【中3数学】二次方程式の解の公式とは?使い方とミス対策を東大卒ライターが伝授
「解の公式、覚えたはずなのにテストで出てくると手が止まる……」「文字が多くて、どこから計算すればいいかわからない」
そんな経験はありませんか? 解の公式は、中学3年生で学ぶ二次方程式の単元に登場する公式で、どんな二次方程式でも必ずxの値を求められる便利な式です。
しかし、式の意味を理解せずに丸暗記しようとすると、少し形が変わっただけでパニックになってしまいます。なぜこの式になるのかを一度理解してしまえば、自然と頭に入り、応用も効くようになります。
この記事では、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場、学習塾に入らずに東大へ現役合格し、現在はカルぺ・ディエムでさまざまな講演活動を行っている永田耕作さん監修のもと、解の公式の意味・使い方・よくあるミスまでを、一つひとつ丁寧に解説します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
永田耕作
2001年生まれ 東京大学教育学部卒 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を 勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。得意科目は数学で、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場した経験がある。現在は(株)カルぺ・ディエムに所属し全国各地で年間100回以上の講演活動を行い、勉強モチベーションや計画の立て方などを伝えている。自著に、「東大生の考え型(2022,日本能率協会マネジメントセンター)」「東大式 数値化の強化書(2024,彩図社)」などがある。 X公式アカウント:https://twitter.com/nagatakosaku08
目次
解の公式とは?(まずは全体像)

解の公式とは、二次方程式を解くための公式です。
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
この式を見て「複雑そう……」と感じた方も、安心してください。式の中に出てくるa・b・cは、二次方程式の「係数(かけられている数)」のことです。
例えば、2x²+3x-5=0 という式があったとき、
- a = 2(x²の係数)
- b = 3(xの係数)
- c = -5(数字だけの項)

この3つの数字を読み取って、公式に当てはめるだけです。難しい発想は一切不要で、「数字を3つ探して入れる」だけの作業です。
解の公式は、二次方程式(x²を含む方程式)を解くときに使います。
特に活躍するのが、因数分解できないときです。
例えば x²+5x+3=0 は、きれいに因数分解できません。このような場合でも、解の公式にa・b・cを当てはめれば必ず解を求めることができます。
逆に、x²+5x+6=0 のように因数分解できる場合は、因数分解のほうが速く解けます。「因数分解を試して、できなければ解の公式」という順番で考えるとスムーズです。
永田先生のアドバイス
公式の導き方をひととおり理解したら、もう丸ごと暗記してしまいましょう。解の公式は、実数解を持つ二次方程式を解くことができる便利な式なので、必ず覚えてください。ax²+bx+c=0の形にさえ直してしまえば、あとはa,b,cの3つの実数を公式の同じ文字の部分に当てはめるだけです。
解の公式の使い方【3ステップ】

解の公式は、手順さえ覚えれば機械的に解くことができます。ここでは 2x² - 3x + 1 = 0 という二次方程式を例に、次の3ステップで進めましょう。
STEP1:式を「ax²+bx+c=0」の形にそろえる
解の公式を使う前に、まず式の形を整える必要があります。右辺が0になっていること、そしてx²・x・数字の順に並んでいることを確認しましょう。
式がすでに整っていれば何もしなくてOKですが、そうでない場合は移項(項を反対側に移すこと)で整理します。移項するときは符号が逆になる点に注意してください。
| パターン | 整理前 | 整理後 |
|---|---|---|
| 右辺に数字が残っている | x² + 3x = 4 | x² + 3x - 4 = 0 |
| 左辺と右辺に項が散らばっている | 2x² = x + 6 | 2x² - x - 6 = 0 |
| 項の順番がバラバラ | -3 + x² + 2x = 0 | x² + 2x - 3 = 0 |
整理できたら、次のSTEP2でa・b・cの値を確認します。
永田先生のアドバイス
解の公式を使うためには、まずax2+bx+c=0の形に直さなければなりません。そのためには移項してすべての項を順番に左側に置く必要があります。移項のときは符号が変わるので、十分に注意しましょう。
STEP2:a・b・cの値を確認する
式を整えたら、a・b・cの3つの値を読み取ります。
- a → x²の係数
- b → xの係数
- c → 数字だけの項
例えば 2x² - 3x + 1 = 0 であれば、
| 読み取り方 | 値 | |
|---|---|---|
| a | x²の係数 | 2 |
| b | xの係数 | -3 |
| c | 数字だけの項 | 1 |
ここで特に注意したいのが符号です。-3xのbは「3」ではなく「-3」です。符号ごとセットで読み取るようにしましょう。
また、x²やxの前に何も書かれていない場合は係数が1(または-1)です。
| 式の見た目 | 係数 |
|---|---|
| x² | a = 1 |
| -x² | a = -1 |
| x | b = 1 |
| -x | b = -1 |
a・b・cが確認できたら、いよいよSTEP3で公式に当てはめます。
永田先生のアドバイス
ここでも符号のミスに注意しましょう。係数がマイナスの場合は、解の公式で使う数もマイナスになります。
STEP3:公式に当てはめて計算する
解の公式はこちらです。
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
STEP2で読み取ったa=2、b=-3、c=1を、そのまま当てはめていきます。
① bを-bに直す
b = -3 なので、-b = -(-3) = 3
② b²-4acを計算する(√の中身)
b² - 4ac = (-3)² - 4×2×1 = 9 - 8 = 1
③ 全体を組み立てる
x = (3 ± √1) / (2×2) = (3 ± 1) / 4
④ ±を分けて2つの解を出す
x = (3+1)/4 = 1 または x = (3-1)/4 = 1/2
これで完成です。「公式に数字を入れて、順番に計算する」だけなので、手順どおりに進めれば必ず解けます。
永田先生のアドバイス
まずは解の公式をそのまま書きましょう。そのうえで、各文字に対応する係数を当てはめて少しずつ計算していけば、ミスは減ります。慣れていないのに暗算でやろうとすると、ケアレスミスが起きやすいので、最初のうちは細かく式変形を書くことが大事です。
bが偶数のときはもっと簡単にできる(裏ワザ)
bが偶数のとき、通常の解の公式よりもシンプルな式で解くことができます。
bが偶数ということは、b = 2b'(b'はbの半分)と表せます。例えばb=6ならb'=3、b=−4ならb'=−2です。
このb = 2b'を通常の解の公式に代入して整理すると、次のようになります。
x = (-2b' ± √((2b')²-4ac)) / 2a
= (-2b' ± √(4b'²-4ac)) / 2a
= (-2b' ± 2√(b'²-ac)) / 2a
= (-b' ± √(b'²-ac)) / a
√の中が b²-4ac から b'²-ac に、分母が 2a から a に変わり、全体的に数字が小さくなります。

実際に比較してみましょう。2x² - 8x + 6 = 0(a=2、b=-8、c=6)を例にします。
| 通常の解の公式 | bが偶数のときの公式 | |
|---|---|---|
| b'の確認 | 不要 | b' = -8÷2 = -4 |
| √の中身 | (-8)²-4×2×6 = 64-48 = 16 | b'²-ac = (-4)²-(2×6) = 16-12 = 4 |
| 式全体 | x = (8 ± √16) / 4 | x = (4 ± √4) / 2 |
| 答え | x = (8±4)/4 → x=3, 1 | x = (4±2)/2 → x=3, 1 |
答えは同じですが、扱う数字がひと回り小さくなることでミスが減り、計算スピードも上がります。bが偶数のときは積極的に使いましょう。
永田先生のアドバイス
公式が2つあってややこしいかもしれませんが、これは元の解の公式の、特定の場合にだけ使える簡単バージョンです。計算を速くしたい人はこの2つ目も覚えるようにしましょう。
解の公式の証明と仕組み(なぜこの式で解けるのか)

「公式は使えるけど、なぜこの式になるのかわからない」という方も多いと思います。実は解の公式は、平方完成という操作を使えば自分で導くことができます。一度流れを理解しておくと、公式を忘れても自力で復元できるようになります。
平方完成とは、x² + bx のような式を (x + □)² の形に変形する操作のことです。例えば x² + 6x は (x+3)² - 9 と書き直せます。「xを含む部分をきれいな二乗の形にまとめる」と覚えておきましょう。
平方完成から解の公式を導く流れ
ax² + bx + c = 0 (a≠0)を平方完成を使って変形していきます。
① 両辺をaで割る(a≠0)
x² + (b/a)x + c/a = 0
② cの項を右辺に移項する
x² + (b/a)x = -c/a
③ 左辺を平方完成する
左辺に (b/2a)² を足して、(x + b/2a)² の形を作ります。両辺に足すので右辺にも同じ値を足します。
x² + (b/a)x + (b/2a)² = -c/a + (b/2a)²
(x + b/2a)² = -c/a + b²/4a²
④ 右辺を通分してまとめる
(x + b/2a)² = (b² - 4ac) / 4a²
⑤ 両辺の平方根を取る
x + b/2a = ± √(b²-4ac) / 2a
⑥ b/2a を右辺に移項して完成
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
これが解の公式です。複雑に見えますが、やっていることは「平方完成して両辺の平方根を取る」という2つの操作だけです。
永田先生のアドバイス
平方完成した、xに関する式の2乗を左辺に、残った定数項を右辺に置くことで、2乗を取ってxの一次式に変形し、解くのがこの解の公式の導出方法です。公式を忘れてしまっても、導出方法を覚えていれば公式を導き出せますし、同じ方法で解けば実数解を持つ二次方程式は解けます。できる限り頭に入れておきましょう。
なぜ±(プラスマイナス)が出てくるのか
証明の⑤のステップで、両辺の平方根を取るときに±が登場しました。なぜ±になるのかを確認しておきましょう。
例えば x² = 9 を解くとき、x = 3 だけではなく x = -3 も答えになります。なぜなら、(-3)² = 9 も成り立つからです。
つまり「二乗して9になる数」は3と-3の2つあります。これが√の性質で、√9 を解くときは必ず+と-の両方を考える必要があります。
証明でいえば、⑤のステップで
(x + b/2a)² = (b²-4ac) / 4a²
の両辺の平方根を取るとき、右辺は +√(b²-4ac)/2a にも -√(b²-4ac)/2a にもなり得るため、±をつけて
x + b/2a = ± √(b²-4ac) / 2a
と書きます。この±がそのまま解の公式の±になっています。
永田先生のアドバイス
2乗を取るときは必ずプラスとマイナスが出てくることに注意しなければなりません。ルートの性質上、プラスの平方根しか表すことができないため、マイナスの解もまとめて表すためには±をつけなければならないのです。
解の公式でここまでわかる!判別式と解の個数(発展)

この章は高校1年生以降で学ぶ発展内容です。中学3年生の定期テスト対策には必須ではありませんが、「解が何個あるか」を素早く判断するための考え方として、余裕のある方はぜひ読んでみてください。
解の公式を使いこなすと、実は「方程式を解く」以上のことがわかります。
解の公式の√の中身、すなわち b²-4ac の値を見るだけで、「そもそも二次方程式の解が何個あるか」を計算せずに判定できるのです。この b²-4ac のことを判別式といい、Dという文字で表します。
二次方程式の解は何個ある?判別式で一発判定
解の公式をもう一度見てみましょう。
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
±の右側にある √(b²-4ac) の中身、つまり D = b²-4ac の値によって、解の個数が決まります。

D > 0(正の数)のとき → 解が2つ
√の中身が正なので√は計算できます。±によって異なる2つの値が生まれます。
例:D = 5 のとき、x = (-b+√5)/2a と x = (-b-√5)/2a の2つ
D = 0 のとき → 解が1つ(重解)
√の中身が0なので ±0 = 0 となり、+も-も同じ値になります。このとき「2つの解が重なった」という意味で重解と呼びます。
例:D = 0 のとき、x = -b/2a の1つだけ
D < 0(負の数)のとき → 実数解なし
√の中身が負の数になるため、実数の範囲では計算できません。(高校では「虚数解を持つ」と学びます。)
| 判別式 D = b²-4ac | 解の個数 |
|---|---|
| D > 0 | 2つ |
| D = 0 | 1つ(重解) |
| D < 0 | なし(実数解なし) |
永田先生のアドバイス
判別式Dが示しているのは、解の公式のルートの中身。つまり、ここが正なら解は±の2種類出てくる。0なら±以降が消えるため、重解となり、解は1つ。実数範囲で考えたとき、ルートの中身は0以上でなければならないので、Dが負なら実数解はないということになるのです。
グラフで見ると一目瞭然!解はx軸との交点だった

二次方程式 ax²+bx+c=0 を解くことは、二次関数 y=ax²+bx+c のグラフがx軸と交わる点のx座標を求めることと同じです。
グラフはDの値によって次の3パターンになります。(図はこちらに挿入)
D > 0:グラフがx軸と2点で交わる
放物線がx軸を突き抜けている状態です。交点が2つあるので、解も2つになります。
D = 0:グラフがx軸にちょうど接する
放物線の頂点がx軸にぴったり乗っている状態です。交点が1つ(接点)なので、解も1つ(重解)になります。
D < 0:グラフがx軸と交わらない
放物線がx軸の上または下に浮いている状態です。交点がないので、実数解はありません。
判別式Dの値と、グラフの見た目がセットで頭に入ると、方程式を解かなくても「解が何個あるか」をパッと判断できるようになります。
永田先生のアドバイス
数式だけでは何をやっているのかイメージできないことが多いと思いますが、そんなときはグラフを使って幾何的なイメージを描くことが大事です。式変形だけでは解けない問題も、グラフを活用すれば一目瞭然になることが意外とあります。
解の公式はいつ使えばいい?迷ったときの判断基準

二次方程式を解く方法は「因数分解」「平方完成」「解の公式」の3つがあります。どれを使えばいいか迷ったときは、次の順番で考えてみましょう。
| 状況 | 使う方法 |
|---|---|
| 整数の組み合わせで因数分解できそうなとき(例:x²+5x+6 → (x+2)(x+3) と分解できる) | 因数分解 |
| (x+□)²= △ の形に変形できるとき | 平方完成 |
| 係数が大きい・小数・分数が出てくる・迷ったとき | 解の公式 |
まず因数分解を試すのが基本です。x²+5x+6=0 であれば (x+2)(x+3)=0 とすぐ分解できるので、因数分解が最速です。「定数項の約数の組み合わせを探して、和がxの係数になるか確認する」という手順で10秒以内に判断できれば因数分解を使いましょう。
係数が大きい、または小数・分数が出てくる場合は、迷わず解の公式を使いましょう。因数分解できるかどうかをいつまでも考えるより、解の公式に当てはめたほうが確実で速いです。
「因数分解できるか10秒で判断できなければ解の公式」と決めておくと、試験本番でも迷わず動けます。
永田先生のアドバイス
基本的にはどの二次方程式にも解の公式は使えるのですが、いかんせん計算が面倒なので、因数分解や平方完成で解けるのならばそれに越したことはありません。優先順位を覚えておいて、どれを使うのが手っ取り早いかを考える癖をつけましょう。
解の公式でよくあるミスと対策まとめ

解の公式は手順どおりに進めれば必ず解けますが、毎回同じところでミスをしてしまう人が多いのも事実です。ここでは特につまずきやすいミスのパターンを紹介します。自分がどのミスをしやすいか確認しておきましょう。
±をつけ忘れるミス
解の公式の ± を片方だけ書いて終わってしまうミスです。
❌ x = (-b + √(b²-4ac)) / 2a のみ
✅ x = (-b + √(b²-4ac)) / 2a または x = (-b - √(b²-4ac)) / 2a
二次方程式の解は原則2つあります。±を忘れると解が1つ抜け落ちてしまいます。「±を書いて、最後に必ず2つの答えを出す」を習慣にしましょう。
永田先生のアドバイス
判別式(ルートの中身)が正であれば実数解が2つと覚えておけば、1つしか出ていないことに違和感を覚えてミスに気づけるはずです。個数を頭に入れておきましょう。
√(ルート)の計算ミス
√の中身 b²-4ac の計算を間違えるミスです。特に多いのが次の2パターンです。
① b²の計算でbの符号を無視する
b = -3 のとき、b² = (-3)² = 9 ですが、「マイナスを忘れて」3² = 9 と計算してしまうケースです。今回はたまたま答えが合いますが、次のミスと組み合わさると間違いになります。
② 4acの計算で符号を間違える
a=1、c=-2 のとき、4ac = 4×1×(-2) = -8 です。ここを「4×1×2 = 8」と符号を落としてしまうと、
b²-4ac = 9-(-8) = 17 →✅正しい
b²-4ac = 9-8 = 1 → ❌ 間違い
となってしまいます。√の中を計算するときは、a・b・cの符号ごと丁寧に代入することを意識しましょう。
永田先生のアドバイス
慣れるまでは暗算ではなく、丁寧に一つひとつ式変形を書いて計算を進めましょう。解の公式がバッチリ頭に入ってから、暗算の練習を始めてください。
bの符号ミス
解の公式の分子は -b から始まります。ここでbの符号を逆にしてしまうミスです。
例えば b = -3 のとき、-b = -(-3) = 3 が正しいですが、「-b = -3 のまま」と処理してしまうケースがよくあります。
❌ b = -3 のとき、-b = -3 として計算
✅ b = -3 のとき、-b = 3 として計算
「bがマイナスのとき、-bはプラスになる」というのは頭ではわかっていても、計算の流れの中でつい見落としがちです。
永田先生のアドバイス
公式に代入するとき、-b の部分は必ず括弧をつけて -(-3) と書く習慣をつけると防げます。
分母の2aを忘れるミス
分子の計算に集中するあまり、分母の 2a で割ることを忘れてしまうミスです。
❌ x = -b ± √(b²-4ac)
✅ x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
特に a = 1 のとき「2×1 = 2 で割る」という操作を省略してしまいがちです。また、分母が 2a であることを忘れて「2 で割ればいい」と思い込み、a の値を無視してしまうケースもあります。
分子を計算し終えたら、必ず 2a で割る手順を確認してから答えを出すようにしましょう。
永田先生のアドバイス
解の公式を丸ごと頭に入れていれば、起きづらいミスです。まずは二次方程式の問題をたくさん解いて、解の公式を正しく頭に入れるようにしましょう。
約分でのミス
答えを出したあと、約分できるのに忘れてしまう、または間違った約分をしてしまうミスです。
① 約分を忘れる
x = 4/6 で止めてしまい、x = 2/3 に直し忘れるケースです。答えは必ず最後に約分できないか確認しましょう。
② √の外だけ約分してしまう
❌ x = (4 ± √6) / 6 → x = (2 ± √6) / 3 は間違い
分子の 4 と分母の 6 だけを約分して、√6 はそのままにしてしまうミスです。約分は分子全体(±の前後どちらも含む)と分母をまとめて割る必要があります。
✅ (4 ± √8) / 6 のように√の中も含めて整理できる場合は、まず √8 = 2√2 と簡略化してから、(4 ± 2√2) / 6 = (2 ± √2) / 3 と約分します。
約分は「分子のすべての数と分母が同じ数で割れるとき」だけ行うのが正しいルールです。
永田先生のアドバイス
答えを出したら、必ず約分ができるかどうかを確認してから次の問題に進みましょう。また、共通因数がない限り約分はできません。ルートの中身が、その数で割れるように見えても、それは共通因数ではないので、そこの部分を勘違いしないように注意しましょう。
解の公式を例題でしっかりマスター(全8問)

ここまで解の公式の意味・使い方・ミスのパターンを学んできました。最後は実際に問題を解いて、知識を定着させましょう。
解く前に、解の公式をもう一度確認しておきます。
ax² + bx + c = 0 のとき、
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
この式にa・b・cを当てはめるだけです。「STEP1で形を整える→STEP2でa・b・cを読み取る→STEP3で代入して計算する」の流れを意識しながら解いてみましょう。
基本問題(3問)
まずは係数が小さく、素直に代入できる問題です。手順を確認しながら解いてみましょう。
【問題1】x² + 4x + 1 = 0
【問題2】x² - 6x + 4 = 0
【問題3】2x² + 5x + 1 = 0
解説を確認する前に、自分で解いてみましょう。
【問題1 解説】x² + 4x + 1 = 0
a=1、b=4、c=1 を公式に代入します。
x = (-4 ± √(4²-4×1×1)) / (2×1)
x = (-4 ± √(16-4)) / 2
x = (-4 ± √12) / 2
√12 = √(4×3) = 2√3なので、
x = (-4 ± 2√3) / 2 = -2 ± √3
答え:x = -2+√3、x = -2-√3
【問題2 解説】x² - 6x + 4 = 0
a=1、b=-6、c=4 を公式に代入します。
x = (6 ± √((-6)²-4×1×4)) / (2×1)
x = (6 ± √(36-16)) / 2
x = (6 ± √20) / 2
√20 = √(4×5) = √4×√5 = 2√5 なので、
x = (6 ± 2√5) / 2 = 3 ± √5
答え:x = 3+√5、x = 3-√5
【問題3 解説】2x² + 5x + 1 = 0
a=2、b=5、c=1 を公式に代入します。
x = (-5 ± √(5²-4×2×1)) / (2×2)
x = (-5 ± √(25-8)) / 4
x = (-5 ± √17) / 4
答え:x = (-5+√17)/4、x = (-5-√17)/4
標準問題(4問)
次は、式の整理が必要な問題や係数が大きい問題です。STEP1の「形を整える」を意識しながら解いてみましょう。
【問題4】x² + 3x = 5
【問題5】3x² - 7x + 2 = 0
【問題6】x² - 6x + 7 = 0
【問題7】x² - 5x + 6 = 0
解説を確認する前に、自分で解いてみましょう。
【問題4 解説】x² + 3x = 5
まず右辺を移項して形を整えます。
x² + 3x - 5 = 0
a=1、b=3、c=-5 を公式に代入します。
x = (-3 ± √(3²-4×1×(-5))) / (2×1)
x = (-3 ± √(9+20)) / 2
x = (-3 ± √29) / 2
答え:x = (-3+√29)/2、x = (-3-√29)/2
【問題5 解説】3x² - 7x + 2 = 0
a=3、b=-7、c=2 を公式に代入します。
x = (7 ± √((-7)²-4×3×2)) / (2×3)
x = (7 ± √(49-24)) / 6
x = (7 ± √25) / 6
x = (7 ± 5) / 6
x = (7+5)/6 = 2 または x = (7-5)/6 = 1/3
答え:x = 2、x = 1/3
【問題6 解説】x² - 6x + 7 = 0
b = -6 は偶数なので、a=1、b'=-3、c=7 として偶数のときの公式x = (-b' ± √(b'²-ac)) / aが使えます。
-b' = -(-3) = 3 なので、
x = (3 ± √((-3)²-1×7)) / 1
x = (3 ± √(9-7)) / 1
x = 3 ± √2
通常の公式で解くと分母が2になりますが、b'を使うことで分母が a=1 となり、計算がシンプルになります。
答え:x = 3+√2、x = 3-√2
【問題7 解説】x² - 5x + 6 = 0
a=1、b=-5、c=6 を公式に代入します。
x = (5 ± √((-5)²-4×1×6)) / (2×1)
x = (5 ± √(25-24)) / 2
x = (5 ± √1) / 2
x = (5 ± 1) / 2
x = (5+1)/2 = 3 または x = (5-1)/2 = 2
答え:x = 3、x = 2
実はこの問題、因数分解でも解けます。
x² - 5x + 6 = (x-2)(x-3) = 0 → x = 2、3
解の公式でも答えは出せますが、整数の組み合わせがすぐ見つかる場合は因数分解のほうがずっと速いです。「解の公式は万能だけど、因数分解できそうなときは因数分解を使う」という判断を意識していきましょう。
応用問題
最後は二次関数のグラフとx軸の交点を求める問題です。「グラフとx軸の交点のx座標=二次方程式の解」という関係を意識しながら解いてみましょう。
【問題8】y = x² - 4x + 2 のグラフとx軸の交点の座標を求めなさい
解説を確認する前に、自分で解いてみましょう。
【問題8 解説】
グラフとx軸の交点は y = 0 のときのx座標です。
x² - 4x + 2 = 0
a=1、b=-4、c=2 を解の公式に代入します。
x = (4 ± √((-4)²-4×1×2)) / 2
x = (4 ± √(16-8)) / 2
x = (4 ± √8) / 2
√8 = √(4×2) = 2√2 なので、
x = (4 ± 2√2) / 2
分子・分母をそれぞれ2で割ると、
x= 4/2 ± 2√2/2
x= 2 ± √2
√の中が正の数なので、交点は2つあり
答え: (2-√2, 0),(2+√2, 0)
まとめ 解の公式をマスターして二次方程式を得意にしよう

解の公式は、「a・b・cを3つ読み取って、決まった式に当てはめる」だけです。手順どおりに進めれば、どんな二次方程式でも必ず解けます。
この記事では、使い方を3ステップに整理し、試験で点を落としやすい5つのミスを具体例つきで解説しました。証明の流れを理解しておけば公式を忘れても自力で復元でき、判別式・グラフとの関係を押さえれば解の個数を一瞬で判断できるようになります。また因数分解との使い分け基準を持っておくことで、試験本番でも迷わず手が動くようになります。
まずはこの記事の例題を、手順を確認しながら繰り返し解いてみましょう。「当てはめて、計算して、答えを出す」という流れが体に染み込めば、解の公式は得点源になります。
永田先生のアドバイス
いきなり複雑な公式が出てきて、戸惑っている人も多いかもしれません。ですが、導出方法は意外とシンプルです。難しそうな見た目に惑わされず、理屈で理解するようにしましょう。あとは問題演習を重ねて、公式を丸ごと覚えられさえすれば、すぐにマスターできるので、根気よく練習してください。
その他の中学数学の勉強法については、以下の記事をご覧ください。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
2001年生まれ 東京大学教育学部卒 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を 勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。得意科目は数学で、高校2年生のときに数学オリンピック本選に出場した経験がある。現在は(株)カルぺ・ディエムに所属し全国各地で年間100回以上の講演活動を行い、勉強モチベーションや計画の立て方などを伝えている。自著に、「東大生の考え型(2022,日本能率協会マネジメントセンター)」「東大式 数値化の強化書(2024,彩図社)」などがある。 X公式アカウント:https://twitter.com/nagatakosaku08
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