【志望校の決め方】選び方のポイントや失敗例を紹介
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塾選(ジュクセン)編集部
中学受験や高校受験、そして大学受験を控えている子供や保護者にとって、避けて通れないのが志望校選びです。大切な子供の将来を左右する可能性もあるため、後悔しないようにピッタリな学校を選びたいところですよね。 しかし特に受験経験がないと、「どのような基準やポイントで、志望校を選べば良いのか分からない」と悩んでしまう人も多いことでしょう。 今回は志望校の決め方についてポイントや選ぶべき時期、そして失敗例などと一緒に紹介します。
志望校の決め方のポイント
まずは志望校の決め方のポイントについて見ていきましょう。
初めから第一志望を限定せず、第一志望群で考える
恐らく多くの子供たちは「〇〇中学が第一志望!」「〇〇高校の普通科以外は考えられない!」など、第一志望校を限定しているのではないでしょうか。
一番行きたい学校を絞り込めるのは素晴らしいことですが、受験をする上では大変不安定なことでもあります。例えば第一志望校を決めていても、もしかすると受験直前になって志望校を変更しなければいけない状況になるかもしれません。「学力が足りず、合格する可能性が低い」「他に魅力的な志望校が見つかった」など、さまざまな理由が考えられるでしょう。
もし志望校一つだけにフォーカスをして受験勉強を続けていると、受験科目や学習内容の関係で直前の志望校変更に対応できないことがあります。
ですから、志望校を決めるときは、第一志望群で考えるようにしてください。3つ~4つほど学校を考えて、各々の学校の入試に対応できるような受験勉強をしていきましょう。
知名度だけで決めない
2つ目は知名度だけで決めないことです。
名前が良く知られていたり、合格すると他の人に自慢できたりするだけの理由で志望校を選ぶのはおすすめできません。学校は勉強をするところです。いくら知名度が高いからといって、子供が本当に学びたいことが学べるとは限りません。
入試までに余裕があるなら、学力よりも行きたい気持ちを大切にする
もし入試本番までにまだ時間があるなら、現在の学力よりも、子供自身が行きたいかどうかを大切にしましょう。
学力は子供の努力次第でグングン伸びます。一般的には受験直前まで伸びるといわれているため、早い段階で学力を理由として志望校を変更する必要は全くありません。
また子供にとっても行きたい学校を志望校とした方が、受験勉強の高いモチベーションにつながります。
志望校選びの失敗パターン
最後に志望校選びの失敗パターンを紹介します。
友達が行くから
1つ目は友達が行くから、友達と同じ学校を志望することです。多くの子供にとって友人関係は大切なもの。特に仲の良い友達と離れたくないことから、同じ学校に進もうと考える子供もいることでしょう。
しかし友達が行くから志望校を選ぶのは失敗するパターンです。学校はあくまで勉強をするための場所。そして将来の生活に大きな影響を与える場所でもあります。
自分の学習ニーズに合わない学校へ進学してしまうと無駄な時間を過ごし、将来にもマイナスの影響を与える可能性があるので止めた方が無難です。
学校や塾の先生に言われたから
学校や塾の先生に言われた通りに志望校を選ぶのも止めましょう。
これまでの経験や大人の感性から志望校を提案してくれるのはうれしいですが、これまで何度も述べてきたように実際に学校へ通うのは子供自身です。もし子供自身が納得できないような学校へ通っても、負担となるのは目に見えているでしょう。
進路指導豊富な学校や塾の先生の話は、志望校選びの大きな参考となります。しかしあくまでも、一つのアドバイスとして捉えておくと良いですね。
偏差値だけで選ぶ
最後は偏差値だけで選ぶことです。
志望校を選ぶ際の項目として学校の偏差値はありますが、偏差値だけで選ぶのは止めましょう。
どれだけ偏差値の高い学校に入学できる実力があったとしても、校風をはじめとする他の項目が子供に合っていないのは問題です。入学しても学校生活に馴染めず、成績アップどころか途中で転校や退学することにもなりかねません。
志望校選びに失敗しないために、学校選びのノウハウや学校の特徴をご紹介した記事もぜひ参照してみてください。
・女子御三家を徹底比較!桜蔭・女子学院・雙葉について解説します
志望校はいつから選ぶ?
志望校選びは早ければ早いに越したことはありません。志望校が明確になることで目標が定まり、目標達成に向けた具体的な学習計画を立てられるようになるためです。
「中学3年生の夏までに、基礎事項は全て理解できるようになっておこう」「2次試験に苦手な数学があるから、高校2年生の夏休みを使って克服しておこう」など、入試本番を意識して早めに対策を立てられるため、より確実な合格に近づけるようになるでしょう。
中学受験では志望校を、小学校6年生の8月~10月位までに決めておくのがおすすめです。
中学入試はだいたい1月~2月頃に行われるため、本番の3か月前からは過去問演習などに取り組んでおきたいところ。そのため遅くても10月頃までには、志望校を選んでおくのがベストなのですね。
高校受験の場合は中学3年生の11月頃までに、公立高校と私立高校をそれぞれ受験するかどうかを決めます。もし私立高校を受験するのであれば、第一志望群も絞っておきましょう。
そして12月頃までに受験する具体的な私立高校を、1月~2月頃までに受験する公立高校を決めるのが一般的です。
大学受験では高校3年生の春休みから夏休みの間までに決めておくと良いでしょう。推薦やAO入試は夏休み前後から受付がスタートするためです。
また一般入試を受ける高校生も集中的に勉強に取り組める夏休みのことを考えると、やはり春休みから夏休みの間に絞っておくのがおすすめですね。
志望校は何に注目して選べばいい?
実際に受験を経験した子供や保護者は、具体的にどのような点を見て志望校を選んだのでしょうか。
ここでは、偏差値や校風など、志望校選びで良く使われる項目をご紹介していきます。複数の項目の中から、自分自身が大事にしたい項目は何なのかを絞っていくと、受験校がだんだんと明確になってくるかと思います。絶対に重視したいこと、そこまで気にしていないことなど、優先順位をつけると良いですよ。
偏差値
まずは偏差値です。多くの人が志望校選びの参考にするものではないでしょうか。
各学校で行われている授業レベルは、実際に通っている生徒の学力に合わせて行われます。
偏差値が高い学校では授業レベルが高く、反対に偏差値が高くない学校では基礎理解に重点をおいて授業が展開されるはずです。ですから、もし「高校に進学したら、その後は難関大学を受験したい」と思うのであれば、当然のことながら偏差値の高い高校に入った方が良いでしょう。偏差値が高くない学校では、難関大学受験対策は期待できないかもしれません。
前述したように入試本番までに時間がある場合、志望校の偏差値に現在の学力が達していないからといって、まだあきらめるのは不要です。今後の子供の努力次第で、偏差値はどんどん伸びていきます。
校風
2つ目は校風です。中学校や高校、大学と一口にいっても、学校によって雰囲気はガラリと異なります。
「子供たちの自由を尊重している」「規律が厳しいが、高い学力を身に付けられる」「文武両道でスポーツ活動も大切にしている」など、それぞれの学校で特徴があることでしょう。
校風は実際に数年間学校で過ごす上で、とても大切な要素です。もし自分と合わない校風の学校へ進学してしまうと、必要以上にストレスがかかってしまいます。
通学のしやすさ
自宅から通学しやすいかどうかも、志望校選びで重要な項目ですね。ほとんどの人は自宅から近いに越したことはないと思っていることでしょう。
通学はほとんど毎日行うものなので、できるだけ負担を減らしたいところです。もし通学時間が長くなってしまうと、「自宅と学校の往復だけで体力を消耗してしまう」「疲れて学校や自宅で勉強に集中できない」「通学に時間を取られる分、勉強時間が減ってしまう」「帰宅時間が遅くなって、安全面で不安が生じる」などのデメリットが生じます。
どれほど優れた学校があったとしても、あまりにも自宅から離れた場所にあるのであれば、本当に通えるのかどうかを検討してみてください。
ただし子供の中にはあえて、「環境をリセットして、誰も知らない学校でゼロから頑張りたい」「繁華街に近い方が放課後の時間が充実する」などの理由から自宅から距離がある学校を選ぶこともあります。
部活動
4つ目の項目は部活動です。サッカー部や野球部、バレーボール部などの運動系から、吹奏楽部や合唱部などの文化系まで、さまざまな種類の部活動があります。
学校によっては特定の部活動に力を入れており、大会などで大きな実績をあげているところもあるでしょう。部活を頑張りたい子供にとって、部活動が盛んな学校は志望校の候補となるはずです。
また反対に部活動を熱心にしたくない子供の場合、部活動が盛んではない学校を志望校にすることもあります。
進学実績
ほとんどの中学校や高校では、それぞれ学校の進学実績をホームページ上などで公表しています。特にレベルの高い高校や大学への進学を検討している子供にとっては、志望校の進学実績は参考になるはずです。
例えば難関大学受験を目指しているにも関らず、志望校ではここ何年も難関大学への合格実績がなかったらどうでしょうか。難関大学合格に必要なカリキュラムが提供されていない可能性も考えられますよね。
志望校進学後にさらに高等教育機関への進学を考えている場合、合格実績も参考材料の一つとしてチェックしてみてください。
指定校推薦枠
6つ目は指定校推薦枠です。指定校推薦枠とは特定の大学の推薦入試に、大学から指定を受けた高校の生徒だけが応募できる仕組みのことを指します。大学が信頼をした高校からのみ生徒を募集するため、他の推薦入試制度と比べて合格率が高いのが特徴です。
指定校推薦に選ばれるためには校内選考に通る必要があるものの、やはり合格率が高くなっているのは受験生にとって大きな魅力といえるでしょう。
希望する大学の指定校推薦枠があるかどうかを、志望校選びの項目に入れている子供もいます。
志望校の情報はどうやって集める?
だいたいの志望校がしぼられてきたら、志望校についてもう少し詳しく調べていきましょう。HPやパンフレットを読むだけではなく、以下に挙げた3つを実践していただき、実際のリアルな情報を取りに行くことをおすすめします。
学校を直接見学する
まずは見学です。気になる学校が見つかったら、実際に足を運んで見学をしてみましょう。学校によってはオープンキャンパスや学校見学会と開催しているため、ぜひ活用すると良いですね。学校のスタッフから直接、いろいろな情報も聞けます。
実際に通っている先輩の話を聞いてみる
もし実際に通っている先輩の話を聞けるのであれば、ぜひ聞いておきましょう。学校の雰囲気やカリキュラム、先生のことなど、リアルな声を聞けるのは貴重な判断材料となるはずです。
インターネットやTwitterなどで検索してみる
最後はインターネットやTwitterなどで評判を検索してみることです。志望校に関するさまざまな情報を得られるはずですよ。
ただしネットは誰でも書き込みができることから、必ずしも本当の情報とは限りません。全ての情報を鵜呑みにしないようにしてください。
まとめ
志望校選びは、将来を左右する決定にもなりかねないため、慎重に志望校を決めることが大切です。今回紹介した志望校選びのポイントや選ぶ際の項目、失敗パターンなどを参考にして、子供にピッタリな学校を見つけてください。
▼志望校が決まったら塾選びをしましょう。以下の塾選びのポイントを解説した記事もぜひご参照ください。
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不登校のお子さんの志望校選びについてはこちらの記事をご参考ください。(外部サイト)
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。