英語のリスニング勉強法-初心者でも最短で伸びるやり方を現役塾講師が伝授!
「リスニングが全然聞き取れない」
「勉強しているのに、なぜか伸びない」
「単語は分かるのに、音になると分からない」
実はこれ、多くの人が同じところでつまずいています。 原因はシンプルで、やり方を間違えているだけ。リスニングはセンスではありません。
正しい手順でやれば、短期間でも着実に伸びます。
この記事では、
- 最短で伸びる勉強法(そのまま実践できる形)
- 1日の具体的な勉強メニュー
- やってはいけないNG例
まで、現役塾講師・大山先生監修のもとで具体的に解説。英語初心者の方や中学生でも実践できるよう、分かりやすく整理します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
大山雅司
塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。
目次
英語のリスニングが伸びない3つの原因
「英語を何時間聞いても伸びない」「毎日英語を聞いているのに上達する気がしない」—そう感じているなら、まず原因を正しく理解することが必要。英語のリスニングが苦手な人には、共通した3つのつまずきポイントがあります。
原因① 英語の「音」を知らない
単語の意味は分かっていても、「音」として認識できていなければ聞き取れません。
たとえば "water" を「ウォーター」、"butter" を「バター」のように覚えていると、ネイティブが「ワラ」「バラ」に近い発音をした瞬間に、まったく別の音として処理されてしまいます。
カタカナで英単語を覚えていると、こうした「音のズレ」が大きな壁に。リスニングの土台は、正しい音を知ることです。どれだけ単語の意味を知っていても、音として認識できなければ意味がありません。
まずは、「文字ではなく音でインプットする」意識を持つことが重要です。
原因② 英語の「音の変化」に対応できていない
英語は単語と単語がつながって発音されます。これによって、知っているはずの単語が全く別の音に聞こえてしまうことがあります。
代表的な例を挙げると、日常会話においては"want to" は「ウォント・トゥ」ではなく"wanna"「ワナ」、"going to" は「ゴーイング・トゥ」ではなく"gonna"(「ゴナ」や「ガナ」に近い音)として発音されることが多いです。"did you" は「ディドゥ・ユー」ではなく「ディジュ」のように変化します。
こうした「連結(リンキング)」「音の脱落」「強弱」といった音の変化ルールを知らないと、どれだけ語彙力があっても聞き取れません。
「速くて聞き取れない」と感じるほとんどの場合、実は音が速いのではなく、音の変化に慣れていないだけです。
原因③ 処理スピードが遅い
音は聞こえているのに、意味の理解が追いつかない—これもリスニング停滞の大きな原因。
日本語を聞くとき、私たちは音と意味をほぼ同時に処理できます。しかし英語では、一文の意味を考えているあいだに次の文が流れてしまい、気づいたときには話の流れを見失っている、というケースに陥りがちです。
英語のリスニングは「音を認識する力」と「意味を処理するスピード」の両方が揃って初めて機能するもの。どちらか一方だけを鍛えても上限があるため、両方を意識した練習が必要です。
英語のリスニング勉強法-最短で伸ばす正しい順番
原因を把握したところで、勉強法の全体像をお伝えします。

最短で伸ばすには、順番がとても重要。
- 精聴(正しく聞く) → 音を正確に理解する
- シャドーイング(再現する) → 音を自分で出せるようにする
- 多聴(慣れる) → 実戦的なスピードと量に慣れる
この順番を守ることが、最短ルートの鍵です。
リスニングが伸びないと悩む人の多くは最初から多聴や聞き流しをやっているケースも多いです。しかし「音を正確に理解する基礎」がない状態でいくら聞いても、脳はその音を正確に処理できません。
まず精聴で「正しい音を知り」、シャドーイングで「音を再現できる状態にする」、その上で多聴に移ることで、初めて効果的な勉強へと変わります。
ここからは、精聴・シャドーイング・多聴の正しいやり方を紹介します。
リスニング「精聴」の正しいやり方
精聴は、リスニング学習において最も重要な基礎トレーニング。「音を正確に理解する」ことを目的とし、単に聞き流すのではなく、一文一文を丁寧に分析するように取り組みます。

手順
精聴には以下の手順で取り組みましょう。
① 音声を英文を見ずに聞く
最初は英文を見ずに、音だけを聞きます。「どこが聞き取れなかったか」を意識しながら聞くことが大切。なんとなく聞き流すのではなく、「今の音は何だったか」と集中して聞き取りましょう。
② ディクテーション(※)で弱点を可視化する
※ディクテーションとは、英語の音声を聞き取り、一語一句そのまま書き取る学習法のこと
分からなかった部分について、音声を一文ずつ区切りながら再生し、聞こえた通りに書き出します。推測で補うのではなく、「聞こえた音だけを書く」ことが重要。この「弱点の可視化」こそが、精聴の最大の価値です。このときは聞き取ることに集中したほうが効果的なため、スペルミスはあまり気にしなくて大丈夫。カタカナで書いても構いません。
③ 英文を確認する
聞き取れなかった部分の英文を見て、「なぜ聞き取れなかったのか」を分析。音を知らなかったのか、音の変化に気づかなかったのか、意味の処理が追いつかなかったのかを確認します。
④ 英文を見ながら再度聞く
英文を見ながら音声を流し、音と文字を結びつけます。発音の変化や強弱・連結のルールをこのタイミングで確認しておきましょう。
⑤ 英文なしでもう一度聞く
最後に英文を見ずに再度聞きます。最初に聞こえなかった部分が聞こえるようになっていれば、精聴の効果が出ています。
大山先生のアドバイス
分からないまま次に進まないことが最重要ポイント。「なんとなく分かった」で終わらせず、「完全に聞き取れる状態」を作ってから先へ進む姿勢が、リスニング上達の近道です。
リスニング「シャドーイング」の正しいやり方
精聴で音の理解を深めたら、次はシャドーイングへ進みます。シャドーイングとは、音声の「影(シャドー)」のように少し遅れて音声を追いかけながら発音するトレーニングです。

手順
シャドーイングには段階があります。いきなり難しい方法から始めると効果が薄いため、以下の順番で進めてください。
① 音声を聞いて全体のリズムをつかむ
まず音声をそのまま聞き、全体のテンポ・イントネーション・区切り方を把握します。
② 英文を見ながら音声に合わせる
英文を目で追いながら音声に合わせて発音します。最初から英文を見ずに行う必要はありません。まずは「音声に乗る」感覚をつかむことが目的です。
③ 少し遅れて音声を追いながら発音する(シャドーイング本番)
音声が流れ始めたら、0.5〜1秒遅れて同じように発音します。音を追いながら意味も理解しようと意識することが重要。慣れてきたら英文を見ずに挑戦しましょう。
大山先生のアドバイス
シャドーイングで効果が出ない人には、共通した間違いがあります。
速すぎてついていけない状態でやり続ける
音声のスピードに追いつけていないのに、とにかく口を動かし続けている状態です。これは「正しい音を再現している」のではなく、「なんとなく音を出している」に過ぎません。追いつけない場合は、音声の再生速度を0.75〜0.8倍に落として練習しましょう。
意味を理解せずに発音だけしている
「口は動いているが、頭の中は空っぽ」という状態。この状態ではシャドーイングの効果はほとんど出ません。シャドーイングは「音を出しながら意味も処理する」訓練のため、内容の理解を置いてきぼりにした練習だと時間の無駄になってしまいます。
この2つの状態ではいくらシャドーイングを続けても効果は出ません。「少し遅れながらも、意味を理解しながら発音できている」という感覚が正しい状態です。
リスニング「多聴」の正しいやり方
精聴・シャドーイングで音の基礎が固まったら、多聴で実戦力を高めます。多聴とは、より多くの英語音声に触れることで「慣れ」を作り、本番環境に近い状態でのリスニング力を鍛えるトレーニングです。

手順
① 理解度70〜80%の音源を選ぶ
難しすぎる音源は、音の処理以前に意味が全く分からなくなり、ただのストレスになってしまいます。逆に簡単すぎると頭を使わないため成長につながりません。「だいたい分かるけど少し難しい」と感じる素材が最適です。
② 毎日継続する
多聴は積み重ねです。週に1〜2回まとめてやるよりも、毎日10〜15分触れるほうが圧倒的に定着が早くなります。通学・通勤の移動時間などを活用するのも有効です。
③「聞き取ろう」と意識しながら聞く
音を「聞き流している」だけでは効果がありません。内容を理解しようと意識を向けながら聞くことが大切。完全に理解できなくてもいいので、「何の話をしているか」を常に意識しましょう。
英語ポッドキャスト:BBC Learning Englishなど 英語学習者向け音源は、ゆっくり・短時間・基礎語彙中心で構成されているのが特徴。毎日同じシリーズを繰り返し聞くことで耳が慣れやすく、初心者でも負荷をかけすぎずに継続できる点が大きなメリットです。
子ども向け英語動画:Peppa Pigなど シンプルな単語と文法で日常会話が展開されます。映像で意味を補えるため理解しやすく、英語に慣れていない段階でも"内容が分かる体験"を積みやすいのが強みです。
やさしいニュース英語:NHK Worldなど 発音がクリアで同じ語彙が繰り返されるのが特徴。実用的な英語表現に触れながら語彙を増やせるため、基礎に慣れてきた段階でのステップアップにも適しています。
英語ドラマ:Friendsなど 自然な会話スピードや省略表現が多いです。初心者は短いシーンを繰り返し使うのがおすすめ。
【そのまま使える】英語リスニングの1日の勉強メニュー
「何をどれだけやればいいか分からない」という悩みを解消するために、時間別の具体的なメニューを用意しました。毎日続けることが最優先ですので、無理のない時間から始めましょう。
忙しい人向け(15分パターン)
| メニュー | 時間 |
|---|---|
| 精聴(※ディクテーション含む) | 7分 |
| シャドーイング | 5分 |
| 多聴 | 3分 |
まずはこれを毎日続けるだけでOKです。
精聴の中で、
・音声を聞く
・ディクテーションで弱点を可視化
・英文確認
まで一連の流れで行います。
「たった15分で効果があるの?」と思うかもしれませんが、毎日継続した15分は、週2〜3回の1時間練習よりも効果が高いです。
しっかりやりたい場合(30分パターン)
| メニュー | 時間 |
|---|---|
| 精聴(※ディクテーション含む) | 15分 |
| シャドーイング | 10分 |
| 多聴 | 5分 |
同じ音源を繰り返すことがポイントです。
特に精聴では、「ディクテーション → 分析 → 再確認」まで丁寧に行うことで、聞き取れない原因を確実に潰せます。
【レベル別】おすすめの英語リスニング勉強法
同じリスニング学習でも、目的や受験するテストによって優先すべきことは変わります。ここでは目的別に、取り組み方の方向性を整理します。
中学生(定期テスト対策)
中学生はまず「教科書の音声を使った精聴」を最優先に取り組みましょう。(教科書会社によっては、紙面のQRコードやインターネット上から音声をダウンロードできるようになっています。)
学校の定期テストでは教科書の文章が使われることが多いため、教科書レベルの音を完全に聞き取れる状態にすることが、テストの得点に直結します。難しい教材に手を出す前に、まずは身近な素材を完璧にすることが近道。精聴とシャドーイングを中心に、毎日少しずつ続けることで基礎が固まります。
また、中学段階でしっかりとした音の基礎を作っておくことが、高校以降の英語力の土台となるでしょう。
大山先生のアドバイス
私が指導する生徒を見ていると、音は理解できるものの、英単語の正しいスペルが分からないというケースも多いです。定期テスト対策でリスニングを行う場合、ディクテーション(書き取り)も必ずセットで行い、正しいスペルを書けるようにしましょう。
高校生(共通テスト対策)
共通テストのリスニングでは、複数人の会話や長文の説明を素早く理解する力が求められます。
シャドーイングで処理スピードを高めながら、多聴で長文の英語に慣れることが対策の中心。また、設問の先読みも共通テストでは非常に有効なテクニックです。音声が流れる前に選択肢に目を通し、何を聞き取るべきかを意識した上で聞く習慣をつけましょう。
過去問や模試を繰り返し解き、本番形式に慣れておくことも大切です。
英検
英検は級ごとに出題形式が決まっているため、まずは出題形式をチェックするところからはじめましょう。
過去問を解いて「どんな問題が出るか」を把握し、頻出のシチュエーション(電話応対・案内・インタビューなど)に慣れておくことが重要。精聴とシャドーイングで音の基礎を固めつつ、過去問演習を重ねることで、短期間でのスコアアップが狙えます。
TOEIC
TOEICのリスニングはビジネス英語が中心で、全体を通じてスピードが速く、パート数も多いのが特徴。
そのため、パート別に対策を立てることが効率的でしょう。Part1・2は短文の瞬時理解、Part3・4は長めの会話・説明文の聞き取りが求められます。
シャドーイングでスピードへの対応力を高めながら、ビジネス英語の頻出表現を音でインプットしておくのが、スコアアップへの近道です。
英語のリスニングでやってはいけないNG勉強法
正しい方法を実践することと同じくらい、間違った方法を早めにやめることが重要です。以下のNG例に心当たりがある人は、今すぐ勉強法を見直すことをおすすめします。
NG① 英語を聞き流すだけ
BGM感覚で英語を流し続ける「聞き流し」は、ほとんど効果がありません。
脳は「理解しようとしていない音」を積極的に処理しないため、ただ流しているだけでは耳は鍛えられません。「英語耳になる」という表現で広まっていますが、初心者・中級者にとっては非効率な方法。聞き流しが有効なのは、すでに高い英語力を持つ人が維持目的で使う場合に限られます。
NG② 正しい音を確認せずに繰り返す
「同じ音源を何度も聞けば、そのうち聞こえるようになる」という考えは誤りです。理解できていない音は、繰り返しても聞き取れるようにはなりません。
必ずスクリプトで正しい音を確認してから繰り返すようにしましょう。
NG③ シャドーイングだけに偏る
シャドーイングは効果的ですが、精聴なしで行うと効果は半減。音を正しく理解していない状態で発音すると、間違った音のまま覚えてしまう可能性があります。
必ず「精聴 → シャドーイング」の順番を守りましょう。
NG④ 教材をコロコロ変える
「もっと良い教材があるかも」と次々と変えてしまうのもNG。1つの教材を完璧に仕上げる方が、複数を中途半端にやるより圧倒的に効果的です。
教材を変えるたびに積み上げがリセットされてしまいます。
NG⑤ 基礎を飛ばして難しい教材に手を出す
難しい教材の方が伸びそうに感じますが、基礎が固まっていない状態では消化できません。「簡単に感じるレベル」を確実に聞き取れる状態にすることからはじめるほうが、効果的です。
NG⑥ 毎日継続できていない
英語のリスニング学習は継続がすべて。週に数回まとめてやるより、毎日短時間でも触れるほうが確実に伸びます。
特にリスニングは「耳の慣れ」が重要なため、毎日の積み重ねが不可欠です。
上記のどれか1つでも当てはまっているなら、今すぐ修正することで伸び率が大きく変わります。
英語のリスニングに関するよくある質問
Q. リスニングの勉強は1日何分やればいいですか?
A. 目安は1日15〜30分です。大切なのは時間の長さよりも「毎日続けること」。週に数回まとめて1時間やるよりも、短時間でも毎日取り組む方が確実に効果が出ます。まずは「精聴(ディクテーション含む)→シャドーイング→多聴」の流れを15分回すことから始めましょう。
Q. リスニングに強くなる方法はありますか?
A. 最短で伸ばすには、精聴→シャドーイング→多聴の順番で取り組むことが重要。「分からない部分を放置しない」ことが大切です。聞き取れなかった箇所をディクテーションで可視化し、英文を確認することで、確実に聞ける音が増えていきます。「なんとなく聞く」のではなく、「理解する」ことを意識して取り組みましょう。
Q. 中学生がやってはいけない勉強法は?
A. 以下の3つは特にNGです。
・聞き流すだけの学習
・正しい音を確認せずに繰り返す
・教材をコロコロ変える
中学生の場合は、まず教科書の音声を使って精聴することが最優先。基礎が固まっていない状態で難しい教材に手を出すと、かえって遠回りになります。 「1つの音源を完全に聞き取れるようにする」ことを意識しましょう。
また、聞きとった英単語を正しいスペルで書く練習もセットで行うようにしてください。
まとめ:英語のリスニング力は正しい勉強法で大きく伸びる
リスニングで大切なのは“コツ”ではなく、正しい順番で継続すること。
勉強法の流れを改めて整理します。
- 精聴で理解する → 音を正確にインプットする
- シャドーイングで再現する → 音を自分で出せる状態にする
- 多聴で慣れる → 実戦的なスピードと量に対応する
この3ステップを、1日15分からでも毎日続けることが大切です。そして何より重要なのは、「分かるまでやる」 こと。
分からない音を放置しない、理解できないまま繰り返さない、この姿勢を徹底することが、リスニングを伸ばす上での最大の原則です。
今日から1つの音源を選び、まずは15分だけ取り組んでみてください。正しい方法で取り組めば、英語のリスニング力は必ず伸びていきます。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。
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