英検利用で三輪田学園中学校へ合格!“苦手”よりも“好き”を生かす中学受験戦略|親たちの中学受験体験記Vol.33
算数を伸ばすより、英語を伸ばそう。娘の苦手をどう補うか悩んだ末、相沢さん(仮名)親子がたどり着いたのは、取得した英語の資格を入試の得点に換算する「英語資格入試」でした。
2科・4科で正面から戦うより、強みになりうる英語に賭ける。小5の秋に英検5級から始めた美結さんは、4級・3級と階段を上り、小6で準2級を取得。出願の時点で加点という“得点源”を確保しつつ、当日は国語と算数の試験に臨む準備を整えました。
英語資格入試にたどり着いた理由から、英検を軸にした家庭での役割分担、苦手な算数を割り切った戦略、そして本番の心境まで。母の由佳さんに、第一志望・三輪田学園中学校の合格をつかみ取れた要因を伺いました。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
目次
【保護者プロフィール】
| お名前 | 相沢 由佳(仮名) |
|---|---|
| お住まい | 神奈川県川崎市 |
| 年齢 | 46歳 |
| 職業 | 主婦 |
| 性格 | おっとりしている。真面目 |
| 家族構成 | 5人家族(父・母・長女・次女・長男) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
| 子どもの名前 | 相沢 美結(仮名) |
|---|---|
| 性別 | 女子 |
| 現在通っている学校名 | 三輪田学園中学校 |
| 現在の学年 | 中学1年生 |
| 受験当時に通っていた塾 | 臨海セレクト/家庭教師「合格王」 |
| 受験時にしていた習い事 | 英会話 |
| 得意科目 | 英語 |
| 苦手科目 | 算数 |
| 性格 | 内向的、人見知り、負けず嫌い |
| 偏差値 | 通塾開始時:34程度 受験直前期:52程度 |
| 英検資格について | 小5秋に5級から開始。 5級→4級→3級と進み、小6で準2級を取得 |
| 受験結果 | 三輪田学園(第一志望):合格 カリタス女子(第二志望):不合格 実践女子学園(第三志望):合格 神奈川学園(第四志望):合格 |
「周りが受けるから」を入り口に。勉強習慣づくりと、個別指導という選択

―まずは、中学受験を考えるようになったきっかけから教えてください。
結論から言うと、「周りが受けるから」という空気感からでした。
今住んでいる地域は中学受験の熱が高く、娘のクラスでも約半数が中学受験をします。4年生になると「塾に入り始めた」という話をよく聞くようになったんです。ただ、娘はそれまで勉強の習慣がほとんどなく、宿題をやって終わりというタイプの子。そこで「受験をするしないの前に、まずは勉強の習慣をつけよう」と考え始めました。
―受験すると決めたのは、どのような流れからでしたか?
最初から「受ける」と決めていたわけではありません。まずは勉強の習慣をつけ、受験向けの対策も少しずつ始めながら、小5・小6で本人に合う学校、本人が「行きたい」と思える学校が見つかれば受けよう、という温度感でした。
地域には1〜2年生から受験を決めて塾に通うご家庭もありましたが、うちは本人の様子を見ながら進めたかったんです。
―そこから、具体的にはどう動き始めたのでしょうか。
小4の春に、まず家庭教師を週1回お願いしました。普段の予習や復習を国語と算数中心に見ていただきました。苦手科目はこの頃から算数でしたね。その秋には「塾も並行したほうがいい」と考えて塾探しを始め、10月ごろから通い始めました。
―通われた塾・臨海セレクトは、どう選んだのですか?
決め手は、個別指導であることと通いやすさです。塾は学校終わりで夜遅くなるため、車で送迎しやすい近場を重視しました。
娘は引っ込み思案で、集団だと「みんな頑張っているなかで、自分はどうしよう」と落ち込むタイプ。それも踏まえて、きめ細かく見てもらえる個別を選びました。
体験授業では、学んだ内容を最後に復習プリントで確認してくれました。わからないことをゼロにしてから帰れる形で、「わからないまま持ち帰る」ことがない安心感が良かったです。
\中学受験のスタートと塾選びのポイント/

苦手な算数は伸ばさない。英検準2級を“得点源”に変えた英語資格入試という戦略

―志望校探しの中で、「英語資格入試」に注目したきっかけは?
一番の理由は苦手な算数でした。小5になった段階で社会と理科も受験レベルには届かず、国語と算数の2科目受検を想定していたので厳しい状況です。そんなとき、学校説明会で英語資格入試があることを知ったんです。
取得した英検級に応じて英語が加点され、当日は国語と算数だけを受ける。「この方式なら…」と感じて、私も夫も引かれました。
―英語資格入試とは、具体的にどういう仕組みなのでしょうか。
取得した級に応じて英語が「加点」として扱われます。入試当日に英語の試験はありません。多くの学校では当日に国語と算数を受け、高いほうの点数に英語の加点を合わせて2科目で合否を判定します。
学校によって、国語・算数の両方を受けるところ、どちらかを選べるところなどさまざまでした。出願時には英語の持ち点が決まっているので、当日は国語と算数に集中できる。そこが大きな魅力でしたね。
―ご家庭で「英語に賭けよう」と思えた決め手はありましたか?
英語力は中学入試で終わるものではありません。英検は大学入試でも利用できますし、英語そのものは一生使えるスキルです。そう考えて舵を切りました。
当時はまだ英検5級も持っていませんでしたが、娘に聞くと「チャレンジしてみる」と言ってくれたので、小5の秋に5級から受け始めました。
―英検の勉強は、専用の塾に通われたのですか?
英検対策の塾には通っていません。
5級を受けるころ、臨海セレクトの英語講座を少し受けてみました。ただ、文法中心で学校で習う英語に近い内容だったので、家で過去問をやるほうが合うと判断しました。
それ以降は家庭学習が中心です。家庭教師の先生が準1級をお持ちで英検にとても詳しかったので、英検対策はその先生にお願いしていました。
英検入試を考えていることも、塾には伝えていましたね。
―5級から準2級まで、どのように進め、どんな学習法が合格につながりましたか?
とにかく過去問です。夫が英語を仕事で使っていて得意なので、英検に受かるまではマンツーマンで見てもらいました。級ごとに単語帳と過去問集を必ず買い、コピーして何度も解く。間違えた問題だけをもう一度解き、全部解けるようにして定着させました。
英検は単語が違っても問われ方が似た問題が多いです。過去問を全部クリアできれば、本番でも6〜7割は取れます。文法を小学生にきっちり覚えさせるのは難しいので、丸暗記に近い過去問中心の対策が合っていたと思います。
級は5級→4級→3級→準2級と上がり、小6で準2級を取得。3級が一番苦労しましたが、ぎりぎりで受かりました。
―受験勉強全体の中で、英語の比重はどのくらいでしたか。
英検準2級に受かるまでは、夜の学習の7〜8割を英語に充てていました。小学校の勉強は宿題をこなせば何とかなる状態だったので、空いた時間は単語を覚え、夜は過去問を解く。土日は一日中英検の勉強、という時期もあったと思います。
準2級に受かってからは、中学受験の本番に向けて国語の勉強に全振りしました。
\英語資格入試・英検対策のポイント/

「国語で稼ぐ」──漢字と過去問で得点源をつくる家庭学習と、塾との距離の取り方

―当日に受ける国語と算数、特に苦手な算数にはどう向き合いましたか。
算数は本人も私も苦手で、点数アップのための勉強がつらかったんです。そこで、受験期間の終盤は「国語で高得点を取る」ことに注力しました。受検する各校の過去問を買って国語の問題を解き、塾のテキストで入試に出そうな文章題を秋ごろまで進めていく。小6の秋以降は、塾でも過去問を中心に対策してもらう形にしました。
―国語そのものにも苦手意識はありましたか?ご家庭ではどのように取り組んでいたのでしょうか。
漢字が苦手でした。問題集を毎日やるのも大変そうでしたが、漢字が出題されない学校はありません。知っている漢字が出れば確実な得点源になります。そのため、繰り返し取り組んでミスを減らしていきました。
文章題は物語文のほうが解きやすく、特に同年代の女の子が出てくる文章には上手く対応できていました。一方で、理科系のテーマを取り上げる説明文は苦手。知らない内容を時間内に読んで解くのが大変で、最後まで苦手意識を引きずりました。
国語と過去問は私が見ていましたが、自分でも一度解いてから本人に解かせていました。解くことが過度なストレスにならないよう、点数を競いながら、楽しく取り組めるよう工夫したんです。
間違えた問題は「間違いノート」に書き出し、字数に合わせてキーワードを入れて書き直す練習を重ねました。
―国語の過去問では、どんなところに気をつけましたか?
過去問を見て、学校ごとのクセに慣れることでしょうか。物語文が一つだけの学校もあれば、物語文と説明文が二つ出る学校もある。同じ学校でも、1日目の午前と午後や2日目で傾向が違うこともあります。
作問の先生はだいたい同じなのか、過去問を見ると学校ごとの傾向がつかめるので、そこに慣れておくのが大事だと思いました。
―ご夫婦での役割分担は、どう決めていましたか?
英語と英検は夫の担当。私は国語と過去問、受験全体の管理を担当しました。
学校説明会は、はじめは夫婦と娘で行きましたが、日程が合わないことも多く、後半は親は「行ける方が行く」で半々くらいですかね。
入試説明会はその年の出題傾向や勉強の仕方まで教えてくれるので、私と娘の二人で足を運びました。
―自宅での勉強と塾での勉強、そのバランスはどうされていましたか?
正直、家庭学習の比重も大きかったと思います。
塾での勉強については先取りで一度習い、その後小学校でじっくり習う“2回学べる”流れは助かりました。一方で、受験期に入ってからは、模試対策や応用問題への対応は家庭でカバーする部分も多かったです。
塾の進め方をそのまま受け入れるというよりも、志望校や子どもの状況に合わせて取捨選択することも意識していました。算数の点を当てにしないと割り切ってからは塾内の算数テストは受けない、英検前で時間が取れないときは首都圏模試を休む、といった調整もしていましたね。
\国語・算数の戦略と塾を最大限活用するポイント/

決め手は英語教育と、本人の「ここに行きたい」。4校すべてを英語資格入試で

―数ある学校の中で、三輪田学園を第一志望に選んだ理由はありますか?
英語教育に力を入れていることです。習熟度別のクラスがあり、中学に入ったら思いっきり英語ができる。それが本人のモチベーションにもなりました。加えて制服がとても可愛く、本人が一目で気に入ったこと。英語資格入試の加点が、準2級で他校より5点ほど大きかったことも魅力でした。
学校の施設もしっかりしていて、何度も足を運びました。都会への憧れもあったと思います。自宅からは少し遠いので当初は候補になかったのですが、本人が「一番行きたい」と言った学校だったので、応援しようと思いました。
―先ほど少し話に上がりましたが、入試説明会の情報は本番に向けて役立ちましたか?
出題の傾向を知るうえで役立ちました。入試説明会では、問題を作る先生が傾向まで教えてくださることが多いんです。三輪田学園の説明会でも国語の文章問題について、「物語文か説明文かは毎年変わる」「全部説明文の年もあった」「生徒に読んでほしい文章を選んでいる」とお話があって。ここまで言うなら、と娘と説明文も対策しました。
ただ、本番はまさかのエッセイで、物語でも説明文でもなかったんです(笑)。対策がそのまま当たったわけではありませんが、それでも結果は合格。「いろんな文章を読んでおけばよかったね」と後になって娘と話しました。
説明会で傾向はつかめても、本番で何が出るかは最後までわからない。そう実感した出来事でした。
―学校によって、説明会のスタイルにも違いはありましたか?
ありました。学校によっては、保護者向けの説明会と並行して、子どもが実際の過去問を解いて採点してもらえることがあります。どこまで見られているのか、どんな考え方が求められているのか、解いて採点してもらうと理解しやすいですね。
―1月の前受け(お試し受験)は考えましたか?
前受けはしませんでした。うちの場合、英検が前受の代わりになっていたので。
英検だと中高生の受験生も多くて、リスニングはぶっつけ本番です。本人も毎回、緊張しながら臨んでいました。こうした経験があったので、わざわざ行く予定のない学校で慣れる必要はないと。受ける学校の過去問を頑張るほうがいいと、娘も言ってくれました。
―直前期から2月の本番は、どんな様子でしたか?
本番は2月1日午前からで、最終的には英語資格入試で4校を受験しました。直前はカレンダーに毎日バツをつけ、過去問も「今日は何回」と書いて潰しながら準備していきました。とはいえ本人はずっと「怖い」と言い、私も胃が痛くなる毎日でしたね。
1日目の受験が終わった夜、娘は「できなかった。絶対落ちてる」と泣き続け、2日目の過去問のおさらいも「どうせ全部落ちるからいい」と自暴自棄気味でした。
その時に救われたのが、午後に受けた実践女子学園の合格発表です。三輪田学園は当日サーバーがダウンして結果が深夜まで見られなかったので、「一つ受かった」とわかってから、ようやく親子で眠れました。
\志望校選びと入試本番のポイント/

入学後に芽生えた自信。英語という“財産”を手にして

―入学後、娘さんに変化はありましたか?
明るくなりました。三輪田学園の子たちと相性が良かったみたいで、いろいろ話しかけてもらえるうちに、自分からも話しかけてみようという自信が出てきたようです。
小学生の頃は仲のいい子が1〜2人ぐらい。自分から話しかけるのがつらくて、思っていた反応がもらえないと落ち込む子でした。そう考えると、この変化は大きな進歩だと思います。
―中学受験を通じて、ご家族が得たものは何でしょう。
本人にとっては「頑張って成功した」という達成感と自信です。落ちそうだった級にぎりぎり受かる。そんな体験を英検でして、さらに中学受験にも受かったことが自信になりました。
親としては、英語資格入試へ舵を切ったのは私たちなので、その選択が実を結んだことが何より嬉しかったですね。
英語は今後も強みになるスキルです。アドバンテージがある環境で、学生生活を続けていけるのは大きいと思います。
公立の中学校だと内申点など、高校入試のために全科目を頑張る必要があります。三輪田学園なら英語に重きを置けるので、この学校に受かってよかったです。
―最後に、英語資格入試を考えているご家庭へアドバイスをお願いします。
英語資格を利用する入試は採用校が増えていて、本番の負担が少ないのが良いところだと思います。入試当日は体調も含め何が起きるかわからず、一発勝負にすべてを賭けるのは子どもにとってつらい場合もある。その点、英語資格入試なら出願の時点で級に応じた加点が事前に保証され、その状態で入試当日の国語や算数に臨めます。
小学6年生に一発勝負を強いるのは酷かもしれない。そう考えるご家庭には、とてもおすすめです。うちの子も出願の時点で加点が保証されていたことで、中学受験を上手く進められたなと思います。
\受験を終えて伝えたいポイント/

取材後記
相沢さんの戦略は、「苦手を克服するよりも強みを生かす」ことにありました。算数という弱点の克服に固執せず、英語という伸びしろにフォーカスして中学受験を有利に進める。親が情報を集めて方針を描き、最後は本人の「やってみる」で決める。そのバランスが、無理のない目標達成を支えていました。
印象的だったのは、英検で手にした成功体験が本人の自走力につながっていったことです。「できた」が「もっとやりたい」を生み、受験のためだったはずの英語を、娘さんはいつしか好きになっていました。緊張感のある挑戦を小学生のうちにやり切った経験は、合否を超えて娘さんの財産になっているはずです。
英語資格入試とは、子どもの強みを入試の戦略の軸に変える選択肢でもある。相沢さんの話は、そう教えてくれています。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
注目の塾
PR