中学受験、小5なのに息子のやる気がゼロ…遊び優先の子への声かけ
中学受験に向けて勉強を頑張ってほしい時期なのに、「早く帰ってきたと思ったら、宿題より先にゲームの続きをやっている」。そんな光景に、思わずため息をついてしまう保護者も多いのではないでしょうか。
本人はどこかのんびり構えていて、志望校に落ちても「公立でいいや」と軽く言う。あと1年で受験本番だというのに、当の本人はまだ受験生の顔をしていない。親だけが焦り、「このままでは間に合わないのでは」とやきもきしている方は少なくないはずです。
そんな、どこか他人事のような小5の子に、どう向き合えばいいのか。30年以上にわたり中学受験指導に携わってきた西村創先生とともに焦りだけが募る状況から抜け出すヒントを、一緒に整理していきましょう。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
西村 創先生
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴30年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei
目次
遊んでばかりの小5の息子、「このままで本当に受験する気ある?」と思ってしまう

【CASE】小学5年生・男子
性格:
好奇心旺盛で社交的なタイプ。友達と過ごすことが好きで、深刻に考え込みすぎない明るさがある一方、勉強や受験に対してはどこか他人事のように見える。
【今回のお悩み】
ペンネーム:紗雪さん(小学5年生 保護者)
小学5年生になっても、息子に中学受験へのやる気が見えません。土日は友人と遊んだり、ゲームをしたりして過ごすことが多く、こちらから促さない限り、自分から勉強しようという気配がありません。
志望校に受からない可能性についても、あまり深く考えていないようです。最近は「落ちたら公立でいい」と軽く言うこともあり、本人にとって合格は「受かればラッキー」くらいの感覚なのではないかと感じています。塾も、勉強のためというより友達と会えるのが楽しいから通っているだけのように見える時があり、親の私ばかりが焦って「このままで本当に受験する気があるの?」とイライラしてしまいます。
このままやる気が見えない状態で、受験を進めさせてよいのか。小5の今、どこまで働きかけるべきか悩んでいます。
「うちの子、受験が他人事…」小5で自覚がないのは珍しい?それとも普通?
結論からいえば、小5でこのくらい「他人事」な子は珍しくありません。「受かればラッキー」「落ちたら公立でいい」という感覚も、多くの家庭で見られる自然な反応です。ただし、志望校との学力差によっては、少し様子が違ってくるケースもあります。
多くの子が「他人事」なのは、環境の影響も
地方に住んでいて、周囲に中学受験をする友達が少ない環境で育っている場合、どうしても受験に対する熱や温度感は上がりにくくなります。学年に数人しか受験をしない、という地域であれば、それが「普通」の感覚です。
文京区や千代田区のように受験する子が多いエリアに住んでいても、この感覚自体が珍しいわけではありません。周りが熱心だからこそ、逆に「自分は受かればラッキーくらいでいい」と一歩引いて見ている子も一定数います。
例外は、志望校とのギャップが大きすぎるケース
志望校が現状の偏差値と同等以上の場合、「受かればラッキー」くらいの感覚でも、実際に受かる可能性は十分あります。「落ちたら公立でいい」という発言も、この場合は無理に危機感を持たせる必要のない自然な感覚だといえます。
注意が必要なのは、目指す学校が今の偏差値より20ほど上のような、大きくかけ離れているケースです。この場合だけは、「もっと頑張らなくちゃ」という自分事化が本当に必要になってきます。まずは、志望校と今の学力にどれくらいの差があるのか確認してみましょう。
押し付けはNG!「このままでいいのか」を問いかけ、本人の意思で気づかせる
親主導で始めた受験であっても、高学年になった今、親が一方的に勉強を押し付けるのは得策ではありません。本人としっかり対話し、「このままのペースで大丈夫なのか」を自分自身に問わせるステップが必要です。
現実的な学力差を提示し、主体的な気づきを促す
対話の際は、現在の成績と志望校の合格ラインとの差を具体的に示してあげましょう。
次に、「今の成績でこの勉強量のままだと、合格の可能性はどんどん遠のいていくよ」「次の模試でこれくらいの目標を持たないと、本番までに合格ラインにたどり着かないよね」といった未来に起こりうる現実を提示します。
そのうえで、「志望校合格までの差を埋めるために勉強するのか・しないのか」を子ども自身に問いかけてみてください。現状を主体的に見つめ直させることが、自覚を促す第一歩となります。
挑戦する意欲を引き出すなら、合格後のメリットを具体的に伝える
親御さんとしては受験を頑張る道を選んで欲しい気持ちもあるでしょう。その場合は、日々の会話の中で進学するメリットを改めて伝えるようにしましょう。
例えば、「この学校では海外研修が充実しているんだって」「この学校の学食にはこんなメニューがあるんだって」など、どんなことでも構いません。その子が興味を持ちそうなこと、テンションが上がりそうなことを示し、受験に対する動機付けをしてあげてください。
遊び盛りの子どもにとって、受験勉強は過酷なものです。一時的なものではなく、本番を迎える日まで継続して、楽しい未来を描くプロセスは大切にして欲しいと思います。
それでも現実を示し、メリットを伝えても、本人がスケジュールの相談に乗ろうとしない、あるいは次の模試で伝えた目標に近づく努力の跡すら見えないようであれば、無理に受験を続けさせる必要はありません。中学受験はした方がいい・しない方がいいという優劣の話ではなく、本人と家庭が納得できるかどうかがすべてです。「やめる」という選択も、対話を重ねた末に出した答えであれば、決して間違いではありません。
学習計画の具体化と可視化は必須!親子で話し合い、やるべきことを決める
本人が「このままではまずい」と気づいたら、次は目標に向かっていくための環境づくりです。ただ「勉強しなさい」と言うだけではなく、子どもが納得して取り組めるようにサポートしてあげましょう。
学習スケジュールは親子で一緒に作成する
1週間単位や曜日ごとのスケジュールを親子で相談して決め、可視化することが不可欠です。「これをやれば志望校に行ける可能性が高くなる」と理解させ、やるべきことを細分化してあげましょう。
モチベーション維持のために大事なのは、「やらされている」ではなく、「自分がやると決めたから」と思えるようにすることです。そのためにも、学習計画は親子で一緒に決めましょう。
計画を決めたら、親は見守るスタンスで伴走する
学習計画を決めても、子ども一人で進めていくのは難しい場面もあると思います。時には親が横に座って一緒に取り組むなど、叱るよりも見守りながら伴走してあげてください。
もちろん時間配分は志望校との開きがどれくらいあるかにもよりますが、息抜きする時間を作ることも意識できるとよいですね。制限を設けたうえで遊びやゲームの時間を用意することも、モチベーション維持につながります。緩急をつけることで、集中力を高めていきましょう。
小5後期に「自分事」として勉強に取り組めるかが、小6の成績を左右する
親にやらされてやる勉強は単なる「作業」になりがちですが、自分から進んでやる勉強は応用問題に通用する「深い理解」を促します。
特に小5の9月〜11月は、算数の「割合」や「比」など、中学受験において特に難しい単元が集中する時期。この時期にどれだけ「自分事」として受験勉強に取り組めるかが、6年生での成績を決定づけると言っても過言ではありません。
親から強制されたものは、一時的に身に付いてもたかが知れています。コミュニケーションの基本は、常に本人主体となることを心がけて欲しいと思います。
成功へ導く賢者からの金言!

「選ばせる」より「気づかせる」。
対話で、受験を「自分事」に。
※塾選調べ:
対象:中学受験をした子ども、または受験予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
調査期間:2026年6月18日〜7月1日
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴30年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei
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