【高校1年】漢文でひらがなに直す漢字一覧|書き下し文のルールと見分け方を解説
「漢文の書き下し文で、どの漢字をひらがなにすればいいのかわからない」と悩んでいませんか。
漢文でひらがなに直す漢字には、基本的なルールがあります。ポイントは、漢字そのものではなく、日本語としてどのような役割で読むかを見ることです。
この記事では、ひらがなに直す漢字の一覧や見分け方を紹介します。よくある間違いや練習問題も確認し、テストで迷わず判断できるようになりましょう。
書き下し文そのものの作り方から確認したい人は、以下の記事も参考にしてください。
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目次
【早見表】漢文でひらがなに直す重要漢字リスト

ここでは、漢文の書き下し文で、ひらがなに直すことが多い漢字をまとめて確認します。テスト前や問題演習で「これはひらがなにするの?」と迷ったときのチェック用として活用してください。
漢文でひらがなに直すことが多い漢字と、代表的な読み方は次のとおりです。
| 分類 | 漢字 | どんなときにひらがなになる? | 訓読 | ひらがなにする理由 |
|---|---|---|---|---|
| 助詞 | 之 | 格助詞として読む | の | 文法的な役割をもつため |
| 助詞 | 自・由・従 | 格助詞として読む | より | 起点・比較などを表すため |
| 助詞 | 与 | 並立を表す | と | 語と語の関係を示すため |
| 助詞 | 者 | 助詞として読む | は | 主題などを示すため |
| 助詞 | 乎・哉・邪 | 終助詞として読む | や/か/かな(哉) | 疑問・反語・詠嘆を表すため |
| 助詞 | 耳・而已矣 | 限定を表す | のみ | 限定の意味を添えるため |
| 助動詞 | 不・弗 | 打ち消し | ず | 助動詞として読むため |
| 助動詞 | 可 | 可能・許可・適当など | べし | 助動詞として読むため |
| 助動詞 | 使・令 | 使役 | しむ | 助動詞として読むため |
| 助動詞 | 見・被 | 受身 | る/らる | 助動詞として読むため |
| 助動詞 | 如・若 | 比況 | ごとし | 助動詞として読むため |
| 助動詞 | 也 | 断定 | なり | 助動詞として読むため |
| 再読文字 | 未 | 二度目の読み | ず | 二度目は助動詞「ず」として読むため |
| 再読文字 | 将 | 二度目の読み | んとす | 二度目は助動詞「んとす」として読むため |
| 再読文字 | 且 | 二度目の読み | んとす | 二度目は助動詞「んとす」として読むため |
| 再読文字 | 当 | 二度目の読み | べし | 二度目は助動詞「べし」として読むため |
| 再読文字 | 応 | 二度目の読み | べし | 二度目は助動詞「べし」として読むため |
| 再読文字 | 宜 | 二度目の読み | べし | 二度目は助動詞「べし」として読むため |
| 再読文字 | 須 | 二度目の読み | べし | 二度目は助動詞「べし」として読むため |
| 再読文字 | 猶 | 二度目の読み | ごとし | 二度目は助動詞「ごとし」として読むため |
| 再読文字 | 由 | 二度目の読み | ごとし | 二度目は助動詞「ごとし」として読むため |
| 再読文字 | 盍 | 二度目の読み | ざる | 二度目は助動詞「ざる」として読むため |
再読文字には、「未・将・且・当・応・宜・須・猶・由・盍」などがあります。「将と且」「当と応」「猶と由」のように、同じ読み方をするものをセットで覚えると整理しやすいでしょう。
ただし、この表にある漢字なら必ずひらがなにするわけではありません。同じ漢字でも、文中での読み方や役割によって、漢字を残す場合や読まない場合があります。
たとえば「乎」は「や」「か」と読む場合もあれば、置き字として読まない場合もあります。「也」も文によって扱いが変わるため、漢字だけを見て判断するのは避けましょう。
大切なのは「この漢字はひらがな」と丸暗記せず、その文で何と読んでいるかを確認することです。
漢文でひらがなに直す漢字の基本ルール

漢文を訓読して書き下し文にするときは、送りがなをひらがなで書き、意味を表す語は漢字のまま残すのが基本です。ただし、原文では漢字であっても、書き下し文ではひらがなに直すものがあります。
ここでは、どのような場合にひらがなへ直すのか、基本ルールを確認していきましょう。
日本語の助詞・助動詞として読む漢字はひらがなに直す
助詞・助動詞は、ほかの語に付いて、文法的な関係や意味を加える語です。助詞には活用がなく、助動詞には活用があるという違いがあります。
漢文では、日本語で助詞や助動詞にあたる部分が漢字で表されていることがあります。その漢字を助詞・助動詞として読む場合は、書き下し文ではひらがなに直します。
たとえば「不」を打ち消しの「ず」と読む場合、「不」という漢字をそのまま残すわけではありません。
助詞・助動詞として読む漢字は、書き下し文ではひらがなにするのが基本です。
ただし、同じ漢字がいつも同じ役割をするとは限りません。そのため、漢字の形だけを見て判断しないことが大切です。
同じ漢字でも読み方・役割によってひらがなに直す場合がある
漢文で特に注意したいのが、同じ漢字でも、文中での読み方や役割によって書き方が変わる点です。
たとえば「之」は、助詞として「の」と読む場合があります。この場合、書き下し文では「之」を残さず、「の」とひらがなにします。
一方、「之」を「これ」と読む場合や、「ゆく」と読む場合もあります。この場合は助詞ではないため、漢字を残して書き下します。
「之」の代表的な使い方を整理すると、次のとおりです。
| 読み方 | 文中での役割 | 書き下し文での書き方 |
|---|---|---|
| の | 助詞 | ひらがなにする |
| これ | 代名詞 | 漢字を残す |
| ゆく | 動詞 | 漢字を残す |
表からわかるように、「之を見つけたらひらがな」と判断するのではありません。文章の中で何と読んでいるのかを確認してから、書き方を決めます。
「若」も、読み方によって書き方が変わります。代表的な違いは次のとおりです。
- 「若(ごとし)」→助動詞として読むため、ひらがなにする
- 「若(もし)」→仮定を表す副詞として読むため、漢字を残す
- 「若(なんぢ)」→代名詞として読むため、漢字を残す
同じ「若」でも、「何と読んでいるか」によって、ひらがなにするかどうかが変わります。
一覧表にある漢字を見つけたからといって、すぐにひらがなへ直すのではありません。「この文では何と読み、どのような役割をしているか」を確認しましょう。
再読文字で、二度目に読む部分の漢字はひらがなに直す
再読文字とは、訓読するときに一つの漢字を二度読む文字です。書き下し文では、一度目と二度目で書き方が異なる点に注意しましょう。
再読文字の読み方と書き方は、次のように整理できます。
| 読む回数 | 読み方 | 文中での働き | 書き方 |
|---|---|---|---|
| 一度目 | 先に読む | 副詞的に使う | 漢字かな交じり |
| 二度目 | 返って読む | 助動詞・動詞などとして使う | ひらがな |
たとえば「未」は「未だ〜ず」と読みます。一度目の「未だ」は漢字を残しますが、二度目に読む「ず」はひらがなです。
「将」なら「将に〜んとす」、「当」なら「当に〜べし」のように読みます。一度目の読みでは漢字を残し、二度目に読む部分をひらがなで表します。
再読文字では、一度目は漢字を残し、二度目に読む部分をひらがなで書くのがポイントです。
一つの漢字を、書き下し文の中で二回そのまま書くわけではありません。「未だ〜ず」のように、二度目の読みをひらがなで補うと考えましょう。
意味を表す語は漢字を残すのが基本
書き下し文では、文の内容を直接表す語は漢字のまま書くのが基本です。名詞・動詞・形容詞などがこれにあたります。
たとえば、「父」「母」「子」「愛する」といった語は、文の意味そのものを表します。一方、「の」「ず」「なり」などは、ほかの語との関係を示したり、意味を補ったりする語です。
意味の中心になる語は漢字、助詞・助動詞のような文法的な語はひらがな、と考えると整理しやすくなります。
ただし、実際の問題では漢字だけを見て役割を判断できないことがあります。その場合は、読み方や文全体の意味まで確認しましょう。
漢字そのものではなく「読み方と役割」で覚える
「ひらがなに直す漢字を全部覚えなければ」と考えると、暗記する量が多く感じるかもしれません。しかし、漢字を一字ずつ丸暗記する必要はありません。
たとえば「之=ひらがな」と覚えてしまうと、「之」を「これ」と読む文章で迷ってしまいます。「之を『の』と読むときは助詞だからひらがな」と覚えれば、別の使われ方にも対応できます。
漢字ではなく、「何と読むか」「どんな役割か」をセットで覚えるのがポイントです。
再読文字は、「将・且」「当・応」「猶・由」のように、同じ読み方をするものをまとめると覚えやすくなります。問題を解くたびに役割まで確認すると、初めて見る文章でも判断しやすくなるでしょう。
ひらがなに直す漢字かどうか、判断に迷わない2ステップ

基本ルールを覚えていても、実際の問題では「今回は漢字のまま?それともひらがな?」と迷うことがあります。その場合は、最初から品詞を当てようとせず、まず読み方を確認してから役割を判断しましょう。
ここでは、判断するときの流れを2ステップで整理します。
ステップ1:送りがな・返り点から読み方を確認する
最初に、その漢字を文中で何と読むのかを確認します。同じ漢字でも複数の読み方があるため、「この漢字を見つけたから、この読み方」と決めつけないことが大切です。
まず送りがなを確認し、漢字をどのように読むのか考えます。返り点が付いている場合は、どの順番で読むのかも確認しましょう。
ここで注意したいのは、返り点そのものが「ひらがなに直す」という印ではないことです。返り点は、日本語の語順に直して読む順番を示しています。
返り点の有無だけで判断せず、まず「この漢字を何と読むのか」を確認しましょう。
読み方が決まったら、次にその語が文の中でどのような働きをしているのかを考えます。
ステップ2:日本語にしたときの役割と文意を考える
読み方を確認できたら、その語が日本語の中でどのような役割をしているか判断します。
ひらがなに直すか判断するときの目安は、次のとおりです。
| 日本語にしたときの役割 | 例 | 書き方 |
|---|---|---|
| 文の意味を直接表す | 名詞・動詞・形容詞など | 漢字を残す |
| 文法的な関係や意味を加える | 助詞・助動詞 | ひらがなにする |
| 再読文字の一度目の読み | 未だ・将になど | 漢字かな交じり |
| 再読文字の二度目の読み | ず・べし・んとすなど | ひらがなにする |
| その文で訓読しない | 置き字 | 書き下し文に書かない |
表からわかるように、「どの漢字か」だけではなく、日本語にしたときの役割を見る必要があります。助詞・助動詞ならひらがなにし、名詞や動詞などであれば基本的には漢字を残します。
また、同じ漢字でも文脈によって読み方が変わる場合があります。「之」を見つけただけでは、「の」「これ」「ゆく」のどれなのか決められないこともあるため、前後の文意まで確認しましょう。
「読み方を確認する→文中での役割を判断する」という順番で考えることが、見分け方の基本です。
迷ったときは「日本語として自然な書き方か」も確認する
読み方や品詞で迷ったときは、書き下した文章を一度読んでみるのも方法の一つです。漢字をそのまま残すと明らかに不自然になる場合は、助詞や助動詞として読んでいないか確認してみましょう。
ただし、「日本語として自然に感じるか」だけで正解を決めるのは避けてください。漢文では現代語とは異なる言葉遣いや文法も使われます。
自然な日本語になっているかは補助的に確認し、最終的には読み方と役割で判断しましょう。
迷った場合は、送りがなや返り点を確認し、どのように読むかを決めたうえで、助詞・助動詞などにあたるかを考えるのが基本です。
これは減点!ひらがなに直す漢字でよくある間違い3選

ひらがなに直す漢字のルールを理解していても、実際に書き下し文を書くと間違えてしまうことがあります。ここでは、テストで特に注意したい3つのパターンを確認しましょう。
すべてひらがなにしてしまう
よくある間違いの一つが、書き下し文をすべてひらがなで書いてしまうことです。書き下し文は、漢文を単純にひらがなへ置き換えた文章ではありません。
名詞や動詞など、文の意味を表す語は基本的に漢字を残します。一方、助詞や助動詞などはひらがなで書きます。
書き下し文は「すべてひらがな」ではなく、漢字かな交じりで書くものです。
問題を解き終えたら、必要な漢字までひらがなにしていないか確認しましょう。
助詞になる漢字を漢字のまま残す
もう一つ多いのが、助詞として使われている漢字を、そのまま書いてしまう間違いです。
たとえば「之」を「の」と読む場合、原文に「之」と書いてあるからといって、書き下し文でも「之」とは書きません。助詞として読んでいるため、「の」とひらがなにします。
原文が漢字だからといって、書き下し文にも同じ漢字を残すとは限りません。
答え合わせをするときは、正解だけを見るのではなく、「どの漢字をひらがなに直したか」まで確認してください。
代表的な間違い方を整理すると、次のとおりです。
| 漢字 | 誤った考え方 | 正しい考え方 |
|---|---|---|
| 之 | 原文にあるので「之」を残す | 「の」と読む助詞ならひらがな |
| 不 | 原文にあるので「不」を残す | 打ち消しの「ず」ならひらがな |
| 也 | 原文にあるので必ず「也」を残す | 「なり」と読むならひらがな。読まない場合もある |
表のように、漢字の形ではなく、日本語での読み方と役割を見ることが重要です。間違えた問題では、「なぜひらがなにするのか」まで確認すると、同じミスを防ぎやすくなります。
置き字を書き下し文に入れてしまう
ひらがなに直す漢字と混同しやすいものに、置き字があります。置き字とは、漢文中にあっても、その文では訓読せず、書き下し文にも書かない文字です。
注意したいのは、同じ漢字でも、文中で読む場合と置き字として読まない場合があることです。
たとえば「乎」は、文末などで「や」「か」と読む場合があります。一方、文中では置き字として読まない場合もあります。また、「也」も文によっては「なり」などと読む場合と、読まない場合があります。
そのため、早見表に「乎」「也」があることと、置き字として省くことは矛盾しません。どちらになるかは、その文での使われ方を見て判断します。
「乎だからひらがな」「乎だから置き字」と漢字だけで決めず、その文で実際に読むかどうかを確認しましょう。
置き字の種類や見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。
ひらがなに直す漢字を判断しよう【練習編】

ここからは、実際の漢文を使って、どの漢字をひらがなに直すのか練習してみましょう。書き下し文を作るだけではなく、「なぜひらがなにするのか」まで考えてみてください。
問題は次の2問です。
問題①(基本)父母之愛子
問題②(再読文字)我未嘗敗北

問題①では「之」が、この文でどのような役割をしているか考えます。問題②では、再読文字を一度目と二度目でどのように書き分けるかがポイントです。
答えを見る前に、「読み方→役割」の順番で考えてみましょう。
ひらがなに直す漢字を判断しよう【解説編】

ここでは、練習問題の答えだけではなく、なぜひらがなに直すのかまで解説します。自分の答えと比べながら、判断方法そのものが合っていたか確認してください。
問題①父母之愛子
書き下し文は「父母の子を愛する」です。
この文でひらがなに直すのは「之」です。「之」はここでは「の」と読み、主格を表す助詞として使われています。「父母の子を愛する」は、「父母が子を愛する」と言い換えられます。
一方、「父母」「子」「愛する」は文の内容を直接表す語なので、漢字を残します。
「之だからひらがな」ではなく、主格の助詞「の」として読むからひらがなにすると考えるのがポイントです。
なお、「父母之愛」であれば「父母の愛」となり、この「之」は「父母」が「愛」を修飾する連体修飾の「の」です。同じ「之=の」でも、文の中での働きが異なります。
このように、「の」という読み方だけでなく、前後の語との関係まで確認すると文章の意味もつかみやすくなります。
問題②我未嘗敗北
書き下し文は「我未だ嘗て敗北せず。」です。
「未」は、一つの漢字を二度読む再読文字です。一度目は「いまだ」と読み、「未だ」と漢字かな交じりで書きます。二度目は打ち消しの「ず」と読むため、ひらがなにします。
再読文字は、一度目の読みでは漢字を残し、二度目に読む部分をひらがなで書きます。
注意したいのは、「未」という漢字を二回書くわけではないことです。「未だ」と漢字を残し、返って読む部分を「ず」と表します。
同じように、「将」は「将に〜んとす」と読みます。一度目は「将に」と書き、二度目に読む「んとす」の部分をひらがなで表すと覚えておきましょう。
まとめ 漢文でひらがなに直す漢字は「役割」で判断する

漢文でひらがなに直す漢字を判断するときは、「この漢字だからひらがな」と丸暗記するのではなく、その文での読み方と役割を見ることが大切です。同じ「之」「若」「乎」などでも、読み方や使われ方によって書き下し方は変わります。
問題を解くときは、まず送りがなや返り点を手掛かりに読み方を確認し、その語が助詞・助動詞にあたるか考えてください。再読文字なら、一度目と二度目の読みを分けて考えましょう。
間違えた問題では、正解を書き写すだけでなく、「なぜひらがなになるのか」を自分で説明してみると定着しやすくなります。書き下し文の語順や返り点そのものに迷う場合は、ひらがなに直すルールだけでなく、書き下し文の基本から復習してみましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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