環境問題の一覧|高校生向けに100例を分野別で紹介!探究テーマの選び方も解説
「環境問題について調べて」と言われたけれど、地球温暖化や海洋プラスチック以外に何があるのか思い浮かばない。そんな悩みを抱えていませんか。
実は、環境問題には「全部で○種類」という決まった数はありません。そこで本記事では、環境省など公的機関が扱う分野を参考に、高校生にもわかりやすい6分野に整理し、環境問題を100例紹介します。
一覧を眺めるだけでなく、気になった問題を「世界→日本→地域・学校・家庭」と絞り込み、探究テーマにする方法まで解説します。
編集部
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目次
環境問題とは?まずは意味と種類を簡単に確認

環境問題とは、人間の活動などによって自然環境や生活環境が変化し、人間や生き物、社会に悪い影響が生じる問題のことです。
一口に環境問題といっても、その範囲は幅広くあります。地球温暖化のように世界規模で起きる問題もあれば、大気汚染や水質汚濁のように特定の地域で深刻化する問題もあります。さらに、食品ロスやごみのように、私たちの生活のすぐそばで起きている問題もあります。
環境問題に「公式に全部で100種類ある」というような決まった分類があるわけではありません。本記事の100例は、環境省などの政策分野を参考にしながら、高校生が全体像をつかみやすいように独自に整理したものです。
具体的には、以下の6分野に分けて紹介します。
- 地球環境・気候に関する環境問題
- 大気・都市環境に関する環境問題
- 水・土壌・海洋に関する環境問題
- 資源・ごみに関する環境問題
- 化学物質・環境と健康に関する問題
- 自然環境・生物多様性に関する環境問題
では、実際にどんな環境問題があるのか、一覧で見ていきましょう。
高校生向け環境問題100例【分野別に一覧で紹介】

環境問題を6分野に分けて100例紹介します。本記事では、環境問題そのものに加えて、環境問題と深く関係する現象や社会的な論点も「探究テーマ」として紹介します。
| 分野 | No. |
|---|---|
| 地球環境・気候 | 1〜17 |
| 大気・都市環境 | 18〜34 |
| 水・土壌・海洋 | 35〜51 |
| 資源・ごみ | 52〜67 |
| 化学物質・環境と健康 | 68〜79 |
| 自然環境・生物多様性 | 80〜100 |
地球環境・気候に関する環境問題
地球温暖化や気候変動など、国や地域を超えて影響する環境問題を紹介します。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | 地球温暖化について | 温室効果ガスの増加などによって、地球の平均気温が長期的に上昇する問題です。猛暑や海面上昇、生態系への影響など、私たちの生活にもさまざまな変化をもたらします。 |
| 2 | 気候変動について | 気温だけでなく、雨の降り方や台風の強さなど、気候全体が変化する現象です。大雨や干ばつが増える地域もあり、農業や暮らしに影響します。 |
| 3 | 異常気象について | 記録的な猛暑や大雨など、これまでの平均から大きく外れた気象現象です。気候変動との関係が深く、頻度の変化を調べる探究にも向いています。 |
| 4 | 海面上昇について | 氷河や氷床が溶けることなどにより、海面の高さが少しずつ上がる現象です。沿岸地域の浸水や、島国の存続にも関わります。 |
| 5 | 氷河の減少について | 山岳地帯や極地の氷河が、気温上昇によって溶け出している問題です。水資源の減少や海面上昇につながります。 |
| 6 | 北極・南極の氷の減少について | 北極海の海氷や南極の氷床が縮小している現象です。ホッキョクグマなど生息する生き物や、地球全体の気候にも影響します。 |
| 7 | 永久凍土の融解について | 北極圏などの凍った地面が、気温上昇によって溶け始めている問題です。閉じ込められていたメタンガスが放出され、温暖化を加速させる可能性があります。 |
| 8 | 砂漠化について | 農地や草地が、植物の育たない土地へと変わっていく現象です。過剰な放牧や耕作、気候変動などが関係し、食料生産にも影響します。 |
| 9 | 干ばつについて | 長期間雨が降らず、水不足が深刻化する現象です。農作物の不作や、生活用水の不足につながります。 |
| 10 | 熱波について | 通常より著しく高い気温が続く現象です。熱中症のリスクが高まるほか、農作物や電力需要にも影響します。 |
| 11 | 酸性雨について | 工場や自動車から出る物質が雨に混ざり、酸性度の高い雨となって降る現象です。森林の立ち枯れや、湖沼の生態系に影響します。 |
| 12 | オゾン層の破壊について | 有害な紫外線を吸収するオゾン層が、化学物質によって薄くなる問題です。皮膚がんのリスク上昇や、生態系への影響と関係しています。 |
| 13 | 海洋酸性化について | 大気中のCO2が海に溶け込み、海水の性質が変化する現象です。サンゴや貝など、殻や骨格をつくる生き物に影響します。 |
| 14 | 気候変動による農作物・食料への影響について | 気温や降水パターンの変化が、農作物の収穫量や品質に影響する問題です。産地の変化や、将来の食料生産との関係を調べられます。 |
| 15 | 温室効果ガスの排出について | 二酸化炭素やメタンなど、熱をため込む性質を持つガスが増え続けている問題です。化石燃料の使用や畜産業などが主な発生源です。 |
| 16 | 台風・ハリケーンと海水温の関係について | 海水温の上昇が台風やハリケーンの勢力に影響を与える可能性が研究されている問題です。地域によっては被害の拡大との関連も指摘されています。 |
| 17 | 積雪量の変化について | 冬の積雪量が地域によって減少・増加している現象です。スキー産業や水資源、雪下ろしの負担など、地域の暮らしに関わります。 |
探究するなら 地球規模の問題は範囲が広くなりやすいため、「日本の猛暑」「自分の地域の気温」のように対象を絞ると扱いやすくなります。
参考:政策分野一覧|環境省
参考:日本の年平均気温|気象庁
参考:WMO confirms 2024 as warmest year on record|World Meteorological Organization
大気・都市環境に関する環境問題
大気汚染やヒートアイランドなど、街や学校の身近な場所にも関わる環境問題を紹介します。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 18 | 大気汚染について | 工場や自動車などから出る有害な物質によって、空気の質が悪化する問題です。呼吸器の病気などと関係しています。 |
| 19 | PM2.5について | 髪の毛よりもはるかに小さい粒子状の物質です。肺の奥深くまで入り込みやすく、健康への影響と関係しています。 |
| 20 | 光化学スモッグについて | 排気ガスなどが日光と反応してできる有害物質が原因で、大気がかすんで見える現象です。目やのどの痛みなど、健康被害につながります。 |
| 21 | 自動車交通による大気汚染について | 自動車の走行台数や渋滞の多さが、都市部の大気汚染に影響する問題です。交通量との関係を地域ごとに調べることもできます。 |
| 22 | ヒートアイランド現象について | 都市部の気温が周辺の郊外よりも高くなる現象です。舗装面の増加や緑地の減少などが関係し、熱中症リスクの上昇にもつながります。 |
| 23 | 都市の騒音問題について | 交通や工事、繁華街などから発生する騒音が、生活環境に影響を与える問題です。地域によって騒音の感じ方や規制が異なります。 |
| 24 | 振動による環境問題について | 工事や交通機関などによる振動が、周辺の生活環境に影響を与える問題です。建物への影響や、住民の体感的な不快感が課題です。 |
| 25 | 悪臭問題について | 工場や畜産、飲食店などから発生するにおいが、周辺の生活環境に影響を与える問題です。地域の産業構造との関係を調べることもできます。 |
| 26 | 光害について | 都市部の過剰な照明によって、星が見えにくくなったり、生き物の生態に影響が出たりする問題です。天体観測や夜行性の生き物との関係があります。 |
| 27 | 都市の緑地減少について | 開発などにより、都市部の公園や緑地が減っていく問題です。ヒートアイランドの悪化や、生き物の生息場所の減少につながります。 |
| 28 | 越境大気汚染について | 大陸などから偏西風に乗って飛来する大気汚染物質の問題です。PM2.5や黄砂が国境を越えて日本に影響することがあります。 |
| 29 | 黄砂の飛来について | 大陸の砂漠地帯から飛んでくる砂ぼこりが、日本にも到達する現象です。呼吸器への影響や、農作物・精密機器への影響と関係しています。 |
| 30 | 室内空気汚染について | 建材や家具などから発生する化学物質によって、室内の空気が汚染される問題です。シックハウス症候群などと関連しています。 |
| 31 | 夜間の気温上昇・熱帯夜について | 夜になっても気温が十分に下がらない現象です。睡眠への影響や、冷房使用によるエネルギー消費の増加とも関係します。 |
| 32 | 工場からの大気汚染物質排出について | 工場の生産活動にともなって排出される、硫黄酸化物や窒素酸化物などの問題です。排出基準や監視体制との関係を調べられます。 |
| 33 | 都市部のヒートストレスについて | 高温多湿な都市環境が人体に与える負担に関する問題です。熱中症対策や、学校での暑さ対策とも関係します。 |
| 34 | 建物の冷暖房によるエネルギー消費について | 都市部の建物で使われる冷暖房のエネルギー消費に関する問題です。省エネ設計や断熱性能との関係を調べられます。 |
探究するなら ヒートアイランドは緑地や舗装の違い、大気汚染は交通量や地域の測定データなど、身近な地域を対象に調べやすいテーマです。
参考:微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報|環境省、そらまめくん(大気汚染物質広域監視システム)|環境省
水・土壌・海洋に関する環境問題
水・海・土地は互いにつながっており、家庭や農業、工場などの人間の活動が、川・海・地下水・土壌に影響する環境問題を紹介します。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 35 | 水質汚濁について | 工場や家庭からの排水などによって、川や湖、海の水質が悪化する問題です。生活排水の処理方法との関係を調べられます。 |
| 36 | 河川の汚染について | 生活排水や農業排水などが原因で、川の水質が悪化する問題です。地域の川の水質データを調べる探究にも向いています。 |
| 37 | 湖沼の汚染について | 湖や沼に汚染物質が蓄積し、生態系や水質が悪化する問題です。水の入れ替わりが少ない湖ほど汚染が進みやすいとされます。 |
| 38 | 地下水汚染について | 工場排水や農薬などが地下にしみ込み、地下水を汚染する問題です。飲料水として利用する地域では健康への影響とも関係します。 |
| 39 | 土壌汚染について | 工場跡地や不適切な廃棄物処理により、土壌に有害物質が蓄積する問題です。土地の再開発時に調査が必要になることもあります。 |
| 40 | 富栄養化について | 湖や海に窒素やリンなどの栄養分が増えすぎる現象です。プランクトンが大量に発生し、水質悪化や赤潮につながります。 |
| 41 | 赤潮について | プランクトンが異常に増殖し、海や湖の水が赤っぽく変色する現象です。酸素不足を引き起こし、魚介類が大量に死ぬ被害につながります。 |
| 42 | 海洋汚染について | 陸からの排水や船舶からの油、化学物質などが海に流れ込む問題全般を指します。海洋生物や漁業、沿岸の暮らしに影響します。 |
| 43 | 海洋プラスチック問題について | 海に流れ込むプラスチック製品による汚染問題です。生き物が誤って飲み込んでしまうなど、生態系への影響と関係しています。 |
| 44 | マイクロプラスチックについて | 5ミリ以下に砕けた微細なプラスチック粒子の問題です。魚などの体内からも見つかっており、人体への影響も研究が進められています。 |
| 45 | 海洋ごみについて | プラスチック以外も含め、海に漂流・漂着するごみ全般に関する問題です。漁業や観光、沿岸の景観に影響します。 |
| 46 | 海岸漂着ごみについて | 海外から流れ着くものも含め、海岸に打ち上げられるごみの問題です。地域の海岸清掃活動と組み合わせて調べられます。 |
| 47 | 水不足について | 気候変動や人口増加などにより、生活や農業に必要な水の量そのものが不足する問題です。地域によっては、水量に加えて安全に飲めるかどうかも課題になります。 |
| 48 | 水資源の偏在について | 地域によって使える水の量に大きな差がある問題です。降水量や人口分布との関係を調べられます。 |
| 49 | 農業用水の過剰利用について | 農業のために取水しすぎることで、河川や地下水の水量が減る問題です。灌漑方法の改善との関係を調べられます。 |
| 50 | 深海汚染について | プラスチックごみや化学物質が、これまで人の手が及ばなかった深海にまで到達している問題です。調査技術の進歩によって実態がわかりつつあります。 |
| 51 | 海洋の生態系破壊について | 汚染や乱獲、温暖化などが重なり、海の生態系のバランスが崩れる問題です。サンゴや魚の減少と関係しています。 |
探究するなら 海洋ごみ・海洋プラスチック・マイクロプラスチックは似ていますが、それぞれ焦点が異なります。海洋ごみは海のごみ全般、海洋プラスチックはその中のプラスチック製品、マイクロプラスチックは細かく砕けた粒子に注目したテーマです。どこに焦点を当てるかを決めると問いが作りやすくなります。
資源・ごみに関する環境問題
食品ロスやプラスチックごみなど、家庭やコンビニ、学校でも関わる身近な環境問題を紹介します。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 52 | 食品ロスについて | まだ食べられる食品が捨てられてしまう問題です。家庭や小売店、飲食店などで発生する理由を調べながら、ごみの削減や資源の有効活用について考えられます。 |
| 53 | プラスチックごみについて | 容器や包装など、プラスチック製品が大量に廃棄される問題です。リサイクル率の低さや、燃やす際のCO2排出とも関係しています。 |
| 54 | ペットボトルごみについて | 大量に消費・廃棄されるペットボトルに関する問題です。リサイクルの仕組みや、マイボトルとの比較を調べることもできます。 |
| 55 | 家庭ごみの増加について | 家庭から出るごみの量や種類の変化に関する問題です。分別方法や自治体ごとのごみ処理の違いを調べられます。 |
| 56 | 電子ごみについて | スマートフォンやパソコンなど、使わなくなった電子機器の廃棄に関する問題です。有害物質の含有やレアメタルの回収と関係しています。 |
| 57 | 衣服の大量廃棄について | ファストファッションの普及によって、衣服が大量に生産・廃棄される問題です。生産過程で使われる水やエネルギーの多さとも関係します。 |
| 58 | 不法投棄について | 決められた場所以外にごみが捨てられる問題です。土壌や水質の汚染につながるほか、処理費用の負担も課題になります。 |
| 59 | 最終処分場の逼迫について | ごみを埋め立てる処分場の残り容量が少なくなっている問題です。新しい処分場の確保が難しい地域も少なくありません。 |
| 60 | リサイクル率の課題について | 資源ごみとして分別されたものが、実際にどれだけ再利用されているかに関する問題です。品目によってリサイクルのしやすさが異なります。 |
| 61 | 資源の大量消費について | 限りある鉱物資源やエネルギー資源が、大量生産・大量消費によって急速に使われる問題です。将来の資源不足につながる可能性があります。 |
| 62 | 使い捨て文化について | レジ袋やストローなど、一度使って捨てる製品が普及している問題です。利便性と環境負荷のバランスを考えるテーマになります。 |
| 63 | 過剰包装について | 商品の包装が必要以上に多くなる問題です。ごみの量を増やす要因として、簡易包装への転換が議論されています。 |
| 64 | フードマイレージと環境負荷について | 食品が生産地から消費地まで運ばれる距離に関する指標です。輸送にともなうエネルギー消費やCO2排出量と関係しています。 |
| 65 | リチウムイオン電池など充電式電池の廃棄について | スマートフォンやモバイルバッテリーなどに使われる充電式電池の廃棄に関する問題です。分別を誤ると発火事故や環境汚染につながることもあります。 |
| 66 | 建設廃棄物について | 建物の解体や工事にともなって発生する廃材の問題です。リサイクル資材への転換などが進められています。 |
| 67 | 使い捨てマスクなどの廃棄について | 感染症対策で普及した使い捨て製品の廃棄増加に関する問題です。海への流出なども報告されています。 |
探究するなら 食品ロスやペットボトル、ごみ分別は家庭や学校でも観察しやすく、自分でデータを集めやすい分野です。商品を作るには原料やエネルギーも使われているため、捨てることは資源の問題にもつながります。
参考:我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について|環境省
化学物質・環境と健康に関する問題
身の回りや産業で使われる化学物質が環境中に出たとき、人や生き物にどのような影響を与えるのかという視点で整理した分野です。健康への影響は因果関係がすべて解明されているわけではないため、断定を避け、最新の公的情報を確認することが大切です。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 68 | PFAS(有機フッ素化合物)について | 水や油をはじく性質から幅広い製品に使われてきた化学物質です。自然に分解されにくく、水や土壌への蓄積が近年注目されています。 |
| 69 | 農薬による環境汚染について | 農作物を守るために使われる農薬が、土壌や水、生き物に影響を与える問題です。使用量の規制や代替技術との関係を調べられます。 |
| 70 | 水銀汚染について | 工業活動や自然由来で環境中に出る水銀による汚染問題です。食物連鎖を通じて生き物の体内に蓄積することがあります。 |
| 71 | PCB(ポリ塩化ビフェニル)について | かつて電気機器などに使われていた化学物質による汚染問題です。分解されにくく、長期間環境に残ることが課題です。 |
| 72 | ダイオキシン類について | ごみの焼却などで発生することがある有害物質による汚染問題です。発生を抑えるための焼却技術の進歩と関係しています。 |
| 73 | 重金属汚染について | 鉛やカドミウムなどの金属が土壌や水に蓄積する問題です。工業地帯や鉱山周辺で調査が行われることがあります。 |
| 74 | 内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)について | 生き物の体内でホルモンの働きに影響を与える可能性のある化学物質です。生殖や発達などへの影響について研究が進められています。 |
| 75 | 家庭用洗剤による水質への影響について | 家庭から流れる洗剤成分が、河川や海の水質に与える影響に関する問題です。無リン洗剤の普及などと関係しています。 |
| 76 | マイクロプラスチックと化学物質の関係について | プラスチック粒子が化学物質を吸着し、生き物の体内に運ばれる可能性が指摘されている問題です。海洋生態系への影響は、まだ研究が進められている段階です。 |
| 77 | 放射性物質による環境汚染について | 原子力施設の事故などにより、環境中に放射性物質が広がる問題です。除染や長期的なモニタリングと関係しています。 |
| 78 | 化学物質の越境移動について | 有害な化学物質が、大気や海流に乗って国境を越えて広がる問題です。国際的な条約による規制と関係しています。 |
| 79 | 有害廃棄物の越境移動について | 有害廃棄物が国境を越えて移動し、輸出先で適正に処理されない場合に環境汚染につながる問題です。 |
探究するなら この分野は専門用語が多くなりがちです。まずは「どんな製品に使われているか」「なぜ問題になっているか」を1つだけ選んで調べると取り組みやすくなります。
自然環境・生物多様性に関する環境問題
生物多様性の減少は、生き物だけの問題ではなく、人間の食料や農林水産業、暮らしにもつながる環境問題です。
| No. | 探究テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 80 | 生物多様性の減少について | 地球上のさまざまな生き物の種類や個体数が失われつつある問題です。生態系のバランスが崩れると、食料や医薬品への影響にもつながります。 |
| 81 | 絶滅危惧種について | 数が減り、絶滅の危機にある動植物に関する問題です。生息地の破壊や乱獲などが主な原因です。 |
| 82 | 森林破壊について | 農地開発や違法伐採などによって、世界各地の森林が減少する問題です。CO2の吸収源が失われることにもつながります。 |
| 83 | 熱帯林の減少について | 生物種の多い熱帯地域の森林が急速に失われる問題です。パーム油や牛肉などの生産と関係していることがあります。 |
| 84 | 外来種問題について | もともとその地域にいなかった生き物が人間の活動などによって持ち込まれ、その一部が在来種や生態系などに大きな影響を与える問題です。 |
| 85 | 里山の荒廃について | 人の手入れによって保たれてきた里山の環境が、過疎化や高齢化により失われる問題です。地域の生態系や景観との関係を調べられます。 |
| 86 | サンゴ礁の白化について | 海水温の上昇などにより、サンゴが弱って色を失う現象です。サンゴを住みかとする多くの生き物に影響します。 |
| 87 | 湿地の減少について | 開発や埋め立てにより、湿地の面積が減っている問題です。水鳥をはじめとする多様な生き物の生息地が失われます。 |
| 88 | 干潟の消失について | 沿岸の埋め立てなどにより、干潟が減少する問題です。水質浄化の機能を持つ干潟が失われることで、海の環境にも影響します。 |
| 89 | 生息地の分断について | 道路や開発によって、生き物の生息地がばらばらに分けられてしまう問題です。移動が難しくなり、個体数の減少につながります。 |
| 90 | 乱獲について | 漁業や狩猟によって、生き物が再生できる数以上に捕られてしまう問題です。魚介類の資源量減少と関係しています。 |
| 91 | 森林火災の増加について | 乾燥化や人為的な原因により、大規模な森林火災が増えている問題です。生態系の破壊や大量のCO2排出につながります。 |
| 92 | 野生動物と人間の軋轢について | 生息地の減少などにより、野生動物が人里に出没する問題です。農作物被害や、地域住民の生活への影響が課題です。 |
| 93 | 海洋生態系の変化について | 水温上昇や漁業活動の影響で、海の生き物の分布や数が変化する問題です。漁業を営む地域の暮らしにも関わります。 |
| 94 | 花粉媒介昆虫の減少について | ミツバチなど花粉を運ぶ昆虫が減少している問題です。農作物の受粉に影響し、食料生産にも関わる可能性があります。 |
| 95 | 都市部の生態系への影響について | 開発によって都市部の自然環境が失われ、生き物の生息が難しくなる問題です。身近な公園や河川敷でも観察できるテーマです。 |
| 96 | 遺伝資源の喪失について | 地域固有の動植物が持つ遺伝的な多様性が失われる問題です。将来の品種改良や医薬品開発への影響とも関係します。 |
| 97 | 森林の炭素吸収機能の低下について | 森林が減ることで、CO2を吸収する働きが弱まる問題です。地球温暖化の進行と直接関係しています。 |
| 98 | 河川の生態系変化について | ダムや護岸工事などによって、川に棲む生き物の生息環境が変化する問題です。魚の遡上への影響などを調べられます。 |
| 99 | 島嶼生態系の脆弱性について | 周囲から隔離された島の生態系が、外来種や開発の影響を受けやすい問題です。固有種が多い分、影響も大きくなりやすいとされます。 |
| 100 | オーバーツーリズムによる自然環境への影響について | 観光客の増加が、自然環境や生態系に負荷をかける問題です。人気の観光地ほど、ごみの増加や動植物への影響が大きくなりやすいとされます。 |
探究するなら アマゾンやサンゴ礁のような世界規模の話だけでなく、近所の川や公園にいる外来種、地域の里山など、身近な自然環境の変化からもテーマを見つけられます。
参考:日本の生物多様性を脅かす「4つの危機」|国立環境研究所
環境問題を高校生の探究テーマにするには?

100例を見て、気になる問題は見つかったでしょうか。ここからは、その一つを実際の探究テーマへと発展させる方法を紹介します。
① 一覧から「少し気になる」環境問題を選ぶ
最初から完璧なテーマを決める必要はありません。日常生活で気になったことや、ニュースで見たこと、好きなものや自分の住む地域と関係することを基準に選んでみましょう。
たとえば、海が好きだから海洋プラスチックが気になる、コンビニをよく利用するから食品ロスに興味がある、夏の暑さがつらいからヒートアイランドを調べたい。この程度の出発点で十分です。
② 「世界→日本→地域・学校・家庭」と範囲を狭める
ここが本記事で一番伝えたいポイントです。「地球温暖化」のような大きなテーマのままだと、調べた情報をまとめるだけで終わってしまいがちです。
そこで、次のように少しずつ対象を自分に近づけていきます。
地球温暖化という世界規模のテーマは、日本の猛暑という国内の話に変わり、さらに自分の住む地域の猛暑日という身近な話になり、最後は学校では暑さにどう対応しているかという具体的な問いになります。
海洋プラスチックであれば、日本のプラスチックごみ、地域のごみの状況、学校で捨てられるペットボトルの量、というように狭めていくこともできます。
この考え方を使えば、「世界の環境問題」「日本の環境問題」「身近な環境問題」という視点を、別々に調べ直す必要はありません。
③ 原因・影響・対策のどこを調べるか決める
環境問題は、「なぜ起きるのか(原因)」「何が起きるのか(影響)」「どうすれば変えられるのか(対策)」という3つの方向から問いを作れます。
食品ロスを例にすると、なぜコンビニで食品が余るのかを調べれば原因の探究になり、食品を捨てることが環境にどんな負荷を与えるのかを調べれば影響の探究になり、どんな取り組みなら食品ロスを減らせるのかを調べれば対策の探究になります。
3つすべてを扱う必要はなく、自分が一番気になる方向を一つ選ぶだけで、探究の軸がはっきりします。
④ 公的データや身近な調査方法があるか確認する
テーマを決める前に、実際に調べられる情報があるかを確認しておくと安心です。環境省や国立環境研究所、政府統計の窓口であるe-Stat、都道府県や市区町村の統計、学校や地域での観察、アンケート調査など、活用できる情報源はさまざまです。
数字を使う場合は、必ず一次情報を確認しながら進めましょう。
環境問題に限らず、科学・社会・教育など幅広い分野からテーマを探したい場合や、探究テーマの決め方をさらに詳しく知りたい場合は、→【内部リンク:高校生の探究テーマ100例|まだ決まってない人も必ずヒントが見つかる!】も参考にしてください。
環境問題に関するよくある質問

環境問題には全部で何種類ありますか?
決まった数はありません。分類する機関や目的によって区分の仕方が異なるためです。
この記事では、環境省などの政策分野を参考にしながら、高校生が全体像をつかみやすいよう6分野・100例として整理しています。
地球環境問題にはどんなものがありますか?
地球規模で影響が広がる代表的な問題として、地球温暖化・気候変動、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化、森林の減少、海洋汚染、生物多様性の減少などが挙げられます。
詳しくは本記事の「地球環境・気候に関する環境問題」の一覧も参考にしてください。
日本ではどんな環境問題が起きていますか?
猛暑や豪雨などの気候変動、食品ロスやごみ、海洋プラスチック、大気・水環境、外来種などが日本国内でも起きています。
詳しい絞り込み方は、本文の「探究テーマにするには?」もあわせてご覧ください。
高校生にとって身近な環境問題は何ですか?
食品ロス、ペットボトルやプラスチックごみ、衣服の廃棄、電気の使用、ごみの分別、学校や地域の暑さ対策、外来種などが挙げられます。
学校や家庭で観察できるテーマは、データを自分で集めやすいため探究にも向いています。
環境問題とSDGsにはどのような関係がありますか?
環境問題は、SDGs(持続可能な開発目標)の複数の目標と関係しています。
安全な水とトイレに関する目標6、エネルギーに関する目標7、まちづくりに関する目標11、生産と消費に関する目標12、気候変動対策に関する目標13、海の豊かさに関する目標14、陸の豊かさに関する目標15などが特に関わりの深い目標です。
環境問題を解決するために高校生ができることは?
食品を無駄にしない、ごみを減らす、正しく分別する、節電する、マイボトルを使うといった行動が挙げられます。
ただし、行動するだけで終わらせず、その行動によってどの程度環境負荷を減らせるのかを調べてみると、立派な探究テーマになります。
環境問題以外の探究テーマも知りたい場合は?
環境問題以外にも、科学・テクノロジー、社会、教育、言語などさまざまな分野から探究テーマを考えることができます。
以下の記事では、ジャンル別のテーマ例やテーマの決め方を紹介しているので、まだ興味のある分野が決まっていない人はこちらも参考にしてください。
まとめ 環境問題100例から気になるテーマを見つけよう

環境問題には、地球温暖化だけでなく、大気、水・海、ごみ・資源、化学物質、生物多様性など幅広い問題があります。
探究テーマを決めるときは、100例の中から「少し気になる」と思った問題を一つ選ぶところから始めれば十分です。そのうえで「世界→日本→地域・学校・家庭」と範囲を狭め、原因・影響・対策のどこを調べたいかを考えれば、自分なりの問いが見えてきます。
まずは100例の中から気になるものを一つ選び、自分の生活に近いところまでテーマを絞ってみましょう。
また、以下の記事も参考にしてみてください。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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