チャレンジスクール受験のリアルを徹底分析!内申点の仕組みや落ちた時の行動も
子どもに不登校の経験があると、「高校に進学できるのか」「毎日通えるのか」「内申点が低くても受験できるのか」と不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。チャレンジスクールは、不登校経験や高校中退経験のある生徒が、自分のペースで高校生活に再チャレンジできる都立高校です。
ただし、通信制高校や一般的な定時制高校、エンカレッジスクールとの違いがわかりにくく、どの学校が子どもに合うのか迷うこともあるでしょう。過去の欠席日数や内申点だけで、進路をあきらめる必要はありません。
この記事では、チャレンジスクールの特徴や入試のしくみ、向いている子の特徴、東京都の学校一覧、保護者が確認しておきたいポイントまでわかりやすく解説します。チャレンジスクールが子どもにとって一つの選択肢になるかどうか、ぜひ確認してみてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
チャレンジスクールとは?

チャレンジスクールは、東京都が設置する都立高校の一種です。不登校経験や高校中退経験のある生徒が、自分の目標を見つけて高校生活に再チャレンジすることを目的とした学校で、通常の都立高校とは制度的な仕組みが大きく異なります。
ここでは、チャレンジスクールの基本的な概要と、混同されやすい他の学校との違いを整理します。
不登校経験や高校中退経験のある生徒が再チャレンジできる高校
チャレンジスクールは、小学校・中学校での不登校経験や、高校での中途退学経験により、これまで能力や適性を十分に発揮しきれなかった生徒を主な対象としています。過去に学校に通えなかった経験があっても、「これから高校生活に向き合いたい」という意欲があれば、受け入れてもらえる環境が整っています。
チャレンジスクールは、過去のつまずきではなく、これからの意欲を大切にする学校です。
ただし、「誰でも楽に卒業できる学校」ではありません。登校して授業に出席しながら単位を取得していく必要があり、高校生活に向き合う姿勢は求められます。不登校だったからこそ、自分のペースで学び直せる環境が用意されているという点が、チャレンジスクールの大きな特徴です。
昼夜間定時制・総合学科・単位制の高校
チャレンジスクールは、昼夜間定時制・総合学科・単位制という3つの制度的な特徴を持っています。「定時制」と聞くと夜間だけの学校をイメージしやすいですが、チャレンジスクールは午前部(Ⅰ部)・午後部(Ⅱ部)・夜間部(Ⅲ部)の三部制です。
入学時に自分のライフスタイルや生活リズムに合った時間帯を選んで通うことができます。
総合学科では、普通科目だけでなく、職業系を含むさまざまな専門科目も選択できます。単位制の仕組みにより、自分の興味や進路希望に合わせて科目を組み合わせやすいのが特徴です。
卒業に必要な単位を取得すれば、他の時間帯の授業を選択履修することで3年間での卒業も可能です。そのぶん履修計画をしっかり立てることが大切になります。
通信制高校・定時制高校・エンカレッジスクールとの違い
不登校経験のある子の進路を調べていると、チャレンジスクール以外にも通信制高校・定時制高校・エンカレッジスクールという選択肢が出てきます。それぞれの制度は異なるため、混同しないよう整理しておくことが大切です。
チャレンジスクール・通信制高校・定時制高校・エンカレッジスクールの比較
| チャレンジスクール | 通信制高校 | 一般的な定時制高校 | エンカレッジスクール | |
|---|---|---|---|---|
| 課程 | 定時制(昼夜間三部制) | 通信制 | 定時制(主に夜間) | 全日制 |
| 登校スタイル | 登校型(三部から選択) | 自宅学習中心・スクーリングあり | 登校型(主に夜間) | 毎日登校 |
| 学科 | 総合学科・単位制 | 学校による | 学校による | 普通科・専門学科 |
| 対象 | 不登校・高校中退経験者 | 幅広い | 幅広い | 小中で能力を発揮できなかった生徒 |
| 入試 | 作文・面接・志願申告書 | 学校による | 学校による | 学力検査なし・調査書あり(面接・小論文等) |
チャレンジスクールは「登校型でありながら、自分のペースに合わせやすい都立高校」という位置づけです。通信制高校は自宅学習が中心のため、登校の負担を最小限にしたい場合に向いています。エンカレッジスクールは全日制のため毎日通う必要がありますが、手厚いサポートが受けられます。
どの学校が合うかは、子どもの生活リズムや通学への不安の度合いによって異なります。
参考:チャレンジスクール・エンカレッジスクール|東京都立学校ポータルサイト
チャレンジスクールの主な特徴

チャレンジスクールは、不登校経験や高校中退経験のある生徒が通いやすいよう、入試・通学時間・学習・相談体制の面で通常の都立高校とは異なる仕組みが設けられています。「普通の高校とどう違うのか」を理解するうえで、この4つのポイントを押さえておくことが大切です。
学力検査や調査書よりも「意欲」を重視する入試
一般的な都立高校の入試では、学力検査の点数や中学校からの調査書(内申点)が重視されます。チャレンジスクールの入試では、学力検査や調査書は用いず、志願申告書・作文・面接によって選考が行われます。
評価の中心となるのは、学習への意欲や高校生活に向き合う姿勢です。
「勉強ができないから受けられない」ということではなく、「なぜチャレンジスクールで学びたいのか」「高校でどんなことに取り組みたいのか」を自分の言葉で伝えることが大切になります。入試の詳細な内容や準備については、後ほど詳しく解説します。
午前・午後・夜間から通う時間帯を選べる
チャレンジスクールは、午前部(Ⅰ部)・午後部(Ⅱ部)・夜間部(Ⅲ部)の三部制を採用しています。入学時に自分の生活リズムや通学事情に合わせて時間帯を選べるため、「朝からの登校が難しい」という子でも通いやすい環境が整っています。
不登校経験があり生活リズムが乱れている場合でも、午後部や夜間部を選ぶことで、無理なく通学を始められる可能性があります。
入学前に本人の生活リズムと照らし合わせて、無理のない時間帯を選べるかどうかを確認しておくことが大切です。
基礎・基本から学び直せる
不登校期間があると、中学校の学習に抜けや遅れが生じることがあります。チャレンジスクールでは基礎・基本を重視した学習が行われており、学び直しがしやすい環境が整っています。「中学校の勉強に自信がない」という状態からでも、落ち着いて学習に取り組めるよう配慮されています。
数学や英語については標準よりも授業時間を多く確保し、理解できるまで丁寧に指導する体制がとられています。
また、総合学科の特性として、基礎科目だけでなく生活・福祉・情報・ビジネス・芸術などの専門科目や選択科目も用意されています。興味や将来の進路に合わせた学びができる点も、チャレンジスクールならではの特徴です。
カウンセリングや教育相談など心のケアがある
チャレンジスクールでは、学習面のサポートだけでなく、生徒の心のケアにも力を入れています。スクールカウンセラーが配置されており、生徒本人だけでなく保護者も相談できる体制が整えられています。担任との定期的な面談や教育相談の機会も設けられており、困ったことが起きたときに声を上げやすい環境づくりが意識されています。
不登校経験のある生徒が安心して学校生活を続けられるよう、きめ細かい指導と相談体制が整っている点は、チャレンジスクールの大きな特徴の一つです。
なお、支援体制の充実度や具体的な内容は学校によって異なります。この点については、後ほど学校選びのポイントとあわせて詳しく解説します。
チャレンジスクールはどんな子に向いている?

チャレンジスクールは不登校経験や高校中退経験のある生徒を対象とした学校ですが、「不登校だった子なら全員向いている」とは一概に言えません。本人の気持ちや生活リズム、通学への負担感など、さまざまな要素を踏まえて考えることが大切です。
ここでは、チャレンジスクールが特に向いていると考えられる子の特徴を整理します。
小・中学校で不登校を経験した子
チャレンジスクールは、小学校や中学校で不登校を経験した生徒を中心的な対象としています。欠席日数が多かったり、学校生活に強い不安を感じていたりしても、「もう一度学校に通ってみたい」という気持ちがあれば、チャレンジスクールは有力な選択肢の一つになります。
不登校経験があること自体が入試で不利になるわけではなく、これからの意欲をどう伝えるかが大切です。
過去に学校に通えなかった期間があっても、高校進学の可能性は十分にあります。保護者が「不登校だったから進学は難しい」と先回りして諦める必要はありません。
高校生活にもう一度挑戦したい子
高校に入学したものの、さまざまな事情で中途退学した経験がある子や、転学を考えている子にとっても、チャレンジスクールは選択肢になり得ます。一度高校生活でつまずいたとしても、環境を変えることで学び直し、高校卒業を目指せる可能性があります。
チャレンジスクールは、進路の立て直しを図りたい子が再挑戦できる場として設けられています。
ただし、入学後に通い続けるためには、本人が「もう一度やってみたい」と思えているかどうかが重要です。保護者や周囲に背中を押されるだけでなく、本人自身の意思があることが、入学後の継続につながります。
朝から毎日通うことに不安がある子
生活リズムが乱れていたり、体調に波があったりして、朝からの登校に不安を感じている子にも、チャレンジスクールの三部制は助けになることがあります。午後部や夜間部を選ぶことで、朝の登校負担を軽減しながら通学を始められる可能性があります。
自分の体調や生活リズムに合った時間帯を選べることが、継続して通うための土台になります。
ただし、どの時間帯を選んでも登校が必要である点は変わりません。入学前に、本人が無理なく通い続けられる時間帯かどうかを家族でしっかり確認しておきましょう。
自分のペースで高校卒業を目指したい子
チャレンジスクールは単位制のため、決められたクラスで全員が同じペースで進む一般的な高校とは異なります。必要な単位を取得することで卒業できる仕組みなので、無理のない範囲で学びを積み重ねることができます。
卒業までの年数は3年間が基本ですが、履修状況によっては4年間かけて卒業することも可能です。「3年で卒業しなければ」とプレッシャーを感じる必要はなく、通い続けることを最優先に考える視点が大切です。
高校卒業資格を確実に手にするために、自分のペースで学べる環境かどうかを重視することが、チャレンジスクールを選ぶ一つの理由になります。
チャレンジスクールの入試は?

チャレンジスクールの入試は、一般的な都立高校とは大きく異なります。学力や内申点よりも、高校生活への意欲を重視した選考が行われるため、「勉強に自信がない」「内申点が低い」という家庭でも、正しく準備すれば十分に挑戦できます。ただし、選抜方法の詳細は年度や学校によって変わる可能性があるため、必ず各校の募集要項を確認するようにしてください。
入試は作文・面接・志願申告書の3つ
チャレンジスクールの入試では、学力検査や調査書(内申点)は使用しません。選考で用いられるのは、志願申告書・作文・面接の3つです。
志願申告書にはチャレンジスクールを志望する理由や、入学後に取り組みたいことを記入します。作文では与えられたテーマについて自分の考えを書き、面接では学校生活への意欲や将来の目標などを伝えます。
「うまく話せるか」よりも、自分の気持ちを整理して本人の言葉で伝えられるかどうかが大切です。
華やかな実績や特別な経験がなくても、「なぜこの学校で学びたいのか」を自分なりに考えて言葉にする準備が、入試対策の中心になります。
不登校期間や欠席日数が多くても受験できる?
チャレンジスクールは、不登校経験のある生徒を想定して設けられた学校です。そのため、中学校での欠席日数が多かったり、不登校期間が長かったりしても、それだけで受験が不利になるわけではありません。入試で調査書(内申点)が使われないことも、過去の欠席に不安を持つ家庭にとって大きなポイントです。
過去の欠席日数や不登校期間よりも、入学後にどう学校生活を送っていきたいかという気持ちが重視されます。
一方で、入学後に継続して通い続けるためには、生活リズムを整える準備や、学校に通う心の準備も必要です。受験前から少しずつ生活リズムを整えておくことが、入学後のスタートをスムーズにする助けになります。
受験前に保護者ができること
受験に向けて保護者ができる準備として、まず学校説明会や個別相談への参加が挙げられます。実際の学校の雰囲気や支援体制を確認できるだけでなく、子どもが「ここなら通えそう」と感じられるかを一緒に確かめる機会になります。
中学校の進路担当の先生にも早めに相談しておくと、受験に向けたアドバイスをもらいやすくなります。作文や面接の準備については、子どもに無理に前向きな言葉を言わせるのではなく、「高校でやってみたいこと」「どんな生活を送りたいか」を親子でゆっくり話し合いながら整理していくことが大切です。
保護者の役割は答えを与えることではなく、子ども自身が自分の言葉を見つけられるよう、そばで支えることです。
生活リズムの調整も受験前からできる準備の一つです。入学後に選んだ時間帯に無理なく通えるよう、少しずつ整えておくことを意識しておきましょう。
東京都のチャレンジスクール一覧

現在、東京都には7校のチャレンジスクールが設置されています。各校は都内各地に分布しており、通学しやすい立地の学校を選べる環境が整っています。子どもに合う学校を選ぶうえで、まずどの学校があるかを把握しておきましょう。
東京都のチャレンジスクール7校の概要
| 学校名 | 所在地 | 最寄り駅の目安 | 学べる科目の特色 |
|---|---|---|---|
| 六本木高等学校 | 港区 | 六本木駅・麻布十番駅(徒歩約10分) | 芸術・カルチャー、生活・ウェルネス、情報・サイエンス |
| 大江戸高等学校 | 江東区 | 住吉駅(東京メトロ半蔵門線・バス10分) | 伝統・文化、生活・福祉、情報・ビジネス |
| 世田谷泉高等学校 | 世田谷区 | 千歳烏山駅(バス利用) | 生活・福祉、製作・技術、創作・表現 |
| 稔ヶ丘高等学校 | 中野区 | 下井草駅(西武新宿線・徒歩約7分) | 情報・デザイン、ビジネス・コミュニケーション、人間・環境 |
| 桐ヶ丘高等学校 | 北区 | 赤羽駅(バス利用) | 福祉・教養、情報・ビジネス、アート・デザイン |
| 小台橋高等学校 | 足立区 | 西新井駅(バス利用) | 情報・ビジネス、アート・デザイン、人文・自然 |
| 立川緑高等学校 | 立川市 | 西国立駅(JR南武線・徒歩約12分)、立川駅(JR・徒歩約21分) | 生活・文化、アート・デザイン、人文・自然 |
各校で選べる科目の内容は異なります。たとえば、福祉・介護系の科目が充実している学校もあれば、情報・ビジネス系や芸術・デザイン系に力を入れている学校もあります。子どもの興味や通学しやすい立地と照らし合わせながら、候補校を絞っていくとよいでしょう。
学校の雰囲気や実際のサポート体制は、公式サイトだけではわかりにくい部分もあります。
なお、学校数や募集内容は年度によって変わる可能性があります。最新情報は東京都立学校ポータルサイトでご確認ください。
参考:チャレンジスクール・エンカレッジスクール|東京都立学校ポータルサイト
チャレンジスクールのメリット

チャレンジスクールには、不登校経験のある子やその保護者にとって、通いやすさや安心感につながるいくつかの利点があります。制度の仕組みが、実際にどのような形で子どもの生活に役立つのかを整理します。
過去の不登校や中退だけで判断されにくい
一般的な高校入試では、内申点や学力検査の結果が合否に大きく影響します。チャレンジスクールでは調査書や学力検査を用いないため、欠席日数が多かった子や高校を中途退学した経験がある子でも、過去の記録だけで進路の可能性を狭められることがありません。
「これから頑張りたい」という意欲や目標を自分の言葉で伝えることが、入試での評価につながります。
保護者にとっても、子どもの過去だけで進路をあきらめなくてよいという点は、大きな安心材料になるでしょう。
自分の生活リズムに合わせて通いやすい
朝からの登校が難しい子にとって、午前部・午後部・夜間部の三部制は大きな利点になります。無理に朝起きて登校するのではなく、今の体調や生活リズムに合った時間帯を選ぶことができるため、通学へのハードルが下がりやすくなります。
自分に合う時間帯を選べることが、登校を継続するための土台になります。
どの時間帯を選んでも通い続けることは必要ですが、そのぶん入学前に本人がその時間帯に無理なく通えるかどうかを、家族でしっかり確認しておくことが大切です。
基礎から学び直しやすい
不登校期間があると、学習に遅れや苦手意識が生じることがあります。チャレンジスクールでは基礎・基本を重視した授業が行われており、中学校の内容につまずきがある状態からでも、いきなり高い学力を求められにくい環境が整っています。「勉強についていけるか不安」という子でも、焦らず学び直しを進めやすいことはメリットの一つです。
また、総合学科として専門科目や選択科目も豊富に用意されています。学び直しと並行して、自分の興味や将来の目標を見つけやすい環境があることも、チャレンジスクールならではの利点です。
相談しながら学校生活を続けやすい
不登校経験のある子にとって、困ったときに相談できる大人がそばにいるかどうかは、学校生活を続けるうえで重要な要素です。チャレンジスクールにはスクールカウンセラーが配置されており、担任との面談や教育相談の機会も設けられています。学校生活の中で悩みや不安が生じたとき、一人で抱え込まずに相談できる体制が整っています。
保護者も相談できる窓口があるため、家庭だけで問題を抱え込まなくてよい点も心強いです。子どもが学校生活につまずいたとき、学校と家庭が連携しながらサポートできる環境があることは、長く通い続けるための大きな支えになります。
チャレンジスクールの注意点

チャレンジスクールを検討するうえで、事前に知っておきたい現実面を説明します。メリットだけでなく注意点も知っておくことで、入学前にミスマッチを防ぐことができます。
毎日の登校や出席は必要になる
チャレンジスクールは通信制高校とは異なり、登校を基本とする定時制高校です。継続して通い続けることが単位修得の前提となります。不登校経験がある子にとって、継続的に通う負担がある点は確認が必要です。
「今の体調や生活リズムで、継続して通い続けられるか」を入学前に現実的に考えておくことが大切です。
午後部や夜間部を選んでも、その時間帯に継続して通い続けることは求められます。また、通学時間が長い場合は体力的な負担になることもあるため、希望校までの通学ルートと所要時間も事前に確認しておきましょう。
自由度が高い分、履修管理が必要
単位制・選択科目の多さはチャレンジスクールの特長ですが、自分で科目を選んで履修登録をする必要があります。卒業に必要な単位数を計画的に取得していかないと、気づかないうちに卒業が遅れることもあります。
3年間での卒業を目指す場合は、他の時間帯の授業も選択履修していく必要があるため、生活面での負担も考慮が必要です。4年間かけて無理なく卒業を目指す選択肢もあります。
履修計画は担任の先生と相談しながら立てることができるため、一人で抱え込まず学校のサポートを活用することが大切です。
学校によって雰囲気やサポート体制が異なる
同じチャレンジスクールという名称でも、校風・授業の内容・相談体制・進路支援の充実度は学校ごとに異なります。学校名や立地だけで選んでしまうと、入学後に「思っていた雰囲気と違った」と感じることもあります。
本人が「ここなら通えそう」と感じられるかどうかは、実際に学校に足を運んでみないとわかりにくい部分です。学校説明会や個別相談に参加して、先生の雰囲気や在校生の様子を実際に確かめることが、学校選びのミスマッチを防ぐ有効な方法の一つです。
人気校は倍率が高くなることがある
チャレンジスクールは学力検査を用いない入試ですが、応募倍率が高い学校もあります。たとえば令和8年度入試では、立川緑高等学校が2.02倍、六本木高等学校が1.76倍と高倍率となった一方、桐ヶ丘高等学校は0.97倍、小台橋高等学校は0.80倍と学校間で大きな差が見られました。
倍率は年度によって変動するため、希望校だけに絞りすぎず、通学しやすさや校風・自分との相性も含めて複数校を検討しておくことが安心です。
最新の募集人数や倍率は年度ごとに変わるため、必ず東京都教育委員会の公式サイトで確認するようにしてください。
チャレンジスクールを検討するときに保護者が確認したいこと

チャレンジスクールへの進学を考えるとき、制度の内容を理解するだけでなく、「この学校がうちの子に合うか」を具体的に確認していくことが大切です。入学後に後悔しないために、保護者として確認しておきたい3つのポイントを整理します。
本人が「ここなら通えそう」と感じているか
チャレンジスクールへの進学は、保護者が「良さそうだから」と決めるのではなく、本人が「ここなら通えそう」と感じているかどうかが最も重要な判断材料です。不登校経験のある子にとって、先生や在校生の雰囲気、学校全体の空気感は、通い続けられるかどうかに直結します。
学校見学や説明会に参加した後は、「どう感じた?」と本人にゆっくり聞いてみてください。「なんとなく嫌だった」「思ったより雰囲気が良かった」といった感覚的な反応も、大切な判断材料になります。
保護者が良いと思った学校でも、本人が安心感を持てなければ意味がありません。無理に気持ちを前向きにさせようとせず、本人の感覚を丁寧に受け取ることを大切にしてください。
通学時間や時間帯に無理がないか
入学後に「通い続けること」を最優先に考えると、通学の負担は見落とせないポイントです。自宅から学校までの距離や所要時間だけでなく、乗り換えの回数や電車・バスの混雑具合、帰宅時間なども確認しておきましょう。
午前部・午後部・夜間部のどの時間帯が本人の生活リズムや体力面に合うかも、事前に十分話し合っておくことが大切です。夜間部を選んだ場合、帰宅が夜遅くなるため、体力的な負担や安全面も考慮が必要です。
「通学時間が長すぎる」「乗り換えが多くて疲れる」といった小さな負担が積み重なると、登校継続の妨げになることがあります。
実際に通学ルートを事前に試してみることをおすすめします。
学校説明会・個別相談で確認すべきこと
学校説明会や個別相談は、公式サイトだけではわからない情報を得られる貴重な機会です。できれば保護者だけでなく、本人も一緒に参加して、実際の雰囲気を確かめてみましょう。
学校説明会・個別相談で確認したいチェックリスト
| 確認カテゴリ | 確認したいこと |
|---|---|
| 学習面 | 授業の進め方・時間割の組み方・3年卒業と4年卒業の違い |
| 相談・支援体制 | スクールカウンセラーの勤務頻度・欠席時のフォロー方法・保護者への連絡体制 |
| 進路支援 | 進学・就職の実績・進路指導の内容 |
| 校風・生活面 | 校則の内容・制服の有無・生徒の雰囲気 |
| 入試準備 | 作文・面接の傾向・志願申告書の書き方 |
この表をもとに、気になる項目を事前にメモしておくと、説明会当日に聞きそびれることを防げます。
個別相談では、不登校経験があることや子どもの状況を率直に伝えることで、より具体的なアドバイスをもらえることがあります。
万が一、チャレンジスクールに不合格だった場合の進路・選択肢

チャレンジスクールの入試は意欲重視とはいえ、倍率が高い学校では不合格になるケースもあります。万が一の場合に備えて、次の選択肢を事前に把握しておくことが大切です。焦らず、子どもと一緒に次の道を整理していきましょう。
① チャレンジスクールの「二次募集」を狙う
チャレンジスクールでは、一次募集で定員に満たなかった場合に二次募集が行われることがあります。令和8年度入試では、桐ヶ丘高等学校と小台橋高等学校で二次募集が実施されました。
一次募集で不合格だった場合も、二次募集の情報をすぐに確認することが大切です。
二次募集の実施校や募集人数は年度によって異なります。東京都教育委員会の公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。
②【要注意】「私立なら内申は関係ない」の誤解と、オープン入試の選択肢
「私立高校なら内申点は関係ない」と思っている保護者も多いですが、これは正確ではありません。私立高校の多くは推薦入試や併願優遇制度で内申点を重視しており、内申点が低い場合は利用できないケースもあります。
ただし、私立高校の中には「オープン入試」と呼ばれる、内申点を使わず当日の学力試験のみで合否を決める入試方式を設けている学校もあります。チャレンジスクールと混同されやすい制度ですが、オープン入試は学力試験が課される点が大きく異なります。
「内申点が低いから私立に行けない」と決めつける前に、オープン入試の選択肢を調べてみることをおすすめします。
内申点と高校受験の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
③ 通信制高校や定時制高校、他県の類似校を検討する
チャレンジスクール以外にも、不登校経験のある生徒を受け入れている学校は複数あります。通信制高校は自宅学習が中心のため、登校の負担を最小限にしたい場合に向いています。都内の定時制高校も選択肢の一つです。
また、神奈川県のクリエイティブスクール・埼玉県のパレットスクール・千葉県の地域連携アクティブスクールなど、近隣都県にもチャレンジスクールに近い理念を持つ公立高校があります。都県をまたいだ通学が可能かどうかも含めて検討してみましょう。
一つの学校の不合格が、高校進学の終わりを意味するわけではありません。子どもに合った進路は、必ず別の形で見つかります。
チャレンジスクールに関するよくある質問

チャレンジスクールについて、保護者からよく寄せられる疑問をまとめました。本文で詳しく説明した内容については、ここで端的に回答します。
内申点が低くても受験できますか?
チャレンジスクールの入試では、調査書(内申点)や学力検査は使用しません。選考は志願申告書・作文・面接によって行われ、学習や学校生活への意欲が重視されます。そのため、内申点が低い場合や欠席日数が多い場合でも、受験することは可能です。
ただし「内申点を見ない=必ず合格できる」ということではありません。
作文や面接でどれだけ自分の言葉で意欲を伝えられるかが重要になります。選抜方法の詳細は年度によって変わる可能性があるため、最新の募集要項を必ず確認してください。
チャレンジスクールは何年で卒業できますか?
定時制課程のため、標準的な卒業年数は4年です。ただし、在籍する部以外の時間帯の授業(他部履修)を選択したり、学校外の学修の単位認定を活用したりすることで、3年間での卒業を目指すことも可能です。
3年卒業を目指す場合は、授業数が増えるぶん生活面の負担も大きくなります。「3年で卒業しなければ」とプレッシャーを感じる必要はなく、通い続けることを最優先に考える方が、結果として高校卒業への近道になることもあります。
担任の先生と相談しながら、子どもの状態に合ったペースで単位を積み上げていく方法を選んでください。
チャレンジスクールから大学進学や就職はできますか?
チャレンジスクールを卒業した後の進路は、大学・短大・専門学校への進学から就職まで幅広く、生徒によってさまざまです。東京都教育委員会の調査によると、令和3年3月卒業生では約33%が進学、約32%が専修学校等への入学、約7%が就職という結果が出ています。
総合学科として専門科目や選択科目が豊富なため、自分の興味や将来の目標に合わせた学びを積み重ねていくことができます。「どの大学に入れるか」よりも、本人の目標に合った科目選択ができているか、学校の進路指導がどのくらい充実しているかを確認することが大切です。
進路実績や支援内容は学校ごとに異なるため、志望校の説明会や個別相談で直接確認するようにしましょう。
参考:東京都立高等学校チャレンジスクール(文部科学省)
チャレンジスクールの費用はどのくらいかかりますか?
チャレンジスクールは定時制・単位制のため、授業料は履修した単位数に応じて決まる仕組みです(1単位あたり1,740円)。ただし、令和8年度の制度改正により高等学校等就学支援金制度の所得制限が撤廃され、全世帯を対象に授業料が実質無償となっています。
授業料以外にも、教材費・交通費・学校諸費などが別途かかるため、入学前に学校に確認しておくことをおすすめします。
支援制度の詳細や最新の情報は、東京都教育委員会の公式サイトでご確認ください。
東京都以外にもチャレンジスクールはありますか?
「チャレンジスクール」という名称は東京都が設けた制度の固有名称です。三部制・単位制・総合学科という仕組みを持つチャレンジスクールは、東京都立高校のみに設置されています。
ただし、東京都以外にも不登校経験者や学び直しを希望する生徒を対象とした、チャレンジスクールに近い理念を持つ公立高校は各都道府県に存在します。
東京都以外の類似制度一覧
| 都道府県 | 制度名 | 主な特徴 | 代表校例 |
|---|---|---|---|
| 神奈川県 | クリエイティブスクール・フレキシブルスクール | 学力試験なし・意欲重視の入試、少人数制、学び直しに対応 | 田奈高校、釜利谷高校、川崎高校、厚木清南高校 など |
| 埼玉県 | パレットスクール | 多部制・単位制・総合学科の定時制高校、不登校・中退経験者を積極受け入れ | 戸田翔陽高校、狭山緑陽高校、吹上秋桜高校 |
| 千葉県 | 地域連携アクティブスクール | 学び直しと実践的なキャリア教育、少人数・習熟度別授業 | 泉高校、天羽高校、船橋古和釜高校、流山北高校 など |
| 大阪府 | エンパワメントスクール・ステップスクール | 基礎学力の定着と体験的な学びを重視、生徒の力を引き出す指導 | 箕面東高校、長吉高校、成城高校、西成高校 など |
制度の名称や仕組みは都道府県によって異なるため、お住まいの地域の教育委員会に相談するか、各都道府県の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
まとめ チャレンジスクールは、一歩ずつ自分のペースで進める高校

チャレンジスクールは、不登校経験や高校中退経験のある生徒が、自分の目標を見つけて高校生活に再チャレンジできる東京都立高校です。学力検査や内申点に頼らない意欲重視の入試、午前・午後・夜間から選べる三部制、基礎からの学び直し、スクールカウンセラーによる心のケアなど、通い続けることを支える仕組みが整っています。
ただし、同じチャレンジスクールでも、学校ごとに校風・サポート体制・学べる科目の特色は異なります。公式サイトの情報だけで判断せず、学校説明会や個別相談に足を運び、本人が「ここなら通えそう」と感じられる学校を一緒に探していくことが大切です。
過去のつまずきがあっても、高校進学の可能性は十分にあります。大切なのは、子ども自身が「やってみたい」と思える学校に出会えるかどうかです。
保護者としてできることは、答えを決めることではなく、子どもが自分の言葉で気持ちを整理できるよう、そばで支え続けることです。まずは気になる学校の説明会に申し込むことを、最初の一歩にしてみてください。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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