中学受験、小6秋の過去問がこんなに難しいなんて。何を優先すべき?
「これまでの問題と全然レベルが違う……」
小6の秋、初めて本命校の過去問を見た瞬間、そんな戸惑いを覚える保護者も少なくないのではないでしょうか。
塾からは「そろそろ過去問演習を始めましょう」と言われても、本命校の対策にどれだけ時間をかけるか、併願校にも手を広げるべきか、それとも苦手克服を優先すべきか。限られた時間の配分に悩む家庭は少なくありません。
今回は、30年以上にわたり中学受験指導に携わってきた西村創先生に、本命校と併願校の優先順位のつけ方、併願校選びのコツ、過去問の効果的な復習方法を伺いました。限られた時間を無駄にせず、合格に近づくための考え方をお伝えします。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
本命校と併願校、どちらの過去問対策を優先すべきか。苦手克服との兼ね合いにも悩んでいます

【CASE】中学1年生・女子(当時小学6年生)
真面目でコツコツ努力するタイプ。少し完璧主義なところがあり、模試の結果や過去問の点数が悪いと深く落ち込んでしまいやすい、繊細な一面もある。
【今回のお悩み】
ペンネーム:りっちゃんさん(当時小学6年生 保護者)
夏休み明け、塾から「そろそろ志望校別対策や過去問演習を始めていきましょう」と言われました。ただ、いざ第一志望校の過去問を見てみると、問題形式も難度もこれまでの演習とは違い、今の娘にどこまで取り組ませるべきなのか迷っています。
第一志望校の対策に特化した方がよいのか、それとも併願校も含めて幅広く過去問に触れておいた方がよいのか、優先順位が分かりません。出願校はいくつか考えているため、第一志望だけに時間をかけすぎると、併願校の対策が間に合わないのではないかという不安もあります。
一方で、まだ基礎の穴や苦手分野も残っており、過去問よりも日々の宿題や苦手克服を優先すべきかも気になっています。第一志望に集中すべきか、併願校まで手を広げるべきか、判断がつかず悩んでいます。
併願校を増やしすぎないことが、優先順位を決める第一歩
小6秋の学習では、基礎の穴を埋めながら第一志望校の過去問対策を軸にし、併願校対策は必要な範囲に絞るのが基本です。すべてを同じ熱量で進めようとすると、限られた時間が分散してしまいます。まずは受験校を整理し、どこにどれだけ時間をかけるのかを決めることが大切です。
多くの大手進学塾では夏までに全カリキュラムを終えるため、9月から入試まで過去問演習に取り組み、本番に備えるのが一般的です。この時期にまず考えたいのが、併願校を何校にするかという点です。
併願校の選び方は、秋以降の対策のしやすさに直結します。併願校が多いほど合格のチャンスは広がるように見えますが、その分だけ過去問対策や学校ごとの傾向分析に時間を割く必要が出てきます。限られた学習時間の中で効率よく対策を進めるには、併願校を必要以上に増やさないことも大切な受験戦略のひとつです。
併願校を選ぶときの2つのポイント
✔チャレンジは第一志望のみに絞り第二志望以降は合格圏内の学校を選ぶ
入試問題にクセがあるならば、早めの対策が必要
偏差値70を超えるような難関校ほど、入試問題に独自の特徴があることが多いです。例えば、桜蔭中学と女子学院中学、開成中学と武蔵中学を比べると、学校によって入試傾向が異なります。志望校の入試問題が特徴的であるほど、早い段階から問題傾向を把握し、慣れておく必要があります。
優先度は本命>併願。配分は志望度の差で決める
本命校と併願校の入試対策の濃淡は、もちろん本命校のほうが優先となります。ただし、その濃淡をどの程度つけるかは、志望校との学力ギャップや志望度によって変わってきます。もし第一志望と第二志望で志望度合いがあまり変わらないのであれば、どちらも同じくらい時間をかけて対策するということになります。
併願校を増やすより、第一志望校の受験回数を増やすほうが対策はしやすい
学校によって問題の傾向は大きく異なります。さまざまな学校を幅広く受けるより、同じ学校を3度、4度と複数回受験するほうが、的を絞った対策がしやすくなります。受験校の数を増やすことはあまりおすすめしません。
過去問の目的は、現時点の学力を測ること&入試問題に慣れること
過去問は、現時点での学力と合格との間にどのくらいのギャップがあるかを見るためのものです。まずは現状の実力と志望校のレベルとの開きを冷静に把握することが大切です。そして、出題数や出題傾向をつかむという具体的な目的を持って取り組むことで、その学校の入試の特徴をつかみやすくなります。
合格ラインの6〜7割が取れれば十分
入試は、4科目の合計で受験者平均点あたりが取れれば合格に届くことが多く、6〜7割の点数で十分というケースがほとんどです。今の実力が40点なら、つぎは45点以上をめざすなど、少しずつ点数アップをめざしましょう。「あと少しで取れたよね」という惜しい問題から優先的に復習していくのが効率的です。
過去問の復習は暗記ではなく、プロセスの理解が重要
過去問の復習では、解答解説を読んで納得するだけでなく「なぜその答えになるのか」を自分で説明できるくらい理解できることが理想です。
具体的な復習方法は、科目や単元、その子の偏差値、通っている塾によって適したやり方が変わってきます。解説が丁寧なテキストを使う塾であれば、そのテキストに戻って類題を解くのが効果的です。一方、テキストの解説がそこまで詳しくない場合は、市販の参考書のほうが分かりやすいこともあります。ただし、難関校を目指す場合は、市販の参考書だと難易度が足りないケースもあるため、その子の目標に合わせて選ぶ必要があります。
なお、算数や理科は間違えた単元の類題を探しやすい一方、国語は同じように類題を見つけるのが難しい科目です。科目に応じて、復習の進め方を柔らかく調整するとよいでしょう。
親として見ておきたいのは、背伸びしすぎていないか
中学受験で意識したいのは、「塾で言われたから」「周りの子がやっているから」という周りの状況に流されないことです。過去問に対するスタンスは塾によって異なります。複数の塾を掛け持ち(併塾)している場合、塾によって真逆の行動方針を示されるケースもあるでしょう。だからこそ、親御さんのフラットな目線がとても大切です。
親御さんにぜひ見ておいてほしいのは、子どもが背伸びしすぎていないかという点です。基礎がまだ十分に埋まっていない状態で、無理に過去問対策ばかり進めても学力は積み上がりません。
なお、偏差値70を超えるような最難関を目指す場合は例外で、すべての苦手を埋めようとするより、ある程度見切りをつけてハイレベルな問題に挑戦していく必要があります。
まずは、日々の塾の宿題や授業にしっかりついていけているかを確認しましょう。子どもの現在地を見ながら、過去問演習にどのくらいアクセルを踏めるか、慎重に見極めて判断していきましょう。
成功へ導く賢者からの金言!

過去問より、まずは基礎固めを。
最難関志望なら、見切りをつける勇気も。
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※塾選調べ:
対象:中学受験をした子ども、または受験予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
調査期間:2026年6月18日〜7月1日
学年表記:お悩み当時の年齢で記載しています。(回答時は中1)
執筆者プロフィール
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