共通テスト化学基礎の対策!2026年度の傾向から見る勉強法【東大生監修】
共通テスト化学基礎で何を覚えればよいのかわからず、不安を感じていませんか。モルや濃度の計算で手が止まる、共通テスト形式だと得点できない、そうした悩みを抱える受験生は少なくありません。
この記事では、出題傾向、得点別の対策、問題タイプ別の解き方、参考書・過去問の使い方までを解説します。読み終えれば、今日から何をすべきか判断できるはずです。
なお本記事は、東京大学に合格し、現在はカルペ・ディエムに所属して物理や数学の面白さを伝える活動をおこなっている教育ライター・亀田崚さんの監修のもとで作成しています。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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監修者
亀田崚
2000年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻所属。(株)カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、株式会社SciCurioの代表として自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。日曜劇場『御上先生』教育監修。
目次
共通テスト化学基礎とは?2026年度の平均点・出題傾向を確認しよう

共通テスト化学基礎の勉強法を考える前に、まずは2026年度の結果と試験の特徴を確認しておきましょう。平均点や出題形式を知ることで、この後の対策がより具体的にイメージできるようになります。
2026年度の平均点は28.58点
大学入試センターの発表によると、2026年度の共通テスト化学基礎の平均点は50点満点中28.58点で、前年度の2025年度(27.00点)よりも高い結果です。平均点が上がったからといって、易化したと単純にとらえるのは早計です。
2026年度と2025年度の平均点は、次のとおりです。
| 年度 | 平均点(50点満点換算) | 前年度との差 |
|---|---|---|
| 2026年度 | 28.58点 | +1.58点 |
| 2025年度 | 27.00点 | ー |
参考:共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)|大学入試センター
2026年度は前年度よりわずかに平均点が上がりましたが、それでも6割弱にとどまっています。平均点を上回るだけで満足せず、7〜8割の得点を安定して取るには、幅広い基礎知識と演習量が必要になります。
亀田先生のアドバイス
共テ化学基礎の平均点は、ここ数年は大きく変動しておらず、30点弱で一定となっています。また、扱われている内容を見ても、幅広い内容を浅く問われている印象で、難問と呼べるような問題はそう多くはありません。
これらを考慮に、共テ化学基礎で安定して高得点を取るためには、「間違えた問題をやり直す際には、基礎的な内容にまで戻って丁寧に復習する」「初歩的な計算を間違えないように、計算の訓練を行う」ことを心がけるのが良いと思います。
問われている内容自体は難しくないため、知識問題で間違えた場合の多くは基礎的な事項のインプットが不足していることが原因ですし、計算問題で間違えた場合の多くは基礎的な方程式や計算式を理解していない or 計算ミスをしていることが原因です。
2026年度は大問2題・16マークで出題された
出題形式を見ると、2026年度も大問数や設問の作られ方には一定の傾向があります。まずは全体構成を押さえておきましょう。
2026年度の大問構成と出題範囲を整理しました。
| 大問 | 形式・配点 | マーク数 | 主な出題範囲・題材 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 小問集合・30点 | 10 | 電子配置、同位体、質量パーセント、酸化数、物質の性質、分子の極性、溶解度、蒸留、弱酸の電離度、化学反応の量的関係 |
| 第2問 | テーマ問題・20点 | 6 | 肥料を題材に、2族元素、酸・塩基、元素含有率、塩の識別、酸化還元、機器分析データ・グラフの読み取り |
2026年度は、第1問が化学基礎の全範囲から出題される小問集合、第2問が肥料を題材にした総合問題でした。第2問では複数分野の知識に加えて、与えられたグラフから数値を読み取り計算する力も問われています。
「昨年出なかった分野だから対策しなくてよい」という考え方は通用しません。第1問対策では特定分野に偏らず全範囲を学ぶ必要があり、第2問対策では見慣れない題材を教科書の知識に置き換える練習が欠かせません。
共通テスト化学基礎は50点満点|理科基礎2科目を60分で解く
化学基礎の配点や解答時間についても確認しておきましょう。
化学基礎は50点満点で出題されます。理科基礎は、選択した2科目を合わせて60分で解く形式です。化学基礎単体の解答時間が30分と決められているわけではありません。もう1科目との解答順や時間配分は、自分自身で決められます。
化学基礎の学習をひと通り終えたら、もう1科目と合わせて60分で解く練習にも取り組みましょう。普段の演習を化学基礎だけで完結させたままにしておくと、本番で2科目を通して解く感覚がつかめないまま試験に臨むことになります。時間配分の具体的な決め方については、後の章であらためて取り上げます。
亀田先生のアドバイス
二次試験の理科しかり、共通テストの理科基礎しかり、理科の試験は時間制限内で2科目を解く形式が一般的です。
点数を安定させるには、①どっちの科目から解き始めるか、②それぞれの科目にどれだけ時間をかけるか、を事前に決めておき、かつ過去問演習などを通じてそのパターンに慣れておきましょう。
オススメは、「得意な方の科目を最初に短時間で解く」です。例えば、化学礎が得意な人は20分でさっさと解き終え、残りの時間でもう1科目を30分程度で解き、合計50分程度で解き終えられるようにしましょう。得意科目が難しかったパターンについても想定しておけるとベストです。
知識だけでなく計算・実験・資料読解が問われる
共通テスト化学基礎で問われる力は、単純な暗記だけにとどまりません。ここでは、問題タイプ別にどのような力が求められるのかを整理します。
問題タイプごとに求められる力を整理すると、次のようになります。
| 問題タイプ | 問われる力 |
|---|---|
| 知識問題 | 用語、化学式、物質の性質、実験操作を正確に理解する力 |
| 計算問題 | 条件と単位を整理し、物質量や濃度、反応比を使う力 |
| 実験問題 | 実験の目的・操作・結果を関連づける力 |
| 資料・グラフ問題 | 軸や単位を確認し、必要な情報を読み取る力 |
| テーマ問題 | 初見の題材を既習の知識に置き換える力 |
この表からわかるとおり、共通テスト化学基礎では知識・計算・実験・資料読解という複数の力が組み合わさって問われています。暗記が不要という意味ではなく、暗記した知識を問題の条件に合わせて使いこなす必要があるということです。
亀田先生のアドバイス
いわゆる思考が必要な問題とは、知識の使い方が隠されている問題であることが多いです。高校生向けのテストとして出題されている以上、その問題を解くための知識自体は高校範囲で習っているはずです。思考が必要な問題では「一見すると、その問題でどんな知識を使えば解けるか」が分からないようになっています。
そのような問題に対したときには、「とりあえずグラフや表から分かることと抜き出す」「どんな関係や関連があれば、答えを導けるかを考える」ステップが必要です。
また、解答を見て復習する際にも、その問題が解けなかったのは知識が足りなかったのか、その知識を活用するための前ステップができていなかったのか、どちらであるかを意識するようにしましょう。
共通テスト化学基礎の勉強法|得点別に5ステップで対策しよう

ここからは、共通テスト化学基礎で得点を伸ばすための具体的な勉強法を見ていきます。まず現在の得点や失点原因を確認したうえで、全体理解、暗記、基本計算、共通テスト形式の演習、過去問という順番で対策を進めていきましょう。
段階ごとに何ができるようになれば次に進んでよいのかを明確にしながら解説します。焦って過去問から始めるのではなく、自分の現在地に合った段階から取り組むことが得点アップの近道です。
まずは得点と失点原因から現在地を確認する
勉強を始める前に、直近の模試や過去問の得点をもとに、今の自分に必要な対策を確認しておきましょう。同じ得点帯でも、原因によって取り組むべき内容は変わります。
現在の得点と優先すべき対策の目安は、次のとおりです。
| 現在の得点 | 主な状態 | 優先する対策 |
|---|---|---|
| 20点未満 | 基本知識や典型計算に抜けがある可能性が高い | 教科書・参考書で基礎を整理する |
| 20〜30点 | 知識の抜けや計算の不安定さが残っている | モル・濃度・反応式の基本演習 |
| 30〜40点 | 資料問題・複合問題・時間配分で失点しやすい | 共通テスト形式の問題演習 |
| 40点以上 | 読み違い・知識の穴・計算ミスを個別に補う段階 | 時間演習と失点原因の分析 |
この表は、あくまで優先順位を決めるための目安です。共通テスト化学基礎で問われる力は、単純な暗記だけにとどまりません。知識・計算・実験・資料読解という複数の力が組み合わさって問われています。得点帯だけで原因を判断せず、誤答を知識・計算・読み取り・実戦面のどこに当てはまるか分けて確認しましょう。20点未満でも時間切れが原因のこともあれば、40点以上でも単純な知識不足で失点することもあります。
失点原因は、大きく分けると知識不足、計算力不足、資料や問題文の読み取り不足、時間配分やケアレスミスといった実戦面の不足の4つに整理できます。自分の失点がどれに当てはまるかを言語化しておくと、この後のステップに進みやすくなります。
亀田先生のアドバイス
化学基礎だけにかかわらず、模試や共通テストの過去問の復習をする際に大事なのが「間違え方を分析する」ことです。
例えば、計算ミスの1つを取ったとしても、「字が汚くて読み間違えた」とか「約分を間違えた」「筆算で繰り上がりを間違えた」など、複数の要因が考えられます。これらのミスを計算ミス・ケアレスミスで済ますのではなく、自分の間違え方に向き合ってミスを分析してください。
そして、そのミスに対して適切な打手を考えてください。例えば「字が汚い」のが計算ミスの主要因であるならば、「多少時間を食ってもいいから丁寧に字を書く、丁寧に計算をする」ようにしてください。
ステップ1|教科書・参考書で全範囲を理解する
最初のステップでは、細かい暗記事項をすべて覚えようとするのではなく、各単元の全体像をつかむことを目指します。焦って問題演習に入る前に、まずは土台を作る段階です。
教科書または講義系の参考書を1冊決め、原子・化学結合・物質量・酸塩基・酸化還元など、単元同士のつながりを確認しながら読み進めましょう。本文だけでなく、図や表、実験の説明にも目を通すことが理解の助けになります。わからない用語をそのままにせず、その場で確認する習慣も大切です。
1周目から完璧を目指す必要はありません。次のステップに進む目安は、それぞれの単元について「何を学ぶ分野なのか」を自分の言葉で簡単に説明できることです。後の単元は前の単元の知識を前提としていることが多いため、たとえばモルや化学反応式の理解が、酸塩基や酸化還元の計算につながっていきます。
亀田先生のアドバイス
例えば「モル」の理解が不十分な人は、後の酸塩基や酸化還元の計算で必ず行き詰まってしまいます。そのため、まずは学校の授業などで一通りの内容を頭に入れておくようにしましょう。細かい内容を詰めていくのは、その後の演習で。イメージだけで言うなれば、1周目は「この単元は何を扱う分野か」を他人に説明できる状態になれば十分。細かい暗記は後からついてくるので、まずは土台を固めていきましょう。
また、共通テストでは実験装置の図やグラフを用いた出題が頻出です。文章だけでなく、グラフからの読み取りにも日頃から慣れておきましょう。
ステップ2|共通テスト化学基礎で覚えることを整理する
暗記が必要な内容は多く見えますが、覚え方によって定着のしやすさが変わります。ここでは、覚える内容を学習方法別に3つへ分けて整理します。
覚える内容を学習方法別に整理すると、次のようになります。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| そのまま覚える | 元素記号、イオン式、代表的な化学式、イオン化傾向、実験器具 |
| 理解して覚える | 電子配置、化学結合、酸・塩基、酸化還元、物質の性質 |
| 問題演習で定着させる | モル、濃度、化学反応式、反応量、資料・グラフの読み取り |
この表からわかるとおり、すべての内容を同じ方法で暗記しようとすると効率が落ちてしまいます。理解すれば暗記量そのものを減らせる項目も少なくありません。
代表例をあげると、そのまま覚える内容には代表的なイオン式、強酸・弱酸、強塩基・弱塩基、イオン化傾向、炎色反応などがあります。理解して覚える内容には、電子配置とイオンのでき方、化学結合と物質の性質、中和、酸化数などが含まれます。
問題演習で定着させる内容には、モル濃度、質量パーセント濃度、反応物の過不足、溶解度曲線の読み取りなどが挙げられます。長い暗記リストを一度に詰め込むのではなく、分類ごとに少しずつ定着させていく意識を持ちましょう。
亀田先生のアドバイス
化学基礎の暗記を上手に行うコツは、「丸暗記の事項と理論で導ける暗記事項を切り分けて理解する」です。
例えば、炎色反応などは(化学基礎の範囲内では)丸暗記が必要な一方、イオンの価数や化学結合の性質などは、原子の電子配置の考えを理解していれば、丸暗記しなくても自力で導き出せますね。すべてを暗記しようとするとパンクしてしまいますが、仕組みから理解できる事項を増やすことで、マストで覚えないといけない知識を減らすことができます。
このように、理論を用いることで丸暗記の量を減らせるのが、理科の特徴です。この考え方は、化学基礎だけではなく他の科目でも有用なので、ぜひ試してみてください。
ステップ3|モル・濃度・反応式の基本計算を固める
共通テスト形式の演習に進む前に、典型的な計算を自力で処理できる状態を目指します。ここでつまずいたままだと、後のステップでも計算面で足を引っ張られてしまいます。
主に扱う計算は、質量と物質量の関係、粒子数と物質量の関係、気体の体積と物質量の関係、モル濃度、質量パーセント濃度、化学反応式と量的関係、中和の量的関係、酸化還元に関する計算です。公式を丸暗記するのではなく、単位や比例関係から式を組み立てる考え方を身につけることが重要です。
学習の進め方としては、まず例題の考え方を理解し、解答を見ずに同じ問題を解いてみましょう。その後、数値や条件の異なる類題に取り組み、なぜその式を使うのかを自分の言葉で説明できるか確認します。数日後にもう一度同じ問題を解き直すことで、定着の度合いも確認できます。
次のステップに進む目安は、問題を見たときに求める量と使う式を自分で判断できることです。
亀田先生のアドバイス
計算問題で間違える原因の多くは、公式へのあてはめ作業に頼ってしまうことです。これを防止するには、単位系をよく理解するのが手っ取り早いです。
例えば、まずは「g(質量)」を「mol(物質量)」に変換する場合には、モル質量(g/mol)を使えば良いんですよね。化学基礎に出てくる問題の多くは単位変換で解ける問題が多いので、まずはこれができるようになりましょう。
一々細かい式を覚えずとも、「モル質量は、原子が1mol個だけ集まったときの質量である」ことを理解してれば、自ずと計算式を立てることができるはずです。
ステップ4|実験・資料・テーマ問題に慣れる
基本知識と典型計算を固めたら、共通テスト特有の出題形式に慣れていく段階に進みます。ここでの目的は解き方そのものを覚えることではなく、長い問題文や資料に触れる経験を積むことです。
共通テスト形式の問題集を使って、実験文・会話文・グラフを含む問題に数多く触れましょう。解き終えたあとは、必要な情報をどこから拾ったのか、どの分野の知識を使ったのかを振り返る習慣をつけます。複数単元の知識を組み合わせる問題や、身近な題材を教科書の内容に置き換える問題にも、この段階で慣れておきましょう。
必要な情報と補足情報を分けて読むことに慣れているかどうかが差になります。
亀田先生のアドバイス
まず、大前提ですが、共テ化学基礎はそこまで文章は長くありません。この分量程度の情報は、練習を通じて処理できるようになりましょう。(他の科目の問題の方が1問あたりの情報量は多いため、特段に化学基礎が大変ということはありません。)
情報の処理については、ある程度は慣れの部分もあるので、苦手なのであれば過去問や参考書を通じて問題演習の経験を積みましょう。
そして、他の科目に比べて化学基礎に特有なのは、グラフの読み取りが必要な問題です。この形式の問題を得意にするには「問われている値を導くために、どんな値が必要か」を判定することです。問題を解く前に、「この値とこの値が分かれば、この公式を使って答えが求められる」といった、ある種の算段をつけておくと問題が解きやすくなります。
ステップ5|過去問で得点と時間を安定させる
最後のステップでは、これまで積み上げてきた知識や計算力を、実際の過去問で確認していきます。基本知識と典型計算を固めてから取り組むことが前提です。
過去問に取り組む初期の段階では、時間よりも解法の理解を優先しましょう。慣れてきたら少しずつ時間を測りながら解き、最終的には理科基礎2科目を通して解く練習に進みます。1回目標点を取れただけで完成と判断せず、複数回の演習で安定して得点できる状態を目指しましょう。
亀田先生のアドバイス
過去問演習は、基本知識と典型計算が一通り身についた段階で入りましょう。具体的には高3の8月頃から始めるのがよいでしょう。最初の頃は制限時間を気にせず、問題が解けるかどうかに努めてください。
そして、間違えた問題や解けなかった問題は、「なぜ間違えたのか(知識不足か、計算ミスか、問題文の読み飛ばしか)」を分析し、適切に復習するようにしましょう。特に知識不足の場合は、教科書や参考書の該当箇所へ戻り、知識の抜け漏れをなくすようにしましょう。
時間をかけて高得点が取れるようになれば、次は、理科基礎2科目を50分で解き切ることをめざしましょう。
共通テスト化学基礎の問題タイプ別攻略法

ここからは、実際に問題を解くときの手順を、知識・計算・実験資料・テーマ問題に分けて解説します。苦手な問題タイプが明確な場合は、該当する項目から確認してください。
問題を解くときに迷う原因の多くは、知識不足そのものよりも、手順が定まっていないことにあります。ここで紹介する手順を意識するだけでも、解答のスピードと正答率は変わってきます。
知識問題は選択肢を一つずつ正誤判定する
知識問題では、選択肢全体をなんとなく眺めて判断してしまうと、正誤を見誤りやすくなります。まずは、何の単元・知識が問われているのかを確認しましょう。
そのうえで、選択肢を一つずつ正誤判定し、誤っている部分を具体的に特定していきます。「必ず」「すべて」など条件を強く限定する表現がある場合は、例外がないかを定義や法則に照らして確認しましょう。強い表現だから誤りとは限りません。判断に迷う知識が出てきた場合は、その場で済ませようとせず、教科書に戻って確認する習慣をつけましょう。
正解できた問題であっても、それだけで満足せず、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるかどうかを確認してください。説明できない場合は、正解していても知識が不安定な可能性があります。
計算問題は求める量・単位・molの順に確認する
計算問題を解くときは、いきなり式を立てるのではなく、決まった手順で確認することがミスを防ぐ近道になります。
まず求めるものを確認し、次に答えの単位を確認します。そのうえで与えられた数値を書き出し、molに直す必要があるかどうかを判断してから、化学反応式や公式を使って計算を進めましょう。反応物に過不足がないかを確認し、最後に単位や桁、選択肢との整合性を見直す流れが基本です。
典型的なミスとしては、mLをLに直し忘れる、質量と物質量を混同する、反応式の係数比を使わない、質量パーセント濃度とモル濃度を混同する、反応物の過不足を確認しないといったパターンがあります。答えの単位から逆算して、どの式を使うべきかを考える習慣をつけると、こうしたミスは減らせます。
実験・資料問題は「目的・条件・結果」に分けて読む
実験や資料を扱う問題では、情報量が多いために、どこに注目すればよいか迷いやすくなります。読み方を型として持っておくと、情報を整理しやすくなります。
実験の目的をまず確認し、変えた条件と一定にした条件を分けて整理しましょう。そのうえで、実験操作と結果を分けて読み、表やグラフについては軸と単位を先に確認します。数値の増減や変化点をチェックし、教科書で学んだ知識と結果を結びつけて考えます。
問題文を読む際に、「何を調べる実験なのか」を一文でまとめられるかどうかが、理解できているかの目安になります。グラフや表が出てきたときも、数値そのものを読む前に、縦軸・横軸・単位を確認する順番を守ることが、読み違いを防ぐポイントです。
初見のテーマ問題は既習知識に置き換えて考える
2026年度の肥料のように、見慣れない題材が出題されることがありますが、題材そのものについての専門知識が必要になるわけではありません。大切なのは、題材名に惑わされず、登場する物質や反応から中身を読み取ることです。
考え方の順番としては、まず題材名にとらわれず登場する物質や反応を確認し、問われている内容がどの単元に対応するのかを分類します。そのうえで与えられた条件やデータを整理し、教科書で学んだ法則や知識を当てはめてから、選択肢や計算結果と照らし合わせていきます。
2026年度であれば、肥料について詳しく知っているかどうかではなく、酸・塩基、酸化還元、元素の性質、物質量といった既習の知識に置き換えられるかどうかがポイントでした。初見の題材が出てきたときほど、落ち着いて分解する姿勢が求められます。
共通テスト化学基礎の参考書・問題集・過去問の使い方

教材にはそれぞれ役割があり、この章ではどの教材を、どの目的で使うかを整理します。参考書選びに時間をかけすぎるよりも、今持っている教材の使い方を見直すほうが、得点につながりやすいためです。
過去問についても、解いて終わりにするのではなく、失点原因を分析する教材として位置づけます。理科基礎2科目を通した時間配分の決め方も、あわせて確認していきましょう。
参考書・問題集は学習段階に合わせて使い分ける
教材にはそれぞれ役割があり、学習段階に合わないものを選んでしまうと、時間をかけても得点につながりにくくなります。まずは教材ごとの位置づけを整理しておきましょう。
教材の種類ごとに、目的・使い方・次へ進む目安を整理すると、次のようになります。
| 教材 | 目的 | 主な使い方 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|---|
| 教科書・講義系参考書 | 内容の理解 | 図や例を確認しながら読む | 各単元の概要を説明できる |
| 暗記教材 | 知識の確認 | 曖昧な項目を繰り返す | 基本用語や化学式を答えられる |
| 基礎問題集 | 知識・計算の定着 | 間違えた問題を反復する | 基本問題をおおむね自力で解き、解法を説明できる(正答率8割程度が目安) |
| 共通テスト形式問題集 | 資料・テーマ問題への対応 | 時間を測り、条件整理を練習する | 必要な情報を自力で取り出せる |
| 過去問 | 本番対応 | 2科目を通して解き、失点を分析する | 時間内に目標点を安定して取れる |
この表からわかるとおり、教材は段階が進むにつれて「理解する」ものから「本番に対応する」ものへと役割が変わっていきます。参考書を読むだけで終わらせず、複数冊に手を広げすぎないことも大切です。
正解した問題であっても、その根拠を説明できるかどうかを確認しましょう。「何周したか」という回数ではなく、「何ができるようになったか」を基準に教材を進めていくことが、遠回りに見えて最も効率のよい方法です。
過去問は失点原因を分類して復習する
過去問は、点数だけを記録して終わりにしてしまうと、次に活かしにくくなります。誤答した理由を原因別に分類し、それぞれに合った復習方法を選ぶことが重要です。
失点原因ごとの復習方法を整理すると、次のようになります。
| 失点原因 | 復習方法 |
|---|---|
| 知識を知らなかった | 教科書・参考書へ戻る |
| 知識を思い出せなかった | 暗記教材で再確認する |
| 計算方法がわからなかった | 基本問題へ戻る |
| 条件や単位を見落とした | 問題文の読み方を見直す |
| 資料を読み違えた | 同じ形式の資料問題を解く |
| 時間が足りなかった | 解く順番や飛ばす基準を調整する |
| ケアレスミスをした | 自分専用の確認項目を作る |
この表のように、同じ「間違えた」という結果でも、原因によって復習の方向性は大きく異なります。解説を読んで「わかった」で終わらせず、自分がどの段階で考えられなくなったのかを確認する作業が欠かせません。
復習の流れとしては、過去問を解いたあとに失点原因を分類し、教科書や問題集へ戻って類題を解き、数日後にもう一度解き直すというサイクルを繰り返します。1回の復習で終わらせず、時間を空けて再確認することで、知識がより定着しやすくなります。
理科基礎2科目を通して時間配分を決める
理科基礎の時間配分については、固定の型を当てはめるのではなく、自分に合った配分を探していくことが大切です。まずは化学基礎だけで時間を測るところから始めましょう。
慣れてきたら、理科基礎2科目を通して解く練習に移ります。化学基礎を先に解く場合と後に解く場合の両方を試し、1科目に使う時間の上限をあらかじめ決めておくと安心です。計算問題で手が止まったときにどこで見切りをつけるかという基準や、最後に両科目のマークを確認する時間を残しておくことも忘れないようにしましょう。
「30分ずつ」という均等な配分が、必ずしも自分に合っているとは限りません。得意科目を先に解いて勢いをつける方法と、時間がかかる科目を先に片づけておく方法には、それぞれメリットと注意点があります。何度か試しながら、自分にとって安定する配分を見つけていくことが大切です。
共通テスト化学基礎に関するよくある質問

ここまでの内容と重なる部分はできるだけ避け、検索する受験生が最後まで気になりやすい疑問にしぼって、簡潔に答えていきます。
共通テスト化学基礎では何割を目指すべき?
目標点は、志望校の配点や共通テスト全体の目標点から逆算するのが基本です。まだ具体的な目標点が決まっていない場合は、まず7割を安定して取れる状態を一つの目安にしてもよいでしょう。より高い得点が必要な受験生は、8割以上を目標にします。
化学基礎単体の得点だけでなく、もう1科目との合計点で理科基礎全体を考えることも大切です。
共通テスト化学基礎の対策はいつから始めるべき?
理想的な流れとしては、高校3年生の夏までに基礎知識と典型計算を固め、夏から秋にかけて単元別の演習と共通テスト形式の問題に取り組みます。秋以降は過去問と時間配分の練習に移り、直前期には弱点補強と解き直しに時間を使う形です。
ただし、時期だけで一律に開始地点を決めるのではなく、現在の理解度から始める段階を選ぶことが重要です。開始時期が遅れている場合でも、焦って過去問だけに手をつけるのではなく、必要に応じて基本問題まで戻る勇気を持ちましょう。
共通テスト化学基礎は暗記だけで高得点を取れる?
結論としては、暗記だけでは安定した高得点は難しいといえます。用語や化学式などの暗記は前提として必要ですが、計算問題では覚えた知識を使う練習が必要ですし、実験・資料問題では条件整理と読解力が求められます。
覚えた知識を「説明する」「計算に使う」「現象と結びつける」という3つの段階で確認しながら、少しずつ定着させていきましょう。
亀田先生のアドバイス
先述の通り、共テだけでいえば6〜7割(30点〜35点)程度は暗記で対応ができます。というのも、化学基礎で問われる内容は広く浅いため、これより低い点数の場合は知識のインプットが足りていないと考えられます。
次に8割〜9割の高得点を安定して取るためには、計算問題や実験・資料問題も解き切る力が必要です。そのために、自分の言葉で「説明する」、公式に当てはめて「計算に使う」、そして「実験や身近な現象と結びつける」といったアウトプットを増やすようにしてください。そのために過去問があります。
共通テスト化学基礎の参考書や問題集は何冊必要?
基本的には理解用に1冊、演習用に1冊あれば十分です。必要に応じて、共通テスト形式の問題集や過去問を追加していく形が現実的です。
新しい教材を買う前に、まずは手元の教材がどこまで定着しているかを確認しましょう。冊数を増やすことよりも、基本問題を自力で解けるかどうかを基準に教材を選ぶことが大切です。同じレベルの参考書を並行して増やすより、間違えた問題を繰り返し復習するほうが効果的です。
亀田先生のアドバイス
参考書・問題集は、それぞれ1冊を完璧にするようにしましょう。目標点数次第ではありますが、それだけで十分な場合も大いに考えられます。本当に完璧にして、それでも点数が伸びない・より高得点を目指す場合は問題集を追加しても構いません。
(ただ、理科基礎科目よりも大事な科目がある人も多いので、理科基礎に時間をかけすぎる必要はありません。生徒さんを指導していても、2冊以上問題集を使う場合はあまりありません。)
短期間でも共通テスト化学基礎の点数は上げられる?
短期間でも点数が伸びる可能性はありますが、すべての範囲を完璧に仕上げるのは難しいというのが現実的な回答です。残り時間が少ない場合は、優先順位を決めて取り組む必要があります。
まずは基本用語・化学式の抜けを埋め、モル・濃度・反応式の典型計算を確認しましょう。そのうえで過去問を使って頻出形式に慣れ、間違えた問題だけを繰り返し復習します。この段階では、新しい教材に手を広げるよりも、基本問題を確実に得点することを優先してください。
難問を解けるようにするよりも、基本問題を落とさないことのほうが、短期間では効果につながりやすくなります。
共通テスト化学基礎は「知識を使って考える力」を身につけよう

ここまで見てきたように、2026年度の平均点は50点満点中28.58点で、第1問では化学基礎の全範囲から幅広く出題され、第2問では肥料を題材に複数分野の知識やデータ読解が問われました。
知識問題、計算問題、実験・資料問題、テーマ問題では、それぞれ異なる解答手順が求められます。過去問は解きっぱなしにせず、失点原因を分析しながら復習し、最終的には理科基礎2科目を通した時間配分まで調整していきましょう。高度な知識を増やすことよりも、基本事項を正確に理解し、問題に合わせて使う力のほうが重要です。
まずは直近の模試や過去問を見直し、「知識・計算・資料読解・時間配分」のどこで失点しているのかを確認することから始めましょう。
亀田先生のアドバイス
化学基礎では、まず知識のインプットが大事です。問われる内容はそこまで難しくないため、6〜7割は暗記事項のインプットで安定して取ることができます。演習をしてみて、30点に届かないことが多いのであれば、それは知識不足が原因です。
それ以上の点数を狙う人は、「暗記事項と理論をつなげる」「単位系を理解する」「グラフの読み取り問題などの場合は、必要な情報が何か、あたりをつける」などを意識すると良いと思います。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
2000年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻所属。(株)カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、株式会社SciCurioの代表として自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。日曜劇場『御上先生』教育監修。
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