【2027年度】共通テスト化学基礎の対策!覚えること・計算問題のコツや勉強法を解説
「共通テスト化学基礎は何を覚えればいい?」「計算問題が苦手で点数が伸びない」と悩んでいませんか。
共通テスト化学基礎では、基本知識の暗記に加えて、計算や実験・資料の読み取りも求められます。高得点を目指すには、出題範囲を把握し、苦手な分野を優先して対策することが大切です。
この記事では、2026年度の出題傾向をもとに、分野別に覚えることや計算問題の解き方、得点別の勉強法を解説します。
なお本記事は、東京大学に合格し、現在はカルペ・ディエムに所属して物理や数学の面白さを伝える活動をおこなっている教育ライター・亀田崚さんの監修のもとで作成しています。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
亀田崚
2000年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻所属。(株)カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、株式会社SciCurioの代表として自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。日曜劇場『御上先生』教育監修。
目次
共通テスト化学基礎とは?2026年度の平均点・出題傾向を解説

共通テスト化学基礎の勉強法を考える前に、まずは2026年度の結果と試験の特徴を確認しておきましょう。平均点や出題形式を知ることで、この後の対策がより具体的にイメージできるようになります。
2026年度の平均点は28.58点
大学入試センターの発表によると、2026年度の共通テスト化学基礎の平均点は50点満点中28.58点で、前年度の2025年度(27.00点)よりも高い結果です。平均点が上がったからといって、易化したと単純にとらえるのは早計です。
過去5年間の平均点と前年度との差は、次のとおりです。
| 年度 | 平均点(50点満点) | 前年度との差 |
|---|---|---|
| 2026年度 | 28.58点 | +1.58点 |
| 2025年度 | 27.00点 | −0.31点 |
| 2024年度 | 27.31点 | −2.11点 |
| 2023年度 | 29.42点 | +1.69点 |
| 2022年度 | 27.73点 | ― |
※大学入試センターが公表する100点満点換算の平均点を、50点満点に換算しています。
過去5年間の平均点は27〜29点台で推移しており、大きな変動はありません。2026年度も平均点は6割弱にとどまっています。
平均点を上回るだけで満足せず、7〜8割の得点を安定して取るには、幅広い基礎知識と演習量が必要になります。難しい問題ばかりに取り組むよりも、基本問題を確実に正解できる状態を目指しましょう。
亀田先生のアドバイス
共テ化学基礎の平均点は、ここ数年は大きく変動しておらず、30点弱で一定となっています。また、扱われている内容を見ても、幅広い内容を浅く問われている印象で、難問と呼べるような問題はそう多くはありません。
これらを考慮に、共テ化学基礎で安定して高得点を取るためには、「間違えた問題をやり直す際には、基礎的な内容にまで戻って丁寧に復習する」「初歩的な計算を間違えないように、計算の訓練を行う」ことを心がけるのが良いと思います。
問われている内容自体は難しくないため、知識問題で間違えた場合の多くは基礎的な事項のインプットが不足していることが原因ですし、計算問題で間違えた場合の多くは基礎的な方程式や計算式を理解していない or 計算ミスをしていることが原因です。
参考:共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)|大学入試センター
2026年度は大問2題・16マークで出題された
出題形式を見ると、2026年度も大問数や設問の作られ方には一定の傾向があります。まずは全体構成を押さえておきましょう。
2026年度の大問構成と出題範囲を整理しました。
| 大問 | 形式・配点 | マーク数 | 主な出題範囲・題材 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 小問集合・30点 | 10 | 電子配置、同位体、質量パーセント、酸化数、物質の性質、分子の極性、溶解度、蒸留、弱酸の電離度、化学反応の量的関係 |
| 第2問 | テーマ問題・20点 | 6 | 肥料を題材に、2族元素、酸・塩基、元素含有率、塩の識別、酸化還元、機器分析データ・グラフの読み取り |
2026年度は、第1問が化学基礎の全範囲から出題される小問集合、第2問が肥料を題材にした総合問題でした。第2問では複数分野の知識に加えて、与えられたグラフから数値を読み取り計算する力も問われています。
「昨年出なかった分野だから対策しなくてよい」という考え方は通用しません。第1問対策では特定分野に偏らず全範囲を学ぶ必要があり、第2問対策では見慣れない題材を教科書の知識に置き換える練習が欠かせません。
共通テスト化学基礎の出題範囲
共通テスト化学基礎の出題範囲は、高校で学ぶ「化学基礎」の内容です。物質の構成や化学結合、物質量、酸・塩基、酸化還元などが対象となります。
主な学習分野と、それぞれの内容を一覧にまとめました。
| 分野 | 主な学習内容 |
|---|---|
| 化学と人間生活 | 物質の分類、純物質と混合物、分離・精製、物質の三態、身近な化学 |
| 物質の構成 | 原子の構造、同位体、電子配置、周期表、イオン、化学結合 |
| 物質量と化学反応式 | mol、モル質量、濃度、化学反応式、反応の量的関係 |
| 酸と塩基 | 酸・塩基の性質、電離、pH、中和反応、中和滴定 |
| 酸化還元 | 酸化数、酸化剤・還元剤、酸化還元反応、金属のイオン化傾向 |
共通テストでは特定の分野だけを学習するのではなく、教科書の全範囲を押さえておくことが重要です。ただし、すべての分野に同じ時間をかける必要はありません。理解できている分野は問題演習へ進み、苦手な分野を優先して復習しましょう。
特に物質量や化学反応式は、酸・塩基や酸化還元の計算にもつながります。後の単元でつまずいた場合は、前提となる知識まで戻って確認してください。
共通テスト化学基礎は50点満点|2つの出題範囲を60分で解く
化学基礎の配点や解答時間についても確認しておきましょう。
化学基礎は50点満点で出題されます。理科基礎では、選択した2つの出題範囲を合わせて60分で解く形式です。化学基礎単体の解答時間が30分と決められているわけではありません。もう一つの出題範囲との解答順や時間配分は、自分自身で決められます。
2027年度の理科基礎の試験概要は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式な科目名 | 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』 |
| 選択する出題範囲 | 4分野から2つを選択 |
| 科目数 | 1科目 |
| 配点 | 各出題範囲50点・合計100点 |
| 試験時間 | 60分 |
| 解答順序 | 自由 |
| 各出題範囲の時間配分 | 自由 |
理科基礎は、2つの出題範囲を組み合わせて1科目として扱います。化学基礎のみを選んで解答することはできません。
なお、出願時は理科基礎(2つの出題範囲)を「1科目」として登録します。「2科目受験する」と登録すると、試験時間は130分(解答時間120分)になり、受験方法も変わるため注意しましょう。2科目で登録した場合、試験当日に1科目だけを受験することもできません。
化学基礎の学習をひと通り終えたら、もう一つの出題範囲と合わせて60分で解く練習にも取り組みましょう。普段の演習を化学基礎だけで完結させたままにしておくと、本番で2分野を通して解く感覚がつかめないまま試験に臨むことになります。
時間配分の具体的な決め方については、後の章で取り上げます。
亀田先生のアドバイス
二次試験の理科しかり、共通テストの理科基礎しかり、理科の試験は時間制限内で2科目を解く形式が一般的です。点数を安定させるには、①どっちの科目から解き始めるか、②それぞれの科目にどれだけ時間をかけるか、を事前に決めておき、かつ過去問演習などを通じてそのパターンに慣れておきましょう。
オススメは、「得意な方の科目を最初に短時間で解く」です。例えば、化学礎が得意な人は20分でさっさと解き終え、残りの時間でもう1科目を30分程度で解き、合計50分程度で解き終えられるようにしましょう。得意科目が難しかったパターンについても想定しておけるとベストです。
参考:令和9年度 大学入学共通テストQ&A|大学入試センター
知識だけでなく計算・実験・資料読解が問われる
共通テスト化学基礎で問われる力は、単純な暗記だけにとどまりません。ここでは、問題タイプ別にどのような力が求められるのかを整理します。
問題タイプごとに求められる力は、次のとおりです。
| 問題タイプ | 問われる力 |
|---|---|
| 知識問題 | 用語、化学式、物質の性質、実験操作を正確に理解する力 |
| 計算問題 | 条件と単位を整理し、物質量や濃度、反応比を使う力 |
| 実験問題 | 実験の目的・操作・結果を関連づける力 |
| 資料・グラフ問題 | 軸や単位を確認し、必要な情報を読み取る力 |
| テーマ問題 | 初見の題材を既習の知識に置き換える力 |
この表からわかるとおり、共通テスト化学基礎では知識・計算・実験・資料読解という複数の力が組み合わさって問われています。
暗記が不要という意味ではなく、暗記した知識を問題の条件に合わせて使いこなす必要があるということです。
たとえば、酸と塩基の知識を覚えていても、与えられた濃度や体積から中和に必要な量を求められなければ、計算問題には対応できません。グラフが提示された場合も、読み取った数値をどう計算に使うか考える力が必要です。
亀田先生のアドバイス
いわゆる思考が必要な問題とは、知識の使い方が隠されている問題であることが多いです。
高校生向けのテストとして出題されている以上、その問題を解くための知識自体は高校範囲で習っているはずです。思考が必要な問題では「一見すると、その問題でどんな知識を使えば解けるか」が分からないようになっています。そのような問題に対したときには、「とりあえずグラフや表から分かることと抜き出す」「どんな関係や関連があれば、答えを導けるかを考える」ステップが必要です。
また、解答を見て復習する際にも、その問題が解けなかったのは知識が足りなかったのか、その知識を活用するための前ステップができていなかったのか、どちらであるかを意識するようにしましょう。
共通テスト化学基礎で覚えること・要点まとめ【分野別】

共通テスト化学基礎で得点を伸ばすには、基本知識を正確に覚えることが重要です。ただし、すべての内容を同じ方法で暗記する必要はありません。
元素記号や炎色反応のように覚える内容と、電子配置や化学結合のように仕組みから理解できる内容を分けましょう。ここでは、分野ごとの重要事項を整理します。
亀田先生のアドバイス
化学基礎では、まず知識のインプットが大事です。問われる内容はそこまで難しくないため、6〜7割は暗記事項のインプットで安定して取ることができます。
演習をしてみて、30点に届かないことが多いのであれば、それは知識不足が原因です。それ以上の点数を狙う人は、「暗記事項と理論をつなげる」「単位系を理解する」「グラフの読み取り問題などの場合は、必要な情報が何か、あたりをつける」などを意識すると良いと思います。
物質の構成・化学結合で覚えること
物質の構成・化学結合では、原子やイオンの仕組みを理解することが重要です。電子配置や価電子の考え方を理解すると、イオンのでき方や化学結合の性質を判断しやすくなります。
特に押さえたい知識を整理しました。
| 覚えること | 要点・具体例 |
|---|---|
| 原子の構造 | 原子核は陽子と中性子で構成され、その周囲に電子が存在する |
| 原子番号・質量数 | 原子番号=陽子数、質量数=陽子数+中性子数 |
| 同位体 | 陽子数が同じで、中性子数が異なる原子 |
| 電子配置 | 電子殻への電子の入り方と価電子 |
| イオン | 電子の授受によって陽イオン・陰イオンになる |
| イオン結合 | 陽イオンと陰イオンの静電気的な引力による結合 |
| 共有結合 | 原子が電子対を共有する結合 |
| 金属結合 | 金属の陽イオンと自由電子による結合 |
| 元素の確認 | 炎色反応などによる元素の識別 |
この分野は、それぞれの用語を別々に覚えるよりも、関係性を理解するほうが効果的です。たとえば、ナトリウム原子は電子を1個失ってNa⁺になり、塩素原子は電子を1個受け取ってCl⁻になります。電子配置を理解していれば、代表的なイオンの価数も判断しやすくなるでしょう。
一方、炎色反応はそのまま覚える必要があります。ナトリウムは黄色、カリウムは赤紫色、銅は青緑色など、代表的な元素と色を対応させて確認してください。
物質量・化学反応式で覚えること
物質量・化学反応式は、化学基礎の計算問題を解くための土台となる分野です。特にmolの意味と単位変換を理解することが、濃度や化学反応式の計算にもつながります。
基本となる公式や関係式を整理しました。
| 覚えること | 公式・要点 |
|---|---|
| 物質量 | 物質量(mol)=質量(g)÷モル質量(g/mol) |
| 質量 | 質量(g)=物質量(mol)×モル質量(g/mol) |
| 粒子数 | 粒子数=物質量(mol)×約6.0×10²³(/mol) |
| 気体の体積 | 0℃・1気圧では1molあたり約22.4L |
| モル濃度 | モル濃度(mol/L)=溶質の物質量(mol)÷溶液の体積(L) |
| 質量パーセント濃度 | 溶質の質量÷溶液の質量×100 |
| 化学反応式 | 反応式の係数比が、反応する物質量の比になる |
※気体のモル体積は、温度・圧力の条件によって変化します。
これらの公式は、意味を理解せずに暗記すると使い分けが難しくなります。たとえば、モル濃度は「溶液1Lに溶質が何mol含まれているか」を表す値です。この意味を理解していれば、体積が変わっても必要な計算を考えやすくなります。
また、化学反応式では係数の比と質量の比を混同しないように注意しましょう。具体的な計算方法は、次の章で解説します。
亀田先生のアドバイス
化学基礎の暗記を上手に行うコツは、「丸暗記の事項と理論で導ける暗記事項を切り分けて理解する」です。
例えば、炎色反応などは(化学基礎の範囲内では)丸暗記が必要な一方、イオンの価数や化学結合の性質などは、原子の電子配置の考えを理解していれば、丸暗記しなくても自力で導き出せますね。すべてを暗記しようとするとパンクしてしまいますが、仕組みから理解できる事項を増やすことで、マストで覚えないといけない知識を減らすことができます。
このように、理論を用いることで丸暗記の量を減らせるのが、理科の特徴です。この考え方は、化学基礎だけではなく他の科目でも有用なので、ぜひ試してみてください。
酸・塩基で覚えること
酸・塩基では、基本的な性質に加えて、中和反応やpHの考え方を覚える必要があります。酸・塩基の価数と電離の強弱を区別し、中和の量的関係につなげることが重要です。
主な暗記事項と要点を整理しました。
| 覚えること | 要点・具体例 |
|---|---|
| 酸 | 水溶液中でH⁺を生じる物質 |
| 塩基 | 水溶液中でOH⁻を生じる物質など |
| 強酸 | 塩酸、硝酸、硫酸など |
| 弱酸 | 酢酸、炭酸など |
| 強塩基 | 水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど |
| 弱塩基 | アンモニアなど |
| 酸・塩基の価数 | 酸が放出できるH⁺の数、塩基が受け取れるH⁺の数など |
| pH | 水溶液の酸性・塩基性の程度を表す値 |
| 中和反応 | 酸と塩基が反応し、塩と水などが生じる |
| 中和滴定 | 濃度がわかっている溶液を使い、未知の濃度を求める |
この分野で混同しやすいのが、「強酸・弱酸」と「酸の価数」です。たとえば、塩酸は強酸で1価、硫酸は強酸で2価となります。酸の強弱は電離のしやすさを表しており、価数とは異なる点に注意しましょう。
pHの計算では、与えられた条件から水素イオン濃度を求める必要があります。基本的な定義と計算方法をセットで確認しておくと安心です。
酸化還元で覚えること
酸化還元では、電子の授受と酸化数の変化を理解することが基本です。酸化・還元を単なる用語として覚えるのではなく、酸化数が増えるか減るかで判断できるようにしましょう。
代表的な暗記事項を整理しました。
| 覚えること | 要点 |
|---|---|
| 酸化 | 電子を失うこと、酸化数が増加すること |
| 還元 | 電子を受け取ること、酸化数が減少すること |
| 酸化剤 | 相手を酸化し、自身は還元される物質 |
| 還元剤 | 相手を還元し、自身は酸化される物質 |
| 酸化数 | 単体は原則0、単原子イオンはイオンの電荷と一致 |
| イオン化傾向 | 金属が電子を失って陽イオンになろうとする傾向 |
| 酸化還元の量的関係 | 失われた電子の物質量と受け取られた電子の物質量は等しい |
たとえば、Fe²⁺がFe³⁺になる反応では、鉄の酸化数が+2から+3へ増えているため酸化です。一方、Cu²⁺がCuになる場合は、酸化数が+2から0へ減少するため還元に当たります。
イオン化傾向についても、代表的な金属の順序を覚えておくと、金属同士の反応を判断しやすくなるでしょう。ただし、順序だけでなく、電子を失いやすい金属ほどイオン化傾向が大きいという意味も理解しておくことが大切です。
共通テスト化学基礎の計算問題|頻出パターンと解き方

共通テスト化学基礎では、モルや濃度、化学反応式などの基本計算が重要です。
公式を覚えていても、どの数値を使えばよいかわからず、手が止まる人もいるでしょう。ここでは、代表的な計算パターンを例題とともに解説します。
計算問題は求める量・単位・molの順に確認する
計算問題を解くときは、いきなり式を立てるのではなく、決まった手順で確認することがミスを防ぐ近道になります。
まず求めるものを確認し、次に答えの単位を確認します。そのうえで与えられた数値を書き出し、molに直す必要があるかどうかを判断してから、化学反応式や公式を使って計算を進めましょう。
答えの単位から逆算して、どの式を使うべきかを考える習慣が大切です。
典型的なミスには、単位変換の忘れや計算条件の見落としがあります。たとえば、mLをLに直し忘れる、質量と物質量を混同するなどです。
反応式の係数比を使わない、反応物の過不足を確認しないといったミスにも注意しましょう。計算後は単位や桁が適切か、選択肢と矛盾していないかを確認してください。
亀田先生のアドバイス
計算問題で間違える原因の多くは、公式へのあてはめ作業に頼ってしまうことです。これを防止するには、単位系をよく理解するのが手っ取り早いです。
例えば、まずは「g(質量)」を「mol(物質量)」に変換する場合には、モル質量(g/mol)を使えば良いんですよね。化学基礎に出てくる問題の多くは単位変換で解ける問題が多いので、まずはこれができるようになりましょう。
一々細かい式を覚えずとも、「モル質量は、原子が1mol個だけ集まったときの質量である」ことを理解してれば、自ずと計算式を立てることができるはずです。
パターン① モル・化学反応式の計算
モルの計算では、質量と物質量の変換を確実にできるようにしましょう。たとえば、「水18gは何molか。ただし、水のモル質量を18g/molとする」という問題では、次の式を使います。
物質量(mol)=質量(g)÷モル質量(g/mol)
18÷18=1となるため、答えは1molです。
次に、化学反応式を使う問題を考えてみましょう。
2H₂+O₂ → 2H₂O
この反応式から、水素2molと酸素1molが反応すると、水2molが生成することがわかります。水素0.50molが十分な酸素と完全に反応する場合、生成する水は0.50molです。水のモル質量は18g/molなので、質量は9.0gとなります。
化学反応式の係数は物質量の比を表しており、そのまま質量の比になるわけではありません。質量をいったんmolに変換し、係数比を使ってから必要な単位に戻すと整理しやすくなります。
パターン② モル濃度・質量パーセント濃度の計算
濃度の計算では、モル濃度と質量パーセント濃度の違いを理解することが重要です。たとえば、「NaClが0.20mol含まれる水溶液500mLのモル濃度は何mol/Lか」という問題では、次の式を使います。
モル濃度(mol/L)=溶質の物質量(mol)÷溶液の体積(L)
500mLを0.500Lに変換すると、0.20÷0.500=0.40となり、答えは0.40mol/Lです。
一方、質量パーセント濃度は溶液全体の質量に占める溶質の割合を表します。「水90gに食塩10gを溶かしたときの質量パーセント濃度」を求める場合は、次のように計算しましょう。
質量パーセント濃度(%)=溶質の質量÷溶液の質量×100
10÷(90+10)×100=10
答えは10%です。
モル濃度ではmLからLへの変換、質量パーセント濃度では溶液全体の質量を使うことに注意しましょう。特に質量パーセント濃度では、水の質量だけを分母にしないことが大切です。
パターン③ 中和・酸化還元の計算
中和の計算では、酸と塩基の価数を考慮する必要があります。たとえば、「0.10mol/Lの塩酸20mLを完全に中和するには、0.10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液が何mL必要か」という問題を考えてみましょう。
HCl+NaOH → NaCl+H₂O
塩酸と水酸化ナトリウムは1:1の物質量比で反応します。塩酸の物質量は0.10×0.020=0.0020molなので、必要な水酸化ナトリウムも0.0020molです。したがって、0.0020÷0.10=0.020Lとなり、答えは20mLです。
酸と塩基の価数が異なる場合は、次の関係を使います。
酸の価数×酸のモル濃度×酸の体積=塩基の価数×塩基のモル濃度×塩基の体積
※酸と塩基の体積には同じ単位を使用します。
一方、酸化還元の計算では、電子の授受に注目しましょう。たとえば、Fe²⁺がFe³⁺になるとき、鉄イオン1個は電子を1個失います。
Fe²⁺ → Fe³⁺+e⁻
Fe²⁺が0.20mol反応した場合、失われる電子は0.20molです。
酸化還元の計算では、酸化剤が受け取る電子の物質量と、還元剤が失う電子の物質量が等しくなります。まずは酸化数の変化と電子数の関係を理解し、基本問題で使えるようにしておきましょう。
共通テスト化学基礎の勉強法|得点別の対策と進め方

ここからは、共通テスト化学基礎で得点を伸ばすための具体的な勉強法を見ていきます。
まず現在の得点や失点原因を確認し、自分に必要な対策を見つけましょう。そのうえで、基礎理解から問題演習へと段階的に進めることが大切です。
まずは得点と失点原因から現在地を確認する
勉強を始める前に、直近の模試や過去問の得点をもとに、今の自分に必要な対策を確認しておきましょう。同じ得点帯でも、原因によって取り組むべき内容は変わります。
現在の得点と優先すべき対策の目安は、次のとおりです。
| 現在の得点 | 主な状態 | 優先する対策 |
|---|---|---|
| 20点未満 | 基本知識や典型計算に抜けがある可能性が高い | 教科書・参考書で基礎を整理する |
| 20〜30点 | 知識の抜けや計算の不安定さが残っている | モル・濃度・反応式の基本演習 |
| 30〜40点 | 資料問題・複合問題・時間配分で失点しやすい | 共通テスト形式の問題演習 |
| 40点以上 | 読み違い・知識の穴・計算ミスを個別に補う段階 | 時間演習と失点原因の分析 |
この表は、あくまで優先順位を決めるための目安です。得点帯だけで原因を判断せず、誤答を知識・計算・読み取り・実戦面のどこに当てはまるか分けて確認しましょう。20点未満でも時間切れが原因のこともあれば、40点以上でも単純な知識不足で失点することもあります。
自分の失点がどこに当てはまるかを言語化しておくと、その後の学習を進めやすくなります。
亀田先生のアドバイス
化学基礎だけにかかわらず、模試や共通テストの過去問の復習をする際に大事なのが「間違え方を分析する」ことです。
例えば、計算ミスの1つを取ったとしても、「字が汚くて読み間違えた」とか「約分を間違えた」「筆算で繰り上がりを間違えた」など、複数の要因が考えられます。これらのミスを計算ミス・ケアレスミスで済ますのではなく、自分の間違え方に向き合ってミスを分析してください。そして、そのミスに対して適切な打手を考えてください。
例えば「字が汚い」のが計算ミスの主要因であるならば、「多少時間を食ってもいいから丁寧に字を書く、丁寧に計算をする」ようにしてください。
教科書・参考書で全範囲を理解する
最初のステップでは、細かい暗記事項をすべて覚えようとするのではなく、各単元の全体像をつかむことを目指します。焦って問題演習に入る前に、まずは土台を作る段階です。
教科書または講義系の参考書を1冊決め、原子・化学結合・物質量・酸塩基・酸化還元など、単元同士のつながりを確認しながら読み進めましょう。本文だけでなく、図や表、実験の説明にも目を通すことが理解の助けになります。わからない用語をそのままにせず、その場で確認する習慣も大切です。
1周目から完璧を目指す必要はありません。次のステップに進む目安は、それぞれの単元について「何を学ぶ分野なのか」を自分の言葉で簡単に説明できることです。
後の単元は前の単元の知識を前提としていることが多いため、たとえばモルや化学反応式の理解が、酸塩基や酸化還元の計算につながっていきます。
ひと通り理解できたら、基本問題を解いて知識が定着しているか確認しましょう。例題の解き方を理解したあと、解答を見ずに同じ問題を解けるか試すことも大切です。
亀田先生のアドバイス
例えば「モル」の理解が不十分な人は、後の酸塩基や酸化還元の計算で必ず行き詰まってしまいます。
そのため、まずは学校の授業などで一通りの内容を頭に入れておくようにしましょう。細かい内容を詰めていくのは、その後の演習で。イメージだけで言うなれば、1周目は「この単元は何を扱う分野か」を他人に説明できる状態になれば十分。細かい暗記は後からついてくるので、まずは土台を固めていきましょう。
また、共通テストでは実験装置の図やグラフを用いた出題が頻出です。文章だけでなく、グラフからの読み取りにも日頃から慣れておきましょう。
知識問題は選択肢を一つずつ正誤判定する
知識問題では、選択肢全体をなんとなく眺めて判断してしまうと、正誤を見誤りやすくなります。まずは、何の単元・知識が問われているのかを確認しましょう。
そのうえで、選択肢を一つずつ正誤判定し、誤っている部分を具体的に特定していきます。「必ず」「すべて」など条件を強く限定する表現がある場合は、例外がないかを定義や法則に照らして確認しましょう。強い表現だから誤りとは限りません。
正解できた問題であっても、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるかどうかを確認してください。説明できない場合は、正解していても知識が不安定な可能性があります。
たとえば、イオンに関する選択肢であれば、正誤を暗記だけで判断するのではなく、電子配置や電子の授受を根拠に考えます。判断に迷う知識が出てきた場合は、教科書へ戻って確認しましょう。
亀田先生のアドバイス
先述の通り、共テだけでいえば6〜7割(30点〜35点)程度は暗記で対応ができます。というのも、化学基礎で問われる内容は広く浅いため、これより低い点数の場合は知識のインプットが足りていないと考えられます。
次に8割〜9割の高得点を安定して取るためには、計算問題や実験・資料問題も解き切る力が必要です。そのために、自分の言葉で「説明する」、公式に当てはめて「計算に使う」、そして「実験や身近な現象と結びつける」といったアウトプットを増やすようにしてください。そのために過去問があります。
実験・資料問題は「目的・条件・結果」に分けて読む
実験や資料を扱う問題では、情報量が多いために、どこに注目すればよいか迷いやすくなります。読み方を型として持っておくと、情報を整理しやすくなります。
実験の目的をまず確認し、変えた条件と一定にした条件を分けて整理しましょう。そのうえで、実験操作と結果を分けて読み、表やグラフについては軸と単位を先に確認します。数値の増減や変化点をチェックし、教科書で学んだ知識と結果を結びつけて考えます。
たとえば、溶解度曲線を使う問題では、横軸の温度と縦軸の溶解度を確認します。どの温度で、どれだけの物質が溶けるのかを読み取ることが基本です。
問題文を読む際に、「何を調べる実験なのか」を一文でまとめられるかどうかが、理解できているかの目安になります。
亀田先生のアドバイス
まず、大前提ですが、共テ化学基礎はそこまで文章は長くありません。この分量程度の情報は、練習を通じて処理できるようになりましょう。(他の科目の問題の方が1問あたりの情報量は多いため、特段に化学基礎が大変ということはありません。)
情報の処理については、ある程度は慣れの部分もあるので、苦手なのであれば過去問や参考書を通じて問題演習の経験を積みましょう。そして、他の科目に比べて化学基礎に特有なのは、グラフの読み取りが必要な問題です。この形式の問題を得意にするには「問われている値を導くために、どんな値が必要か」を判定することです。
問題を解く前に、「この値とこの値が分かれば、この公式を使って答えが求められる」といった、ある種の算段をつけておくと問題が解きやすくなります。
初見のテーマ問題は既習知識に置き換えて考える
2026年度の肥料のように、見慣れない題材が出題されることがありますが、題材そのものについての専門知識が必要になるわけではありません。大切なのは、題材名に惑わされず、登場する物質や反応から中身を読み取ることです。
考え方の順番としては、まず題材名にとらわれず登場する物質や反応を確認します。次に、問われている内容がどの単元に対応するのかを分類しましょう。
そのうえで、与えられた条件やデータを整理します。教科書で学んだ法則や知識を当てはめ、選択肢や計算結果と照らし合わせる流れです。
2026年度であれば、肥料について詳しく知っているかどうかではなく、酸・塩基、酸化還元、元素の性質、物質量といった既習の知識に置き換えられるかどうかがポイントでした。
見慣れない題材だからといって、すぐに難問だと判断する必要はありません。複数の単元を組み合わせた問題も、問われている内容を分解すると考えやすくなります。
共通テスト直前期は何を優先して勉強する?
共通テスト直前期は、新しい知識を増やすことよりも、これまでに学習した内容を確実に得点につなげることが重要です。ただし、残り時間によって取り組むべき内容は変わります。
直前期の学習内容を、残り期間別に整理しました。
| 残り期間 | 優先する対策 |
|---|---|
| 1カ月前 | 苦手単元の復習と基本計算の確認 |
| 2週間前 | 共通テスト形式の演習と失点原因の分析 |
| 1週間前 | 暗記事項・公式・計算パターンの再確認 |
| 前日 | 間違えやすい知識を確認し、無理な詰め込みを避ける |
この表は、基礎学習をひと通り終えている場合の目安です。まだ基本知識に大きな抜けがある場合は、過去問ばかり解く必要はありません。短期間で得点を伸ばしたいときほど、基本問題を落とさない対策を優先しましょう。
また、理科基礎以外の科目の学習時間も考慮する必要があります。化学基礎だけに時間をかけすぎず、共通テスト全体の得点を伸ばす視点で学習計画を立ててください。
共通テスト化学基礎の参考書・問題集・過去問の使い方

教材にはそれぞれ役割があり、この章ではどの教材を、どの目的で使うかを整理します。
参考書選びに時間をかけすぎるよりも、今持っている教材の使い方を見直すほうが、得点につながりやすいためです。
参考書・問題集は学習段階に合わせて使い分ける
教材にはそれぞれ役割があり、学習段階に合わないものを選んでしまうと、時間をかけても得点につながりにくくなります。まずは教材ごとの位置づけを整理しておきましょう。
教材の種類ごとに、目的・使い方・次へ進む目安を整理しました。
| 教材 | 目的 | 主な使い方 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|---|
| 教科書・講義系参考書 | 内容の理解 | 図や例を確認しながら読む | 各単元の概要を説明できる |
| 暗記教材 | 知識の確認 | 曖昧な項目を繰り返す | 基本用語や化学式を答えられる |
| 基礎問題集 | 知識・計算の定着 | 間違えた問題を反復する | 基本問題をおおむね自力で解き、解法を説明できる(正答率8割程度が目安) |
| 共通テスト形式問題集 | 資料・テーマ問題への対応 | 時間を測り、条件整理を練習する | 必要な情報を自力で取り出せる |
| 過去問 | 本番対応 | 2つの出題範囲を通して解き、失点を分析する | 時間内に目標点を安定して取れる |
この表からわかるとおり、教材は段階が進むにつれて「理解する」ものから「本番に対応する」ものへと役割が変わっていきます。
「何周したか」という回数ではなく、「何ができるようになったか」を基準に教材を進めていくことが、遠回りに見えて最も効率のよい方法です。
正解した問題であっても、その根拠を説明できるかどうかを確認しましょう。参考書を読むだけで終わらせず、問題を自力で解ける状態まで仕上げることが重要です。
共通テスト化学基礎の過去問・正解はどこで見られる?
共通テスト化学基礎の過去問を解きたい人は、大学入試センターの公式サイトを確認しましょう。2026年度の問題と正解は、大学入試センターの公式サイトで公開されています。
主な確認先は次のとおりです。
| 確認したい内容 | 公式ページ |
|---|---|
| 2026年度の問題 | 令和8年度 本試験の問題|大学入試センター |
| 2026年度の正解 | 令和8年度 本試験の正解|大学入試センター |
| 2026年度の問題評価・分析 | 令和8年度 問題評価・分析委員会報告書(本試験)|大学入試センター |
問題は理科の「化学基礎」を選択して確認します。正解は理科基礎4分野をまとめた資料から確認できます。ただし、大学入試センターではすべての設問について詳しい解法解説を掲載しているわけではありません。考え方がわからない場合は、教科書や学校の解説資料も活用しましょう。
2027年度に向けては、2026年度だけでなく複数年度の過去問に取り組むことが大切です。年度によって題材や設問形式が異なるため、さまざまな問題に触れて対応力を高めましょう。
過去問は失点原因を分類して復習する
過去問は、点数だけを記録して終わりにしてしまうと、次に活かしにくくなります。誤答した理由を原因別に分類し、それぞれに合った復習方法を選ぶことが重要です。
失点原因ごとの復習方法を整理すると、次のようになります。
| 失点原因 | 復習方法 |
|---|---|
| 知識を知らなかった | 教科書・参考書へ戻る |
| 知識を思い出せなかった | 暗記教材で再確認する |
| 計算方法がわからなかった | 基本問題へ戻る |
| 条件や単位を見落とした | 問題文の読み方を見直す |
| 資料を読み違えた | 同じ形式の資料問題を解く |
| 時間が足りなかった | 解く順番や飛ばす基準を調整する |
| ケアレスミスをした | 自分専用の確認項目を作る |
この表のように、同じ「間違えた」という結果でも、原因によって復習の方向性は大きく異なります。
解説を読んで「わかった」で終わらせず、自分がどの段階で考えられなくなったのかを確認する作業が欠かせません。
復習の流れとしては、過去問を解いたあとに失点原因を分類し、教科書や問題集へ戻って類題を解き、数日後にもう一度解き直すというサイクルを繰り返します。1回の復習で終わらせず、時間を空けて再確認することで、知識がより定着しやすくなります。
亀田先生のアドバイス
過去問演習は、基本知識と典型計算が一通り身についた段階で入りましょう。具体的には高3の8月頃から始めるのがよいでしょう。最初の頃は制限時間を気にせず、問題が解けるかどうかに努めてください。
そして、間違えた問題や解けなかった問題は、「なぜ間違えたのか(知識不足か、計算ミスか、問題文の読み飛ばしか)」を分析し、適切に復習するようにしましょう。特に知識不足の場合は、教科書や参考書の該当箇所へ戻り、知識の抜け漏れをなくすようにしましょう。
時間をかけて高得点が取れるようになれば、次は、理科基礎2科目を50分で解き切ることをめざしましょう。
理科基礎の2つの出題範囲を通して時間配分を決める
理科基礎の時間配分については、固定の型を当てはめるのではなく、自分に合った配分を探していくことが大切です。まずは化学基礎だけで時間を測るところから始めましょう。
慣れてきたら、理科基礎の2つの出題範囲を通して解く練習に移ります。化学基礎を先に解く場合と後に解く場合の両方を試し、1分野に使う時間の上限をあらかじめ決めておくと安心です。
時間配分の例をまとめました。
| パターン | 化学基礎 | もう一つの出題範囲 | 見直し |
|---|---|---|---|
| 均等に解く | 27分 | 27分 | 6分 |
| 化学基礎が得意 | 20分 | 30分 | 10分 |
| 化学基礎に時間が必要 | 30分 | 25分 | 5分 |
※いずれも60分間での時間配分例です。試験で指定された配分ではありません。
「30分ずつ」という均等な配分が、必ずしも自分に合っているとは限りません。得意な分野を先に解いて勢いをつける方法と、時間がかかる分野を先に片づけておく方法には、それぞれメリットと注意点があります。
計算問題で手が止まったときにどこで見切りをつけるかという基準や、最後に両分野のマークを確認する時間を残しておくことも忘れないようにしましょう。何度か試しながら、自分にとって安定する配分を見つけていくことが大切です。
共通テスト化学基礎に関するよくある質問

ここまで、共通テスト化学基礎の出題傾向や対策方法を解説しました。
最後に、目標点や勉強を始める時期、参考書の使い方など、受験生が気になりやすい疑問に答えていきます。
共通テスト化学基礎では何割を目指すべき?
目標点は、志望校の配点や共通テスト全体の目標点から逆算するのが基本です。
まだ具体的な目標点が決まっていない場合は、まず7割を安定して取れる状態を一つの目安にしてもよいでしょう。より高い得点が必要な受験生は、8割以上を目標にします。
化学基礎単体の得点だけでなく、もう一つの出題範囲との合計点で理科基礎全体を考えることも大切です。
たとえば、理科基礎全体で80点を目指す場合、化学基礎で40点、もう一つの出題範囲で40点を取る方法があります。一方、得意な分野で45点を目指し、化学基礎で35点を確保する考え方もできるでしょう。
志望大学・学部によって共通テストの配点や科目の扱いが異なるため、必ず募集要項を確認してください。
共通テストのボーダーや得点率の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
共通テスト化学基礎の対策はいつから始めるべき?
理想的な流れとしては、高校3年生の夏までに基礎知識と典型計算を固め、夏から秋にかけて単元別の演習と共通テスト形式の問題に取り組みます。
秋以降は過去問と時間配分の練習に移り、直前期には弱点補強と解き直しに時間を使う形です。
ただし、時期だけで一律に開始地点を決めるのではなく、現在の理解度から始める段階を選ぶことが重要です。
開始時期が遅れている場合でも、焦って過去問だけに手をつけるのではなく、必要に応じて基本問題まで戻る勇気を持ちましょう。
共通テスト化学基礎の参考書や問題集は何冊必要?
基本的には理解用に1冊、演習用に1冊あれば十分です。必要に応じて、共通テスト形式の問題集や過去問を追加していく形が現実的です。
新しい教材を買う前に、まずは手元の教材がどこまで定着しているかを確認しましょう。
冊数を増やすことよりも、基本問題を自力で解けるかどうかを基準に教材を選ぶことが大切です。同じレベルの参考書を並行して増やすより、間違えた問題を繰り返し復習するほうが効果的です。
亀田先生のアドバイス
参考書・問題集は、それぞれ1冊を完璧にするようにしましょう。目標点数次第ではありますが、それだけで十分な場合も大いに考えられます。
本当に完璧にして、それでも点数が伸びない・より高得点を目指す場合は問題集を追加しても構いません。(ただ、理科基礎科目よりも大事な科目がある人も多いので、理科基礎に時間をかけすぎる必要はありません。生徒さんを指導していても、2冊以上問題集を使う場合はあまりありません。)
共通テスト化学基礎は「知識を使って考える力」を身につけよう

共通テスト化学基礎で安定して得点するには、基本知識を覚えるだけでなく、それを問題の条件に合わせて使う力が重要です。
2026年度も、幅広い知識を問う小問集合に加えて、肥料を題材とした総合問題が出題されました。見慣れない問題に対応するためにも、普段から知識と計算、実験・資料の読み取りを結びつけて学習しましょう。
まずは直近の模試や過去問を見直し、「知識・計算・資料読解・時間配分」のどこで失点しているのかを確認することから始めてください。知識不足が原因であれば教科書へ戻り、計算が苦手なら基本問題を繰り返すことが効果的です。
高度な知識を増やすことよりも、基本事項を正確に理解し、問題に合わせて使う力のほうが重要です。自分に足りない力を一つずつ補いながら、目標点を安定して取れる状態を目指しましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
2000年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻所属。(株)カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、株式会社SciCurioの代表として自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。日曜劇場『御上先生』教育監修。
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