわかるが、問題では解けない」という状態なら、次に必要なのは新しい参考書ではなく問題演習です。 逆に問題の解説を読んでも意味が理解できないなら、講義系参考書に戻りましょう。
参考書は1冊を繰り返すべき?複数使ってもいい?
基本となる参考書は、1冊を繰り返して使うのがおすすめです。ただし、すべてを1冊だけで完結させる必要はありません。
役割が異なる教材を組み合わせることと、似た参考書を何冊も並行することは別です。 講義系1冊と問題集1冊のように、目的を分けて使いましょう。
地図帳や資料集も買ったほうがいい?
地理では、参考書だけでなく地図帳や資料集も役立ちます。学校で使っている地図帳や資料集があるなら、まずはそれを活用しましょう。
参考書に地名や統計が出てきたときに、実際の位置や周辺地域を確認できることが重要です。 特に地図帳は、参考書とは役割が異なります。
西岡先生のアドバイス
地図帳を使うことで、イメージを頭の中に作りやすくなります。地理ではなんとなくのイメージも重要で、「はっきり覚えていないけどこの国とこの国が近いから多分貿易は盛んだろう。」といった感覚が合否を分ける要因になります。地図帳を使うことで解像度が上がり、解答につながるのです。
ほかにも、国別の統計をまとめたデータブックが便利です。参考書の記述と実際の数値を照らし合わせることで、納得感が強まり、記憶にも残りやすくなります。解説の補足としても役立つので、邪魔にならなければ買ってみるのもいいでしょう。
まとめ 自分のレベルと目的に合った地理参考書を選ぼう

地理の参考書選びで大切なのは、有名な本をすべてそろえることではありません。「今の自分に何が足りないのか」を考え、その役割を満たす1冊を選ぶことです。
地理を初めて学ぶなら講義系から始め、理解できているなら知識整理や問題演習へ進みましょう。国公立二次などで論述が必要になった段階で、難関向け問題集を追加すれば十分です。
参考書が決まったら、次はその1冊を使い切ることが重要です。共通テストで地理を使う人は、具体的な勉強手順や資料問題の解き方も確認しておきましょう。
西岡先生のアドバイス
地理は各単元の気候、地形、産業、文化が一つひとつつながりを持っている科目です。その難しさ、面白さに気がついた人が最後には得点を伸ばしてきます。
どれだけ参考書選びが重要といっても、結局は自分自身の努力が一番重要です。今から始めれば少しずつ点数は上がってくるでしょう。選んだ参考書を信じて、ボロボロになるまで向き合い、努力し続けてください。その先に合格が待っているはずです。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。 そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。
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