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赤本・青本はどう違う?大学受験で後悔しない選び方と使い方【東大卒ライター監修】

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大学受験
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「大学受験の赤本と青本って、何がどう違うの?」と疑問に感じている受験生は少なくありません。名前はよく聞くものの、違いが分からず、どちらを選べばいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか。

赤本は教学社が発行している大学入試の過去問題集で、全国の幅広い大学に対応しています。一方、青本は駿台が制作する過去問題集で、難関大学を中心に、より詳しい解説が特徴です。

本記事は、独自の学習法「お金も時間も節約する自習術」を実践して東京大学に合格し、現在はカルぺ・ディエムに所属して全国各地で勉強法の講演を行っている教育ライター・布施川天馬さんの監修のもとで作成しています。

赤本と青本の具体的な違いから、志望校や学習状況に応じた選び方、さらに効果的な活用方法まで詳しく解説しますので、過去問選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。

塾選ジャーナル編集部

編集部

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

布施川天馬

監修者

布施川天馬

1997年生まれ。東京大学文学部卒。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を送る。金銭的、地理的な事情から、無理のない進学先が東京大学のみに絞られ、東大進学を志す。 塾に通う金銭的余裕がなく、勉強の傍ら週3日フルタイムのアルバイトで学費を稼ぐ。受験生活を通してオリジナルの「お金も時間も節約する自習術」を編み出し、一浪の末、東大に合格。 在学中から、自身の勉強法や学習法を、執筆活動や、全国の学校での講演を通して広める。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社)など。

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目次

赤本と青本の違いは?大きく違う3つの項目

赤本と青本の違い

大学受験で使われる過去問題集にはいくつか種類がありますが、その中でも「赤本」と「青本」は特に名前を聞く機会が多い教材です。ただし、同じ過去問集であっても、両者は編集方針や想定している受験生が異なります。

赤本は教学社が発行する過去問題集で、全国の大学を幅広くカバーしているのが特徴です。一方の青本は、駿台が制作しており、難関大学に的を絞った構成と、踏み込んだ解説内容に強みがあります。

まずは細かい説明に入る前に、赤本と青本の違いを全体像として整理してみましょう。以下の比較表では、両者の特徴を項目ごとにまとめています。ここで大枠をつかんだうえで、それぞれの違いを順番に詳しく見ていくと理解しやすくなります。

比較項目 赤本 青本
対応大学 全国ほぼすべての大学 有名難関大学に限定
解説の特徴 要点を押さえた簡潔な解説 思考プロセスまで踏み込んだ詳細解説
向いている受験生 多くの大学を効率よく対策したい人・併願校が多い人 難関大学を志望し、理解を深めたい人

対応大学の違い

赤本の大きな特徴は、対応している大学の数が非常に多い点にあります。国公立大学や私立大学はもちろん、一部の通信制大学や専門職大学の過去問も含まれており、進学先の選択肢が幅広い受験生でも使いやすい教材です。

また、学部や難易度に応じたシリーズ展開があるのも赤本の強みです。医学部志望者向けの「赤本メディカルシリーズ」や、最難関校対策に特化したシリーズなど、志望校に合わせた過去問対策が可能になっています。多くの大学を視野に入れて受験する場合でも、1つのシリーズで対応しやすい点は大きなメリットと言えるでしょう。

これに対して青本は、あらかじめ対象大学を有名難関校に限定して編集されています。その分、問題ごとの解説が非常に充実しており、単に正解を確認するだけでなく、「なぜその解き方になるのか」まで理解できる構成になっています。難関大学合格を目指し、過去問を通じて思考力を鍛えたい受験生に向いた教材です。

青本で扱われている主な大学は、以下の通りです。

区分 大学名
国公立大学 北海道大学、東北大学、東京大学、東京科学大学(旧・東京工業大学)、一橋大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、神戸大学、九州大学
私立大学 早稲田大学、慶應義塾大学

参考:駿台文庫

東大卒教育ライター・布施川さん「赤本は複数校対策、青本は難関大向け」

この通り、赤本と青本は用途が異なります。赤本ではさまざまな大学が扱われているので、複数大学をまとめて対策したい場合に最適です。一方で青本は難関大学に絞って作られているので、難関大学合格を目指す受験生に最適。まずはこの違いを押さえておきましょう。

 

解説の詳しさ・分析視点の違い

赤本と青本の解説はどう違うか

赤本と青本は、対応大学だけでなく、問題に対する解説のスタイルにも違いがあります。この違いを理解しておくことで、自分の学習段階に合った過去問集を選びやすくなります。

赤本の解説は、要点を押さえたシンプルな構成になっているのが特徴です。解答に必要な考え方や結論が端的にまとめられているため、すでに基礎が身についており、「自分の解き方が合っているかを素早く確認したい」「短時間で多くの問題を見直したい」という受験生に向いています。過去問演習をテンポよく進めたい場合や、直前期の確認用としても使いやすい内容と言えるでしょう。

一方で青本は、駿台予備学校の講師陣による詳細な解説が掲載されており、問題ごとの思考プロセスや着眼点まで丁寧に解説されています。解法の糸口が見えにくい問題や、苦手分野の克服を目的とする場合でも、理解を積み重ねながら学習を進めることが可能です。過去問を単なる演習ではなく、「学習教材」として活用したい受験生には、青本が適しているでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「赤本と青本の解説の違い」

赤本は平易かつ簡潔な解説が特徴です。現状の自分の立ち位置と合格までの距離を測るのに最適といえます。

一方で、青本は思考力や問題解決能力を前提とし、さらに上のステップに辿り着けるような解説がなされているので、過去問を徹底的に研究し、間違えた問題を完璧にする上で有効でしょう。

 

向いている受験生タイプの違い

赤本と青本は、内容そのものだけでなく「どの段階の受験生に向いているか」という点でも違いがあります。どちらが優れているかではなく、自分の学習状況や目的に合っているかを基準に選ぶことが重要です。

赤本は、基礎学習がある程度進んでおり、過去問演習を通して出題傾向をつかみたい受験生に向いています。解説が簡潔な分、自分なりに考えた解法と模範解答を照らし合わせながら、効率よく演習を重ねることができます。併願校が多く、短時間で多くの大学の過去問に触れたい場合や、直前期の最終確認にも使いやすい教材です。

一方で青本は、難関大学を志望しており、1問1問を深く理解しながら実力を伸ばしたい受験生に適しています。解説が充実しているため、なぜその解法に至るのかを丁寧に追いながら学習を進めることができ、苦手分野の克服や思考力の底上げにも役立ちます。過去問を使って本格的に理解を深めたい段階では、青本が心強い教材となるでしょう。

赤本と青本は、学力や学習フェーズによって役割が変わります。自分の現在地を客観的に把握したうえで選ぶことで、過去問演習の効果をより高めることができます。

東大卒教育ライター・布施川さん「赤本か青本かを選ぶときは、必ず書店で確認しよう」

赤本か青本かを選ぶ際、必ず書店でどちらも手に取って比べてみましょう。解説が簡潔か詳細かも比較軸としては重要ですが、自分にとって解説がよりわかりやすいほうを選ぶことで、演習も一気にしやすくなります。できれば、同じ年度の同じ問題の解説を比較して、どちらの解説が自分的にしっくり来るかを確認してみてください。

 

【ケース別】赤本と青本はどっちを選ぶべき?

赤本と青本 選び方

ここからは、志望校や学習目的に応じて、赤本と青本のどちらが適しているかをケース別に見ていきます。自分の状況に近いケースを参考にしながら、過去問集選びの判断材料にしてください。

難関大・旧帝大・早慶志望なら青本

難関大学や旧帝大、早稲田大学・慶應義塾大学を目指す受験生には、青本が向いているケースが多いと言えます。これらの大学では、単に正解を導くだけでなく、問題の背景や出題意図を理解したうえで思考を組み立てる力が求められるためです。

青本には、駿台予備学校の講師陣による質の高い解説が収録されており、解法だけでなく、どのような考え方でアプローチすべきかが丁寧に示されています。そのため、過去問演習を通じて、知識の使い方や思考の流れを身につけやすい構成になっています。

特に、英作文や小論文などの記述式問題、あるいは複雑な条件整理や発想力を要する問題に対しては、詳しい解説が学習の支えになるでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「難関大学を目指しているのであれば青本は有効」

難関大学を目指しているのであれば、青本は基本的に有効です。しかし、しっかり読み込み、一度間違えた問題も次解く時は間違えないくらいまで完璧にするくらいの心意気で取り組まなければ、青本の良さは活かせません。出題意図まで書かれたレベルの高い解説は、読んだだけで分かった気になってしまう危険性もあります。本当に理解しているのか、しっかり解き直しを行うことで確認しましょう。

 

地方国公立・中堅私大志望なら赤本

地方国公立大学や中堅私立大学を志望している場合は、赤本を中心に過去問対策を進めるのがおすすめです。これらの大学では、出題傾向が比較的安定していることが多く、まずは多くの過去問に触れて形式やレベル感に慣れることが重要になります。

赤本は対応している大学数が非常に多いため、第一志望校だけでなく、併願校や安全校の過去問対策までまとめて行いやすい点が強みです。解説も要点を押さえた構成になっているため、問題演習のテンポを崩さずに学習を進めることができます。

また、基礎力を固めたうえで過去問を使って実戦力を高めたい受験生にとっては、赤本のシンプルな解説がちょうどよい指針になります。まずは赤本で出題傾向を把握し、必要に応じて参考書や授業内容に立ち戻ることで、効率よく対策を進めることができるでしょう。

併願校が多い場合の選び方

併願校が多い受験生の場合は、志望校ごとに過去問集を使い分けるのが現実的です。特に難関大学を第一志望としている場合は、第一志望校については青本を使用し、併願校については赤本で対策を進めるという形が取り入れやすいでしょう。

青本は解説が充実している分、1校あたりにかける学習時間も長くなりがちです。そのため、すべての併願校を青本で対策しようとすると、時間的な負担が大きくなってしまいます。一方、赤本は要点を押さえた解説が中心で、短時間で出題傾向を確認しやすく、多くの大学を並行して対策する場合に向いています。

また、赤本は青本と比べて価格が抑えられているため、複数の大学分をそろえやすい点もメリットです。限られた時間と予算の中で効率よく併願校対策を進めたい場合には、赤本を活用することで無理のない学習計画を立てることができるでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「第一志望は青本、第二志望以降は赤本」

併願校の過去問は何十年分と解く必要は基本的にありません。もちろん、学校や試験の傾向にもよりますが、3〜5年程度で十分でしょう。これを踏まえると、第一志望は青本、第二志望以降は赤本の分け方がおすすめです。じっくり勉強すべき学校に青本を当てるのがいいでしょう。また、第一志望校でさまざまな解法・解答を知りたい場合は、赤本と青本を両方買うという手もあるので、時間の余裕を見てどの買い方が自分に合っているか考えてみてください。

 

残り期間別(高3春・夏・直前期)の選び方

赤本と青本のどちらを使うかは、志望校だけでなく、受験までの残り期間によっても適した選択が変わります。ここでは、高3春・夏・直前期それぞれの時期に応じた、過去問集の選び方の目安を整理しました。

時期 学習の主な目的 おすすめの過去問集 理由
高3春〜初夏 出題形式・レベル感の把握 赤本 多くの大学の問題に触れやすく、全体像をつかむのに向いている
夏以降 実戦力の強化・理解の深化 志望校は青本、併願校は赤本 第一志望は詳しい解説で理解を深め、併願校は効率重視で対策できる
直前期 得点力の安定・最終確認 赤本 簡潔な解説で短時間の見直しがしやすく、演習量を確保しやすい

 

東大卒教育ライター・布施川さん「過去問は志望校とのギャップを知りたいときに使うべき」

過去問をいつ始めたらいいかは、難しい問題ですよね。早めに始めたほうがいいのかも、直前まで取っておいたほうがいいのかも、とさまざま考えてしまうと思います。

大切なのは、過去問は「自分の現在の立ち位置を知るため」と「そこから合格レベルまで引き上げる方法を知るため」に使うものだということです。周りが解き始めたから、といった安直な理由で釣られて解き始めることはやめましょう。志望校とのギャップを知りたいときに使うべきなのです。

 

赤本・青本をどう使えばいい?効果的な使い方

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赤本と青本の違いや、向いている受験生のタイプが分かったら、次に重要なのは「どのように使うか」です。どんなに良い過去問集でも、使うタイミングや目的を間違えると、十分な効果は得られません。

ここでは、赤本・青本を活用するうえで押さえておきたい基本的な使い方を解説します。

過去問演習はいつから始める?おすすめの使用時期

過去問演習は、できるだけ早く始めたほうがよいと思われがちですが、やみくもに解き始めるのはおすすめできません。赤本や青本は、基礎知識がある程度身についてから使うことで、はじめて効果を発揮します。

目安としては、主要科目の基礎事項を一通り学習し終え、「問題を解いたあとに、なぜ間違えたのかを自分で説明できる状態」になってから取り組むのが理想です。この段階で過去問に取り組むことで、単なる腕試しではなく、弱点発見や得点力向上につなげることができます。

早い時期に過去問を使う場合は、点数を気にする必要はありません。出題形式や問題のレベル感を把握することを目的に、赤本を使って軽く触れてみる程度でも十分です。一方、志望校対策を本格化させる段階では、青本を使って解説を読み込みながら理解を深める、といった使い分けが効果的です。

東大卒教育ライター・布施川さん「できれば高3の7月頃には過去問に触れたい」

私は高3の4月から受験勉強を始めたので、過去問に取り掛かったのは高3の1月・2月になってからでした。そこそこの点数はとれたものの、あと今一歩足りず現役時は不合格に。今振り返ると、もしあと3カ月あれば、過去問研究ができたので、もう少し戦えたような気がしています。もしみなさんがある程度自由に時間を使える状態にあるならば、遅くとも高3の9月、できれば高3の7月頃には過去問に触れるようになるとよいでしょう。

 

過去問は何年分解くべき?目安と考え方

過去問を何年分解くべきかは受験生の実力にもよりますが、学習計画を立てる際の目安としては、第一志望校は10年分前後、併願校は5年分程度を想定しておくとよいでしょう。

特に第一志望校については、複数年の問題を解くことで、出題形式や難易度の変化に慣れることが重要です。同じ大学でも学部によって試験内容が異なる場合は、それぞれを別の試験と考え、「学部数×10年分」を目安に対策を進めることで、実戦での対応力が高まりやすくなります。

また、入試問題は過去に出題された形式やテーマが再び問われることもあります。過去問をさかのぼって演習しておくことで、本番で見覚えのある問題に出会える可能性が高まり、得点につながるケースもあるでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「第一志望の過去問は最低でも3年分」

第一志望はとにかく大量に過去問に触れておくべきです。最低でも3年分、東大などの最難関大学は科目ごとに20〜25年分の赤本が売り出されていることもあるので、それを使ってできる限り演習を繰り返しましょう。併願はせいぜい3年も見れば十分です。あまり併願校の対策に時間をかけている余裕は受験生にはないでしょうし、わき見をしすぎて本命を落としたら目も当てられません。

 

過去問演習の1周目・2周目でやるべきことの違い

過去問演習では、1周目と2周目で目的を分けて取り組むことが重要です。それぞれの役割を整理すると、次のようになります。

項目 1周目 2周目
目的 試験全体の把握 得点力の完成度を高める
意識する点 出題形式・時間配分に慣れる 解法の再現性を高める
得点へのこだわり 気にしすぎなくてよい 本番を意識して取り組む
復習の深さ 軽く振り返る程度 解説を読み込み解き直す
主な役割 弱点や課題の洗い出し ミスの修正・精度向上

このように、1周目は「全体像をつかむための演習」、2周目は「仕上げのための演習」と位置づけると、過去問をより効果的に活用できます。

東大卒教育ライター・布施川さん「過去問の一周目は力試し、二週目は分析後にチャレンジ」

一周目は「力試し」です。自分が現状の学力で志望校にどれほど太刀打ちできるのかを知るために解くと心得ましょう。そして、解き終わったらひたすら分析してください。なぜ間違えたのか、合格レベルに持っていくためには何が足りないのか、どうすれば次似たような問題が出たときに解けるようになるか。そしてその分析を活かした勉強をしたのち、二周目に入るのです。二周目はその対策がどれほど活かせているか、前に間違えた問題が解けるようになっているか、進歩しているかの確認に使いましょう。

 

赤本と青本を併用する場合の順番

赤本と青本を併用し、両方の解説を参考にしながら過去問演習を進める受験生もいます。特に、難易度の高い大学を目指す場合、1つの解説だけでは理解が不十分に感じることも少なくありません。

大学のレベルが上がるにつれて、問題文の条件整理や思考の飛躍が難しくなり、解説を読んでもすぐには納得できないケースが増えてきます。そうした場面では、視点の異なる複数の解説に目を通すことで、理解の手がかりをつかみやすくなります。

具体的には、まず赤本で解答の流れや結論を確認し、その後に青本の詳しい解説を読むという順番がおすすめです。赤本で全体像を押さえてから青本で思考プロセスを補うことで、問題に対する理解をより深めることができます。解説を「答え合わせ」で終わらせず、「理解を深める材料」として使う意識が大切です。

東大卒教育ライター・布施川さん「過去問を読み進めるときのポイント」

わからない問題は、とにかく一行一行丁寧に解説を追いましょう。行間を読むくらいの心持ちで。数学ならなぜその変形になるのか? 英語ならなぜその言葉を使って訳したのか?など、常になぜ? と問いかけながら読み進めてください。

そして、自分が解いた時にはなかった視点が出てきたら、メモしておくのです。そうして新たな視点を少しずつ取り入れることで、少しずつ解ける問題が増えていきます。

赤本と青本を併用する場合は、両方の解説を見比べて、何が違うか、そしてなぜ片方には書かれていてもう片方には書かれていないかなど、これもまたなぜ? と問いかけながら読み進めると力がつくはずです。

 

過去問は最新年度のものを購入しよう

過去問を購入する際は、第一志望校についてはできるだけ最新年度のものを選ぶことをおすすめします。入試制度の変更や出題傾向の微調整が反映されているため、本番により近い形で対策を進めることができるからです。

一方で、併願校の過去問については、必ずしも最新年度にこだわる必要はありません。大きな出題形式の変更がなければ、数年前の過去問でも十分に傾向を把握できます。志望校ごとに重要度を考えながら、最新年度とコストのバランスを取って選ぶとよいでしょう。

黒本や黄色本との違い

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大学入試の過去問対策では、赤本や青本のほかに、「黒本」「黄色本」と呼ばれる教材を目にすることもあります。これらは赤本・青本とは用途が異なるため、役割を理解したうえで使い分けることが大切です。

ここでは、「黒本」と「黄色本」がそれぞれどのような教材なのかを簡単に解説します。

黒本とは河合出版の参考書

黒本とは、河合出版が発行している大学入試向けの問題集の通称です。主に、河合塾が実施する「全統模試」をもとに構成された共通テスト対策用の問題集や、過去の共通テスト・センター試験を収録した「共通テスト過去問レビュー」などを指します。

河合塾の講師陣による丁寧な解説が特徴で、共通テスト特有の出題形式や時間配分に慣れるための教材として活用されます。ただし、赤本や青本のように大学別・学部別の過去問を収録しているわけではなく、あくまで共通テスト対策に特化した内容です。

そのため、個別試験(二次試験や私立大学の一般入試)の対策として使うというよりは、共通テストの得点力を安定させるための補助教材として位置づけるとよいでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「黒本は共通テスト対策に力を入れるタイミングで活用」

共通テストの1ヶ月前までに手に入れて、共通テスト対策に力を入れるタイミングで活用しましょう。解説をなぜ? と問いかけながらじっくり読むこと、自分の立ち位置を掴み、どうすれば合格レベルに達するかの補助線とすることなど、大まかな使い方は赤本や青本と変わりません。

 

黄色本とはKADOKAWAの参考書

黄色本とは、KADOKAWAが出版している「大学入学共通テストが面白いほどわかる」シリーズを指す通称です。主に共通テスト対策用の参考書として使われており、過去問集ではなく、知識や考え方を体系的に整理することを目的とした教材です。

このシリーズは、共通テストで求められる知識や思考プロセスを分かりやすく解説している点が特徴で、基礎事項の確認や理解の抜け漏れを防ぐために活用されます。問題演習というよりも、「なぜその知識が必要なのか」「どのように考えるのか」といった点に重点が置かれており、インプット教材としての性格が強いと言えるでしょう。

そのため、黄色本は赤本や青本のように大学別の過去問対策を行う教材ではありません。共通テストに向けた知識の整理や理解を深める段階で使い、実戦演習は黒本や赤本・青本で行う、といった役割分担で取り入れるのがおすすめです。

東大卒教育ライター・布施川さん「黄色本は高3の夏休み明けまでには終わっていることが望ましい」

黄色本は直前の対策に使うものでは基本的にありません。体系的に知識を頭に入れることを目的とした参考書なので、高校3年生の春までには手に入れておいて、夏休み明けまでには終わっていることが望ましいでしょう。また、黒本などで実践演習をしている際、知識が混乱してしまった場合に確認としても使うことができます。

 

まとめ 赤本・青本を選ぶポイントは志望大学と解説のバランス

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赤本と青本は、どちらが優れているかで選ぶものではなく、志望大学や学習目的に応じて使い分けることが重要です。対応している大学の幅や解説の詳しさといった特徴を理解したうえで、自分に合った過去問集を選ぶことが、効率的な受験対策につながります。

志望校が難関大学で、問題の背景や思考の流れまで丁寧に理解したい場合は、解説が充実している青本が力を発揮します。一方、併願校が多い場合や、短時間で出題傾向を把握したい場合には、幅広い大学に対応している赤本が使いやすいでしょう。

また、学習の進み具合によっては、赤本で全体像を確認し、青本で理解を深めるといった併用も有効です。過去問集は「何を使うか」だけでなく、「いつ・どのように使うか」が成果を左右します。

志望大学と現在の学習段階を整理し、解説の量と学習効率のバランスを意識して選ぶことで、赤本・青本を最大限に活用することができるでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「参考書を完璧にする勢いで勉強すること」

結局のところ、赤本と青本のどちらを選ぶかはそこまで重要ではありません。根拠を持って選んだら、その参考書を完璧にする勢いで勉強すれば、どんな参考書であれ、必ず力はつきます。目的別にうまく使い分けて、自分の立ち位置を知り、合格レベルまで実力を引き上げていきましょう。

 

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

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株式会社カルペ・ディエム所属 東京大学文学部卒ライター
布施川天馬

1997年生まれ。東京大学文学部卒。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を送る。金銭的、地理的な事情から、無理のない進学先が東京大学のみに絞られ、東大進学を志す。 塾に通う金銭的余裕がなく、勉強の傍ら週3日フルタイムのアルバイトで学費を稼ぐ。受験生活を通してオリジナルの「お金も時間も節約する自習術」を編み出し、一浪の末、東大に合格。 在学中から、自身の勉強法や学習法を、執筆活動や、全国の学校での講演を通して広める。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社)など。

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