都立両国高等学校附属中学校に合格!幼少期から積み重ねてきた中学受験への布石|親たちの中学受験体験記Vol.35
公立でありながら、中高6年間の多様なカリキュラムによる充実した教育を行い、高い進学実績を誇る都立の中高一貫校。授業料は基本的に無料という学費面の魅力もあり、志望校に選ぶご家庭も多いでしょう。
今回はその御三家のひとつ、東京都立両国高等学校附属中学校への合格を叶えた小松さんにお話を伺いました。私立の学力試験とはまた違う難しさのある、思考力や判断力、表現力が問われる適性検査に向けて、どのように実力を伸ばしていったのか、幼少期のエピソードから教えていただいたのでぜひ参考にしてみてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
【保護者プロフィール】
| お名前 | 小松 恵美(仮名) |
|---|---|
| お住まい | 東京 |
| 年齢 | 43歳 |
| 職業 | パートタイム |
| 性格 | まじめ、几帳面 |
| 家族構成 | 父、母、長男(中2)、長女(小6) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
| 子どもの名前 | 小松 蒼士(仮名) |
|---|---|
| 性別 | 男子 |
| 現在通っている学校名 | 東京都立両国高等学校附属中学校 |
| 現在の学年 | 中学1年生 |
| 受験期に通っていた塾 | ena |
| 得意科目 | 算数 |
| 苦手科目 | 作文 |
| 性格 | 穏やかでマイペース。優等生タイプとよく評されるが、実は整理整頓が苦手 |
| 偏差値 | 学習開始時期:不明/受験時期:65 |
| 受験結果 | 東京都立両国高等学校附属中学校:合格(第一志望) 安田学園中学校:合格 |
3歳から公文で基礎学力と学習習慣を身につけ、小学3年生で中学受験を決意

―最初に、中学受験を考え始めた理由・きっかけを教えてください。
姉が公文に勤めていたこともあって教育事情に詳しく、子どもが生まれる前から中学受験の情報などを耳にしていました。長男を妊娠したときに公文のグッズもプレゼントしてもらい、胎教として音楽を聴かせることからはじめ、3歳から公文の教室に通うなど、早期教育も熱心な方だったと思います。
長男は公文の進度が速く、英検なども小学2年生のときに4級を取得したりしていましたので、勉強は得意なようでした。とても穏やかな性格で、いじめられたりはしませんが、小学校のクラスに我が強い子がいると、理不尽に当たられたりすることが何度かありましたので、環境を整えてあげるべきなのではとも考えるようになりました。親子でしっかり中学受験を決意したのは小学3年生になってからです。
―最初から都立の中高一貫校を志望されましたか?
私は中学受験をしていませんが、高校から私立大学の附属校でしたので大学も内部進学ですし、特に公立にすべきとは考えていませんでした。ですが、夫は国立大学の出身で、中高もずっと公立、十分に充実した学生生活を送ってきたとのことで、あえて私立に入れなくてもいいという考えでした。
また、長男は目立って苦手な科目もなく、満遍なくこなせるタイプでしたから、家族でいろいろと話し合った結果、公立向きだろうと意見が一致しました。
―公立は報告書の点数(内申点)も合否に影響します。学校の成績は良かったですか?
公立への受験を決めた時点では良かったんです。小学3、4年生までの評価はほぼオール3でした。ですが5、6年生になると厳しく評価されるようになり、2もちらほらありました。ただ当日点でカバーできそうな範囲でしたので、あまり不安になったりはしませんでした。
―息子さんが通っていた小学校でも、中学受験は盛んだったのでしょうか?
そうですね、小学校のクラスの3分の1くらいは中学受験をしていたように思います。小学3年生からenaに通いましたが、同じ小学校の子が4、5人くらい一緒でした。
―それなら中学受験への意識やモチベーションも高めやすいですね。
それが周囲の受験生というより、不真面目な子の影響がかえってモチベーションになっていました。自分は勉強がしたいのに、立ち歩いて授業を妨害したり、ふざけて小突いてくるような子もクラスにはいたんです。だからもっと勉強が好きな子が多い中学校に行きたい、そうしたら仲良しも増えるって考えていたようです。
\受験を考えたきっかけと環境づくりのポイント/

志望校選びは背伸びしすぎず、長男の性格と入学後を考えて選択

―志望校選びは、どのように進めましたか?
通学時間と進学実績などから考えて、東京都立両国高等学校附属中学校か東京都立小石川中等教育学校に絞っていました。どちらも模試ではいつもA判定でしたし、かなり迷いました。
ですが、偏差値で見ると、東京都立小石川中等教育学校の方がかなり高めで、一つ不安があったんです。入学後に自分より賢い子ばかりの中で校内順位が低迷しても、長男はやる気や自信をなくさないタイプなんだろうか、と。
それほど負けず嫌いでもないですし、何くそって頑張れるイメージが湧かなかったので、迷った結果、東京都立両国高等学校附属中学校を選びました。大学受験までの6年は長いですし、学力的に平均くらいになれる中学校の方が息切れせずに学力を伸ばせるだろうと思いました。
―入学から1年半ほど経ちますが、その選択は正しかった?
そうですね。入学後、最初のテストではまさに真ん中でした。中学受験を経験してきた子たちですから、皆が勉強熱心ですし、校内順位を上げるのは難しいだろうなと思っていました。ですが、順調に学力が伸びてきて、今、20位前後になっています。やはり東京都立両国高等学校附属中学校を選んで良かったです。
―志望校を決める前に、学校見学には参加されましたか?
夫はというと、想像以上に校舎などが古いことに驚いたそうです。でも本人は男子ということもあって、施設の古さなどは全く気にしていなかったので、志望校選びには影響しませんでした。
―併願校は、どのような基準で選びましたか?
公立と同じ受験方式である適性検査型の入試を実施していることと、通学時間などから安田学園中学校を選びました。公立中高一貫校は1校しか受けられませんので、実は最初、本番前の練習として考えていました。長男も私たちも万が一不合格でも、地元の中学校に通って、高校受験でリベンジすればいいと思っていたので。
ですが、安田学園中学校について調べていくうちに、偏差値や進学実績などが年々、良くなっていると聞きました。実際に受験したときには、もしも東京都立両国高等学校附属中学校とご縁がなかったら、安田学園中学校に通おうと話していました。
\志望校・併願校選びのポイント/

週1回の作文、添削、書き直しのサイクルで苦手を完全克服

―3歳から公文に通われていたとのこと。何科目をどのくらいのペースで勉強していましたか?
3歳のときは算数と国語、年長になってからは英語も足して3教科を受講していました。毎日の学習量としては、各5枚ずつくらいが基本です。学年が上がってくると、10〜15枚をこなしていた時期もあります。時間にすると、学校の宿題が30分、公文が1時間くらいでしょうか。
―集中力がないと、3教科を各10〜15枚というのは難しいですよね?
公文の宿題は毎日の習慣にしていましたので、自分から集中して取り組んでいました。ですが、学年の進度をかなり超えて勉強するようになると、学習内容が難しいので、長男もやりたがらなくなることは何度かありましたよ。でも、学習を続けているとポイントがたまって景品と交換できたり、高進度学習者には賞が贈られたりしますので、塾に入るまで真面目にこなしていました。
―適性検査は読解力や思考力が問われるので、読書好きな子が向くと聞きますが、いかがですか?
確かに読書好きですね。公文の国語ですでに毎日、大量の文章を読んではいますが、さらによく読書もしていました。小学校低学年の頃は『かいけつゾロリ』のシリーズが大好きで、その後は『空想科学読本』のシリーズにハマっていました。
いずれ文系か理系、どちらかの道に進むにしても、読解力が土台にないと困るだろうと思い、小さな頃から図書館にも通って読書習慣はつけていました。
―塾は、どのように決められましたか?
長男自身が中学受験に積極的でしたので、小学3年生になってすぐ「塾に行きたい」、と。公立志望と決まっていたので、適性検査の指導に定評がある大手塾をいくつか検討し、合格実績などからenaに決めました。
―通塾開始はいつ? どのくらいのペースで通っていましたか?
入塾は小学3年生の5月です。小学3、4年生のときは週2回、小学5年生で週3回、小学6年生で週4回、通っていました。
―塾に通い始めてから、成績は順調に伸びていきましたか?
特に苦手だった適性検査Ⅰの作文で、模試の点数がかなり向上しました。一般的な文章力とはまた違った、独特の評価基準があるので、点が取りやすい文章構成だったり、減点につながる注意点などを叩き込んでもらいました。
具体的には、作文の授業でお題が出され、時間制限内に書き上げて添削してもらい、その改善点に従って書き直すというのを繰り返していました。自宅で取り組んだ作文についても必ず添削してくださるので、有り難かったです。
―合格に結びついたと思う塾のサポートは?
作文指導はもちろんなのですが、自習中もしっかり見守れる体制だったのも合格につながったと思います。enaはすべての教室に監視カメラを設置していて、先生だけでなく保護者も自宅にいながら子どもたちが集中して勉強しているか、チェックできます。
受験生とはいってもまだ小学生ですから、飽きてくると立ち歩いたり、紙飛行機を飛ばしたりっていう問題行動も出てくるわけですよ。先生が注意するときもあるし、私が気づいたときは「やる気がないなら、今すぐ帰ってきなさい」などと携帯に連絡を入れると、慌てて勉強をし出したりしていました。
―逆に気になることはありましたか?
強いていえば、先生の定着率が低いことでしょうか。やはり継続して指導していただきたいなと感じたことはあります。塾長も途中で変わったのですが、その点に関しては、逆に良かったと思っています。方針もガラリと変わって個別面談が多くなり、家庭学習の指導も丁寧にしてくれるようになりました。
計算のケアレスミスが多いと相談したときは市販の問題集を教えてくださいましたし、家庭で書いた作文も添削するので持ってくるようにと言ってくださいました。的確なアドバイスのおかげで家庭学習を充実させることができました。
\作文・計算の苦手克服のポイント/

親が勉強法などに口を出すときは強制はせず、ポジティブな言葉で

―受験時期の家庭でのサポートについて教えてください。いちばんに心掛けていたことは?
ネガティブなことはなるべく言わない、を徹底していました。例えば、「これをやらなかったら落ちるよ」ではなく「これをやったら合格点にもう少し届くんじゃない?」って、ポジティブに言い換えていました。
―勉強の環境づくりで工夫したことは?
長男の勉強部屋もありますが、リビングなど、なるべく私の目が届くところで勉強をさせていました。小学5年生の前半くらいまでは、塾の自習室よりも自宅で勉強するように促していました。わからない問題があったら、すぐに私が教えてあげられますし。
小学6年生になると算数も難しくなって、夫も教えるようになりました。2歳下の妹もテレビやYouTubeなどは別室で観るなど、長男の受験期間は家族全員でサポートしていました
―家庭学習の時間はいつ、どのくらいですか?
塾の授業以外の学習時間は、平日で小学5年生まで1〜2時間くらい、小学6年生になってからは2〜3時間くらいです。休日はもっと長い時間を確保していました。
だいたい6時に起きて30分くらい勉強して、残りは夜になりますが、22時前には必ず寝ていました。睡眠が8時間はないと眠いようだったので、就寝時間には気を配っていました。
―取り組んで良かった、家庭での勉強法は?
計算は得意だったのですが、せっかちで面倒くさがりなため途中式を書かなかったりするので、ケアレスミスが多かったんです。塾に相談したら、市販の『マスター1095題一行計算問題集』という私立向けの問題集を教えてもらって。毎日5問ずつでもいいから、途中式を書くことを徹底しながら解いて、と指導してもらいました。
毎日、欠かさずに取り組むようになったら、ケアレスミスが激減しました。計算問題は配点が高くはないですが、正答率の高い問題を落とすわけにはいかないので、計算力を底上げできて良かったです。
また作文に関しても、塾の授業以外にも市販されている適性検査用の参考書やドリルなどを購入して、決まったペースで取り組むようにしていました。
―スランプなどはありませんでしたか?
地元の中学校ではなく、都立の中高一貫校に行きたいという想いが強かったので、自分から机に向かって受験勉強をしていましたし、私や夫が教えるときも素直に聞いてくれて反抗期もほぼありません。
ずっと順調だったのですが、小学6年生に入ってから塾の校内テストなどで成績が下がっていく時期がありました。応用や総合的な問題が増えてテストも難しくなるし、周囲の本気度も上がってくるから、よくあるケースと聞いていたので、絶対に責めないで「日々、しっかり積み重ねていけば大丈夫」と安心させるようにしました。
少しずつ持ち直したのですが、やる気がない日も出てきて。そんなときは叱るというより、冷静に「お母さんは中学受験を辞めてもいいと思うよ」と声を掛けました。すると反骨心に火がつくようで、また頑張っていましたね。
\家庭でのサポートのポイント/

体調面での不安も乗り越え、合格!期待通りの仲間にも恵まれ、充実の毎日

―入試まで、体調面での不安はありませんでしたか?
緊張するとお腹が痛くなることがあるので、困ったら授業中でも先生に声を掛けるようにと伝えていました。
入試が近づくにつれて症状が強くなったので、いつも落ち着いているように見えるけれど、受験のストレスは大きかったのだと思います。膀胱を柔らかくして尿をためやすくなる薬を飲み、なんとか症状をおさえました。
―それは大変でしたね。感染症などのリスクを減らすため、年明けは小学校をお休みしましたか?
実は長男、学校の宿泊行事とか、大切な日に熱を出したりする子なんです。だから、1月の後半から小学校をお休みさせていただきました。
それなのに塾で咳の風邪をもらってしまい、受験当日も熱はないけれど咳がひどくて。強めの咳止めを飲ませて受験会場に向かいました。本当に心配しましたが、結果に影響することがなくて良かったです。
―どのような受験日程だったのでしょうか?
2月1日に安田学園中学校、2月3日に東京都立両国高等学校附属中学校という入試スケジュールです。安田学園中学校のWeb合格発表は当日の夜でしたので、無事に合格をいただいてから、本番に挑むことができました。
―中学校生活はいかがですか?
東京都立両国高等学校附属中学校は男女仲も良くて、はつらつとした生徒が多いように思います。都立には活発でリーダーシップのあるタイプばかりというイメージがあったので、ちょっと毛色の違う長男が馴染めるか不安でしたが、無駄な心配で済みました。

皆、勉強は熱心ですけれど、マイペースな生徒もいて多様性があり、気の合う友達がたくさんできました。
―中高一貫校ならではの交流はありますか?
運動部に入っているのですが、部活は高等学校の生徒も一緒なので、お兄さんやお姉さんにすごく可愛がってもらって楽しそうです。体育祭のチーム分けも縦割りですから、応援団などでも交流があり、長男は学校のイベントの中で体育祭がいちばん好きだそうです。
―グローバルリーダーの育成を掲げ、英語教育も強化していますよね?
中学1年生はお台場のTGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)、中学2年生は福島県のブリティッシュヒルズに出向いて英語研修を受けます。中学3年生になると、米国ユタ州でホームステイやブリガムヤング大学での研修も予定されています。
―中学受験を終えて、息子さんの成長を感じることはありますか?
相変わらず整理整頓が苦手なところもありますが、中学受験のために小さな頃から勉強してきましたので、将来など、先を見据えて行動するようになっています。国公立大学への進学が2~3割程度なので、苦手科目をつくらないように心掛けているようです。
将来は税理士や会計士などもいいね、などと話すこともあります。今、私と一緒に簿記の勉強もしていますよ。
―都立の中高一貫校を目指す読者の方へ、アドバイスはありますか?
私立と違って1校しか受験できないので、不合格だったら人生が詰んでしまうみたいな、プレッシャーをかけそうになると思います。私も不安になっていろいろと調べた時期もありますが、高校受験で入れる都立の難関校もたくさんあります。
親の心構えとしては、受からなくても大したことない、もしダメでもたくさん勉強したから高校受験生としてはリードしているんだ、って考えるくらいがいいと思います。
\体調管理・合格後の生活・読者へのメッセージ/

取材後記
早期教育にも取り組まれ、とても教育熱心な小松さん。やはり志望校は偏差値の高さを基準に選ばれたのかと思いましたが、息子さんの穏やかな性格を考え、無理な背伸びはさせなかったというエピソードが特に印象的な取材でした。
自分より賢い子ばかりの集団に置かれた方がモチベーションが高まる子ももちろんいますし、どんな環境が適切なのかは百人百様。中学受験は長い人生のほんの入り口ですから、志望校はいろいろな要素を親子でよく検討して決めたいと、あらためて感じました。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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