【数学A】確率計算の基本と求め方!東大卒が教える「数学嫌いも3分でわかる」攻略ガイド
「確率ってどう考えればいい?」「確率の求め方がわからない……」このような疑問を感じていませんか?
確率とは、「あることがどれくらい起こりやすいか」を、数字で表したものです。「起こるかどうか」は目に見えないものですが、それを数で表すことで、比較したり予想したりしやすくなります。
この記事では、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場し、学習塾に通わずに東大へ現役合格した永田耕作さん(現在はカルぺ・ディエムで講演活動を実施)監修のもとで、「確率とはなにか」の定義から「確率の求め方」「確率の練習問題」までをやさしく紹介します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
永田耕作
2001年生まれ 東京大学教育学部卒 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を 勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。得意科目は数学で、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場した経験がある。現在は(株)カルぺ・ディエムに所属し全国各地で年間100回以上の講演活動を行い、勉強モチベーションや計画の立て方などを伝えている。自著に、「東大生の考え型(2022,日本能率協会マネジメントセンター)」「東大式 数値化の強化書(2024,彩図社)」などがある。 X公式アカウント:https://twitter.com/nagatakosaku08
目次
そもそも「確率」とは?

確率とは、「あることがどれくらい起こりやすいか」を、数字で表したものです。「起こるかどうか」は目に見えないものですが、それを数で表すことで、比較したり予想したりしやすくなります。
確率は通常、「0(絶対に起きない)~1(必ず起きる)」の間の小数で表し、パーセントで示すこともあります(例:0.6 → 60%)。
このように、確率=起きそうな度合いを数字で伝える便利なツールと考えると、イメージしやすくなります。
「起こりそう・起こらなそう」という感覚的なことを数字にして比べるのが確率の役割です。
日常生活の中の「確率」の例
確率というと難しそうに感じるかもしれませんが、実は私たちの生活の中で自然に使っている考え方です。
例えば、「明日は雨が降りそう」よりも「降水確率70%」と聞いたほうが、まあまあ降りそうという判断がしやすいですよね。このように、「起こりやすさ」を数字で伝えるのが確率の目的です。
また、じゃんけんも確率のよい例です。グー・チョキ・パーは3種類あるので、それぞれ出る確率は 1/3(約33.3%)。相手が何を出すかを予想するのも、ある意味で確率を使った判断といえます。
ほかにも、宝くじの当選確率や、ガチャゲームでのレアアイテムの出現確率など、私たちは日常的に「当たりにくい」「運がよければ当たるかも」と確率的な感覚を持って行動しています。
確率は数字の話だけでなく、「どれくらい起こりそうか」を判断する感覚にも使われているということを意識すると、身近に感じられます。
確率を「0から1の間」で表す理由
確率は、「0から1の間の数」で表すと決まっています。これは、「絶対に起こらない=0」「必ず起こる=1」としたとき、その間の数で起こりやすさを表せば、とてもわかりやすいからです。
例えばサイコロで「1の目」が出る確率は 1/6 ≒ 0.167(約17%)で、これは「たまにしか起こらない」程度の数字です。一方で降水確率が90%なら、「ほぼ確実に起こる」ことを表します。このように、確率の数値が0に近いと「起きにくい」、1に近いと「起きやすい」と判断できるのが特徴ですのです。
また、確率を合計すると1になるというルールがあるため、すべての出来事を合わせて100%(=1)とすることで、計算もしやすくなります。
確率は「0〜1で示すと直感的に理解しやすい」「合計が1になるから便利」という2つの理由から、この形で表すのが基本になっています。
基本の公式はこれだけ!「起こる場合の数 ÷ 全体の数」

確率の基本的な計算方法は、たった1つの公式を覚えるだけでOKです。
確率 = 起こる場合の数 ÷ 全体の数
言い換えれば、「当たりが何通りあるかの場合の数」を「全部で何通りあるかの数」で割るだけ。
例えば「赤玉を引く確率」や「サイコロで3が出る確率」も、この公式で簡単に求められます。
公式の意味と覚え方
確率を求めるときに使う公式は、とてもシンプルです。
▶︎ 確率 = 起こる場合の数 ÷ 全体の場合の数
例えば、全部で10通りあるうち「当たり」が3通りあるなら、
3 ÷ 10 = 0.3(30%)が「当たる確率」になります。つまり、「全部の中に、当たりがどれだけあるか?」を調べるだけで、どれくらい起きそうか(=確率)が数字でわかるのです。
覚え方のコツ
- 「全部で何通りあるか?」→ 分母(下の数字)
- 「その中で当たりは何通りか?」→ 分子(上の数字)
最初のうちは「当たりの数 ÷ 全部の数」で十分です。
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東大卒教育ライター・永田さん「確率の公式はとてもシンプル」 「起こる場合の数 ÷ 全体」という確率の公式は、当たりの数と全体の数を比べているだけです。とてもシンプルですよね。 数学が苦手な方でも、イメージしながら考えれば必ず理解できます。ボールやサイコロの例を使って、感覚を少しずつつかんでいきましょう。 |
サイコロを1回ふったときの確率
確率の基本公式「起こる場合 ÷ 全体の場合」を使って、サイコロを1回ふるときの確率を考えてみましょう。
問題:6面のサイコロを1回ふって、「3の目」が出る確率は?
まず、サイコロには「1~6」の6つの目がありますね。どれも出る確率は同じ(=公平)です。
- 「起こる場合」:3の目 → 1通り
- 「全体の場合」:1~6の目 → 6通り
公式に当てはめると
確率 = 1 ÷ 6 ≒ 0.166…(約16.7%)
つまり、サイコロを1回ふって「3」が出る確率は、6分の1ということになります。これは「1回で当たるかどうか」というよりも、何回かふってみると、おおよそ6回に1回くらい出るというイメージです。
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東大卒教育ライター・永田さん「確率は練習して慣れよう」 サイコロのように「同じ条件で複数の選択肢がある」ものは、確率の基本を学ぶのにぴったりです。最初は「当たる場合が何通りあるか?」「全部で何通りのパターンがあるか?」という2つを数えられれば大丈夫。練習して慣れていきましょう。 |
赤と白の玉を1つ取り出す確率
続いては、「袋の中から玉を1つ取り出す」という、学校の確率問題でもよく出てくるパターンです。
問題:袋の中に「赤い玉が3個、白い玉が2個」入っています。この中から赤い玉を1つ引く確率を求めてみましょう。
まずは、公式を思い出してください。確率は「起こる場合 ÷ 全体の場合」でしたね。
この場合:
- 「起こる場合」=赤い玉を引く → 3通り
- 「全体の場合」=玉の総数 → 5通り(赤3+白2)
確率 = 3 ÷ 5 = 0.6(60%)となります。
白い玉が出る確率も計算してみましょう。白い玉は2個あるので、2 ÷ 5 = 0.4(40%)
ここで注目しておきたいのが、赤と白、どちらかが出る確率を足すと「1(100%)」になるということです。
これは「必ずどちらかが出る」=全体の確率が1という意味を示しています。
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東大卒教育ライター・永田さん「全体の確率が1であることはおさえよう!」 全体の確率が1である(100%である)ということは、確率を考えるうえでとても重要な考え方です。というのも、ある出来事の確率を知りたいとき、ほかの出来事の確率がわかっていれば、1からその確率を引けば、求めたい数字を求めることができるから。これを「余事象(よじしょう)の確率」といいます。後半で説明されているので、詳しくはそこで考えてみてください。とにかく、「全体が1」というルールは、とても便利なものなのです。 |
和の法則:どちらかが起きる確率の求め方

確率の基本公式に慣れてきたら、次に知っておきたいのが「和の法則」です。和の法則とは、「AまたはBのどちらかが起きる確率」を求めるときに使います。
日常ではこんな場面で役立ちます
- 2つの選択肢のうち、どちらかが当たりになっているとき
ここでは、そんな「どちらかが起きる確率」の考え方をやさしく解説していきます。
「AまたはBが起きる」確率とは?
「AまたはBが起きる確率」とは、Aが起きるか、Bが起きるか、どちらか一方でも起こればOKという意味です。
例えば、1本ずつくじを引くくじ引きで「赤いくじが当たり(A)」「青いくじも当たり(B)」と決まっていれば、「赤または青が出れば当たり」ですよね。
このような場面では、それぞれの確率を足し算するだけでOKです。
和の法則(AまたはB)
Aが起きる確率 + Bが起きる確率 = AまたはBが起きる確率

例えば、赤い玉を引く確率が30%、青い玉を引く確率が20%なら、「赤または青が出る確率」は30% + 20% = 50%となります。
この計算は、AとBが同時には起こらない(重なりがない)ときに使えます。
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「AまたはBが起きる」というのは、くじやゲームなどでいう「どちらかが当たればOK」の状態のことです。難しく考えず、「足し算で求めていい場面」なんだと思ってください。ただし、AとBの出来事が重なっていないかどうか確認することが大切です。 |
重なりがあるとき・ないときの違い
「AまたはBが起きる確率」は、AとBが同時に起きるかどうか(=重なりがあるか)で計算方法が変わります。まずは2つのパターンの違いを見てみましょう。
【重なりがない場合】
AとBは同時には起こりません。例えばサイコロを1回ふって「1の目が出る」または「2の目が出る」という場合、1と2は同時には出ません。
このときはそのまま足し算でOKです。
▶ 式:Aの確率 + Bの確率
【重なりがある場合】
AとBが同時に起こる可能性がある場合です。例えば、「数学が得意な人(A)」または「英語が得意な人(B)」という場合、両方が得意な人もいるかもしれません。
このときは重なっている部分を1回だけ数える必要があります。
▶ 式:Aの確率 + Bの確率 − AかつBの両方が起きる確率
重なりがあるときにそのまま足すと、両方当てはまる人を2回カウントしてしまうので、「引く」ことで調整します。
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東大卒教育ライター・永田さん「重なりのイメージ」 「重なり」という言葉に難しさを感じるかもしれませんが、イメージとしては「同じ人・同じ出来事に2つの条件が当てはまっている」という感じです。図や具体例を使って整理すれば、すぐにわかるようになりますよ。 |
「赤または青」が出る確率
確率の「和の法則」は、くじ引きや玉の問題でよく出てきます。ここでは実際に、色のついた玉が入った袋を使って「AまたはBが起きる確率」を求めてみましょう。
例題:袋の中に赤い玉が3個、青い玉が2個、白い玉が1個入っています。この中から1個の玉を取り出したとき、「赤または青」が出る確率はいくつでしょうか?
赤が出る確率は3個 ÷ 6個 = 0.5(50%)、青が出る確率は2個 ÷ 6個 = 0.333…(約33.3%)。
▶ 赤または青の確率は、0.5+0.333… = 約0.833(83.3%)
赤と青は同時に出ることはない(1回の抽選で2つは出ない)ので、この場合は「重なりがない」= 足し算だけでOKです。
もし、2つの条件が重なる場合(同時に当てはまる玉がある)は、「両方に当てはまる確率」を引く必要があります。そのときは「Aの確率 + Bの確率 − AかつBの確率」という式になります。
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東大卒教育ライター・永田さん「パターンをしっかりと身につけよう」 「どちらかが当たればOK」という場面は、くじや抽選など、日常でもよく出会うでしょう。まずは「足し算で大丈夫」なパターンをしっかりと身につけて、慣れてきたら「重なりがあるパターン」にも挑戦してみましょう。 |
積の法則:連続して起きる確率の求め方

連続して何かが起きるときの確率は、「積の法則(かけ算)」を使います。
例えば「コインを2回投げて、両方とも表が出る確率」のように、AもBも続けて起きる場面が対象です。
ここでは、「AもBも起きる確率」をどうやって求めるのか、例を使ってわかりやすく解説します。
「AもBも起きる」確率とは?
「AまたはB」はどちらかが起きればOKでしたが、「AもBも起きる」は両方が起こらなければダメという意味です。
例えば、「くじで当たったうえに、おまけももらえる」など、2つの出来事が連続して起きるときに使います。
このような場面では、確率をかけ算(×)で求めます。これが積の法則です。
▶ 積の法則の基本:
AもBも起きる確率 = Aが起きる確率 × Bが起きる確率

例えば、「コインを1回投げて表が出る確率」は1/2です。これを2回連続で表にする場合は、
1/2 × 1/2 = 1/4(=0.25)となります。
重要なのは、2つの出来事が別々に起きること(独立している)です。片方の結果がもう片方に影響しないときに、積の法則が使えます。
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東大卒教育ライター・永田さん「『AもBも』という考え方は、『両方とも成功しないといけない』」 「AもBも」という考え方は、「両方とも成功しないといけない」というイメージです。特にコインやサイコロのようにお互いに影響し合わない事柄同士では、積の法則が使えます。 |
コインを2回投げたときの確率
コインの表が出る確率は1/2(0.5)です。では、2回連続でコインを投げて、どちらも表が出る確率はどうなるでしょうか?
1回目に表が出る確率は1/2、2回目も同じく1/2です。これらが両方とも起きる(=連続して成功する)には、確率をかけ算します。
▶ 式:1/2 × 1/2 = 1/4(=0.25/25%)
つまり、「表→表」が出る確率は4分の1です。言い換えると、「2回連続で同じ結果を出すのは、思ったより起こりにくい」ということですね。
ちなみに、コイン2回分のすべての出方(表/裏の組み合わせ)は以下の4通りです。
① 表→表 ② 表→裏 ③ 裏→表 ④ 裏→裏
このうち①だけが「表が2回連続で出た」パターンなので、確率は1/4というわけです。
「順番がある」場合は要注意!
積の法則では、順番が関係するかどうかで答えが変わることがあります。例えば「赤い玉と白い玉を1つずつ取り出す」という問題では、「赤→白」と「白→赤」は同じ結果として数えるのか、別の結果として数えるのかによって、確率の考え方が変わります。
- 順番を区別する場合:「赤→白」「白→赤」は別の結果(2通り)になります。
- 順番を区別しない場合:「赤と白を引いた」とみなして1通りとして扱います。
つまり、順番を意識するかしないかで、起こる場合の数が変わるので、確率にも影響します。
もう一つの例として、「サイコロを2回ふって、1回目が2、2回目が5」という出目と、「1回目が5、2回目が2」は、順番を区別するなら別の結果(2通り)、区別しないなら同じ組み合わせ(1通り)として数えます。
積の法則を使うときは、順番があるかどうかを問題文や状況から見極めることが大切です。
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東大卒教育ライター・永田さん「順番を考えるかどうかを意識しよう」 確率の問題では、「順番を考えるかどうか」で答えが大きく変わることがあります。問題を読むときに、「並び順が関係するかどうか」を意識する癖をつけておくと、あとで応用問題にも対応しやすいです。 |
「余事象」:少なくとも1回発生する確率の求め方

確率の学習に慣れてきたら、知っておくと計算がラクになる「余事象(よじしょう)」という考え方があります。
これは、「起こらない確率」から「起きる確率」を逆に求める方法です。ちょっとした裏ワザ的テクニックですが、日常や試験問題でもよく使われます。
「起こらない確率」から逆算する考え方

確率は、「起きる確率」と「起こらない確率」を足すと1(100%)になるという特徴があります。これを使うと、「起こらない確率」がわかっていれば、「起きる確率」は1から引くだけで簡単に求められます。この考え方が「余事象」と呼ばれるものです。
例えば、あるくじで当たる確率が30%なら、当たらない確率は1 − 0.3 = 0.7(70%)。逆に、当たらない確率が70%とわかっていれば、1 − 0.7 = 0.3で当たる確率を逆算できます。
直接「当たる場合の数」を数えるのが面倒なときも、「外れるほう」や「起こらないほう」から考えると、ラクに計算できるのがこの方法のポイントです。
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東大卒教育ライター・永田さん「全部で100%という性質を使うのが余事象」 「全部で100%」という性質を使って、考えにくいことを逆から求めるのが余事象です。特に「当たる」より「外れる」ほうが数えやすいときにとても役立ちます。 |
くじのハズレ確率から当たり確率を求める
余事象の考え方を使うと、「当たらない確率(ハズレの確率)」をもとに、当たる確率を逆算することができます。
例えば、10本のくじのうち1本だけが当たりだった場合、当たりの確率は1/10(10%)、ハズレの確率は9/10(90%)です。
ここで、もし「ハズレる確率は?」と聞かれたら → 9 ÷ 10 = 0.9(90%)、
「当たる確率は?」と聞かれたら → 1 − 0.9 = 0.1(10%) というふうに、1からハズレの確率を引いて当たりを求めることができます。
同じように、「コインを投げて裏が出る確率は?」と聞かれたとき、表が出る確率が1/2(50%)とわかっていれば、1 − 0.5 = 0.5(50%)で裏の確率も求められます。
当たりのパターンを数えるのが難しいときは、ハズレのパターンを数えて1から引くほうが簡単になることが多いです。
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東大卒教育ライター・永田さん「当たりの場合の数が膨大で数えにくいときに余事象を使おう」 「当たる確率」を直接求めにくいと思ったときは、「ハズレの確率」を出してみて、1(全体)から引いてみるのがコツです。特に、当たりの場合の数が膨大で数えにくい場面では、余事象の発想が効果を発揮します。 |
「1から引く」ことで計算が楽になる場面
確率の問題では、「そのまま当たりを数えるより、1から引いたほうが早い」という場面がよくあります。これが余事象を使う最大のメリットです。
例えば、6面のサイコロを2回振って「4以上の目が少なくとも1回以上出る確率」を求めたいとします。直接数えようとすると、「1回目に4以上(4、5、6)が出て、2回目はなんでもいい」確率(1/2 × 1 = 1/2)と「1回目に4未満(1、2、3)が出て、2回目に4以上(4、5、6)が出る」確率(1/2 × 1/2 = 1/4)を足して、1/2 + 1/4 = 3/4と計算しなくてはなりません。
一方で余事象を使えば、「4以上の目が一度も出ない確率」を求めればよく、それは「2回とも4未満(1、2、3)の目が出る確率」なので、1/2 × 1/2 = 1/4とすぐにわかります。
求める確率は1から1/4を引いてあげて、3/4。2種類に場合分けして考えるより、余事象の考え方を使ったほうが早く答えを出すことができるのです。
このように、起こる場合が複雑でも、起こらない場合のほうがシンプルに数えられるときは、1から引いて求めるほうが効率的です。
また「○○でない確率」や「〜以外が起きる確率」といった聞き方の問題では、最初から余事象を使うつもりで読むと時間短縮にもつながります。
複雑な当たりより、簡単なハズレを使って逆算できないか? と考えるクセをつけておくと、試験や実生活でも役立ちます。
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東大卒教育ライター・永田さん「確率が苦手な人ほど余事象を使おう」 難しそうな確率の問題も、「逆から考えたらすぐ解けた」ということがよくあります。余事象はそのための強力な道具。確率が苦手な人ほど、たくさん練習してぜひ使いこなせるようになってほしいです。 |
確率の練習問題にチャレンジ!【問題編】

問題①:サイコロの確率(基本公式)
6面のサイコロを1回ふって、「4の目」が出る確率はいくつですか?
問題②:玉の確率(和の法則)
袋の中に赤い玉が3個、青い玉が2個、白い玉が1個あります。この中から1個取り出したとき、「赤または青」が出る確率はいくつですか?
問題③:コインの確率(積の法則)
コインを2回投げて、2回とも「表」が出る確率はいくつですか?
問題④:余事象の活用
6面のサイコロを1回ふって、「1、2、3のいずれかが出ない」確率はいくつですか?
問題⑤:二項分布に関する問題(番外編)
コインを100回投げてちょうど表が50回出る確率はいくつですか?
わからなくても大丈夫。次の【解説編】で、すべての問題をやさしく解説します。
確率の練習問題にチャレンジ!【解説編】

問題①の解説
「4の目」は1通り。サイコロの目は6通り。
▶ 確率 = 1 ÷ 6 =1/6(約16.7%)
問題②の解説
赤3個+青2個=5個。全体は6個。
▶ 確率 = 5 ÷ 6 = 5/6(約83.3%)
和の法則で、赤の確率+青の確率=3/6+2/6=5/6
問題③の解説
1回の表が出る確率は1/2。
▶ 1/2 × 1/2 = 1/4 → 0.25(25%)
積の法則を使います。
問題④の解説
「出ない」とは「4、5、6」のこと。
出る確率:3/6 = 1/2(0.5) → 出ない確率:1 − 1/2 = 1/2(50%)
これは余事象(1から引く)を使った解き方です。
すべての問題が「確率 = 起こる場合 ÷ 全体の場合」から始まっています。どんな問題でも「何通りあるか」を正しく数えればOKです。
問題⑤の解説
コイン投げのように、成功か失敗かの2択しかない出来事を同じ条件で何度も繰り返すとき、「ちょうどn回成功する確率」を表す考え方があります。それが「二項分布」です。

例えば、コインを100回投げるという実験を考えてみましょう。「表が1回出る確率」「2回出る確率」「3回出る確率」……「100回出る確率」をそれぞれ求めていき、それを横軸に表が出る回数、縦軸に確率をとってグラフにすると、ちょうど50回のときが最も高くなり、その周りに左右対称の山なりの形が現れます。これが二項分布の特徴です。
コインを1回投げると、
表が出る確率:0.5(=1/2)
裏が出る確率:0.5(=1/2)
つまり、どちらも半々です。
2回投げた場合の結果は、次の4通りです。
| 組み合わせ | 結果 | 表の回数 |
|---|---|---|
| 1 | 表→表 | 2回 |
| 2 | 表→裏 | 1回 |
| 3 | 裏→表 | 1回 |
| 4 | 裏→裏 | 0回 |
このうち「ちょうど1回だけ表が出る」のは、2通り(表→裏、裏→表)あります。4通りのうち2通りなので、確率は2 ÷ 4 = 0.5(=50%)です。
100回になると、結果のパターンはものすごく増えます。実際には「表が出る位置」を選ぶ組み合わせがあるので、「100回のうち50回が表になるパターン」は膨大にあります。
ただし、それでも全体(=2¹⁰⁰通り)の中では、「50回ジャストになるパターン」は約8%しかないんです。「ちょうど50回」は1番多い結果ではあるけれど、「49回」や「51回」もほぼ同じくらい多いんです。そのため、「50回ピッタリ」だけを見ると確率は意外と小さく感じます。
まとめると以下の表のようになります。
| 内容 | 説明 |
|---|---|
| 1回の確率 | 表0.5、裏0.5 |
| 100回投げる | 0〜100回の表の回数がありえる |
| ちょうど50回表 | 約7.96%(約8%) |
| 理由 | 「50回前後」のパターンが多く、1つに絞ると確率が下がる |
コインを100回投げたとき、「ちょうど50回が表になる確率」は、直感的に50%と答えたくなってしまいますが、実際にはそこまで高くありません。
実際には、49回や51回などの「近いけどピッタリではない」結果がたくさんあるため、「ちょうど50回」というパターンはそんなに多くないのです。
確率についてよくある質問(FAQ)

確率の学習を始めると、「これってどう考えればいいの?」といった疑問が出てきます。ここでは、よくある質問とその答えをわかりやすくまとめました。
確率の求め方の公式を教えてください
確率の基本的な求め方は、とてもシンプルです。
▶ 確率 = 起こる場合の数 ÷ 全体の場合の数
この公式は、どんな確率問題でも最初に使う出発点の公式です。
例えば、6面のサイコロで「2の目」が出る確率を考えると、
起こる場合(=2が出る)…1通り、全体の場合(=1〜6のすべての目)…6通り
▶ 確率 = 1 ÷ 6 = 約0.167(約16.7%)
もう一つ例を挙げると、赤玉3個・白玉2個が入った袋から1つ玉を引いて「赤が出る確率」は、
起こる場合…3個、全体の場合…5個
▶ 確率 = 3 ÷ 5 = 0.6(60%)
つまり、「全部で何通りあるか」と「そのうち当たりは何通りか」の2つを数えるだけでOKです。
50%を7回連続で引く確率はいくつですか?
1回の成功率が50%(=0.5)のものを7回連続で成功させる確率は、次のように計算します。
▶ 0.5 × 0.5 × 0.5 × 0.5 × 0.5 × 0.5 × 0.5 = 0.5⁷ = 約0.0078(=約0.78%)
つまり、成功確率が50%のものを7回連続で成功させる確率は、たったの約0.78%しかありません。これは約128回に1回しか成功しない計算になります。
「確率が高いものでも、連続で当てるのは一気に難しくなる」という感覚が大切です。
確率などが学べる数学に強い塾はありますか?
確率が苦手、あるいは少しでも不安があるなら、塾に通って学習することは有効な選択肢です。
特に確率のような単元は、教科書や学校の授業だけでは理解しづらいこともあります。塾では、わかりやすい図や具体的な例を使って丁寧に説明してくれるため、つまずきやすい内容も整理して学べます。
また、塾では定期テストや入試を意識した演習を繰り返すことで、知識の定着が早くなります。学校では時間をかけにくい「個別の弱点対策」や「解き方のコツ」なども、塾なら自分のペースで学べる点が強みです。
もちろん、自学自習で十分に理解できる人もいますが、継続して成績を上げたい人、数学に少しでも不安がある人にとっては、塾に通うことで大きな安心と自信につながるでしょう。
まずは体験授業や無料相談などを利用して、自分に合うかどうかを試してみるのも一つの方法です。
まとめ 確率とは「起こりやすさ」を数字で示したもの!

ここまで、確率の基本的な考え方や計算方法を学んできました。確率とは「どれくらい起こりやすいか」を0〜1の数字で表したものです。難しいイメージがあるかもしれませんが、実は「当たる場合の数」と「全体の数」を数えるだけで、基本の確率は簡単に求められます。
押さえておきたいポイント
- 確率の公式は「起こる場合 ÷ 全体の場合」
- 「どちらかが起きる」は足し算(和の法則)、「両方起きる」はかけ算(積の法則)
- 「起こらない確率」から「起きる確率」を出すのが余事象(1から引く)の考え方
- 数えにくいときは、逆から考えると簡単になることもある
日常生活でも、「天気予報の降水確率」や「くじの当選確率」「ガチャの当たり確率」など、確率は身近なところでたくさん使われています。難しい公式をすべて暗記するよりも、まずは「何通りあるかを比べてみる」ことから始めてみてください。
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東大卒教育ライター・永田さん「確率は、実は身近な出来事と深く結びついている」 確率は「なんとなく難しそう」と感じる人が多い分野ですが、実は身近な出来事と深く結びついています。コイン投げやサイコロ、くじ引きなど、普段の生活にある「偶然」を数で表すのが確率です。最初は公式や計算に戸惑うかもしれませんが、「全体の確率は1」「余事象を使うとラクになる」など、考え方のコツを押さえれば必ず理解が深まります。また確率の問題では、問題文を丁寧に読み、条件を言い換えながら自分にとってなじみのあるものに言い換える作業が大切になってきます。これらを意識して、一歩ずつ着実にステップアップしていきましょう! |
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
2001年生まれ 東京大学教育学部卒 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を 勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。得意科目は数学で、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場した経験がある。現在は(株)カルぺ・ディエムに所属し全国各地で年間100回以上の講演活動を行い、勉強モチベーションや計画の立て方などを伝えている。自著に、「東大生の考え型(2022,日本能率協会マネジメントセンター)」「東大式 数値化の強化書(2024,彩図社)」などがある。 X公式アカウント:https://twitter.com/nagatakosaku08