2024/03/26
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【高3】大学受験に向けた夏休みの勉強法|学習時間や押さえておきたいポイントなど紹介

いよいよ大学入試本番が近づいてきた、高校3年生の夏休み。約1カ月におよぶ長い休暇をどのように過ごすかによって、志望校合否が決まるといっても過言ではありません。今回は高校3年生向けに、夏休みの勉強法を科目別にご紹介。目安となる学習時間や、押さえておきたい学習ポイントも一緒に解説するので参考にしてください。

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【高3】夏休みの勉強法|科目別に紹介

多くの高校3年生は夏休みの時点で、ある程度の志望校は候補に挙がっていることでしょう。受験に必要となる科目もある程度絞られていることから、夏休み中に取り組むべき科目も決まってくるはずです。

具体的に取り組むべき学習内容は、子どもによって異なります。基礎が身についているのかどうか、現在の学力がどの程度あるのか、志望校のレベルはどのくらいなのかによって左右されるためです。ここでは高校3年生向けの、一般的な夏休み中の勉強法を紹介します。科目別に解説するので、自分に必要なものをピックアップして活用してください。

また、以下では理系の高校生向けに勉強法などを紹介していますので参考にしてみてください。

【高3理系】夏休みの過ごし方|数学や英語の勉強法、やるべきことなどを解説

【高3】英語の勉強法

大学入試の英語で合否のカギを握るのが、長文読解力を身につけること。ほとんどの大学で長文読解を課し、また配点も高くなっていることから、長文読解力を養うことが欠かせません。

ただし、長文読解には単語と英文法の知識が必要です。高校3年生の夏休みの段階で英語の基礎ができていないと自覚がある子どもは、単語と英文法の学習に取り組みましょう。基礎固めをしてから、長文読解の勉強に移った方が効率的です。

単語は教科書に掲載されているものを復習するほか、市販の単語帳を活用するのもおすすめ。レベル別の単語帳も市販されているので、志望校の偏差値に合わせて選ぶとよいでしょう。

英文法は教科書や参考書に載っている内容を理解してから、問題集を使って演習をします。間違えた問題にチェックを付けておくと、後からの復習効率が高まります。インプットとアウトプットをくり返すことで、英文法の知識を身につけられるはずです。

基礎固めが終わったら、長文読解の勉強に移ります。力がある子どもはいきなり長文読解の問題にチャレンジしても構いませんが、不安がある場合は、前段階として英文解釈から始めましょう。市販の英文解釈の参考書を購入して、短い英文を正確に読み解く練習を重ねていきます。

基本的な英文解釈の方法を理解したら、その後は長文読解の問題をできるだけたくさんこなしてください。問題数をこなすことで長文を読む耐性が上がり、読むスピードも速くなっていくはずです。

【高3】数学の勉強法

数学は大学入学共通テストレベルであれば、適切な対策をすることで十分高得点が狙えます。まずは公式を完璧に理解しましょう。ほぼすべての分野から問題が出題されるので、まんべんなく勉強をして公式を理解することが大切です。

公式を覚えたら、基本問題に取り組んでください。どのような問題にも対応できるようになるためには、基本問題をたくさん解いて、基礎力を身につけることが先決です。

ある程度基礎ができている子どもは、大学入学共通テスト用の問題集に取り組むのもおすすめ。より実践的な内容で、試験本番での得点アップが期待できます。問題を解く際は、計算が遅くて時間切れになり点数が伸びない高校生が多いため、制限時間を設けるようにしましょう。時間を意識して解く練習を重ねることで、計算スピードがアップします。

理系の高校生は国公立大学の2次試験や私立大学の一般入試で、記述問題が課されるかもしれません。記述式問題のポイントは採点者が読みやすく、わかりやすい解答を心がけること。また要点を押さえて、コンパクトな内容にすることも大切です。記述式用の問題集に実際に取り組み、解答や解説に書かれている文章を真似してみるとよいでしょう。

【高3】国語の勉強法

国語は現代文と古文、漢文に分けて勉強法を紹介します。

高校3年生の夏休みの時点で現代文の点数が低い場合、さまざまな理由が考えられます。たとえば文章を読むスピードが遅いケースです。文字数が多い文章を、ゆっくり読んでいる時間はありません。縦読みに慣れるためにも、夏休み中は読書をしてみましょう。1週間に1冊のペースで、4冊ほど読み終えれば、読解スピードの向上が期待できます。

文章を読んでも内容がわからない場合は、要約の練習がおすすめ。文章ごとに100字~200字ほどで内容をまとめたり、段落ごとに内容に合ったタイトルを付けたりすると、要約力が高まります。

古文は単語と文法の理解がベースです。市販の単語帳や文法の参考書を用いて、一つずつ覚えて行きましょう。単語と文法が身につけば、古文の文章も読めるようになるはずです。

漢文は返り点やレ点、置き字といった文法と、漢字の読み方をマスターすれば、大学入学共通テストレベルの問題は解けるようになります。さらに時間に余裕があれば、絶句や律詩などの詩の形式も覚えておくとよいでしょう。

【高3】理科の勉強法

高校で学ぶ理科は、物理・化学・生物・地学の4つに分けられます。さらにそれぞれで、基礎科目も設定されています。以下で4科目ごとの勉強法を見ていきましょう。

【物理の勉強法】

物理を選択する高校生のほとんどは、理系志望者でしょう。大学入学共通テストと国公立大学2次試験、私立大学一般入試の物理で最も重要な単元は力学です。そのため力学を最優先に勉強をしてください。力学の次に重要なのは電磁波と波です。

二次試験や私立大学入試の物理は、概念理解ができていないと解けない問題が少なくありません。習得には時間がかかるので、苦手な子どもは夏休み中にできるだけ勉強を進めておきましょう。

【化学の勉強法】

化学は知識と計算、両方をバランスよく勉強しなければいけません。知識のみで解ける問題もあるので、周期表や炎色反応、モル計算、酸化還元反応などはしっかり覚えるようにしてください。覚えた知識は実際に問題を解くことで定着していきます。

計算は例題や典型的な問題を通して、基本的な解き方を理解しましょう。その後は同じような問題にできるだけたくさん取り組み、計算力を上げていきます。

問題文の読み取りが苦手な子どもは、図や表を書いてみるのがおすすめ。問題文からわかることを整理しながら、自分で図や表を書いてみましょう。視覚的に情報が整理され、問題文の意味がわかるようになるはずです。

【生物と地学の勉強法】

生物と地学は、国公立大学を目指す文系の生徒も選択することが多いでしょう。大学入学共通テストレベルでは、基礎知識の暗記で高得点が狙えます。まずは教科書に掲載されている基礎内容を徹底的に理解し、苦手な分野をなくしておくことが大切です。

夏休みのうちに基礎固めをしておけば、受験直前に他の科目に力を注げるようになるでしょう。

【高3】社会の勉強法

高校で学ぶ社会は日本史と世界史、地理の地理歴史と、現代社会や倫理といった公民に分けられます。それぞれの詳細を見ていきましょう。

【日本史の勉強法】

高校3年生の夏休みは、通史の流れを理解することに重点を置きましょう。それぞれの時代の重要人物や出来事、重要な用語を一つずつ確認してください。

記述式試験が課される場合は、早めに対策をスタートさせることが大切です。記述には国語力や論理思考力なども必要とされ、短期間で身につくものではありません。自分で書いた答案を、学校の先生や塾の講師などに添削してもらうのがおすすめです。

【世界史の勉強法】

世界史は縦の流れだけでなく、同じ年代で他の地域で何があったか、横の流れを理解することも必須。

まずは一つの地域内の出来事や縦の流れを理解し、その後で同じ時代における他の地域との関係性についてチェックするとよいでしょう。横の流れをつかむためには、年号の暗記がおすすめです。

世界史が苦手な子どもは、最初にマンガから入る方法もあります。短時間で読める上、世界史全体のイメージをつかめるのは大きな魅力です。

【地理の勉強法】

地理はインプットとアウトプットのくり返しで、ある程度の得点が期待できる科目です。気候や農業、人口といったテーマ別学習、東アジア、アフリカ、ラテンアメリカといった地域別学習に分けて、インプットするところから始めましょう。

インプットした後は問題集を使って、積極的にアウトプットをします。夏休み中は基礎固めまでを目標にするとよいでしょう。

【公民の勉強法】

大学入学共通テストレベルの公民なら、教科書に載っている基礎知識で問題が解けます。ただし単なる暗記ではなく、問題や用語の本質を理解することが大切です。

夏休み中は教科書や基本レベルの参考書にくり返し目を通し、基礎固めをしておきましょう。また政治・経済や現在社会では、時事ニュースが問題に出ることもあります。普段からニュースや新聞に目を通しておくとよいでしょう。

【高3】大学受験に向けた夏休み学習のポイント

続いては大学受験に向けた、夏休みの学習ポイントを見ていきましょう。ポイントを押さえて勉強に励むことで、学習効果が何倍にも大きくなります。

目標を立てる

まずは夏休み中の目標を立ててください漠然と受験勉強をするのではなく、具体的な目標を立てることで勉強効率が上がります。また目標に向かって着実に進んでいることが明確になるので、学習モチベーションも高く保てるようになるでしょう。

「夏休み中に数学の基礎固めをする」「英語が苦手なので、入試範囲の単語と英文法をマスターする」など、それぞれの状況に合わせて目標を設定してください。

基礎を焦らず丁寧に固める

大学受験に欠かせないのが基礎固めです。基礎ができていないと基礎知識を問われる問題が解けないだけでなく、各科目の応用問題やハイレベルな問題にも対応できません。

もし高校3年生の夏休みの時点で基礎固めができていない場合、焦らずに基礎力の習得からスタートさせてください。夏休み中に入試に必要な科目の基礎固めが完成すると、秋以降は志望校別の問題演習に移れます。できれば夏休み中に、基礎固めを終わらせることを目標にしましょう。

基礎固めについては下記の記事について解説しているので、ぜひ参考にしてください。科目別の基礎固めの内容について紹介しています。

【大学受験】夏休みの基礎固めのやり方|いつまでにどこまでやればいい?

生活リズムを整え、勉強体力をつける

夏休みは学校の授業がなくなるため、高校生によっては生活リズムが乱れがちとなります。後述するような夏休みの勉強計画を立てても、生活リズムが乱れるとスケジュール通りに学習が進まなくなるかもしれません。

また夜中に集中できるからといって、昼夜逆転した生活を送る子どもがいますが、止めた方がよいでしょう。大学入試本番は午前中からおこなわれることが多く、夏休みのうちから本番を想定した生活を送ることが大切なためです。

基本的には学校があったときと同じように、決まった時間に起きて朝食をとって、勉強を始めてください。長い夏休みも乗り越えられる勉強体力が身につきます。

模試を上手く活用する

高校3年生の夏休みの段階では、多くの高校生がすでに模擬試験を受けているはずです。模擬試験の結果をふり返ると、自分の現在の学力や志望校との差、科目や単元ごとの弱点・課題などが見つかります。上手に活用してみましょう。

模擬試験の点数が低かったり、合否判定が悪かったりしても、気にする必要はありません。あくまでもこれから取り組むべき内容を知るための材料なので、あれこれと悩まずに必要な箇所だけチェックするようにしてください。

前日勉強した内容のテストを実施する

5つ目は前日に勉強した内容のテストを実施することです人間は学んだことを、時間が経てば経つほど忘れていく生き物。そのため知識を定着させるためには、くり返し学んだことをふり返る作業が必須です。

また勉強は知識を取り入れる、インプットだけでは足りません。頭の中で「理解できた」と思っても、実際に問題を解いてみると、案外解けないものです。大学入試はインプットした知識を活用する、アウトプットが求められるので、普段からも意識するようにしましょう。

「英単語を覚えた翌日に、テストをしてみる」「数学の暗記した公式を使って、実際に問題を解いてみる」など、知識の習得と活用をくり返してください。

理科・社会の勉強を進めておく

理科や社会の科目が受験に必要な場合、状況によっては先取り学習をしておく必要があります。高校よっては高校3年生の夏休みの段階で、理科や社会の受験範囲がまだ授業で終わっていないところがあるためです。授業スピードに合わせて勉強をしていると、受験直前に十分な問題演習をする時間を確保できなくなる可能性があります。

そのため学校の授業スピードが遅い場合は、夏休み中に先取り学習を進めてしまいましょう。基礎項目理解だけでもしておくと、夏休み明けから実践的な問題演習などに移れます。

夏休みの勉強計画を立てる

最後のポイントは夏休みの勉強計画を立てることです

夏休み全体の勉強計画をあらかじめ立てておくことで、毎日やるべきことが明確化されて勉強効率がアップします。また計画を立てる際は、優先順位を考えましょう。いくつかある入試科目の中で優先順位を付けて、勉強計画に落とし込むことが大切です。詳細は下記の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

【大学受験】夏休みのスケジュールの立て方|勉強計画表を作るメリットなど紹介

学習環境を整える

効率よく勉強を進めるには学習環境も重要になります。自宅学習の場合は、集中できる環境づくりが必須です。ただ、自宅ではどうしても勉強が捗らない高校生もいるでしょう。その場合、図書館や静かなカフェなど近くに勉強に適したところがある際は、場所を変えてみるのも吉です。

また、夏期講習に参加することで自習室を利用できる塾・予備校も多く、普段通塾していない高校生は夏の期間だけ参加してみるのも1つの手です。以下で大学受験に向けたおすすめの夏期講習を紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

【大学受験】高校生向けのおすすめ夏期講習11選|塾・予備校の選び方など紹介

【高3】夏休みの平均的な勉強時間

高校3年生が夏休みに確保するべき勉強時間は、ケースによってさまざまです。しかし一般的には毎日、10時間以上の勉強時間確保を目指しましょう。大学受験前の最も長い休暇のため、後悔のないように勉強へ全力投球したいところです。

国公立大学を目指す場合、高校3年生で約3,000時間の勉強が必要とされています。また入試科目数が少ない私立大学でも、難関校では同じぐらいの勉強時間が求められるでしょう。

いまの学力や志望校のレベル、入試科目数などを照らし合わせながら、夏休み中の1日当たりの勉強時間を決めてください。勉強時間を確保するコツについては、下記の記事で解説しています。

【大学受験】夏休みの平均勉強時間は?|学年別や国公立・私立別に紹介

まとめ

受験学年となる高校3年生の夏休みは、最も多くの勉強時間を確保できる大切な季節です。今回紹介した科目別勉強法も参考にして、必要な勉強を進めていきましょう。

効率的に勉強するためには、勉強計画を立てることが欠かせません。目標を明確にさせた上で、目標達成に向けた勉強内容を逆算的に決めていくのがおすすめです。

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