自由研究のテーマが決まらない中学生へ 人とかぶらない選び方と進め方を解説
夏休みの自由研究、何を研究すればよいか決まらずに困っていませんか。定番テーマでは友達とかぶりそうで、実験後のまとめ方にも不安を感じている中学生は少なくありません。
実は、自由研究で誰も思いつかない珍しいテーマを選ぶ必要はなく、身近な疑問を研究できる問いに変え、対象や条件を工夫することが大切です。
この記事では、テーマの決め方から人とかぶりにくくする方法、仮説・実験・記録・考察の進め方、中学生らしいレポートのまとめ方、評価につなげやすいテーマ例まで順番に解説します。
読み終える頃には、自分に合ったテーマを選び、何を比べ、どのように記録・考察すればよいかまで具体的にイメージできるでしょう。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
目次
中学生の自由研究テーマの決め方

中学生の自由研究で評価されるコツは、「条件を変えて比較する」ことです。「やってみて楽しかった」で終わる小学生向けとは、ここが決定的に異なります。
| 項目 | 小学生(体験) | 中学生(探究) |
|---|---|---|
| やること | どうなるかやってみる | 条件を変えて比べる |
| まとめ方 | 感想や驚きを書く | 予想と結果を比較して考察する |
| テーマ例 | 「10円玉をピカピカにする」 | 「液体の種類で10円玉の汚れ落ちは変わるか」 |
難しく考える必要はありません。理科なら「温水と冷水」、社会科なら「10年前と現在の地図」のように、「1つだけ条件を変えて比べる」だけで中学生らしい立派な研究になります。
そのため、テーマを決める際は次の3つの条件を満たしているか確認しましょう。
- 少しでも興味があること
- 実験・観察・調査で確かめられること
- 期限内に結果をまとめられること
植物や氷といった「ジャンル」を選ぶだけではテーマ決めは終わりません。「何を比べるか」まで決めることが、中学生のテーマ決めの本当のゴールです。
好きなことや身近な疑問から題材を見つける
テーマがまだ決まっていない場合は、普段の生活の中から題材を探してみましょう。
部活やスポーツ、音楽やゲーム、料理や食品、勉強や睡眠、通学路や地域、天気や植物、学校の理科・社会・技術家庭で習った内容など、身近なところに題材のヒントはたくさんあります。
「好きなこと」だけでなく、「不便に感じていること」「いつもと違うと感じたこと」「家族と話していて疑問に思ったこと」も、立派な研究の出発点になります。
題材を見つけるときは、次のような問いかけを自分に投げかけてみてください。
なぜこのような違いが出るのか、条件を変えると結果も変わるのか、AとBではどちらが優れているのか、場所や時間によって違いはあるのか、自分の予想は本当に正しいのか。
こうした問いを意識すると、単なる「好きなことの紹介」や「ネットで調べた内容のまとめ」で終わらず、確かめたい疑問につなげやすくなります。自由研究の第一歩は、好きなことを紹介することではなく、疑問を見つけることです。
題材を「研究の問い」に変える
見つけた題材が広すぎる場合は、実験・観察・調査で答えられる問いまで絞り込む必要があります。
絞り込みの流れは、次のように整理できます。
興味のある題材 → 気になること・疑問 → 比べる対象や条件 → 測定するもの → 研究の問い
たとえば「音楽について調べる」という題材は、「音楽を聴くと集中力は変わるのか」という疑問を経て、「無音・歌詞あり・歌詞なしでは、計算問題の正答数と回答時間に違いが出るのか」という問いにできます。
同じように「植物を観察する」という題材も、「光の当たり方で成長は変わるのか」から、「白色・赤色・青色の光では、植物の高さや葉の枚数に違いが出るのか」という問いへ変換できます。
研究の問いには、何を変えるか、何を比べるか、何を測るかの3つが含まれていると、その後の実験や観察が進めやすくなります。
問いを作るときの型として、次のような形も参考にしてください。
○○によって△△はどう変わるのか、AとBでは△△にどのような違いがあるのか、時間や場所によって○○は変化するのか、○○と△△には関係があるのか。題材を問いの形にできると、その後の実験方法や記録内容を決めやすくなります。
使える日数・材料・安全性から実行できるか確認する
面白そうなテーマが見つかっても、時間や材料の都合で完成できなければ提出にはつながりません。テーマを最終決定する前に、実行できるかどうかを必ず確認しましょう。
確認しておきたい項目は、提出日までに何日あるか、観察や実験に何日必要か、結果を整理してレポートを書く時間が残っているか、材料や道具を用意できるか、家や学校で実施できる内容か、費用がかかりすぎないか、安全に実施できるかどうかです。
特に注意したいのは、実験や観察が終わった時点では自由研究はまだ完成していないという点です。そこから表やグラフの作成、考察、清書にも一定の時間がかかります。
火、刃物、電気、薬品、高温の物、生き物などを扱う場合は、学校の指示を確認したうえで、必要に応じて保護者に見守ってもらいながら進めてください。日数と安全性の確認は、テーマ選びと同じくらい大切な作業です。
テーマが決まらないときは評価されやすいテーマ例から選ぶ
自分で題材を見つけるのが難しい場合は、テーマ一覧から選んでもかまいません。ただし「面白そうだから」という理由だけで決めず、研究としてまとめやすいかどうかを必ず確認してください。
評価につながりやすいテーマには、いくつかの共通点があります。
実験前に結果を予想できること、一つの条件を段階的に変えられること、複数の対象を比較できること、結果を時間・重さ・長さ・個数などで数値化できること、表やグラフで違いを示せること、結果から理由や改善案を考えられることです。
ここでは、物理・化学、生物・植物・自然、環境・地域・暮らし、ものづくり・技術・プログラミングの4分野から、条件を変えて比較しやすいテーマを5つずつ、合計20個紹介します。
以下は、分野ごとに厳選したテーマ例と、目安の日数、研究として深めやすいポイントをまとめた表です。
| テーマ | 分野 | 目安の日数 | 研究として深めやすいポイント |
|---|---|---|---|
| 塩分濃度によって氷が溶ける時間はどう変わる? | 物理・化学 | 1日 | 濃度を段階的に変え、溶ける時間をグラフにできる |
| 振り子の長さで1往復の時間はどう変わる? | 物理・化学 | 1日 | 長さを段階的に変え、周期との関係をグラフにできる |
| 塩の結晶の大きさは冷やし方でどう変わる? | 物理・化学 | 1週間 | 冷却速度を変え、結晶の大きさを比較できる |
| 光の当て方で影の濃さはどう変わる? | 物理・化学 | 1日 | 光源の角度や距離を変え、影の様子を比較できる |
| 傾斜の角度で物体が滑る速さはどう変わる? | 物理・化学 | 1日 | 角度を段階的に変え、滑り落ちる時間を測定できる |
| 光量によって植物の成長速度はどう変わる? | 生物・植物・自然 | 2週間〜 | 光の強さを段階的に変え、成長量を継続記録できる |
| 塩分濃度で植物の発芽率はどう変わる? | 生物・植物・自然 | 1週間〜 | 濃度ごとの発芽率を数値で比較できる |
| 光の色で植物の成長はどう変わる? | 生物・植物・自然 | 2週間〜 | 赤・青・白色光での成長差を比較できる |
| 種子の大きさで発芽の速さはどう変わる? | 生物・植物・自然 | 1週間〜 | 大きさの違う種を同条件で比較できる |
| 気温によって昆虫の活動量はどう変わる? | 生物・植物・自然 | 1週間 | 気温と活動の関係を記録し比較できる |
| 地面の素材で表面温度はどう変わる? | 環境・地域・暮らし | 1日 | 場所ごとの温度差を測定し比較できる |
| 駅前と住宅街で騒音レベルはどう違う? | 環境・地域・暮らし | 半日 | 騒音計アプリで数値を測定し比較できる |
| 過去1年分の検針票から、季節ごとの電気使用量はどう変わる? | 環境・地域・暮らし | 半日〜1日 | 季節ごとの数値をグラフにして比較できる |
| 通学路の防災設備は地域でどう違う? | 環境・地域・暮らし | 半日〜1日 | 設備の種類と数を調べ比較できる |
| 過去の気象データから、猛暑日や大雨の日数は何年でどう増えているのか | 環境・地域・暮らし | 1週間〜 | 気象庁の公開データを年ごとに集計し比較できる |
| 風車の羽の形で発電量はどう変わる? | ものづくり・技術・プログラミング | 1〜2日 | 羽の形状を変え、発電量を測定・比較できる |
| プログラムでさいころの確率は再現できる? | ものづくり・技術・プログラミング | 1日 | 無料の環境でシミュレーションし実測と比較できる |
| 太陽電池の角度で発電量はどう変わる? | ものづくり・技術・プログラミング | 半日〜1日 | 角度を変え、発電量を測定・比較できる |
| 生成AIは同じ質問にどのくらいの割合で誤った回答をするのか | ものづくり・技術・プログラミング | 1週間〜 | 同じ質問を複数回試し、誤答の割合を記録・比較できる |
| 生成AIと自分、同じ計算問題を解かせたらどちらが速く正確か | ものづくり・技術・プログラミング | 半日〜1日 | 出題数を揃え、正答率と所要時間を比較できる |
この表からわかるのは、どの分野のテーマも「一つの条件を変えて、数値で比較する」という構造が共通している点です。分野を問わず、比較できる仕組みを作ると、結果と考察を研究としてまとめやすくなります。
大切なのは、難しいテーマや珍しいテーマを選ぶことではありません。問い・方法・結果・考察がひとつながりになっていることこそが、評価につながりやすい研究の共通点です。
さらに候補を探したい場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
人とかぶらない自由研究にする方法

人とかぶらない自由研究とは、誰も取り組んだことのない題材を探すことではありません。自分なりの対象・条件・測り方が含まれている研究のことです。難しいテーマや珍しいテーマを探す必要はなく、定番の題材でも工夫次第で自分だけの研究になります。
「同じ氷の実験」「同じ植物の観察」であっても、調べる条件や目的が違えば、それぞれ別の研究として成立します。
アレンジの方向性は、次の表のように整理できます。
| アレンジ方法 | 工夫する内容 |
|---|---|
| 対象を変える | 商品、地域、場所、植物の種類など |
| 条件を変える | 温度、時間、量、角度、光、素材など |
| 比較対象を増やす | 1種類ではなく複数を比べる |
| 測り方を変える | 感覚ではなく数値で記録する |
| 好きなことと掛け合わせる | 部活、料理、音楽、ゲームなど |
| 追加調査をする | 結果から生まれた疑問をさらに調べる |
この表からわかるのは、テーマそのものを変えなくても、6つの視点のどれか一つを加えるだけで独自性が生まれるということです。
定番テーマに「対象・条件・測り方」を加える
定番テーマを避ける必要はありません。条件を加えることで、自分なりの研究に変えられます。
基本の考え方は、次の式で表せます。
定番の題材+自分なりの対象・条件・測り方=人とかぶりにくい自由研究
たとえば「10円玉の汚れを落とす」というテーマは、「液体の種類によって、同じ時間つけた10円玉の汚れの落ち方はどう変わるのか」という問いに変えられます。変える条件は「液体の種類」の一つにそろえ、つける時間は同じにすることで、比較しやすくなります。
同じように「紙飛行機を飛ばす」は「重心の位置を変えると、飛距離と滞空時間はどう変わるのか」に、「植物を育てる」は「水やりの時間帯によって、植物の高さや葉の枚数に違いは出るのか」に変換できます。
題材そのものよりも、何を変え、何をそろえ、何を測るかが、研究の独自性を作ります。
自分の生活や地域、好きなことと結び付ける
一般的なテーマでも、自分の生活に対象を限定すると、人とかぶりにくくなります。
部活×科学、音楽×集中力、料理×化学、通学路×防災、地域×環境、ゲーム×確率、家庭の電気使用量×省エネなど、好きなことや身近な環境と掛け合わせる方法があります。
たとえば「騒音について調べる」というテーマも、「自宅周辺・駅前・学校周辺で時間帯ごとの騒音レベルを比べる」とすれば、自分の地域に根差した研究になります。
なお、アンケートやインタビューを行う場合は、個人情報の扱い、撮影許可、回答者への説明にも配慮しましょう。自分の生活圏を対象にするだけで、同じテーマでも自分なりの視点がある研究に変わります。
最初の結果から追加の疑問を見つける
一度の実験で終わらせず、結果から次の疑問を考えると、研究に深みが出ます。
追加の疑問を見つけるためには、次のような問いかけが役立ちます。
なぜ一つの条件だけ大きく違ったのか、別の材料でも同じ結果になるのか、条件の差をもっと大きくするとどうなるのか、時間や場所を変えても同じ結果になるのか、結果を生活に役立てるとしたらどう使えるか。
追加実験までできれば理想ですが、時間が足りない場合は「今後調べたいこと」としてレポートに書いても構いません。
結果を受けて自分で次の問いを立てることが、中学生らしい探究につながります。
中学生の自由研究の進め方|完成までの5ステップ

自由研究は、次の5つのステップで進めます。
目的・問い・予想を決める→方法と計画を立てる→実験・観察・調査を行う→結果を整理する→考察・結論を書く、という流れです。
ここで大切なのは、いきなり実験を始めないことです。実験の前段階である準備こそが、研究全体の質を左右します。
今どこでつまずいているかわからない場合は、次の表で確認してみてください。
| 困っていること | 確認するステップ |
|---|---|
| 何を調べるか曖昧 | ステップ1 |
| 方法や日程が決まらない | ステップ2 |
| 何を記録すればよいかわからない | ステップ3 |
| 結果を見やすく整理できない | ステップ4 |
| 考察が書けない | ステップ5 |
この表からわかるように、悩みの内容によって戻るべきステップは異なります。順番通りに進めることも大切ですが、つまずいた時点まで戻ることも研究を仕上げる近道です。
ステップ1|研究の目的・問い・予想を決める
実験や調査を始める前に、次の3点を言葉にしておきましょう。
研究の目的はなぜ調べたいのか、研究の問いは何を明らかにしたいのか、予想・仮説はどのような結果になると思うかです。
予想には、そう考えた理由も添えてください。学校で習った知識、日常経験、事前に調べた内容などを根拠にすると、結果との比較がしやすくなります。
たとえば、問いが「水温によって砂糖が溶ける時間は変わるのか」であれば、予想は「水温が高いほど早く溶ける」、理由は「温かい飲み物では砂糖が早く溶けると感じるため」といった形になります。
結果が予想と違っても失敗ではなく、予想との差を考えることこそが考察につながります。
ステップ2|調べ方とスケジュールを決める
問いに答えるために、どのような方法を使うかを決めます。
主な方法として、実験、観察、実地調査、アンケート、インタビュー、書籍や公的データを使った調べ学習、工作・プログラミングと性能比較などがあります。
比較実験を行う場合は、変える条件、そろえる条件、測るもの、実験回数、記録方法の5つを決める必要があります。
研究計画は、次のような表にまとめると整理しやすくなります。
| 決めること | 記入例 |
|---|---|
| 研究の問い | 水温で砂糖が溶ける時間は変わるか |
| 変える条件 | 水の温度 |
| そろえる条件 | 水と砂糖の量、容器、混ぜ方 |
| 測るもの | 溶け切るまでの秒数 |
| 実験回数 | 各温度で3回 |
| 記録方法 | 表に記録し、平均値を出す |
この表を先に埋めておくと、実験を始めてから何を記録すればよいか迷うことがなくなります。
スケジュールは、材料準備、実験・調査、予備日、結果整理、レポート作成まで含めて立てましょう。実験日だけを決めるのではなく、提出物を仕上げる日から逆算することが、計画づくりの基本です。
ステップ3|実験・観察・調査をして記録する
実施中は、結果だけでなく途中経過も記録しておきましょう。
記録しておきたい項目は、日付・時刻、場所、天気・気温、実験や観察の条件、測定した数値、色・形・においなどの変化、気付いたこと、失敗や予定外の出来事、撮影した写真です。
写真は、後でどの条件のものかわからなくならないよう、番号やメモを添えておくと安心です。
実験や観察を複数回行う場合は、毎回同じ形式で記録してください。記録方法がそろっていると、結果を比較しやすくなります。
書籍やWebサイトを参照した場合は、著者名、書名、サイト名、URL、閲覧日などを控えておきましょう。記録は結果を出した後ではなく、実施している最中にその場でとることが重要です。
ステップ4|結果を表・グラフ・写真で整理する
実験や調査で得た情報は、比較しやすい形に整理します。
この段階では、理由や推測を書きすぎず、まず確認できた事実を示すことに集中してください。
整理の仕方には使い分けがあります。表は複数の条件と数値をまとめるのに適しており、棒グラフは条件ごとの大きさを比較するのに向いています。折れ線グラフは時間による変化を示し、円グラフは全体に占める割合を示すのに使えます。写真は色や形、手順、変化の様子を伝えるのに役立ち、地図は調査地点や地域による違いを示すのに適しています。
複数回実験した場合は、平均値を出しておくと結果が読み取りやすくなります。
表やグラフには、タイトル、単位、条件を必ず明記しましょう。事実と考えを混ぜずに整理することが、次のステップの考察をスムーズにします。
ステップ5|結果から考察と結論を導く
考察とは、結果を繰り返し書くことではありません。「なぜその結果になったのか」を考える部分です。
考察を作るときは、次の質問に順番に答えていくとまとめやすくなります。
予想と同じ結果だったか、条件によってどのような違いが出たか、最も大きな違いが出たのはどこか、なぜその違いが出たと考えられるか、本や信頼できる資料の説明と一致するか、実験方法に結果を左右した点はなかったか、もう一度行うなら何を改善するか、新しく生まれた疑問は何か、という順です。
結論では、最初に立てた研究の問いに対する答えを簡潔に示しましょう。
差が出なかった場合や予想と逆になった場合も、条件・測り方・回数などを確認し、その理由を考えれば研究として成立します。
中学生らしい自由研究レポートのまとめ方

自由研究レポートは、調べたことをただ並べるものではありません。研究を始めた理由から結論に至るまでの流れを、読み手に伝えるものです。
読み手が理解できるよう、次の点を順序立てて示す必要があります。
なぜ研究したのか、何を明らかにしたかったのか、どのように調べたのか、どのような結果が出たのか、結果から何を考えたのか、という流れです。
研究の動機から参考文献まで順番にまとめる
自由研究レポートの基本構成は、次の表の順番になります。
| 順番 | 項目 | 書く内容の目安 |
|---|---|---|
| 1 | タイトル | 研究内容が伝わる具体的な表現 |
| 2 | 研究の動機・目的 | なぜそのテーマを選んだか |
| 3 | 研究の問い | 何を明らかにしたいか |
| 4 | 予想とその理由 | 結果の予測と、その根拠 |
| 5 | 材料・道具 | 実際に使ったものすべて |
| 6 | 実験・観察・調査の方法 | 再現できる程度の具体的な手順 |
| 7 | 結果 | 測定・観察できた事実 |
| 8 | 考察 | 結果になった理由の分析 |
| 9 | 結論 | 研究の問いへの答え |
| 10 | 感想・今後調べたいこと | 振り返りと次の疑問 |
| 11 | 参考文献 | 参照した書籍・サイトなど |
実験・観察・調査の方法は、他の人が同じ実験を再現できる程度に具体的に書くことが大切です。手順を省略しすぎると、結果の信頼性が伝わりにくくなります。
タイトルも「植物の研究」のような広い表現は避けてください。「光の色によって植物の成長速度は変わるのか」のように、研究内容が伝わるタイトルにすることが重要です。
「結果・考察・結論・感想」を書き分ける
中学生が混同しやすいのが、結果・考察・結論・感想の4項目です。それぞれの役割を表で整理します。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 結果 | 実際に測定・観察できた事実 |
| 考察 | 結果になった理由や傾向の分析 |
| 結論 | 研究の問いに対する答え |
| 感想 | 研究を通して感じたこと |
| 今後の課題 | 改善点や次に調べたいこと |
振り子の研究を例にすると、書き分けは次のようになります。
結果は「ひもが長いほど1往復にかかる時間が長くなった」、考察は「振り子の長さが周期に影響したと考えられる」、結論は「振り子は、ひもが長いほど1往復の時間が長くなる」です。
感想は「測定するタイミングをそろえることが難しかった」、今後の課題は「重りの重さを変えた場合も確かめたい」といった内容になります。
この表からわかるように、事実と分析と感情はそれぞれ別の役割を持っています。感想だけで考察を終わらせてしまうと、研究としての説得力が弱くなるので注意してください。
写真・表・グラフを使って結果をわかりやすく見せる
写真やグラフは、レポートを派手に見せるためのものではありません。研究の内容や変化を正確に伝えるために使います。
使うときは、次の点を押さえておきましょう。
写真には番号と説明を付けること、同じ角度・距離で撮影すること、表やグラフにはタイトルを付けること、数値には単位を付けること、条件ごとに整理すること、写真だけでなく文章でも結果を説明すること、色や装飾を増やしすぎないことです。
配置する項目にも目安があります。方法には道具や実験手順の写真を、結果には変化の写真、数値表、グラフを、考察には結果の重要部分に触れながら説明を加えると、読み手に伝わりやすくなります。
視覚資料は文章の代わりではなく、文章を補う役割として使うことがポイントです。
難しいテーマより「研究の過程」が伝わる内容を目指す
高評価を得るために、難しい実験や高度な道具は必須ではありません。
評価につながりやすい要素として、研究の問いが明確であること、テーマを選んだ理由が自分の言葉で書かれていること、実験前に予想していること、条件をそろえて比較していること、複数回調べていること、結果を数値・表・グラフで示していること、結果を根拠に考察していること、失敗や改善点も記録していること、参考文献を明記していること、次の疑問や生活への活用まで考えていることが挙げられます。
学年による深め方の目安は、次のように整理できます。
| 学年 | 深め方の目安 |
|---|---|
| 中1 | 条件を一つ変え、結果を正確に記録する |
| 中2 | 複数回調べ、表やグラフで傾向を比較する |
| 中3 | 結果の理由や生活・社会とのつながりまで考える |
この表はあくまで目安であり、学年による明確な採点基準ではありません。難しさよりも、問い・方法・結果・考察が筋の通った過程として伝わることが、評価につながりやすい自由研究の共通点です。
中学生の自由研究に関するよくある質問

友達とテーマがかぶったら変えた方がよいですか?
必ずしも変える必要はありません。
同じ題材でも、研究の問い、比較する対象、変える条件、測定方法、調査する場所、結果から行う追加調査のいずれかが異なれば、それぞれ別の研究として成立します。
大切なのは、テーマの珍しさではなく、研究者本人の疑問や工夫が含まれているかどうかです。テーマが同じでも、慌てて変える必要はありません。
1日で終わる自由研究でも評価されますか?
日数だけで評価が決まるわけではありません。
短期間でも、問い、予想、比較、記録、考察がそろっていれば、研究の過程はきちんと伝わります。
一方で、実験だけを10分で終わらせて感想を書くといった内容では、どうしても薄くなりがちです。結果整理とレポート作成の時間は、別途しっかり確保しておきましょう。
自由研究は理科や化学の実験でなければいけませんか?
学校から指定されていなければ、理科実験に限る必要はありません。
生物や自然の観察、地域や環境の調査、社会問題の調べ学習、工作と性能比較、プログラミング、アンケートや統計調査なども候補になります。
ただし、学校によって対象分野・提出形式・使用できる方法は異なります。取り組む前に、必ず課題の説明を確認してください。
実験で違いが出なかった、失敗した場合はどうすればよいですか?
結果を都合よく書き換えず、そのまま記録することが基本です。
確認しておきたい項目は、条件の差が小さすぎなかったか、変える条件以外はそろっていたか、測り方は適切だったか、実験回数は足りていたか、道具や環境の影響はなかったかの5点です。
再実験できる場合は方法を改善し、できない場合は「なぜ差が出なかったのか」「次はどう改善するか」を考察に書きましょう。
失敗も研究過程の一部です。隠すよりも、原因を考えたほうが内容に深みが出ます。
考察に何を書けばよいかわかりません
考察には、結果から考えられる理由や、予想との違い、実験方法の改善点を書きます。
「楽しかった」「難しかった」は感想にあたるため、考察とは分けて書きましょう。詳しい考え方は「ステップ5|結果から考察と結論を導く」で確認してください。
生成AIを自由研究に使ってもよいですか?
学校のルールを最優先にしてください。
利用する場合は、疑問を広げるための質問例を考える、検索キーワードを考える、レポート構成を整理する、難しい言葉の意味を確認するといった、補助的な使い方にとどめましょう。
一方で、AIが作った文章をそのまま提出する、AIが示した数値や出典を確認せず使う、実際には行っていない実験結果を作る、自分で考えていない考察を提出することは避けてください。
AIの回答は、書籍、公的機関、大学、企業の公式資料などで必ず確認し、研究結果や考察は自分の言葉でまとめることが大切です。
まとめ 自分なりの問いと考察が中学生らしい自由研究につながる

ここまで、テーマの決め方から人とかぶらない工夫、進め方の5ステップ、レポートのまとめ方までを見てきました。
自由研究で大切なのは、身近な疑問を研究できる問いに変え、対象や条件を自分なりに工夫し、結果から考察を導くという一連の流れです。同じ題材であっても、この流れが自分の言葉でつながっていれば、自分なりの研究になります。
もしまだテーマが決まっていない場合は、まず好きなことや身近な疑問を書き出し、そこから「何を比べるか」「何を変えるか」を考えてみてください。すでにテーマが決まっている人は、研究計画表を使って、変える条件とそろえる条件を整理するところから始めましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
注目の塾
PR
