共通テスト得点率とは?ボーダー得点率とはどう違う?意味や計算方法を解説
大学情報サイトで「共テ得点率75%」といった数字を見て、これが誰の得点を表しているのか、75%取れば合格できるのかと戸惑っていませんか。
共通テスト得点率とは、本来は自分の得点を満点で割った割合を指す言葉です。ところが大学情報サイトに載っている共テ得点率は、多くの場合、合格可能性の目安となる「ボーダー得点率」を指しています。
ただし、ボーダー得点率は合格最低点ではなく、その得点率を取れば必ず合格できるという保証もありません。
この記事では、共通テスト得点率の意味、計算方法、偏差値・合格最低点との違い、得点率帯ごとの大学・学部例、そして志望校選びや出願判断への使い方まで順に説明します。
編集部
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目次
共通テスト得点率とは?3つの数字を分けて考えよう

「共通テスト得点率」という言葉は、実は複数の意味で使われています。この違いを知らないまま数字を比較すると、誤解が生まれやすくなります。
まずは3種類の得点率を、下の表で整理しておきましょう。
| 種類 | 何を示すか | 使う場面 |
|---|---|---|
| 自分の得点率 | 自分が満点の何%を取ったか | 模試・自己採点 |
| 大学配点での得点率 | 大学の科目・配点で換算した割合 | 志望校との比較 |
| ボーダー得点率 | 合格可能性の予想ライン | 大学の難易度確認 |
この3つは、それぞれ計算の元になる数字も、使う目的も違います。共通テスト全体での自分の得点率を、大学の科目・配点で算出されたボーダー得点率とそのまま比較すると、志望校との距離を正しく判断できない場合があります。
ここからは、それぞれの得点率が何を示すのか確認していきましょう。
自分の得点率は満点に対して何%取れたかを示す
自己採点や模試の結果を見るときに使う、もっとも基本的な得点率です。
たとえば、800点満点中600点を取った場合、得点率は75%になります。
得点率とは、点数をそのまま比較しやすくするために割合へ直した数字です。
ここで押さえておきたい点は次の2つです。
- 得点率を計算する満点は、受験した科目や集計する科目によって変わる
- 志望校との距離を見るときは、大学の利用科目・配点に換算する必要がある
得点率はあくまで、自分の学力を振り返るための第一歩です。
大学配点での得点率は利用科目と配点によって変わる
共通テスト全体での得点率と、志望大学で使われる得点率は、必ずしも一致しません。
大学によって、次のような条件が異なるためです。
- 利用する教科・科目
- 科目ごとの配点
- 圧縮配点や傾斜配点の有無
- 英語のリーディング・リスニングの比率
- 高得点科目の採用
- 第1解答科目の指定
同じ自己採点結果でも、大学の配点によって得点率は上下します。
この記事では、大学の利用科目・配点に換算した得点割合を「大学配点での得点率」と呼びます。これは一般的な固有名称ではなく、説明をわかりやすくするための便宜的な呼び方です。詳しい計算手順は次の章で扱います。
大学情報サイトに掲載されている「共テ得点率」は、多くの場合、予備校が算出した「ボーダー得点率」を指します。
例えば河合塾では、ボーダーラインを来年度入試における合格可能性50%の予想ラインとして示しています。前年の入試結果や全統模試のデータをもとにボーダーラインを予想し、共通テストの得点率は各大学の科目・配点に沿って算出しています。
ここで重要なのは、ボーダー得点率が次のようなものではないという点です。
- 自分が実際に取った得点率ではない
- 合格者平均点や合格最低点でもない
- 大学が公式に発表した合格基準でもない
ボーダー得点率を超えたからといって、合格が確定するわけではありません。
大学情報サイトによってデータの提供元や定義が異なる場合もあるため、「すべて同じ基準」と決めつけず、必ず出典と定義を確認する習慣をつけましょう。
共通テスト得点率の出し方を計算例で確認しよう

得点率の考え方がわかったところで、実際の計算方法を確認していきます。
基本の計算式から始め、志望大学の配点に合わせた換算、そして大学間での比較まで、段階を追って説明します。
得点率は「得点÷満点×100」で計算する
得点率の基本式は、次のとおりです。
得点率=得点÷満点×100
具体例で確認してみましょう。
| 満点 | 得点 | 得点率 |
|---|---|---|
| 800点 | 600点 | 75% |
| 500点 | 350点 | 70% |
計算結果に小数が出た場合は、途中で切り上げたり切り捨てたりせず、最後まで計算しましょう。大学情報サイトのボーダー得点率と比較するときは、表示されている数値の桁にも注意してください。
満点は受験した科目数や大学の指定によって異なるため、まずは「何点満点で計算するのか」を確認することが大切です。
志望大学の科目・配点に合わせて換算する
自分の得点率を大学のボーダーと比較するには、次の手順で換算します。
- 志望大学の利用科目を確認する
- 各科目の配点を確認する
- 自分の得点を大学の配点へ換算する
- 換算後の得点を合計する
- 大学の満点で割る
換算には、次の式を使います。
換算後の得点=自分の得点÷共通テストでの満点×大学の配点
たとえば、共通テストでは200点満点の英語を、大学が100点に圧縮して利用する場合を考えてみます。
160点÷200点×100点=80点
| 科目 | 共通テストでの得点 | 大学配点(100点) | 換算後の得点 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 160点/200点満点 | 100点 | 80点 |
このように、共通テストでの得点をそのまま使うのではなく、大学の配点比率に合わせて計算し直す必要があります。
自分の得点率と大学のボーダーを比較するには、必ず大学の配点への換算が欠かせません。
同じ自己採点でも大学によって得点率は変わる
同じ受験生の自己採点結果でも、志望大学が変わると得点率は変わります。ここでは、A大学とB大学を例に比較してみましょう。
A大学は英語・数学・国語を均等に評価する配点、B大学は数学を重視する配点とします。
| 科目 | 自己採点 | A大学での換算 | B大学での換算 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 160/200 | 80/100 | 40/50 |
| 数学 | 120/200 | 60/100 | 90/150 |
| 国語 | 140/200 | 70/100 | 35/50 |
この例では、A大学での換算後合計は210点/300点満点で得点率70%、B大学での換算後合計は165点/250点満点で得点率66%となります(数値はあくまで一例です)。
同じ自己採点結果でも、大学の科目・配点によって換算後の得点率は変わります。自分の得意科目の配点が高い大学では、換算後の得点率が上がることもあります。
得点率が高く換算される大学ほど合格しやすいとは限りません。ボーダーや二次試験の配点まで、あわせて確認しましょう。
共通テスト得点率と偏差値・合格最低点の違い

共通テスト得点率のほかにも、偏差値や合格最低点など、混同しやすい数字がいくつもあります。
ここでは、それぞれの定義と、大学情報を見るときの使い分けを整理します。
得点率と偏差値は表しているものが違う
まずは、共通テスト得点率と偏差値の違いを比較表で確認しましょう。
| 比較項目 | 共通テスト得点率 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 表すもの | 満点に対する得点割合 | 受験者集団内での位置 |
| 主な対象 | 共通テスト | 二次試験・私立一般方式など |
| 数値の決まり方 | 得点と満点 | 模試の受験者・平均・分布 |
| 主な用途 | 共通テストで必要な水準を見る | 独自試験の難易度を見る |
得点率は満点に対する絶対的な割合であり、偏差値は受験者集団内での相対的な位置を示す数字です。
そのため、「偏差値60なら共通テスト何%」というような一律の換算はできません。試験の対象も、算出方法もまったく異なるためです。
共通テストの水準を確認したいときは得点率、二次試験や独自試験の水準を確認したいときは偏差値、というように使い分けるとよいでしょう。
共テ得点率が高くても偏差値が低いことがある
大学情報サイトを見ていると、共テ得点率と偏差値の順位が一致しないことがあります。
共テ得点率と偏差値は、そもそも対象となる試験が異なります。河合塾では、ボーダー得点率は共通テストの科目・配点、ボーダー偏差値は二次試験や個別試験の科目・配点に沿って算出されています。そのため、同じ大学でも、共テ得点率と偏差値の高低が一致しないことがあります。
受験者層・募集人数・科目構成なども、数値に影響する要素として考えられます。
ボーダー得点率と合格最低点は別の数字
似た用語をまとめて整理しておきます。
| 用語 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| ボーダー得点率 | 合格可能性の予想ライン | 合格保証ではない |
| 合格最低点 | 実際の合格者の最低点 | 年度により変わる |
| 合格者平均点 | 合格者の平均的な点数 | 合格基準ではない |
| 第1段階選抜 | 二次試験に進むための選抜 | 最終合格とは別 |
| 出願要件 | 出願に必要な条件 | 満たしても合格とは限らない |
ボーダー得点率と合格最低点は、算出する主体も意味もまったく異なる数字です。
なお、大学が公表する「合格最低点」は、共通テストと二次試験の合計点として掲載されている場合もあります。ボーダー得点率と直接比較せず、何をもとにした数字なのかを確認するようにしましょう。
同じ得点率でも大学の難易度は同じとは限らない
得点率が同じ70%や80%であっても、受験条件が同じとは限りません。比較する際は、次のような条件も確認する必要があります。
- 必要な教科・科目数
- 国公立大学か私立大学か
- 前期・中期・後期のどの日程か
- 共通テストのみか二次試験との合計か
- 二次試験の配点比率
- 募集人数
- 高得点科目採用の有無
たとえば、3科目で80%を求める私立大学の共通テスト利用方式と、6教科で80%を求める国公立大学の前期方式では、同じ「80%」でも、必要な科目数や配点、合否判定の方法は異なります。
得点率が同じでも、必要科目数や入試方式が違えば、単純に同じ難易度とはみなせません。
共通テスト得点率の目安を大学・学部例から確認しよう
ここでは、条件をそろえて比較しやすいように、国公立大学の理工系学部・前期日程を中心に、河合塾のボーダー得点率の例を紹介します。
河合塾のボーダー得点率は、合格可能性50%の予想ラインです。
| ボーダー得点率 | 大学・学部学科 | 日程・方式 |
|---|---|---|
| 87% | 東京大学・理科一類 | 前期日程 |
| 85% | 京都大学・工学部情報学科 | 前期日程 |
| 80% | 東北大学・工学部機械知能・航空工学科 | 前期日程 |
| 78% | 名古屋大学・工学部機械・航空宇宙工学科/千葉大学・工学部都市工学コース | 前期日程 |
| 63% | 岐阜大学・工学部社会基盤工学科 | 前期日程 |
| 62% | 山形大学・工学部建築・デザイン学科 | 前期日程 |
表の数値を見るときは、大学・学部・方式だけでなく、必要科目と配点も確認しましょう。同じ「前期日程・理工系」という条件でも、大学・学部によってボーダー得点率には大きな幅があります。
この表は大学ランキングではなく、得点率の数字を条件とセットで見るための一例として参考にしてください。
共通テスト得点率を志望校選びに生かす方法

得点率の意味や目安がわかったところで、実際にこの数字をどう使えばよいかを考えていきましょう。
ここまでの内容を、模試・自己採点・出願判断へどうつなげるかを順に説明します。
大学情報サイトでは年度・方式・科目・配点を確認する
大学情報サイトを見るときは、次の順番で確認するとよいでしょう。
- データの年度と提供元を確認する
- 学部・学科・日程・方式を確認する
- 共通テストの利用科目を確認する
- 科目ごとの配点や換算方法を確認する
- 二次試験の科目・配点を確認する
科目数・配点・方式までセットで確認することが、ボーダー得点率を正しく読み解く近道です。
最終的な科目・配点は、大学の募集要項で必ず確認するようにしましょう。
模試ではボーダーとの差を科目別の目標点に分ける
志望校のボーダー得点率を、日々の学習計画に落とし込む方法を紹介します。
たとえば、大学配点700点満点でボーダー75%なら、目安となる得点は525点です。現在の換算得点が490点であれば、差は35点になります。
その35点を、次のように科目別の目標へ分けてみましょう。
- 英語で10点
- 数学で15点
- 地歴で10点
「あと5%」と考えるより、必要な点数へ具体的に置き換えたほうが、勉強計画は立てやすくなります。
ただし、ボーダーぴったりを最終目標にするのではなく、当日の得点変動も考えて余裕を持った目標を設定することをおすすめします。
自己採点後は得点率だけで出願を決めない
共通テスト後の出願判断では、次のような情報をあわせて確認しましょう。
- 大学配点に換算した得点率
- ボーダーとの差
- 共通テストリサーチの判定
- 志望者内順位
- 募集人数
- 共通テストと二次試験の配点比率
- 二次試験の得意・不得意
- 前期・中期・後期の組み合わせ
換算得点・リサーチ判定・二次配点を並べて判断することが、出願を決める際のポイントです。
共通テストリサーチの詳しい見方については、以下の記事もあわせて参考にしてください。
共通テスト得点率に関するよくある質問

ここでは、本文で詳しく触れていない補足的な疑問について答えます。
共通テスト得点率は何%から高いといえる?
共通テスト得点率が高いかどうかは、志望する大学・学部・方式のボーダー得点率を基準に判断します。たとえば自分の得点率が80%でも、ボーダーが70%なら上回っていますが、85%ならまだ差があります。
共通テスト自体の出来を振り返るときは、受験者平均も参考になります。
共通テスト得点率と平均点は何が違う?
3つの数字を簡潔に整理しておきます。
- 得点率:満点に対して何%取ったか
- 平均点:受験者全体が平均して何点取ったか
- ボーダー得点率:大学・学部の合格可能性の目安
平均点は、試験全体の出来や、自分の得点が受験者平均を上回ったか下回ったかを確認する材料です。一方、志望大学の合格可能性を直接示す数字ではありません。
私立大学の共通テスト利用でも得点率の見方は同じ?
得点率やボーダー得点率の基本的な意味は、私立大学でも変わりません。
ただし、私立大学には次のような方式があります。
- 共通テストのみで判定する方式
- 大学独自試験と組み合わせる方式
- 2科目型・3科目型・4科目型
- 高得点科目を採用する方式
- 英語資格を組み合わせる方式
国公立大学より科目数が少ない方式も多いため、同じ得点率だからといって国公立大学と単純比較はできません。
まとめ 共通テスト得点率は大学の科目・配点とセットで確認しよう

ここまで見てきたように、自分の得点率は得点を満点で割った割合を示す数字であり、志望校と比較するときは大学の利用科目・配点に換算する必要があります。大学情報サイトの共テ得点率は、多くの場合ボーダー得点率を示していますが、これは合格最低点でも合格の保証でもありません。
得点率と偏差値は、そもそも対象とする試験が異なるため、一律に換算することはできません。また、同じ得点率であっても、科目数・入試方式・二次試験の有無によって、求められる条件は大きく異なります。
まずは志望大学の学部・学科・入試方式を確認し、自分の点数を大学の科目・配点に合わせて換算するところから始めましょう。そのうえで、ボーダーとの差と二次試験の配点をあわせて確認することが、共通テスト得点率を志望校選びに生かすための近道です。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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