海外の大学に行くには?高校生の進学3ルートを比較!費用と入学条件も解説
「海外の大学で学んでみたいけれど、日本の高校からどうやって進学するの?」「英語力や成績、費用はどのくらい必要?」と疑問に思っていませんか。
日本の高校から海外の大学に進学するには、大学への直接入学、大学進学準備コースの利用、2年制大学からの編入などの方法があります。必要な英語力や成績、費用は、国や大学、進学方法によって異なります。
この記事では、海外大学への3つの進学方法をはじめ、入学条件や国別の学費・生活費、奨学金について詳しく解説します。高校1〜2年生から始められる準備も紹介するので、自分に合った進学先を考える参考にしてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
海外の大学に行くには?日本の高校から選べる3つの進学方法

日本の高校から海外の大学に行く方法は、大きく3つに分かれます。1つ目は、高校卒業後すぐに4年制大学へ入る「直接入学」です。2つ目は準備課程を経て学部に進む「準備コース経由」、3つ目は2年制大学から4年制大学へ移る「編入」です。
どのルートを選ぶかは、行きたい国の制度と英語力、費用で決まります。

3つのルートの違いを、同じ項目で比べると次のとおりです。
海外大学への3つの進学ルートの比較
| 比較項目 | 直接入学 | 大学進学準備コース経由 | 2年制大学から編入 |
|---|---|---|---|
| 進学の流れ | 高校卒業後、4年制大学の1年次に入学 | 準備コースを修了し、学部の1年次に進学 | 2年制大学で単位を取り、4年制大学に編入 |
| 主な対象国 | アメリカ、カナダなど | イギリス、オーストラリアなど | 主にアメリカ |
| 必要な条件 | 高校の成績と英語試験のスコア | 準備コースの入学条件を満たすこと | 最低限の資格を満たせば入学できる |
| 追加の準備期間 | なし | 約9か月(イギリスの例) | なし(2年制大学で約2年学ぶ) |
| JASSO給付型奨学金の対象 | 対象 | 条件つきで対象 | 対象外 |
| 注意点 | 書類の総合評価で合否が決まる | 準備コースで所定の成績が必要 | 編入先で認められる単位を確認する |
手続きの段階が最も少ないのは直接入学です。一方、日本の高校卒業資格だけでは学部に入れない国では、準備コースを経由することになります。編入は入学のハードルが低い反面、JASSOの海外留学支援制度(学部学位取得型)は利用できない点に注意が必要です。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「2027年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項」
直接入学する
直接入学は、日本の高校を卒業(見込み)した資格で、海外の4年制大学に出願する方法です。アメリカやカナダの多くの大学がこの形で留学生を受け入れています。
カナダの多くの大学では、高校の成績や英語力を中心に入学審査が行われます。ただし、大学や専攻によっては、面接などの追加選考が必要です。アメリカでも学部は書類審査が基本です。高校在学中から成績を保ち、英語試験の準備を進められる人に向いたルートといえます。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(ブルネイ・ダルサラーム/カナダ)」
大学進学準備コースを経由して入学する
イギリスでは、日本の高校卒業資格だけでは学部に直接入学できない大学があります。イギリスの高校生は18歳まで大学入学資格試験に向けた課程で学ぶため、日本の高校とは修了時の学習内容が異なるからです。
そこで、学部に進む前に約9か月の大学進学準備コース(ファウンデーションコース)で学びます。いわば、海外大学の授業についていくための「助走期間」です。所定の成績を収めれば、その大学や提携大学の学部に進めます。オーストラリアでも、入学要件を満たさない場合の進学ルートとしてファウンデーションコースが用意されています。
なお、準備コースは学部の基礎科目を学ぶ課程であり、英語だけを学ぶ語学学校とは別物です。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「わたしがつくる海外留学(コラム/オーストラリア)」
2年制大学から4年制大学に編入する
アメリカには、コミュニティ・カレッジと呼ばれる公立の2年制大学があります。地域の税金で運営されており、4年制大学への編入を目的とした一般教養コースも設けられています。入学条件が比較的柔軟な大学が多いことが特徴です。
まず2年制大学で一般教養を学び、その後4年制大学に編入して学士号を目指します。学費を抑えやすい点が利点ですが、JASSOの学部学位取得型の奨学金は対象外です。
また、アメリカでは学生ビザの滞在期間を原則4年までとする規則変更が発表されました。ただし、2026年9月に裁判所が施行を差し止めています。裁判の結果によっては今後変わる可能性があるため、入学予定校の留学生窓口で最新の扱いを確認しましょう。
参照:日本学生支援機構「大学・大学院留学(アメリカ合衆国)」
海外の大学に行くには費用はいくら?学費・生活費の目安

海外の大学に行く費用は、学費と生活費の両方で考える必要があります。比較の基準として、日本の私立大学(学部)の授業料は令和7年度の平均で年96万8,069円です。海外大学の費用は国によって大きく異なるため、日本の私立大学と比べながら見ていきましょう。
参照:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
国別に比較!海外大学の年間学費・生活費
主な留学先の学費と生活費、卒業までの標準的な年数をまとめると次のとおりです。
主な国の大学(学部)の年間学費・生活費の目安
| 国 | 年間の学費 | 生活費の目安 | 標準修業年限 |
|---|---|---|---|
| アメリカ(公立4年制) | 平均3万1,880ドル (約503万円) |
住居・食費など年1万9,040ドル (約301万円) |
4年 |
| アメリカ(私立4年制) | 平均4万5,000ドル (約711万円) |
住居・食費など年2万470ドル (約323万円) |
4年 |
| イギリス | 1万1,400〜3万8,000ポンド (約241万〜802万円) |
年1万800〜1万6,800ポンド (約228万〜354万円) |
3年(スコットランドは4年) |
| カナダ | 平均4万1,746カナダドル(約468万円) | 年2万3,448カナダドル(約263万円)以上 | 3〜4年 |
| オーストラリア | 大学・専攻により異なる | 年2万9,710豪ドル (約328万円)以上 |
3年 |
| マレーシア(英国大学の分校の例) | 5万9,000〜6万リンギット(約228万〜232万円) | 年9,720〜2万8,200リンギット(約38万〜109万円) | 3年 |
※円換算は税関の公示相場(2026年11月1日〜7日適用)を使用。1ドル=157.91円、1ポンド=210.98円、1カナダドル=112.21円、1豪ドル=110.47円、1リンギット=38.69円。
イギリスの生活費は、月900〜1,400ポンドの目安を12か月分で計算した金額です。
カナダの学費は2025/2026年度の留学生の平均です。カナダの生活費は、学生ビザ(学習許可)申請時に必要な資金の基準額です。
オーストラリアの学費は大学・専攻によって大きく異なるため、表には金額を記載していません。
オーストラリアの生活費は、学生ビザ申請時に必要な資金の基準額です。
マレーシアの学費はノッティンガム大学マレーシア校の留学生向けの例で、生活費は寮費と食費の目安を12か月分で計算した金額です。
アメリカの私立大学では、年間の学費と生活費を合わせると平均で1,000万円を超えます。イギリスは専攻による学費の幅が大きく、学費の高い専攻ではアメリカの私立大学と同程度以上になります。
カナダは、アメリカと比べると学費・生活費ともに抑えめです。マレーシアは、英国大学の分校で学べばイギリス本国より費用を抑えて同じ大学の学位を目指せます。
ただし、ここで示した金額は平均や目安にすぎません。実際の学費は大学や専攻、生活費は住む都市によって変わるため、志望校の公式サイトで必ず確認してください。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「わたしがつくる海外留学(ブルネイ・ダルサラーム/カナダ)」「大学・大学院留学(マレーシア)」「生活情報(マレーシア)」、ノッティンガム大学マレーシア校「Computer Science with Artificial Intelligence BSc(Hons)」「Nutrition BSc(Hons)」、カナダ統計局「Tuition in Canada: Modest increases and widening gaps, 2025/2026」、カナダ移民・難民・市民権省「Proof of financial support」、オーストラリア連邦政府「Explanatory Statement: Migration(LIN 19/198: Evidence of financial capacity—Subclass 500 Visa and Subclass 590 Visa)Amendment」、税関「外国為替相場(課税価格の換算)」
卒業までの総額と学費以外にかかる費用
卒業までの総額は、年間費用に標準修業年限をかけると目安がつかみやすくなります。上の表をもとに計算すると、アメリカの公立大学で4年間約3,200万円、私立大学で約4,100万円です。
カナダの4年制課程なら約2,900万円、イギリスで3年間学ぶ場合は約1,400万〜3,500万円が目安になります。
マレーシアの英国大学の分校で3年間学ぶ場合は、約800万〜1,020万円です。
さらに、学費と生活費のほかにも次のような費用がかかります。代表的なのは、渡航前の英語試験の受験料、学生ビザの申請料、往復の航空券代です。留学先では医療保険への加入を求められることが多く、大学指定の保険料が別途必要になります。
為替が円安に動くと、円で払う金額はさらに増えます。総額は余裕をもって見積もり、早い段階で保護者と共有しておくと安心です。
海外の大学に入学するために必要な条件は?

海外の大学の出願で主に見られるのは、高校の卒業資格と成績、英語力、出願書類の3つです。求められる水準は国や大学、専攻によって異なります。
高校の卒業資格と成績
アメリカの大学の学士課程に入るには、少なくとも高校卒業(見込み)が必要です。成績の評価に使われるのは、GPA(Grade Point Average:成績の平均値)です。学部では一般に2.0以上が求められます。日本の「評定平均」に近い指標と考えるとわかりやすいでしょう。
GPAは高校1年生からの全期間の成績で計算されるのが一般的です。3年生になってから挽回するのは難しいため、早い時期から定期テストや提出物に丁寧に取り組むことが大切です。
参照:日本学生支援機構「大学・大学院留学(アメリカ合衆国)」
英語力と英語試験のスコア
英語力の証明には、TOEFL iBTやIELTSなどの英語試験のスコアを提出します。TOEFL iBTはアメリカの非営利団体ETSが実施し、IELTSはイギリスなどで広く使われている試験です。英検®やDuolingo English Testを認める大学もあります。
主な国の大学(学部)で求められる英語スコアの目安は次のとおりです。
主な国の大学(学部)で求められる英語スコアの目安
| 国 | 英語スコアの目安 |
|---|---|
| アメリカ | TOEFL iBT 61点以上(旧スコア) |
| イギリス | IELTS 6.0〜6.5 |
| カナダ | TOEFL iBT 88〜100点(旧スコア)、IELTS 6.5〜7.0程度 |
| オーストラリア | IELTS 6.0〜 |
上の表は一般的な目安で、難関大学や専攻によってはさらに高いスコアが必要です。アメリカの目安が最も低く見えますが、人気校の多くは目安を大きく上回るスコアを求めています。
注意したいのが、TOEFL iBTのスコア表示の変更です。2026年1月21日以降の受験分は、1〜6の段階表示が基本になりました。移行期間の2年間は、0〜120点に換算したスコアもあわせて記載されます。志望校の基準がどちらの表示か、必ず確認しましょう。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「わたしがつくる海外留学(ブルネイ・ダルサラーム/カナダ)」「わたしがつくる海外留学(コラム/オーストラリア)」、ETS「Understanding Your TOEFL iBT Scores」
出願書類や入学試験
アメリカの大学の学士課程は書類審査が基本で、日本のように大学ごとに学力試験を行う入試はありません。
出願書類は、成績証明書や英語試験のスコア、エッセイ(志望理由書)、推薦状などです。学費を払える資金があることを示す、財政能力証明書も求められます。多くの大学では、SATやACT(※アメリカの大学進学適性試験)のスコアも必要です。
合否は点数だけでなく、課外活動やリーダーシップの経験も含めた総合評価で決まります。イギリスの学部は、UCASという出願システムを通じて応募するのが一般的です。
参照:日本学生支援機構「大学・大学院留学(アメリカ合衆国)」「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」
海外の大学に行くための奨学金と費用を抑える方法

海外大学の費用は高額ですが、返済のいらない給付型の奨学金や、学び方の工夫で負担を軽くする方法があります。ここでは、高校生が知っておきたい代表的な制度と考え方を紹介します。
JASSOの海外留学支援制度(学部学位取得型)
日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度(学部学位取得型)は、海外大学で学士号を取るための国の給付型奨学金です。返済は不要で、原則4年間支援を受けられます。2026年度の採用人数は140人でした。
奨学金の月額は留学先によって異なります。2026年度実績では、アメリカ・イギリス・カナダが月35万2,000円、オーストラリアが月29万7,000円です。マレーシアは月23万9,000円となっています。
主な応募条件は次のとおりです。まず、高校の全履修科目の評定平均が3.7以上に相当することが求められます。英語力はTOEFL iBT 4.0以上、またはIELTS 6.0以上が基準です。
2026年1月20日以前に受けたTOEFLは、80点以上で条件を満たします。家計を支える人の合計所得金額が2,000万円以下であることも条件です。
対象は学士号を授与できる海外大学の正規課程で、2年制大学から編入して学位を目指す場合は対象外です。大学進学準備コースは、日本の高校卒業資格で学部に入れない場合に限り、条件つきで支援を受けられます。
参照:日本学生支援機構「2027年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項」
海外大学独自の奨学金や民間の支援制度
アメリカやカナダの大学には、留学生を対象とした独自の奨学金を設けているところがあります。募集時期は大学ごとに異なり、出願と同時に申し込む例も多いため、早めに志望校の公式サイトを確認しましょう。
民間財団などの奨学金は、JASSOの「海外留学奨学金検索」でまとめて探せます。
返済が必要な貸与型としては、JASSOの第二種奨学金(海外)があります。利子つきで、貸与月額は2万〜12万円から選ぶ仕組みです。高校在学中または卒業後2年以内の人は、在籍校・卒業校を通じて進学前に予約を申し込みます。
参照:日本学生支援機構「海外留学奨学金検索」「第二種奨学金(海外)予約採用の申込方法」
進学ルートや学び方を工夫して費用を抑える
費用を抑える方法の1つは、学士課程が3年制の国を選ぶことです。イギリスやオーストラリアは多くの学部が3年で修了するため、4年制の国より学費と生活費が1年分少なくなります。
アメリカのコミュニティ・カレッジを経由する方法もあります。公立2年制大学の授業料は平均1万919ドル(約172万円)で、公立4年制大学の約3分の1です。ただし、JASSOの給付型奨学金は使えないため、奨学金と学費の差額を比べて判断しましょう。
また、前半を1つの国の大学で学び、後半を別の国の提携大学で学んで学位を得るプログラムを設ける大学もあります。学費や物価の低い国で前半を過ごせば、総額を抑えられるのが利点です。物価の低い国や地域の大学を選ぶ、大学の寮を使うといった工夫も、生活費の節約につながります。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「わたしがつくる海外留学(コラム/オーストラリア)」「大学・大学院留学(マレーシア)」
高校生はいつから準備する?海外大学進学までのスケジュール

海外の大学は、アメリカやイギリス、カナダでは9月ごろに新学年が始まります。日本の高校を3月に卒業してから入学まで半年ほど空くため、その間の過ごし方も含めて計画を立てておく必要があります。出願から逆算すると、高校1〜2年生のうちから準備を始めるのが理想です。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「わたしがつくる海外留学(ブルネイ・ダルサラーム/カナダ)」
高校1年生:情報収集と英語学習を始める
高校1年生では、まず海外大学の仕組みを知ることから始めましょう。JASSOの「海外留学情報サイト」には国別の留学情報がまとまっており、留学フェアなどのイベント情報も載っています。
英語は、読む・聞く・話す・書くの4技能をバランスよく伸ばすことが大切です。あわせて、出願時に成績を見られることを意識し、定期テストにしっかり取り組みましょう。
参照:日本学生支援機構「海外留学情報サイト」
高校2年生:志望校を絞り、出願条件を確認する
高校2年生では、興味のある国と学びたい分野をもとに、候補の大学を絞り込みます。候補校ごとに、必要な英語スコアや出願書類、学費の目安を一覧にしておくと比較しやすくなります。
英語試験は、この時期に一度受けておくのがおすすめです。現在の実力と目標スコアの差がわかり、3年生までの学習計画を立てやすくなります。費用の見通しが立った段階で、保護者や担任に具体的に相談しましょう。
高校3年生:出願書類の準備と奨学金の応募を進める
高校3年生は出願と奨学金応募が重なる、最も忙しい時期です。アメリカの大学の出願締切は、早いところで10月、多くは12月から翌年1月にかけてです。エッセイや推薦状は準備に時間がかかるため、夏休みには取りかかりましょう。
JASSOの学部学位取得型の奨学金は、高校3年生の9月から10月初めが応募書類の提出期間です(2027年度募集の場合)。この時点で評定平均と英語スコアがそろっている必要があります。書類審査に通ると1月に面接があり、3月ごろに結果が届きます。
大学の入学許可が出たら、学生ビザを申請して渡航準備に入りましょう。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」「2027年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項」
海外大学進学を考え始めた高校生のチェックリスト
海外の大学に進学するメリット・デメリット

海外大学への進学は、得られるものが大きい一方で、日本の大学に進む場合とは異なる負担もあります。両方を知ったうえで、自分に合うかを判断しましょう。
海外の大学に進学するメリット
アメリカの大学は仕組みが柔軟で、入学後に専攻を変えたり、2つの分野を専攻する「ダブルメジャー」を選んだりできます。高校の段階で学びたいことが1つに決まっていなくても、大学で幅広く学びながら方向性を固めていけるのが魅力です。
また、専門分野を英語で学ぶため、語学力と専門知識を同時に身につけられます。世界各国から集まる学生と議論する経験は、将来どの道に進んでも生きる財産になるでしょう。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(英国/米国)」
海外の大学に進学するデメリット・注意点
最も大きな負担は費用です。学費と生活費は日本の大学より高くなることが多く、為替の影響も受けます。
日本での就職を考える場合は、就職活動の時期のずれに注意が必要です。海外大学は卒業時期が日本と異なるため、日本企業の採用スケジュールと合わないことがあります。現地での就職も、アメリカでは就労ビザの取得が難しいとされています。
さらに注意したいのが、各国の留学生受け入れ政策の変化です。カナダは2024年から学習許可の申請数に上限を設けており、2026年に受け付ける申請は30万9,670件までです。オーストラリアは2027年の新規留学生の計画数を29万5,000人に据え置きました。政府は上限ではないとしつつ、受け入れ数を管理しています。
アメリカでも学生ビザの規則変更が発表され、現在は裁判で施行が止まっています。最新の情報は、各国の大使館や志望校の公式サイトで確認しましょう。
参照:日本学生支援機構「大学・大学院留学(アメリカ合衆国)」、カナダ移民・難民・市民権省「2026 provincial and territorial allocations under the international student cap」、オーストラリア政府「Australia confirms international education settings for 2027」
海外の大学への進学に関するよくある質問

海外大学への進学を考える高校生から、よく寄せられる質問をまとめました。入りやすさや併願、学費の負担など、気になる点の確認に役立ててください。
日本人が入学しやすい海外の大学はある?
入りやすさは、大学の名前よりも国ごとの入試の仕組みで決まります。カナダのように高校の成績と英語力で合否が決まる国では、基準を満たしていれば合格の見通しを立てやすくなります。アメリカの2年制大学は入学条件がゆるやかで、海外で学ぶ最初の一歩にしやすいでしょう。
一方で、アメリカの人気大学は書類の総合評価で選ばれるため、条件を満たしていても合格が約束されるわけではありません。「入りやすさ」だけでなく、卒業後に何をしたいかとあわせて選ぶことが大切です。
日本の大学と海外の大学は併願できる?
併願はできます。アメリカの大学の出願締切は多くが年内から1月ごろで、日本の一般選抜は1〜3月です。そのため、両方に出願するスケジュールは組めます。
注意したいのは、日本の大学の入学金です。海外大学の合否がわかる前に、日本の大学の入学手続き期限が来る場合があります。その場合、入学金を払ってから辞退すると返金されないことが多いため、日程を事前に照らし合わせておきましょう。
日本の大学受験の結果が出た後(高校3年生の2〜3月)からでも海外の大学に行ける?
進学自体は可能です。ただし、早くから準備した場合と比べると、費用や選べる大学の面で不利になりやすい点に注意が必要です。
日本の大学入試の結果が出る2〜3月から、海外進学に切り替える人もいます。アメリカのコミュニティ・カレッジは、入学条件が比較的柔軟な大学が多く、出願時期も大学によって異なります。
マレーシアの大学は留学生の入学が9〜10月に多く、その場合の出願は入学する年の2〜3月です。年に複数回の入学時期を設ける大学も多いため、志望校の募集時期を確認しましょう。
英語のスコアが足りなくても、大学付属の語学コースの修了を条件に入学を認める大学もあります。一方で、高校1〜2年生から準備した場合と直前に決めた場合では、次のような差が出ます。
早くから準備した場合と直前に決めた場合の違い
| 項目 | 高校1〜2年生から準備した場合 | 高校3年生の2〜3月に決めた場合 |
|---|---|---|
| 給付型奨学金 | 高校3年生の秋に、JASSOの給付型奨学金などに応募できる | その年の入学に向けた募集は締切後のため、応募するなら入学が1年遅れる |
| 大学の選択肢 | 志望する国や大学に、通常の締切で出願できる | 春以降も出願を受け付けている大学に限られる |
| 卒業までの期間 | 英語の基準を満たしていれば、標準の3〜4年で学士号を取得できる | 英語力が足りない場合、語学コースの期間だけ卒業が遅れる |
直前からでも海外進学の道は残されていますが、給付型の奨学金を使いにくい分、費用の負担は重くなりがちです。少しでも関心があるなら、高校1〜2年生のうちから情報収集を始めておくと、選べる道が広がります。
参照:日本学生支援機構「大学・大学院留学(アメリカ合衆国)」「大学・大学院留学(マレーシア)」「2027年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項」
学費無料で海外の大学に進学することはできる?
国によっては可能です。代表例はドイツで、国立大学の授業料は基本的に無料です。ただし、一部に例外があるほか、学生全員が学期ごとの共済費を払います。
また、ドイツで学生として滞在するには、1年あたり1万1,904ユーロ以上の資金を準備できると証明しなければなりません。授業料がかからなくても生活費は必要です。英語で学べる課程は増えていますが、ドイツ語での授業が中心の大学も多くあります。無料の制度は国の方針で変わることもあるため、最新の情報を確認しましょう。
参照:日本学生支援機構「わたしがつくる海外留学(ドイツ/ギリシャ共和国)」
まとめ 海外の大学に行くには早めの情報収集と準備が大切

日本の高校から海外の大学に行く道は、直接入学だけではありません。準備コースや2年制大学を経由するルートもあり、英語力や費用に合わせて選べます。大切なのは、英語のスコアや高校の成績、奨学金の応募といった準備を、逆算して早めに始めることです。
まずは「学びたい分野や興味のある国を考える」ことから始めてみてください。候補の国が見えてきたら、JASSOの海外留学情報サイトで条件や費用を調べ、保護者や担任に相談しましょう。早く動き出すほど、選べる道は広がります。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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