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算数と数学の違いとは?計算が得意な子ほど戸惑う中1の壁の正体と対策

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小学校のテストで90点以上を取り続けてきた子どもが、中学に入って思うように点数が取れなくなるケースがあります。

算数と数学は、名前が似ているだけの別教科です。 算数で求められるのは正確な計算力ですが、数学で問われるのは「なぜそうなるのか」を説明する論理的思考力です。小学校で身につけた勉強法だけでは、中学で苦戦する可能性があります。

かつて自分も数学で苦労した経験があれば、子どもに同じ思いをさせたくないと感じるのは当然でしょう。

本記事では、4,500人以上の子どもを指導してきた教育評論家・石田勝紀さんの知見をもとに、算数と数学の本質的な違いと、中学入学前に保護者ができる具体的なサポート方法を解説します。

石田勝紀(いしだかつのり)

監修者

石田勝紀(いしだかつのり)

都留文科大学国際教育学科元特任教授。20歳で起業し学習塾を創業。34歳で、都内私立中高一貫校の常務理事として学校改革を実践。現在は全国でカフェスタイル勉強会「Mama Café」を年間130回以上主催するなど、親向けの活動多数。『東洋経済オンライン』の連載は累計1.3億PV超。『音声配信Voicy』フォロワー2.3万人で子育て部門ランキング2年連続第1位。著書は「子どもを育てる7つの原則」など国内外46冊出版。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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目次

算数と数学の違いは「目的」と「考え方」にある

算数と数学の違いは「目的」と「考え方」にある

まずは算数と数学で何がどう変わるのか、具体的な違いを見ていきましょう。

算数は正解への最短ルート、数学はなぜそうなるかの探究

算数と数学の違いは、料理に例えると明確になります。

算数=レシピどおりにおいしく作ること

決められた手順(公式)どおりに、材料(数字)を調理し、正しい完成品(答え)を作ることがゴールです。正確さとスピードが重視されます。

数学=なぜこのレシピでおいしくなるのかを解明すること

なぜここで火を弱めるのか、塩の代わりに味噌を使うとどうなるか、といった原理原則(定義・定理)を理解し、未知の食材(未知数xなど)が来ても対応できるようにするプロセスです。

算数では答えが合っているかがすべてでしたが、数学では答えに至るまでのプロセスを論理的に説明できるかが評価されます。答えが合っていても、途中の考え方が論理的でなければ丸はもらえません。

近年の中学受験では思考力を問う問題が増えているため、受験を経験した子どもはこの変化に比較的対応しやすい傾向があります。一方で受験を経験していない子どもにとっては、新しい考え方に慣れるまで時間がかかることもあるでしょう。

数学では答えが合っていても減点されることがある

小学校のテストでは、答えが合っていれば丸がもらえました。しかし中学では、答えが正解でも減点されることがあります。

算数が見ているのは結果、つまり最終的な答えです。

一方で数学が見ているのは過程、つまり答えにたどり着くまでの論理の流れです。中学の先生は答案用紙を通じて、どんな手順で考え、なぜその式を立てたのかという思考の過程を確認しています。

算数が得意だった子どもは、この変化に気づきにくいことがあります。頭の中で素早く計算し、答えだけを書くやり方で高得点を取ってきた成功体験があるためです。

そのやり方のまま中学最初のテストに臨むと、答えは合っているのに減点という結果になり、戸惑うことがあるかもしれません。

どうやって解いたかを言葉や式で説明する練習を、今から始めておくと安心です。

目に見えるものから、見えない概念へ……中学数学の大きな変化

小学校の算数では、リンゴ3個やお菓子5袋のように、目で見てイメージできるものを扱ってきました。ところが中学では、目に見えない抽象的な概念を扱う場面が増えていきます。

「それって結局どういうこと?」と疑問を抱える子どもも少なくありません。かつて数学が苦手だった保護者も、この段階でつまずいた経験があるのではないでしょうか。

中学数学で問われるのは、計算が速いかどうかではなく、目に見えない概念を頭の中で操作できるかどうかです。

この力は一朝一夕では身につかないため、小学生のうちから「なぜそうなるのか」を考える習慣をつけておくことが役立ちます。

小6から始める中学数学の準備!早めのスタートが安心につながる理由

小6から始める中学準備!早めのスタートが安心につながる理由

中学入学後に慌てて対策を始めても、思うようにいかないケースは少なくありません。なぜ小6の今が重要なのか、その理由を解説します。

中学受験を経験した同級生と差がつきやすいから

中学入学後に対策を始めればいい。そう考える保護者は少なくありません。しかし、4月以降は思うように時間が取れないこともあります。

中学生活が始まると、子どもは部活動、新しい人間関係、複数教科の予習復習に追われます。だからこそ、比較的余裕のある小6の冬は準備を進めやすい時期といえるでしょう。

また中1の1学期で学ぶ内容は、その後の学習の土台となります。ここでつまずきを感じると、2学期以降の内容が理解しにくくなることがあるため、早めに備えておくと安心です。

公立中学なら受験組と比較されない、という考えにも注意が必要です。塾選ジャーナルのアンケートによると、受験率の高い地域では公立中学に通う子どもの約半数が中学受験に向けた勉強を経験していました。

近年の中学受験では思考力を問う問題が増えており、受験経験者は論理的に考える練習を積んでいます。最初の定期テストで周囲との違いを感じることがあるかもしれません。

中学最初のテストで思うような結果が出ないと、数学に苦手意識を持ちやすくなる傾向も見られます。そうした状況を防ぐためにも、小6のうちから少しずつ準備を始めておくとよいでしょう。

算数が得意だった子どもほど挫折感を抱きやすいから

算数でよい成績を取り続けてきた子どもほど、中学で初めてうまくいかない経験をしたときに戸惑いやすい傾向があります。

自分は算数ができるという自信を持ってきた子どもは、うまくいかなかった原因を努力不足ではなく、才能の限界と捉えてしまうことがあります。自分には数学の才能がなかったのかもしれないと感じ、前向きに取り組む気持ちが薄れてしまうこともあるでしょう。

また周囲の目を気にして「わからない」と言いにくくなるケースも見られます。わからないまま授業が進むと、理解が追いつかない範囲が広がっていく可能性があります。

以下のような変化が見られたら、子どもが困っているサインかもしれません。

  • テストの答案を見せなくなった
  • 宿題の答えを丸写しするようになった
  • 数学の話題になると黙り込む、または話を逸らす

こうしたサインに気づいたとき、問い詰めるのは逆効果です。子どもが気持ちを話しやすい雰囲気をつくってあげることが大切です。

中1の1学期でつまずくとその後に影響が出やすいから

数学は積み上げ型の教科であり、前の単元の理解が次の単元の土台となります。特に中1の1学期で習う内容は、その後に学ぶ単元につながる基礎的な考え方を多く含んでいるのが特徴です。

この時期に苦手意識を持ったまま進むと、2学期以降の授業で戸惑う場面が増えることがあります。後から基礎に戻って学び直すことは可能ですが、中学生活が始まってからでは時間の確保が難しくなることもあるでしょう。

中学入学後は、部活動や新しい人間関係など、勉強以外にも多くのエネルギーを使います。

だからこそ、小6のうちに少しずつ準備を進めておくと、中学生活をスムーズにスタートしやすくなります。次の章では、保護者として具体的にどのようなサポートができるかを解説していきます。

中学数学で求められる「自分で考える力」を育てる5つのコツ

中学数学で求められる「自分で考える力」を育てる5つのコツ

中学生になると、保護者が手取り足取り教えるやり方は通用しにくくなります。子ども自身が考え、行動できる力を育てるための関わり方を紹介します。

①「教える」をやめて「問いかける」に変える

子どもが問題につまずいたとき、つい答えや解き方を教えたくなるのは自然な感情です。特に自分も数学で苦労した経験があれば、同じ思いをさせたくないという気持ちから、先回りして教えてしまうこともあるでしょう。

しかし、保護者が教えれば教えるほど、子どもが自分で考える機会は減っていきます。効果的なのは、教えるのではなく問いかけることです。以下のような声かけを試してみてください。

「どこまでわかった?」

「この問題、何を聞かれてると思う?」

最初はうまく答えられなくてもかまいません。考える習慣をつけること自体に意味があります。こうした問いかけを続けるうちに、子どもは自分の考えを言葉にできるようになっていくでしょう。

数学のテストでは途中式や説明を通じて、なぜその答えになるのかを示す必要があります。普段から考えを言語化する練習をしておくことが、中学数学への準備として役立ちます。

②正解だけでなく、挑戦したことを認める

テストや宿題の結果を見るとき、つい点数や正解・不正解に目が行きがちです。しかし、できた・できないだけで評価し続けると、子どもは間違えることを恐れるようになることがあります。

大切なのは、難しい問題に手をつけた、わからないなりに考えてみたという姿勢そのものを認めることです。

数学は過程を重視する教科なので、答えが間違っていても途中の考え方が合っていれば部分点がもらえることもあります。挑戦して間違えることは、決して無駄ではありません。

また計算ミスをケアレスミスという言葉で片付けないことも重要です。この言葉は便利ですが、子どもが深く振り返る機会を奪ってしまうことがあります。本当は注意力の問題ではなく、計算の手順や考え方に理解不足があるのかもしれません。

大切なのは、ケアレスミスかどうかではなく、内容を理解できているかどうかです。ケアレスミスは試験本番での見直し方で解決できるため、問題の本質ではありません。

ケアレスミスなのか、それとも理解ができていないのか、分類していくことが大切です。それぞれ対策が異なります。保護者が一緒に取り組んでもかまいませんが、感情的になりやすい面もあるため、客観的かつ冷静に、成長を促すスタンスで対応することが求められます。

③「わからない」を歓迎する空気をつくる

算数が得意だった子どもほど、「わからない」と言うことに抵抗を感じやすい傾向があります。これまでできる子として見られてきた分、わからないと認めることが自分の価値を下げるように感じてしまうのかもしれません。

しかし、わからないことを隠したまま授業が進むと、理解できていない範囲が広がっていく可能性があります。早い段階で「わからない」と言えるかどうかが、その後の学習に影響することも少なくありません。

保護者にできるのは、わからないことは恥ずかしくないと伝え続けることです。

「わからない問題が一つできるようになったら、その瞬間一つ頭がよくなっていくんだよね」

「できない問題があればあるほど、成長率が高くなるよね」

などと声をかけることで、子どもは安心して助けを求められるようになります。

わからないまま放置することが本当の問題であり、わからないと気づいて声を上げられることは成長への第一歩といえます。

④勉強の前に、生活の土台を整える

中学生活は小学校に比べて格段に忙しくなります。部活動、友人関係、定期テストと、子どもにかかる負荷は一気に増えるでしょう。

この忙しさを前に、勉強時間を確保するために睡眠を削ろうとする家庭は少なくありません。しかし、睡眠不足の状態では集中力が低下しやすく、かえって効率が落ちることがあります。

数学で求められる論理的な思考は、脳に負荷がかかる作業です。疲れた頭で2時間勉強するより、しっかり眠った頭で1時間集中するほうが、理解のスピードも定着率も高まりやすいでしょう。

小6のうちから意識したいのは、決まった時間に寝る、朝ごはんをしっかり食べるといった基本的な生活習慣です。特別なことをする必要はありません。当たり前の習慣を当たり前に続けられることが、中学での学習を支える土台となるでしょう。

勉強の中身を心配する前に、まずは生活リズムを見直してみてください。

⑤「伴走者」に徹し、必要なら専門家を頼る

中学生の数学を保護者が直接教えようとすると、思わぬ問題が起きることがあります。

保護者世代が学んだ算数・数学と、今の子どもが学ぶ内容は、同じように見えて教え方や考え方が異なる部分があります。昔のやり方で教えると、かえって混乱を招くこともあるでしょう。

さらに難しいのは、親子という関係性です。「なんでこれがわからないの」という言葉がつい出てしまう。子どもも素直に聞けず、反発してしまう。数学の1問を解かせるために、親子関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。

保護者の役割は先生ではなく、伴走者です。教えることよりも、子どもが安心して学べる環境を整えることに力を注いでみてください。

もし子どもが宿題を隠すようになった、テスト結果を見せたがらないといったサインが見られたら、塾や家庭教師など第三者の力を借りることを検討してもよいでしょう。塾への丸投げではなく、専門家の知見を借りるという意識が大切です。

保護者は伴走者として子どもの変化を見守り、必要なときに適切なサポートにつなげること。それが効果的な関わり方といえるでしょう。

数学で伸びる子を育てるために避けたいNG対応と効果的な声かけ

よかれと思ってやっていることが、実は逆効果になっていることもあります。避けるべき対応と、今日から使える声かけを紹介します。

子どものやる気を奪う3つのNG対応

子どものやる気を奪う3つのNG対応

保護者の何気ない言動が、子どもの学習意欲を下げてしまうことがあります。特に、算数が得意だった保護者ほど陥りやすい傾向があるため注意が必要です。

①自分のやり方を押し付けること

「自分が学生だった頃はこうやって解いた」と教えたくなる気持ちはわかりますが、昔の算数と今の数学では、求められる思考プロセスが異なる部分があります。保護者のやり方が子どもを混乱させ、かえって理解しにくくなることもあるでしょう。

②こんな簡単な問題もわからないの?と言ってしまうこと

この言葉は、算数基準の押し付けになりかねません。保護者にとっては簡単に見えても、子どもは数学という新しいルールの中で格闘しています。「正解できて当たり前」という空気は、子どもの挑戦する意欲を低下させてしまうことがあります。

③感情的になって教えること

イライラした態度で教えると、子どもは萎縮してしまい、落ち着いて考えることが難しくなります。冷静でいられないと感じたら、その場を離れる勇気も必要です。

今日からできる声かけと具体的なサポート

今日からできる声かけと具体的なサポート

声かけ一つで、子どもの学習への姿勢は変わることがあります。ポイントは、正解を教える先生ではなく、一緒に考えるガイドになることです。場面別に使える声かけや保護者にできることを紹介します。

【場面1】子どもがつまずいているとき

答えではなく、現在地を確認していきます。子どもが鉛筆を止めているとき、親はつい「ここを計算して…」と誘導したくなりますが、グッとこらえてください。まずは、子どもが「どこまでわかっていて、どこからわからないのか」を言語化させることが大切です。

【効果的な声かけ】

「今、わかっていることを、ママ(パパ)にもわかるように説明してくれる?」
「この問題、要するに何を求めている問題なのかな?」
「この言葉(用語)の意味、もう一度確認してみようか」

【場面2】間違えてしまったとき

「ダメ出し」ではなく「宝探し」をしてください。数学において、間違いは「失敗」ではなく「思考のバグ(修正点)が見つかった成功」です。バツがついたときこそ、思考力を伸ばす最大のチャンスです。

【効果的な声かけ】

「おっ、ナイス失敗! どこで間違えたか発見できたらレベルアップだね」
「式は合ってるね。どの手順で『バグ』が起きたんだろう?」
「どこに間違いがあるか探してみよう!」

間違いが成長のための必須要素です。もし全部できていたら、それは時間の無駄だったということです。だから、どれだけ間違いがあったのか、それが伸びるための秘訣であることを、言葉かけで示唆していきます。

【場面3】難しい問題に取り組むとき

「解くこと」よりも「作戦会議」を楽しんでいきます。応用問題などの難問は、すぐに答えが出なくて当たり前です。すぐに正解を求めようとせず、試行錯誤する時間そのものを楽しむ姿勢を見せましょう。

【効果的な声かけ】

「これは手ごわいボスキャラだね。どうやって攻略する?」
「答えは出なくてもいいから、どうやって解くか『作戦』だけ立ててみよう」
「とりあえず図や表を書いて、目に見えるようにしてみようか」

難しい問題こそ、ゲーム感覚で取り組みます。特にゲーム用語を使うとよいでしょう。「わからなければ答えを見てもいいけれど、なぜその式になるのかを解読しよう」と提案するのも有効です。正解することよりも、「諦めずに考えたこと」や「図を書こうとした工夫」などのプロセスを評価します。

【場面4】子どもがわからないと言えたとき

「わからない」は、賢くなるためのスタートラインであることを親が認識しておきます。「わからない」と言えるのは、自分の理解度を客観的に把握できている証拠(メタ認知能力)です。これを叱ってしまうと、子どもはわかったフリをするようになります。

【効果的な声かけ】

「OK!どこまでわかった?」
「これは確かにわかりにくいね〜(とあえて言います)ママ(パパ)もわからないから、一緒に調べてみようか」

「わからない」と子どもが言ったとき、「ちゃんと考えなさい!」とは言いません。軽く「OK!」と対応します。このファースト・ステップが子どもの気持ちを軽くします。そのうえで、すべてを教えるのではなく、ヒントを出したり一緒に調べたりして、「わかった!」という感覚(アハ体験)を子ども自身がつかみ取れるようにサポートしてみてください。

算数と数学の違いに関するよくある質問

算数と数学の違いに関するよくある質問
保護者からよく寄せられる疑問について、Q&A形式で回答します。

算数が苦手だった子は、やっぱり数学も苦手になる?

いいえ、算数の成績と数学の得意・不得意は別の話です。

算数は計算力が重視される一方、数学は論理的に考える力が問われます。そのため算数が苦手だった子どもでも、数学で力が開花するケースは珍しくありません。

石田先生

これまで数多くの子どもたちを指導してきた経験から言えることは、小学校の算数が苦手であっても、数学で一気に挽回できる可能性は十分にあるということです。確かに論理的・抽象的な内容にはなりますが、中1の初めは比較的取り組みやすい単元から始まるため、得意科目にできるチャンスがあります。

逆に、算数が得意だった子どもが数学で苦労する場合もあるでしょう。小学校までの成績だけで、数学の向き不向きを判断する必要はありません。

保護者が数学を教えられないのですが、どうすれば?

教えられないことは、むしろメリットになり得ます。

保護者が教えられない状況は、子どもが自分で考えるチャンスです。答えを与えられないからこそ、自分で調べ、自分で解決する力が育ちます。

保護者の役割は教えることではなく、子どもが安心して学べる環境を整えることでしょう。わからない問題があれば一緒に調べたり、必要に応じて塾や家庭教師などプロの力を借りる判断をしたりすることが、保護者にできる大切なサポートです。

石田先生

本来は、親は先生ではないので、勉強を教えること自体、好ましいとは思えません。ですが、初めは多少のサポートが必要になることもあります。大切なことは、徐々に子どもが自分でできるように手放しいくことです。わからない問題には付箋を貼ることを教え、それを先生に聞くという仕組みをつくっていくなどしていきます。

中1最初のテストで失敗したら、もう手遅れ?

挽回は十分に可能です。しっかり対策すれば、立て直すことができます。

大切なのは、早い段階で子どものSOSを見逃さないことです。テスト結果を隠したがる、数学の話題を避けるといったサインが見られたら、早めに声をかけてみてください。

問い詰めるのではなく、「数学って急に難しくなるらしいね」と一般論として話題にするなど、子どもが気持ちを話しやすい雰囲気をつくることが先決です。

石田先生

いきなり数学を話題にするとこのように避ける傾向があるので、日頃から「雑談」の頻度を上げてください。するとその延長で子どもから、勉強の話や数学の話が必ず出てきます。出てきたら、アドバイスや評価はせず、ただ聞きます。そのうえで、「何かサポートできることがあったら言ってね」「一緒に見てみる?」など伝えてみてください。

中学入学前に、何か準備しておいた方がいい?

特定の単元を先取りするより、「なぜ?」を考える習慣を身につけておくことが効果的です。

数学で求められるのは、計算を速く解く力ではなく、論理的に考える力です。日常会話の中で「どうしてそう思う?」「ほかのやり方もありそう?」と問いかける機会を増やすだけでも、数学に必要な思考力の土台が育ちます。

難しい問題集に取り組むより、まずは考える習慣づくりから始めてみてください。

算数と数学の違いを理解し、小6のうちから中学準備を始めよう

Image Student

算数と数学の違いは、料理をレシピどおりに作ることと、なぜそのレシピどおりに作るとおいしいのか?というぐらい観点が異なります。答えを出すことよりも、なぜその答えになるのかを考える力が求められるようになります。

注意したいのは、算数が得意だった子どもほど、中学での変化に戸惑いやすい傾向があることです。小6の今から少しずつ準備を始めることで、中学生活をスムーズにスタートしやすくなるでしょう。

保護者ができる最大のサポートは、教えることではなく問いかけることです。子どもが自分で考え、自分で動ける力を育てる関わり方が、中学3年間の学習を支える土台となります。

まずは今日から、「どうしてそう思う?」と問いかけることから始めてみてください。中学入学後の学習サポートを検討している場合は、早めに情報収集を進めておくと安心です。

監修者プロフィール

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一般社団法人 教育デザインラボ代表理事
石田勝紀(いしだかつのり)

都留文科大学国際教育学科元特任教授。20歳で起業し学習塾を創業。34歳で、都内私立中高一貫校の常務理事として学校改革を実践。現在は全国でカフェスタイル勉強会「Mama Café」を年間130回以上主催するなど、親向けの活動多数。『東洋経済オンライン』の連載は累計1.3億PV超。『音声配信Voicy』フォロワー2.3万人で子育て部門ランキング2年連続第1位。著書は「子どもを育てる7つの原則」など国内外46冊出版。

執筆者プロフィール

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塾選ジャーナル編集部

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