中学生の春休みの勉強時間はどのぐらい?科目別・学年別の勉強法も紹介
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塾選ジャーナル編集部
3学期が終わって迎える中学生の春休みは、期間が短いことからあっという間に終わってしまいます。他の同級生がだらけて過ごしがちな春休み中もしっかり勉強することで、4月以降大きく差をつけられるようになるでしょう。今回は中学生向け春休みの理想の勉強時間、科目別・学年別の勉強法、過ごし方などについて紹介します。
中学生の春休みの理想的な勉強時間は?
中学生が春休み中におこなう理想的な勉強時間は、1日3時間です。学校の授業があるときのことを考えると、3時間は思っているほど長くはありません。
ただし3時間は一つの目安です。子どもの学力や受験学年かどうか、志望校のレベル、学習習慣が身についているかどうかなどによって、必要となる勉強時間は変わってきます。
たとえば受験学年となる中学3年生で難関高校を志望している場合、1日3時間以上の勉強が必要となるでしょう。反対に学習習慣が身についていない子どもでは、1日3時間の勉強でも負担になります。
1日3時間を一つの目安として捉え、子どもの状況に合わせて勉強時間を調整してください。
中学生向け春休みの勉強法を科目別・学年別に徹底解説!
春休み中は1日3時間勉強するといっても、ただ3時間机に向かえば良いわけではありません。限られた学習時間の中で確実に成果を上げるためには、成績アップにつながる勉強法を取り入れる必要があります。
続いては春休み中の勉強に関する全般的なポイントと、科目別・学年別の勉強法を見ていきましょう。
勉強のポイント
まずはすべての中学生に共通する、春休み中の勉強のポイントについてです。
①学校の課題は春休みの前半で終わらせる
学校によっては春休み中に、プリントや問題集などの課題が出るかもしれません。内容はほとんど、これまでの1年間で習った学習単元の復習です。
課題は春休みの前半で終わらせるようにしましょう。やるべきことが終われば、後半は苦手科目の克服や4月以降の先取り学習、受験対策など、個々の学習課題に時間を作れるようになります。
後述するように、春休みの学習で最も大切なのが復習です。課題の種類や量にもよりますが、しっかりと課題に取り組むことで効率的に復習を進められるようになります。
課題は最低でも、できなかった問題を3回は解いてください。1回目一通り問題を解いてみて、できなかった問題やわからなかった問題にチェックをつけておきます。2回目と3回目に同じ問題を解いてみて、スラスラと解けるようになっていれば大丈夫です。
②的を絞ってしっかりと復習する
春休み中の勉強で大切なのが復習です。新しい学年へ進級すると当然のことながら、これまでよりも学習内容がグンと難しくなります。
「成績がアップしない」「去年よりも成績が下がってしまった」といった悩みを持つ子どもは、ほとんどが前学年の学習内容で取りこぼしがあるケースです。勉強は一つひとつの積み重ね。これまでの学習単元でつまずきがある状態で新しい単元を勉強しても、成績は一向に上がりません。
そのため春休み中は復習を最優先におこなってください。ただし春休み期間は短いため、的を絞って復習することが必要です。「全部の単元を完璧に復習しよう!」「基礎から応用問題まで、すべてをこなそう!」と考えると、消化不良で春休みが終わってしまいます。
的を絞るためには、まず学年のまとめの問題集などを1冊解いてみてください。間違えた箇所やわからなかった箇所にチェックをつけておき、春休み中に重点的に復習します。
できれば春休みに入る前に問題集を解いて、復習するべき箇所をピックアップしておくと良いでしょう。教科書や参考書などを使って復習し、さらに定期テストや模擬試験で該当する問題を解けるようになっていれば完璧です。
③数学と英語に力を入れる
最後のポイントは数学と英語に、特に力を入れることです。中学校で学ぶ主要5教科のうち、特に数学と英語は積み上げ式の科目といわれています。
これまでに習った単元が土台となって新しい単元が積み上がっていくため、前の学習内容を理解していないと次の単元も理解できません。反対に社会や理科は積み上げ式ではないため、定期テストや模擬試験の直前に出題範囲だけ暗記をすれば、ある程度の得点は可能です。
数学と英語は積み上げ式の科目であることから、苦手とする中学生もたくさんいます。そのため時間のある春休み中に集中して取り組むことで、他の子どもたちと一気に学力の差をつけられるようになるでしょう。
【科目別】勉強法
続いては科目別の勉強法を紹介します。
国語
国語はさらに現代文・古文・漢文と、3つの分野にわけられます。
現代文は漢字や文法といった知識を問われる問題と、小説や論説文などの読解力が問われる問題があります。漢字や文法などは勉強すればするほど得点に結びつくため、苦手な人は春休み中に既習範囲を復習してしまいましょう。
読解力は一日や二日では身につきません。しかし春休み中に読解問題をたくさん解いておくことで、問題文の読み方や問題の解き方のコツはつかめるようになるはずです。
古文や漢文は普段なじみが少ない分、国語の中でも苦手と感じる中学生が多いです。しかし高校進学後も古文と漢文は出題され、中学校で習う項目が土台となることから、いまのうちの基礎力は身につけておくのがおすすめです。
古文は頻出単語の意味を完璧に暗記しましょう。中学校で習う古文の文法はさほど難しくはないため、教科書や参考書に目を通してください。問題集の問題が解けるようになっていればOKです。
漢文も読み方の基本ルールさえ理解すれば、十分に得点源となる分野。基礎知識を頭に入れて、その後は問題演習で知識を使えるようにしておきましょう。
数学
数学は実際に問題を解きながら、勉強を進めていくのが効果的です。
自分が苦手とする単元や分野がわからない場合、学年のまとめ問題集を1冊一通り解いてみたり、これまでに受けた定期テストや模擬試験で間違えた箇所をピックアップしてみたりしましょう。
集中的に勉強するべきところがわかったら、教科者の例題や問題集に載っている基本問題などに取り組んでみます。
問題を解くプロセスや答えは教科書や問題集には直接書き込まず、必ずノートやメモ帳などに書いてください。後から何度も同じ問題にチャレンジできるようになります。
ポイントは2日~3日ほど時間をおいてから、もう一度同じ問題を解いてみること。時間が経っても問題が解けるようになっていれば、知識として定着したことがわかります。
理科
理科は大きく化学・物理・生物・地学と、4つの分野にわかれています。一般的に高校入試では4つの分野からまんべんなく問題が出題されるため、すべての分野をバランス良く勉強することが欠かせません。
同じ理科でも分野によって得意・不得意がある子どもがいます。特に知識の理解が求められる化学と物理は、苦手とする子どもが少なくありません。
学校の教科書の補完本となる教科書ガイドでは、教科書の説明をわかりやすく解説されているので、学校の授業や教科書の内容がわからない子どもにおすすめです。練習問題もついているため、基本的な解説を理解してから腕試しにチャレンジできます。
また公式や法則をノートにまとめてみるのも良いでしょう。これまでに習った公式や法則をそのままノートに書き写すだけでも、十分な復習になります。重要なところは赤ペンで書き写すことで、赤シートを使って知識のチェックにも活用できるはずです。
社会
社会で中心となるのは暗記です。ある程度時間を作って集中的に取り組めば、十分な成績アップが期待できます。
教科書や参考書に載っている歴史上の人物や出来事、年代、地名、都道府県の場所、各地の特徴などを一つひとつ丁寧に覚えていきましょう。
暗記は単純作業なので、子どもによっては集中力が続かないかもしれません。声に出してり、部屋の中を歩きながら覚えたり、ノートに書いたりするなど、飽きずに勉強を続けられるような工夫が大切です。
英語
英語は読解やリスニングの基本となる、単語と文法の復習に時間をかけてください。単語は英語の基本中の基本です。文法のルールを理解していても、英文の中に出てくる単語の意味がわからなければ、文章を正しく読むことはできません。
これまでに習った単語や熟語を意味と品詞、スペリングと合わせて確認しましょう。声に出しながら勉強すると、より頭の中に残りやすくなります。
文法も大切です。単語の意味がわかっていても、文法を知らなければリーディングやリスニング、ライティングはできません。これまでに受けた定期テストや小テスト、模擬試験などをふり返り、理解できていない文法事項に集中して取り組んでください。
英語の文章は意味を考えながら声に出して読むと、英語を英語のまま理解できる力も身につきます。長い英文も一つひとつ日本語に直さず、英語のまま理解できるようになるでしょう。
【学年別】勉強法
最後は学年別のおすすめ勉強法です。
新中学1年生
新中学1年生、つまり小学校を卒業してこれから新しく中学生になる子どもの場合、学校からの課題は基本的にありません。小学校を卒業したことで気が緩みがちですが、学習内容が難しくなる中学生活をスムーズに始めるためには、春休み中も勉強を続けることが大切です。
小学校で習った学習項目の復習に重点をおきます。特に算数を苦手とする子どもの場合、算数にはしっかり時間を割いて取り組んでください。
市販の問題集を1冊購入し、できれば2回以上問題を解きます。中学1年生の1学期で習う数学は、計算問題が中心です。これまでに勉強した四則計算や小数・分数計算などがベースとなるため、しっかり復習しておきましょう。
新中学2年生
新中学2年生は主要5教科のうち、数学と英語を優先して復習します。
数学は中学1年生で習った計算をメインに復習してください。式の計算や文字の式など、苦手とする箇所や取りこぼしがある箇所をピックアップして勉強しましょう。中学2年生の1学期の数学で習う項目に直接つながっているため、定期テスト対策にもなります。
英語は十分な学習時間を確保できるのであれば、中学1年生の全範囲の復習が理想です。難しい場合は単語の暗記、文法は一般動詞とbe動詞、現在進行形に絞って復習すると効果的です。
新中学3年生
受験学年となる新中学3年生になると、苦手科目や苦手な単元が明確になってきます。子どもによっては部活動も本格的に忙しくなり、まとまった勉強時間も確保できなくなるため、春休み中に苦手科目や苦手な単元の克服を目指しましょう。
学校の教科書や参考書、問題集などを活用して、基本的な問題から一つずつ確実に復習してください。春休み中に基礎を身につけておくことで、本格的な受験勉強がラクになります。
学校指定の教科書や参考書でも難しい場合は、さらに優しい参考書を書店で購入しましょう。ただし短い春休みでも、最後まで終わらせられる量のものを選ぶことが大切です。
春休みを有効に過ごすためには、学習塾を利用するのもおすすめ
子どもによっては春休み中、自宅で集中して勉強するのが難しいかもしれません。テレビやゲーム、マンガなど誘惑するものがあると、学校の授業のように勉強には取り組みにくいものです。
一人で勉強するのが難しい中学生におすすめなのが、学習塾の利用です。学習塾の中には春期講習を開催しているところも多く、春休み中でもしっかり勉強できる環境が整っています。
普段は塾に通っていない子どもでも参加できる講習もあるので、積極的に利用してみると良いでしょう。
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オンライン形式の授業スタイルなら、塾に通う必要がありません。自宅にいながら授業を受けられるため、部活動や習いごとなどで忙しい中学生も参加しやすいはずです。
オンライン塾については以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
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春休み中は効率のよい勉強をするために計画を立てよう!
特に受験学年となる新中学3年生では高校受験に備えて、1年間の学習計画を立てておきましょう。
4月以降は学校の定期テスト対策だけでなく、高校入試本番に向けた復習や苦手科目の克服、入試問題演習、模擬試験、学校見学など、やるべきことが山のようにあります。
忙しい中でも効率的な勉強を進めていくために、春休み中に学習計画を立ててください。詳細はこちらの記事で解説しています。
まとめ
中学生は春休み中、1日3時間の勉強時間確保を目指しましょう。特に1年間の復習に力を入れることで他の子どもたちと大きく学力差をつけ、4月以降の勉強もスムーズに進められるようになるはずです。
今回紹介した勉強法も参考にして、有意義な春休みを過ごしてください。
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