【中学生向け】読書感想文の書き方!篠原式フォーマットで「自分の考え」を伝える文章に
中学生になっても、読書感想文の書き方がわからなくて毎年困っていませんか。
中学生の読書感想文は、小学生のころよりも「自分の意見」や「考えの変化」が求められやすくなります。「あらすじをまとめるだけではいけない」とわかっていても、では何をどう書けばいいのかと迷ってしまう人も多いでしょう。
ただ、難しいことを書く必要はありません。本を読んで気になった場面をひとつ選び、「なぜそう感じたか」「自分ならどうするか」と考えを広げていくだけで、中学生らしい感想文に近づいていきます。
この記事では、書く前の考えの整理方法から、考察型の構成の組み立て方、3枚・5枚の文字数別の書き方、書き出し・終わり方の例、つまずいたときの解決法、ChatGPTなどAIの使い方まで、順を追って解説します。
本記事は、育児と読書感想文のスペシャリスト・篠原明夫さん(著:『脚本家が教える読書感想文教室』主婦の友社)の監修のもと作成しています。
編集部
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監修者
篠原明夫
ストアカアワード 優秀講座賞(2018~2021・4年連続) 著書『脚本家が教える読書感想文教室』(主婦の友社)、『人を動かす。~脚本家が書いた雑踏警備の誘導シナリオ~』(万代宝書房)
目次
中学生の読書感想文は「感想」よりも「考え」を書く

中学生の読書感想文で最も多いつまずきは、「本の内容を説明するだけで終わってしまう」ことです。あらすじをていねいにまとめても、それだけでは読書感想文として物足りなくなります。中学生の感想文で大切なのは、その本を読んで自分が何を考えたかを言葉にすることです。「なぜそう思ったか」「自分はどうするか」を書くだけで、中学生らしい感想文に近づきます。
小学生のころは「主人公は勇気があってすごいと思いました」という感想でも十分でした。中学生では、「なぜ主人公はこの場面で勇気を振り絞れたのか」「自分がそれほど強くなるためには何ができるか」まで考えを広げることが、感想文を深める鍵になります。
篠原さんのアドバイス
読書感想文は「本の感想を書くもの」ではなく、「本をきっかけに自分を語るもの」だと考えています。中学生になると文章力は上がりますが、その反面「正解を書こう」としてしまい、自分の気持ちが隠れてしまうことがあります。読書感想文に正解はありません。恥ずかしがらずに自分を語ることが、感想文に深みをもたらします。
あらすじ紹介ではなく、自分の意見を伝える文章にする
読書感想文は、本の内容を説明するレポートではありません。あらすじは感想や考えを伝えるための背景として使うものであり、それ自体が感想文の中心になるわけではないです。
「この場面を読んで、自分はどう思ったか」を入れることで、はじめて読書感想文になります。
あらすじを書いたあと、「そのとき自分はこう感じた」「なぜなら〜だから」と続けるだけで、文章の印象は大きく変わります。あらすじは短く抑え、自分の意見や考えを書く部分に多くの字数を使うことを意識しましょう。
「おもしろかった」から一歩進めて、なぜそう思ったかを書く
「おもしろかった」「感動した」という言葉は、気持ちを正直に表現できている証拠です。ただ、それだけで終わると内容が浅く見えやすくなります。「どの場面でそう感じたか」「なぜそう感じたのか」を書き、自分の経験や考えとつなげることで、感想文に深みが生まれます。
「主人公が諦めずに立ち向かう場面に感動した。自分も部活で似たような壁にぶつかったことがあり、あのとき諦めなければよかったと思い出したからだ」のように、感じたことと理由をセットにして書きましょう。
感情の言葉は言い換えることで表現の幅が広がります。「うれしい」なら「うきうきした」「ワクワクが止まらなかった」のように、感情のレベルや質を言葉にする習慣をつけると、文章がぐっと豊かになります。
篠原さんのアドバイス
好きなアーティストの歌詞をじっくり読んでみてください。「好き」や「愛してる」をどんな言葉で表現しているか。それだけで感情を表す言葉の引き出しが増えていきます。
読む前と読んだ後の考えの変化があると中学生らしくなる
中学生らしい深みを出すポイントのひとつが、読書前後の考えの変化を書くことです。変化は大きくなくてもかまいません。「少し気になるようになった」「前より意識するようになった」程度でも、十分に中学生らしい視点になります。読む前のイメージや考えを冒頭に書き、読んで気づいたことや変わったことを後半につなげると、文章全体に自然な流れが生まれます。
物語には必ず主人公の苦悩と成長と変化があります。その変化に着目し、自分はどのように影響されてどう変化できそうかを考えることが、感想文を深める出発点になります。
篠原さんのアドバイス
僕が受験生だった時、予備校の先生が「文学とは苦悩を描くことだ」と言いました。主人公の苦悩と変化がなければ物語は成立しません。主人公の成長における苦悩と変化を読んだ自分は、どのように影響されて、どのように変化できたらいいかを考えてみましょう。
読書感想文を書く前に、本のテーマと自分の考えを整理する

いきなり原稿用紙に向かうと、途中で「何を書けばいいかわからない」という状態になりやすいです。
書き始める前に、本のテーマと自分の考えを整理しておくことが大切です。登場人物のなかで自分と共通点がある人物を探し、「似ているのに違う部分はなぜか」と疑問を持つことが考察の出発点になります。
起承転結の「転」だけでなく、「起」や「承」の部分に感動できると、他とは違った大人っぽい感想文になります。
感想文を書きやすい本を選ぶ
本選びの時点で書きやすさが大きく変わります。登場人物に自分を重ねられる物語は特に書きやすく、自分が関心を持てるテーマや、読んでいる途中で「なぜだろう」「自分ならどうするか」と考えられる場面がある本を選ぶと、感想文の材料が集まりやすくなります。
「読んだけど何も感じなかった」という本では、考察を深めるのが難しくなります。感情移入しやすい本を選ぶことが、中学生の感想文を書くうえでの最初の大切な一歩です。
心に残った場面から、本のテーマを考える
まず心に残った場面をひとつ選びましょう。その場面がなぜ印象に残ったのかを考えることで、友情・努力・家族・命・差別・将来など、本が伝えようとしているテーマが見えてきます。テーマが見えると感想文の軸が定まり、書くべき内容が整理されやすくなります。
登場人物の行動に賛成か反対かを考える
「その行動に自分は賛成か反対か」を考えることが、書く前の材料集めとして有効です。賛成でも反対でも、「なぜそう思うか」の理由をメモしておきましょう。書く前に自分の立場と理由を整理しておくと、本文で考察を展開しやすくなります。
作者のメッセージを自分の言葉で考える
作者のメッセージを考えるとき、正解を当てようとする必要はありません。「自分がどう受け取ったかを素直に書くことのほうが、感想文としての価値があります。「私はこの本から〜を考えた」という形で書くと、自分の言葉として自然に表現できます。
自分の経験・学校生活・社会の出来事とつなげる
本の内容と自分の生活を結びつけることで、感想文が具体的になります。無理に大きな話にする必要はありません。「部活で似たような壁にぶつかったことがある」「ニュースで聞いたことと重なった」という程度の接点でも、感想文に具体性と説得力が生まれます。
素晴らしい体験でなくてもかまいません。「自分、心が狭いな」と思える体験でも、登場人物と比べることで「だったら自分はどうするか」という前向きな考察につながります。
篠原さんのアドバイス
自分と人を比べると嫌な気持ちになりますが、登場人物と自分を比べると「だったらどうするか!?」という前向きな気持ちが書けるのは不思議なことです。作品の登場人物はどんなふうにあなたの背中を押してくれるでしょうか。
中学生の読書感想文で使える「考察型」の組み立て方

篠原さんが推奨する感想文の構成は、「自分の体験から書き始め、感動した場面・考察・変化の順に展開する」というものです。
まず①感動した場面→②なぜ感動したか→③自分の体験→④これからどうしたいかの4つを書き出し、③①②④の順に並べ替えます。自分の体験を書き出しに置くことで、読み手を引きこむ流れが自然とできあがります。
書き出し|自分の体験から始める
並べ替えた後の書き出しは、テーマに関連した「自分の体験」から始めます。「主人公のようにできなかった経験」を冒頭に置くことで、読み手が「え、どういうこと?」と続きを読みたくなる意外性のある書き出しになります。「読む前の自分」を書き出しに置いておくことが、結論で「読んだ後の自分」との変化を際立たせる布石になります。
篠原さんのアドバイス
文章はインパクトが大切です。感動した場面の考察を書いてから、それに反する過去の自分のエピソードを書き、そのあとで並べ替えます。すると自然とテーマが浮き彫りになるので、そのテーマをドーンと1行目に書いてしまいましょう。
本文前半|感動した場面と、なぜ感動したかを書く
心に残った場面を短く説明し(①)、なぜ感動したかを中心に書きます(②)。場面の説明は5行程度に抑え、考察を10行程度書くことを目標にしましょう。「〜という場面があった。このとき私は〜と感じた。なぜなら〜だからだ」という流れで書くと、場面と考察がきれいにつながります。
篠原さんのアドバイス
1つの場面に絞り、自分の未熟な体験と照らし合わせながら、「なぜその場面が心に残ったのか」「作者はどんな意図でこの場面を書いたのか」まで考えを広げましょう。場面は短く、しかし詳しく、読み手が頭の中でイメージできるように書くことが大切です。
本文後半|登場人物・作者の考えと自分の意見を比べる
整理した「登場人物への賛否」と「作者のメッセージへの受け止め」を、ここで文章として展開します。「登場人物はこう考えて行動したが、自分は〜と思う。なぜなら〜だからだ」という形で書くと、自分の意見が明確に伝わります。自分のエピソードを交えて理由を書くと、読み手に伝わりやすくなります。
篠原さんのアドバイス
友人の体験を使う場合は、その人の許可を取ったうえで、必要に応じて匿名にする配慮も忘れずに。
結論|これからどうしたいかを具体的に書く
結論では、読む前と読んだ後で考えがどう変わったか(④)を書き、「これからどうしたいか」につなげます。「読む前は〜と思っていたが、読んだ後は〜という視点が加わった」という一文があるだけで、結論に説得力が生まれます。「これからこうする」を書く場合は、将来なりたい職業や10年後の自分を想像して書くと具体性が増します。
篠原さんのアドバイス
一冊の本が人生を変えることがあります。こんなことを感じたので、これからはビフォーな自分を改め、アフターな自分になりたい。そんな思いを表現できれば、作者もきっと喜ぶことでしょう。
中学生らしい読書感想文にする4つの視点

構成が整っていても、内容が浅いと感じる感想文になってしまうことがあります。ここでは、感想文を中学生らしく見せるための視点を紹介します。
登場人物の行動をただ褒めず、自分ならどうするかを書く
「主人公がすごいと思った」だけでは内容が浅く見えやすくなります。「同じ行動をしたいと思うか」「同じ行動が実際にできるか」の2点を考えて書くと、考察に深みが生まれます。「自分も同じ選択をすると思う。なぜなら〜」でも「自分なら別の方法を選ぶ。なぜなら〜」でも、理由が書かれていれば十分に中学生らしい考察になります。
篠原さんのアドバイス
日常の些細な出来事でも「だったら自分はどうするか」を考える習慣をつけると、感想文の考察力が育っていきます。
本のテーマを一言で表してみる
「この本は何について書かれているのか」をひと言で言語化してみましょう。友情・命・努力・家族・自由・差別など、テーマに置き換えることで感想文全体の軸が定まります。「正解のテーマ」を当てる必要はなく、「自分はこの本から〜というテーマを感じた」という形で書けばよいのです。
自分の体験とつなげて、感想を具体的にする
抽象的な感想は、自分の体験と結びつけることで具体的になります。体験の大小は関係ありません。小さな日常の出来事でも、本の内容とつなげることで感想文の中身が豊かになります。
社会や将来のことまで広げる
本のテーマをニュースや社会問題・将来の生き方につなげると、中学生らしい広がりのある感想文になります。特に中2・中3では効果的です。ただし、無理に大きな話にする必要はなく、「このテーマはニュースで見た〇〇と似ていると思った」程度の接続でも、十分に感想文の幅が広がります。
原稿用紙3枚・5枚で書くときの文字数配分

読書感想文の指定枚数によって、何をどれだけ書くかのバランスが変わります。この章では、中学生でよく指定される3枚・5枚を想定して、各パートの文字数配分の目安を示します。
原稿用紙3枚の場合は「場面1つ+自分の考え」を深める
原稿用紙3枚は約1200字です。場面を1つに絞り、感想・理由・自分の経験を丁寧に書くことを意識しましょう。
原稿用紙3枚の文字数配分目安
| パート | 内容 | 目安文字数 |
|---|---|---|
| 書き出し | 自分の体験・本を選んだ理由 | 約200〜300字 |
| 本文前半 | 感動した場面・なぜ感動したか | 約350〜400字 |
| 本文後半 | 登場人物・作者との比較・自分の意見 | 約350〜400字 |
| 結論 | 考えの変化・これからしたいこと | 約200〜300字 |
場面説明に字数を使いすぎると、あらすじになってしまいます。場面の説明は5行程度に抑え、残りを感想・考察・自分の経験に使いましょう。心に残った場面・感じたこと・考察はそれぞれ5〜7行程度の塊にするとスピード感のある文章になります。
原稿用紙5枚の場合は「場面2つ+考察+自分の変化」で広げる
原稿用紙5枚は約2000字です。取り上げる場面を2つに増やし、考察と自分の変化をより詳しく書きます。
原稿用紙5枚の文字数配分目安
| パート | 内容 | 目安文字数 |
|---|---|---|
| 書き出し | 自分の体験・本を選んだ理由 | 約300〜400字 |
| 本文前半 | 感動した場面①・なぜ感動したか・考察 | 約500〜600字 |
| 本文後半 | 感動した場面②・登場人物との比較・自分の意見 | 約500〜600字 |
| 結論 | 本のテーマへの考え・考えの変化・これからしたいこと | 約300〜400字 |
5枚の場合も、あらすじで字数を埋めようとしないことが大切です。それぞれの場面に対する考察と自分の体験・意見を丁寧に書くことで、自然に字数が伸びていきます。
篠原さんのアドバイス
原稿用紙5枚は、建物でいえば高層ビルです。設計図なしに書き始めると大変なことになります。まず篠原式の4要素を書き出してから並べ替え、しっかりした構成を作ってから書き始めましょう。3枚はワンテーマで一貫した感想が書けるのでベストだと考えています。
文字数を増やすときは、あらすじではなく考察を増やす
文字数が足りないとき、あらすじを長くして埋めようとするのは避けましょう。字数を増やすときに使いやすい方法は以下の4点です。
- 感じたことの理由や根拠を加える
- 自分の経験や学校生活とつなげる
- 登場人物の考えと自分の考えを比べる
- 読む前と読んだ後の考えの変化を詳しく書く
ひとつの感想を丁寧に掘り下げることで、内容の濃い文章になりながら自然に字数が伸びていきます。
中学生向けの書き出し例と終わり方

「書き方はわかったけど、最初の一文が出てこない」というケースは多くあります。書き出しと終わり方には使いやすい型があり、自分の言葉を当てはめるだけで文章が動き出します。
書き出しで大切なのは意外性です。最初から本の場面やあらすじを書くのではなく、読んだ人が「え、どういうこと?」と続きを読みたくなる一文を意識しましょう。
読む前の考えから始める
読む前に自分が持っていた考えや体験を起点にする書き出しです。最後の「考えの変化」につなげやすく、感想文全体に流れを作りやすいという利点があります。
書き出し例(読む前の考えパターン)
| パターン | 書き出しの例 |
|---|---|
| 読む前の体験を起点にする | 「わたしは〇〇にひどいことを言ってしまったことがあります。それは〜のときで……」 |
| 読む前の考えを起点にする | 「この本を読む前、私は〜と考えていた。しかし読み終えたとき、その考えは大きく変わっていた。」 |
| 読む前のイメージを起点にする | 「〇〇というタイトルを見たとき、私は〜な内容だと思っていた。実際に読んでみると、予想とは違う展開が続いた。」 |
「読む前の自分」を書いておくことが、結論で「読んだ後の自分」との変化を際立たせる布石になります。
篠原さんのアドバイス
「わたしだったら、友達を置いて逃げる!」のような強烈な一文から始めて、さっさと次の場面に移ってしまう。読者は「え、何、何!?」と続きが読みたくなります。
疑問から始める
問いを立てて始める書き出しは、考察型の感想文にしやすい型です。疑問を冒頭に置くことで、本文全体が「その問いに対する自分なりの答え」という流れになります。
書き出し例(疑問パターン)
| パターン | 書き出しの例 |
|---|---|
| 登場人物の行動への疑問 | 「なぜ主人公は、あの場面で〜を選んだのだろう。読みながらずっとそのことが頭から離れなかった。」 |
| テーマへの問い | 「本当に〜は正しかったのだろうか。この本を読んで、私はその問いと向き合うことになった。」 |
| 自分への問い | 「もし自分が同じ立場だったら、どうしていただろう。〇〇を読んで、何度もそう考えた。」 |
疑問は本文の中で考えていく流れにすることが大切です。書き出しで立てた問いに、自分なりの答えを本文・結論で展開していきましょう。
篠原さんのアドバイス
テーマへの問いに関しては、誰もが正しいと感じている一般常識を疑うことが望ましいです。日常のささいな疑問でも、それを掘り下げることで感想文に深みが生まれます。
本のテーマから始める
本のテーマを冒頭で示す書き出しは、中学生らしい落ち着いた導入になります。
書き出し例(本のテーマパターン)
| パターン | 書き出しの例 |
|---|---|
| テーマを提示する | 「この本を読んで、私は友情について深く考えた。」 |
| テーマへの考えを示す | 「命の重さとは何か。この本はそのことを、正面から問いかけてくる作品だった。」 |
| テーマと自分の接点を示す | 「差別という言葉を、私はどこか遠い話だと思っていた。しかしこの本を読んで、そうではないと気づいた。」 |
テーマを示したあとは、必ず「自分はそのテーマについてどう考えるか」につなげることを意識しましょう。
読んだ後の考えの変化で終わる
終わり方例(考えの変化パターン)
| パターン | 終わり方の例 |
|---|---|
| 考え方が変わった | 「この本を読む前は〜と思っていたが、読んだ後は〜という考えに変わった。」 |
| 新しい視点が加わった | 「〜については、これまで深く考えたことがなかった。この本を読んで、〜という視点が加わった。」 |
| 気づきを得た | 「〇〇の生き方を読んで、〜ということに初めて気がついた。」 |
「変化」は大きくなくてもかまいません。「少し考えるようになった」程度でも、自分の言葉で書くことで十分に中学生らしい結論になります。
これからも考えたい課題で終わる
終わり方例(課題パターン)
| パターン | 終わり方の例 |
|---|---|
| 考え続けたいことがある | 「この問いに対する答えは、まだ出ていない。しかしこれからも考え続けていきたいと思う。」 |
| 社会・将来につなげる | 「〜という問題は、私が生きていくうえでも向き合い続けるテーマだと感じた。」 |
| 本との出会いを締めにする | 「この本は、自分にとって〜について考えるきっかけになった。そのことが、今は一番大切なことだと思っている。」 |
「〜できるようになりたいです」という幼い印象の行動宣言より、自分の言葉で「考えたい」と書くほうが、中学生らしい落ち着いた感想文になります。
篠原さんのアドバイス
「やはり〇〇が大切だと思いました」で終わるには、文章の中に意外性か状況の危うさが必要になります。常識をくつがえすようなポイントが発見できたら、ぜひ挑戦してみてください。
中学生が読書感想文でつまずきやすいポイントと解決法

「書いてみたけど、なんとなく幼い感じがする」「先生に内容が薄いと言われた」という経験はありませんか。中学生ならではのつまずきには、それぞれ対処法があります。
中学生になると「正解を書こう」としてしまい、自分の気持ちが隠れてしまうことがあります。自己開示、つまり自分のことを包み隠さず語ることが、感想文の深みをもたらす最大の武器です。
感想が幼く見えるときは、理由と根拠を足す
感情だけで終わると内容が浅く見えやすくなります。感想の後に「どの場面を根拠にそう思ったか」「なぜそう感じたのか」を加えるだけで、文章の印象が大きく変わります。「主人公が〜した場面で感動した。なぜなら〜だからだ。自分も似た経験があり、〜と感じていたからだ」という流れを意識してみましょう。
考察においても、読み手の頭の中に具体的にイメージできるかどうかを考えながら言い回しを工夫してみるのがポイントです。
あらすじばかりになるときは、場面ごとに自分の意見を入れる
場面を紹介したら必ず自分の考えをセットで書くことが大切です。「〜という場面があった」と書いたら、すぐに「私はこの場面で〜と考えた」を続けましょう。
あらすじは各場面につき2〜3文程度に抑え、残りを自分の考えに使いましょう。読みながら「これってどういうことだろう?」と感じたら、大きめの付箋にメモしながら読み進めましょう。考察メモはしっかり書かれていれば枚数が多いほど、感想文を書くときの材料になります。
内容が浅いときは、登場人物や作者の考えと自分を比べる
考察が不足しているサインです。H2②で整理した視点をもとに、登場人物や作者の考えと自分を比べる一文を加えてみましょう。「登場人物はこう考えて行動したが、自分は〜と思う。なぜなら〜だからだ」という比較の一文を入れることが、内容を深めるための最も効果的な方法です。
文字数が足りないときは、考えの変化を加える
読む前に持っていた考えと、読後に変わったことを丁寧に展開するだけで、内容が充実しながら自然に文章量が増えていきます。変化を書くことは字数稼ぎではなく、感想文の核になる部分です。
ChatGPTなどAIは本文作成ではなく、アイデア出しや表現の見直しに使う
AIに本文を丸ごと書いてもらう使い方は避けましょう。AIが生成した文章は、自分の体験や感情が反映されにくいため、先生にも不自然さが伝わりやすく、自分らしさも消えてしまいます。一方で、考えを整理する補助としての使い方は有効です。
- 「この場面で私はこう感じた。どう広げればよいか」と相談する
- 書き出しのアイデアを複数出してもらい、自分に合うものを選ぶ
- 同じ言葉の繰り返しや言い回しの改善を確認してもらう
- 構成の流れが自然かどうかを見てもらう
書いた感想メモをAIに読み込ませて構成を考えさせることも有効ですが、「どうしてこの構成になったのか」を理解しながら使うことで、はじめて自分の力になります。
篠原さんのアドバイス
読書感想文は正解のない独立した教科です。自分で考え、考え抜いて、それでも答えが出ないときにAIに相談する。大切なのは、AIの答えが本当に正しいかどうかを判断できる自分の心と知識です。
学年別|中1・中2・中3で意識したい書き方

中学生とひと口に言っても、1年生と3年生では求められる表現の深さが変わります。ここでは、学年別に意識したいポイントを簡潔に整理します。
中学1年生|場面と感想を理由でつなげる
「どの場面で」「何を感じたか」「なぜそう思ったか」の3点がそろえば、中1の読書感想文としては十分です。社会問題や将来まで広げる必要はなく、自分の経験や学校生活とつなげる程度で問題ありません。
「楽しかった」「うれしかった」で終わらせず、「どれくらい楽しかったのか」という感情のレベルを言葉にすることも意識してみましょう。
中学2年生|登場人物の考えと自分の考えを比べる
共感した点でも疑問を持った点でもよいので、「なぜそう思うか」という理由をセットで書くことが大切です。「登場人物はこう行動したが、自分なら〜する。なぜなら〜だからだ」という比較の一文を入れるだけで、中2らしい考察のある感想文になります。
中学3年生|本のテーマを社会や将来につなげる
「この本のテーマは、自分が将来〜を考えるうえでも関係がある」という視点を入れると、中3らしい奥行きのある感想文になります。中3の読書感想文で意識したい「自分の意見をテーマと結びつけて書く」力は、高校受験の作文にもつながります。
篠原さんのアドバイス
感想文は論文ではないので、ですます調の読みやすい文章を心掛けましょう。美しい文体より、小学5年生にも理解できる言葉で書かれた文章のほうが、読み手に伝わります。
そのまま使える中学生向け読書感想文テンプレート

書き方の流れを理解したあとは、実際に書く際の型があると便利です。ここでは篠原さんが推奨するフォーマットをベースにしたテンプレートを紹介します。テンプレートは丸写しするためのものではなく、何をどの順番で書くかを整理するための道具です。
考察型テンプレート(3枚用)
①〜④を書き出してから③①②④の順に並べ替えることで、読み手を引きこむ構成ができあがります。原稿用紙3枚(約1200字)を想定しています。
【書き出し:③自分の体験から始める】
わたしは〇〇にいじわるしてしまったことがあります。
それは〜のときで、〜してしまいました。
【本文前半:①感動した場面・②なぜ感動したか】
この本を読んで、一番感動したのは〜の場面です。
〇〇が〜したとき、わたしは〜と感じました。
なぜかというと、〜だからです。
【本文後半:登場人物・作者との比較・自分の意見】
〇〇の行動に対して、わたしは〜と考えます。
自分なら〜したと思います(またはしなかったと思います)。
なぜなら、〜だからです。
【結論:④これからどうしたいか・考えの変化】
この本を読んで、〜についての考えが変わりました。
読む前は〜と思っていましたが、今は〜と感じています。
これからは〜について考えていきたいです。
各ブロックの〜の部分に、自分が読んだ本の内容と自分の言葉を入れることで、その人だけの感想文になります。
5枚用テンプレート
原稿用紙5枚(約2000字)の場合は、場面を2つ取り上げ、考察と自分の変化をより詳しく書きます。
- 【1段落目】自分の体験と本を選んだ理由を書く。
- 【2段落目】1つ目の場面を5行程度で説明し、感じたこと・理由を書く。
- 【3段落目】2つ目の場面を5行程度で説明し、登場人物の考えと自分の意見を比べる。
- 【4段落目】本の内容と自分の経験・社会の出来事をつなげる。
- 【5段落目】考えの変化と、これからしたいことで締める。
テンプレートを自分の言葉にするコツ
テンプレートは書く順番と内容を整理するための道具です。使い方のポイントは3点あります。まずテンプレートを見ながら書く内容を箇条書きでメモすること。次に〜の部分には必ず自分の本の場面と体験・意見を入れること。そしてきれいな文章より、自分の考えが伝わる文章を目指すことです。
テンプレートはあくまでも出発点です。そこから自分の体験・意見・考えの変化を加えていくことで、はじめてその人だけの感想文になります。
篠原さんのアドバイス
この記事で紹介したさまざまな書き方を組み合わせながら、自分なりのテンプレートを作ってみてください。原稿用紙4枚・5枚も苦労せずに書けるテンプレートが作れたら素晴らしいですね。
原稿用紙の基本マナーを確認する
内容がよくても原稿用紙の基本ルールが守られていないと減点につながることがあります。清書前に以下の点を確認しましょう。
- 1行目に題名、2行目に名前を書く(それぞれ下を1〜2マス空ける)
- 段落の最初は1マス空ける
- 句読点(。、)は行の最初のマスに書かない
- かぎかっこ(「」)の開きと閉じを正しく使う
- 数字は基本的に漢数字(一、二、三)で書く
清書後は声に出して読み返すと、目で読むだけでは気づかない違和感に気づきやすくなります。
青少年読書感想文全国コンクールに応募する場合
学校の宿題としての感想文だけでなく、青少年読書感想文全国コンクールに応募する場合は、課題図書から本を選ぶ必要があります。課題図書は毎年発表され、中学生の部では原稿用紙5枚以内が規定枚数です。
コンクールでは「自分の考えの変化」や「本を読んで何が変わったか」が評価されやすい傾向があります。この記事で紹介している考察型のフォーマットはコンクール向けの感想文にもそのまま活用できます。課題図書や応募方法の詳細は公式サイトで確認してください。
まとめ 中学生の読書感想文は「自分の考えの変化」を書くと深まる

中学生の読書感想文で大切なのは、上手な文章を書くことではありません。この記事を通じて伝えたかったのは、「本を読んで自分の考えがどう変わったかを、自分の言葉で書けばそれで十分」ということです。
あらすじをまとめるだけでは感想文になりません。心に残った場面を選び、「なぜそう感じたか」「自分ならどうするか」「読む前と後で何が変わったか」を書くことで、中学生らしい考察のある文章になります。まずは読んだ本について、心に残った場面をひとつ思い浮かべるところから始めてみましょう。原稿用紙に向かうのは、その問いへの自分なりの答えが出てからで大丈夫です。
篠原さんのアドバイス
読書感想文は、学校の宿題の中で唯一「正しい答えのない」ものです。あなた自身が物語の主人公になったつもりで、本との出会いによって生まれた変化を探してみてください。大きな感動でなくてもかまいません。「主人公に少し共感した」「この考え方は真似してみたい」「自分は反対だと思った」、そんな小さな心の動きこそが、感想文の宝物です。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
ストアカアワード 優秀講座賞(2018~2021・4年連続) 著書『脚本家が教える読書感想文教室』(主婦の友社)、『人を動かす。~脚本家が書いた雑踏警備の誘導シナリオ~』(万代宝書房)
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