活動報告書の書き方!「実績がない」を変える経験の探し方と深掘り方を解説
「活動報告書って、結局何を書けばいいんだろう」そう感じていませんか。総合型選抜や学校推薦型選抜で提出を求められたものの、部活で目立った実績がなく、書き方がわからず困っている高校生も多いはずです。
活動報告書は、部長経験や大会入賞のような華やかな成果だけを書く書類ではありません。自分が何を考え、どう行動し、何を得たのかを伝えることが重要です。
この記事では、書く内容の選び方から5つのステップ、例文、NGの直し方まで解説します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
活動報告書とは?書く内容と伝えるポイント

活動報告書とは、高校生活などで取り組んだ活動について、その内容や自分の役割、そこでの行動・学びなどを大学へ伝える書類です。
ここで押さえておきたいのは、単なる活動歴・実績一覧ではないという点です。何をしたかを並べるだけの書類だと誤解したまま書き始めると、内容が薄くなりがちです。
なお、総合型選抜や学校推薦型選抜では、大学によって提出書類の様式や評価方法が大きく異なります。この記事の内容は一般的な考え方の整理ですので、必ず志望大学の募集要項や指定様式を確認したうえで作成を進めてください。
活動報告書には何を書く?
活動報告書に書ける可能性がある活動は幅広く存在します。部活動、生徒会・委員会、学校行事、探究活動、資格・検定、ボランティア、留学・国際交流、習い事、地域活動などが代表的です。
ただし、大切なのは活動名そのものではありません。その活動の中で自分が何をしたのかが、活動報告書の中身になります。
例えば同じ「サッカー部」でも、「サッカー部に3年間所属した」という説明だけでは、本人の姿が見えてきません。「練習に参加できなくなった部員に声をかけた」「後輩向けに自主練習メニューを考えた」といった具体的な行動こそが、活動報告書の材料になります。
また、大学によっては「高校在学中の活動に限る」「校外活動も含める」など対象範囲が指定される場合があります。まずは募集要項の記載を優先して確認しましょう。
活動報告書で伝えたいポイント
評価の観点は大学・学部によって異なりますが、活動報告書では、自分の役割や行動、工夫、学びなどが伝わるように整理することが大切です。
一般的に触れられることが多い要素として、主体性、課題への向き合い方、自分なりの工夫、他者との関わり方、活動を通じた学びや変化などがあります。
特に意識したいのは、結果だけでなくプロセスも読み手に伝わるということです。
「大会で優勝した」という結果だけを書くよりも、なぜその課題に気づき、何を考えて、どう改善したのかまで書くほうが、本人の姿が伝わりやすくなります。
ただし、これらの要素を書けば必ず評価が上がるといった攻略法があるわけではありません。大学ごとにアドミッション・ポリシーや評価の観点は異なるため、この記事の内容はあくまで一つの考え方として捉えてください。
志望理由書・自己PRとの違い
活動報告書・志望理由書・自己PRは、それぞれ役割が異なります。まずは違いを表で整理します。
3つの書類がそれぞれ何を伝えるためのものかを示した表です。
| 書類 | 主に伝える内容 |
|---|---|
| 活動報告書 | 何を経験し、どう行動したか |
| 志望理由書 | なぜその大学・学部で学びたいのか |
| 自己PR | 自分の強みや特徴は何か |
このように役割は異なりますが、完全に切り離された書類というわけでもありません。同じ部活動経験でも、活動報告書では「取り組みそのもの」、自己PRでは「そこで表れた自分の強み」、志望理由書では「経験を通じて生まれた問題意識」として、それぞれ違う角度から使えることがあります。
この関係については、記事の後半「志望理由書・面接と内容をつなげる」で改めて触れます。
活動報告書に何を書く?目立った実績がなくても大丈夫

ここからは、多くの高校生が抱える最大の不安を解消していきます。「書けるような実績がない」と感じていても、最初から候補を除外する必要はありません。
全国大会出場や部長・生徒会長といった目立った肩書きだけが、活動報告書に書ける経験ではありません。
とはいえ「何でも自由に書ける」というわけでもなく、大学の指定範囲を確認したうえで、自分の行動や工夫を具体的に話せる経験を探していくことが基本になります。
部長・大会実績がなくても書ける
具体的なイメージを持てるよう、身近な例を挙げます。
一般部員として3年間活動を続けた、後輩の練習を手伝った、文化祭で装飾係を担当した、クラスの話し合いで意見をまとめた、英検取得のために学習計画を立てた——こうした経験も候補になり得ます。
ここで大切なのは、活動の規模ではなく、その経験の中に自分の行動があるかどうかです。
「何を達成したか」だけでなく、「困ったことは何か」「誰かのために動いたことはあるか」「工夫したことはあるか」「続けるために変えたことはあるか」という視点で振り返ると、材料が見つかりやすくなります。
高校生活から活動を洗い出す
次に行いたいのが、高校1年生から現在までを時系列で振り返る作業です。学校内・学校外の両方から、経験を書き出してみましょう。
その際に役立つのが、活動を一覧化する棚卸し表です。
活動報告書に書く候補を整理するための棚卸し表です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 活動 | 例:文化祭実行委員 |
| 時期・期間 | 例:高2の9月〜10月 |
| 自分の役割 | 例:装飾班のまとめ役 |
| 困ったこと | 例:作業の進み具合がクラスでばらばら |
| 自分がしたこと | 例:担当表を作り、進捗を確認して回った |
| 結果・変化 | 例:締切に間に合い、役割分担への意識が変わった |
この段階では、良し悪しを判断する必要はありません。まずは候補を広く出すことを優先してください。
「そもそも書ける活動を思い出せない」という状態で止まっている読者も多いため、文章を書く前の準備として丁寧に取り組む価値があります。
複数ある活動から何を選ぶ?
候補が複数出てきたら、次は選ぶ段階です。ここが、この記事で特に伝えたいポイントの一つです。
選ぶ基準は「一番すごい活動」ではなく、自分自身の行動を具体的に説明できる活動です。
比較する観点としては、主体的に動いた場面があるか、具体的なエピソードがあるか、課題や工夫を説明できるか、自分の変化・学びがあるか、アドミッション・ポリシーや設問との接点が自然にあるか、といった点が挙げられます。
なお、接点が見つからないからといって、その活動が使えないという意味ではありません。あくまで選ぶ際の一つの目安として考えてください。
例えば、「英検2級取得」「文化祭の係」「3年間続けた部活」の3つで迷っている場合を考えてみましょう。
単純に資格のレベルや活動の華やかさで決めるのではなく、どの経験なら自分の思考や行動を最も具体的に語れるかという視点で選ぶことが、伝わる活動報告書につながります。
活動報告書の書き方|5ステップ

活動報告書は、いきなり文章を書き始めるより、大学の指定を確認し、経験を整理してから文章化するほうが結果的に書きやすくなります。
ここでは、確認・選定・深掘り・構成・仕上げという5つのステップに分けて解説します。
STEP1 大学の様式・文字数を確認する

最初に必ず行いたいのが、志望大学の公式情報の確認です。
活動報告書は、大学によって文字数だけでなくフォーマットの形式自体が大きく異なります。代表的なものとして、次の3タイプがあります。
大学ごとに異なる活動報告書のフォーマットを整理した表です。
| フォーマット | 特徴 |
|---|---|
| リスト型 | 「活動期間」「活動名」「役割・結果」などを短く箇条書きで複数記載するタイプ |
| 項目分割型 | 「活動概要(50字)」「直面した課題(150字)」「得られた学び(150字)」のように、細かく記入欄が分かれているタイプ |
| 長文記述型 | 「最も打ち込んだ活動について400字(または800字)で記述せよ」のように、1つの活動を深く書かせるタイプ |
この3タイプは一例であり、実際の様式は大学によってさらに細かく異なります。同じ「活動報告書」という名称でも、複数の活動を短く並べる形式もあれば、1つの経験をじっくり掘り下げる形式もあるため、文章を書き始める前にどのタイプに該当するかを必ず確認しておく必要があります。
そのほかに確認したい項目としては、文字数や字数制限、活動を何件記入するのか、活動期間などの記入欄、手書きか入力かの指定、添付が必要な証明書類、提出方法や締切などが挙げられます。
募集要項の内容は年度によって変更される場合があるため、志望大学の公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。
STEP2 書く活動を決める
前の章で洗い出した候補の中から、実際に書く活動を決めます。
ここでのポイントは、実績の大きさだけでなく、自分の具体的な行動・工夫・学びを書ける活動かどうかを確認することです。
なお、複数の活動を記入する様式の場合は、似た経験ばかりを並べるのではなく、それぞれで違う側面が伝わるように組み合わせることも意識してみてください。
STEP3 活動を深掘りする
ここが、活動報告書づくりの中で最も重要な工程です。書く活動が決まったら、いきなり文章にせず、質問に答える形でメモを作っていきます。
深掘りに使える質問は、次のようなものです。
- 何をした?
- いつ・どのくらい続けた?
- なぜ取り組んだ?
- 自分の役割は?
- どんな課題があった?
- そのとき何を考えた?
- 自分は具体的に何をした?
- なぜその行動を選んだ?
- 結果はどうなった?
- そこから何を学んだ?
ポイントは、結果だけでなく「なぜその行動をしたのか」まで掘り下げることです。
例えば、「バスケ部に3年間所属した」という一文だけでは、情報量がほとんどありません。しかし上記の質問に沿って振り返ると、「後輩が練習についていけずに悩んでいることに気づいた」「自主練習の時間を一緒に作ることを提案した」といった具体的な出来事が出てきます。
質問に答える前と後で、これだけ情報量が変わることを実感できると、深掘りの重要性がわかるはずです。
STEP4 活動・課題・行動・結果・学びで組み立てる
STEP3で出したメモを、文章の順番に並べていきます。
基本型は、活動・役割 → 課題 → 自分の行動・工夫 → 結果 → 学び、という流れです。
ただし、必ずこの5要素を同じ分量で書く必要はありません。文字数が短い場合は課題説明を圧縮するなど、指定に応じて調整してください。
また、それまでの行動と関係なく「学び」の部分だけが唐突に「リーダーシップを学びました」となってしまうと、説得力が下がります。行動から自然につながる学びを書くことを意識しましょう。
STEP5 読み直して具体的にする
最後に、書き上げた文章を読み直し、具体性を確認します。
「頑張った」「努力した」「成長した」「協調性が身についた」といった言葉を見つけたら、「具体的に何をしたからそう言えるのか」を自分に問い直してみてください。
チェックしたい観点は、自分の行動が書かれているか、活動の説明だけで終わっていないか、事実以上に成果を大きく見せていないか、文字数・形式を守っているか、誤字脱字がないか、といった点です。
活動報告書の例文|普通の経験でも書ける

ここからは6パターンの例文を紹介します。例文はそのままコピーして使うものではなく、自分の経験を文章にするときの考え方を確認するための見本として活用してください。
今回はあえて、全国大会出場や海外留学のような華やかな経験ではなく、普通の高校生活に近いケースを扱います。また、すべてがきれいな成功で終わるわけではない例も含めています。
部活動|一般部員として続けた場合
部長でもレギュラーでもない、一般部員としてバスケ部を3年間続けた高校生を例に、変換の過程を見ていきましょう。
最初のメモ
「バスケ部に3年間所属した」
このままでは情報が少なすぎます。STEP3の質問で深掘りしてみます。
深掘り後に出てきた材料
練習についていけず悩んでいる後輩がいた。自分もかつて同じ悩みを抱えていたことを思い出し、放課後に自主練習を一緒にやることを提案した。最初は断られることもあったが、声をかけ続けるうちに、週に2回ほど一緒に練習する習慣ができた。結果として、その後輩はレギュラーには届かなかったものの、試合前に自信を持って練習に取り組めるようになったと話してくれた。
構成
活動・役割(一般部員として3年間所属)→課題(後輩が練習についていけず悩んでいた)→行動・工夫(自主練習を一緒に行うことを提案し、継続した)→結果(後輩が前向きに練習に取り組めるようになった)→学び(自分から声をかけることの意味を実感した)
完成例
私はバスケ部の一般部員として、3年間活動を続けました。レギュラーとして目立った実績はありませんが、後輩と関わる中で気づいたことがあります。練習についていけず悩んでいる後輩がいたため、自分も同じ経験をしたことを思い出し、放課後の自主練習に誘いました。最初は遠慮されることもありましたが、声をかけ続けるうちに週2回ほど一緒に練習する時間ができました。その結果、後輩は試合前に自信を持って練習に取り組めるようになったと話してくれました。この経験から、結果がすぐに見えなくても、自分から動き続けることの大切さを学びました。
この例では「後輩への声かけ」が本人の具体的な行動にあたります。自分の場合は、活動中に自分から行った小さな行動を思い出し、置き換えて考えてみましょう。
学校行事・委員会|文化祭の係をした場合
委員長ではなく、一般的な文化祭の装飾係を担当した場合の例文です。
私は文化祭の装飾係として、クラスの出し物の飾りつけを担当しました。準備期間の中盤になっても作業がなかなか進まず、クラス内で誰が何を担当しているのか曖昧になっていることに気づきました。そこで、簡単な役割分担表を作成し、休み時間ごとに進捗を確認して回るようにしました。作業の遅れているメンバーには、余裕のある人と組んでもらうよう声をかけました。結果として、締切前日には全ての装飾を完成させることができ、クラスからも感謝の言葉をもらいました。この経験から、状況が見えにくいときほど、可視化して共有することの重要性を学びました。
この例では「役割分担表の作成」と「進捗確認」が本人の行動です。全員で頑張ったという表現で終わらせず、自分が具体的に何をしたのかを思い出してみましょう。
なお、この文化祭の例は「200字・400字・600字はどう書き分ける?」でも引き続き使用します。
ボランティア|地域活動に参加した場合
海外ボランティアのような特別な経験ではなく、地域清掃に参加した場合の例文です。ここでは、結果がきれいに整わなかったケースを扱います。
私は高校2年の夏から、月に1回、地域の清掃ボランティアに参加しています。参加を重ねる中で、特定のメンバーにゴミの多い区画の作業が偏っていることに気づき、次回から担当区画を輪番制にすることを主催者に提案しました。しかし、参加者の人数や都合が毎回変わるため、輪番制はうまく機能せず、結局もとのやり方に戻ることになりました。うまくいかなかった原因を考えると、参加者の入れ替わりを前提にした仕組みになっていなかったことに気づきました。この経験から、良いと思った改善案も、実行する環境に合わせて調整しなければ機能しないことを学びました。
この例のように、提案がそのまま成功しなかった経験も、原因を考え直す過程まで書けば十分に材料になります。無理に成果を大きく見せる必要はありません。
資格・検定|目標に向けて勉強した場合
英検取得を目指して学習した場合の例文です。
私は高校2年の春から、英検2級の取得を目標に学習を始めました。最初の模試では長文読解の点数が伸びず、原因を分析したところ、単語力よりも文章の構造を把握する力が不足していることに気づきました。そこで、毎日30分、長文の要約練習を取り入れ、月に一度、模試の結果を見直して学習方法を調整しました。結果として、3回目の受験で目標としていたスコアに到達し、合格することができました。この経験から、うまくいかない原因を分析し、方法を見直しながら継続することの大切さを学びました。
資格そのものよりも、取得までにどう分析し、どう改善したかという過程が中心になっています。
探究活動|授業で研究・発表した場合
授業内の探究学習でグループ研究を行った場合の例文です。
私は総合的な探究の時間で、「高校生の食生活と集中力の関係」をテーマにグループで調査を行いました。当初は感覚的な意見を出し合うだけで議論が進まなかったため、まずクラス内でアンケートを取り、データをもとに話し合う方法に変更しました。集計の過程で、想定していなかった回答傾向が見つかり、質問項目を追加して再調査を行いました。発表では、データの見せ方についても班内で話し合い、グラフを使ってわかりやすく伝える工夫をしました。この経験から、思い込みで議論を進めるのではなく、事実を確認しながら考えを深める姿勢を学びました。
壮大な研究である必要はなく、調べる中で疑問が生じ、方法を修正した過程が伝わることを重視しています。
校外活動|習い事や地域活動を続けた場合
学校の活動以外の例として、地域の吹奏楽団に所属している場合を紹介します。
私は中学生の頃から、地域の吹奏楽団に所属し、月2回の練習に参加しています。高校生になり部活動やアルバイトと両立することが難しくなった時期がありましたが、活動を続けたい思いから、練習日を事前に確認してスケジュールを調整するようにしました。また、練習に参加できない日は自主練習の内容を団の先輩に相談し、自宅でも取り組める練習方法を教えてもらいました。継続する中で、限られた時間の中でも工夫すれば両立できることを実感しました。
なお、校外活動を記載できるかどうかは大学によって異なる場合があるため、実際に記入できる活動かは募集要項で確認してください。長く続けたことだけでなく、継続する中での工夫が伝わるようにしています。
活動報告書を伝わる文章にするコツ

5ステップで一度書き上げたあと、次は文章の質を高める段階です。目指すのは、うまい文章にすることではなく、読み手が活動中の本人の行動を具体的にイメージできる文章にすることです。
NG例と改善例|「頑張った」で終わらせない
具体例を使って確認していきましょう。
NG①「頑張った」で終わる
NG例:「部活動を3年間頑張り、協調性を身につけました。」
この文章では、本人が具体的に何をしたのかがわかりません。「頑張った」「協調性」という言葉だけでは、読み手はその中身を想像できないためです。
改善例:「部活動では、意見の対立が多いチームの中で、練習後に全員が話す時間を提案し、半年間続けました。その結果、試合中の声かけが増え、チームの雰囲気が改善しました。」
課題・行動・結果を加えることで、何をしたのかが具体的に伝わるようになります。
NG②チームの成果しか書いていない
NG例:「私たちの部活は、チーム一丸となって取り組んだ結果、大会でベスト8まで進むことができました。」
この文章は、チーム全体の結果だけを述べており、その中で自分が何をしたのかが見えません。
改善例:「大会に向けて、チーム内で意見がまとまらない時期がありました。私は練習後にミーティングの時間を設け、一人ずつ意見を聞く役割を担いました。その後、チームとしての方針が定まり、大会ではベスト8まで進みました。」
チームの結果に触れる場合も、その中での自分の役割や行動を必ずセットで書くことがポイントです。なお、自分の行動とチームの結果を直接結びつけすぎず、事実として起きた流れを書くようにすると自然な文章になります。
NG③「主体性が身についた」と自己評価だけで終わる
NG例:「この経験を通して、主体性が身についたと思います。」
抽象的な言葉で自己評価しているだけで、何を根拠にそう言えるのかがわかりません。
改善例:「誰も声を上げなかった場面で、自分から進行役を引き受け、話し合いの流れを整理しました。この経験から、周囲の様子を見て自分から動くことの大切さを実感しました。」
「〇〇が身についた」で終わらせず、その根拠となる具体的な行動を先に書くようにしましょう。
数字・事実で具体的に書く
抽象的な表現を具体化する方法の一つが、数字や事実を使うことです。
「長期間続けた」を「高校1年から3年間続けた」に、「何度も話し合った」を実際に確認できる範囲で回数や頻度に置き換えると、読み手に伝わりやすくなります。
ただし、数字を入れさえすれば良い文章になるわけではありません。正確な数字がわからない場合に、無理に推測して作る必要はありません。数字は、事実を具体的に伝えられるときに使うものです。
200字・400字・600字はどう書き分ける?
文字数が変わったとき、単に例文を3つ並べるのではなく、何を削り、何を追加するのかを理解しておくと応用が利きます。
先ほどの「文化祭の装飾係」の例を使って、実際の文字数に近い形で見比べてみましょう。
文字数によって、活動報告書に何を残し、何を追加していくかを整理した表です。
| 文字数 | 中心に残す要素 |
|---|---|
| 200字程度 | 活動内容・自分の行動・学び |
| 400字程度 | 課題・工夫・結果を具体化して追加 |
| 600字程度 | 背景や、その行動を選んだ理由まで追加 |
200字版(約190字)
文化祭で私は装飾係を担当しました。当日まで2週間、5人の係で進めていましたが、中盤になっても作業が思うように進まず、誰が何を担当しているのか曖昧になっていることに気づきました。そこで役割分担表を作成し、休み時間ごとに進捗を確認して回りました。作業が遅れているメンバーには、余裕のある人と組んでもらうよう声をかけました。この経験から、状況を可視化して共有することの大切さを学びました。
400字版(約380字)
文化祭で私は装飾係を担当しました。当日まで2週間、5人の係で進めていましたが、中盤になっても作業が思うように進まず、誰が何を担当しているのか曖昧になっていることに気づきました。特に、絵の具を使う作業と力仕事が必要な作業とで、得意不得意による偏りが出ていました。そこで、まず係全員に希望を聞いたうえで役割分担表を作成し、休み時間や放課後に進捗を確認して回るようにしました。作業が遅れているメンバーには、余裕のある人と組んでもらうよう声をかけ、必要に応じて担当を入れ替えました。特に、装飾のような目立たない作業ほど、進み具合が共有されにくいと感じました。結果として、締切前日には全ての装飾を完成させることができ、クラスの出し物も無事に文化祭当日を迎えることができました。この経験から、状況が見えにくいときほど、可視化して共有することの重要性を学びました。
200字版から400字版になる過程で、「作業内容の偏りという課題の具体化」「担当を入れ替えるという工夫の追加」「締切前日という結果の詳細」が加わっていることがわかります。
600字ではさらに追加したい要素
600字まで文字数がある場合は、400字版に加えて、「なぜ自分が装飾係に立候補したのか」という活動の背景や、「役割分担表を作ろうと思った理由」「進捗確認を続ける中で難しかったこと」など、行動の裏側にある考えまで掘り下げると、文章に厚みが出ます。
なお、これらの文字数は説明のための目安であり、「活動報告書は○字が標準」という一般的な基準ではありません。実際の指定文字数は大学ごとに異なるため、必ず志望大学の募集要項を確認してください。
志望理由書・面接と内容をつなげる
最後に、他の出願書類との関係を整理します。
同じ活動経験を使う場合でも、活動報告書では「何をしたか」を中心に、志望理由書では「その経験が何を学びたいという思いにつながったか」を中心に、面接では「なぜそう考え、行動したのか」を中心に、それぞれ掘り下げ方を変えていくイメージです。
「書類ごとに全く別のエピソードを用意しなければならない」というわけではありません。同じ経験でも、伝えるポイントを書類の役割に応じて調整することが大切です。
なお、面接では提出書類の内容について質問される可能性があります。書いた内容を丸暗記するのではなく、自分の言葉で背景まで説明できる状態にしておくとよいでしょう。
活動報告書についてよくある質問

活動報告書に書くことがない場合は?
「書くことがない」と決めつける前に、高校生活を棚卸ししてみましょう。部活動や生徒会だけでなく、学校行事、探究活動、資格勉強、校外活動なども確認の対象になります。
そのうえで、自分が考えて行動した場面がなかったかを振り返ってみてください。なお、どの活動を記載できるかは大学の指定範囲によって異なるため、あわせて確認しておきましょう。
部活をしていない場合は何を書く?
部活動をしていないからといって、書けないわけではありません。委員会活動、学校行事、資格取得、探究活動、ボランティア、校外活動などが候補になり得ます。
ただし、どの活動を記載できるかは大学の指定によって異なるため、募集要項を確認したうえで選んでください。
大会実績や資格に証明書は必要?
大学によって異なります。資格証明書、活動証明書、賞状のコピーなどの提出を求めるケースもあれば、求めないケースもあります。「原則必要」「原則不要」と一律に判断せず、志望大学の募集要項や出願書類を必ず確認してください。
手書きとパソコンはどちらがいい?
これも、大学の指定に従うことが結論になります。指定様式がPDF提出、Web入力、手書きなど、大学によって形式はさまざまです。手書きだから有利、パソコンだから不利とは一概にいえません。指定された形式を守ることを優先しましょう。
志望理由書と同じ内容を書いてもいい?
同じ経験を使うこと自体よりも、書類ごとに何を伝えるのかを分けることが重要です。活動報告書では行動や学びを中心に、志望理由書では志望先とのつながりを中心にするなど、伝える視点を変えることを意識してみてください。
活動報告書の内容は面接で聞かれる?
提出書類をもとに質問される可能性があります。「なぜその活動をしたのか」「具体的にあなた自身は何をしたのか」「一番大変だったことは何か」「そこから何を学んだのか」といった質問が想定されます。
書いた内容を丸暗記するのではなく、その背景まで自分の言葉で説明できるようにしておくと安心です。
まとめ 自分の行動が伝わる活動報告書を書こう

ここまで、活動報告書に書く内容の探し方から、5ステップの書き方、6パターンの例文、伝わる文章にするコツまで見てきました。
改めてお伝えしたいのは、活動報告書は華やかな実績を並べることが目的ではないということです。
高校生活を振り返って候補を出し、自分の行動を具体的に話せる活動を選び、課題・行動・結果・学びを深掘りしたうえで、大学指定の文字数や様式に合わせて文章化する。この流れを丁寧にたどることが、伝わる活動報告書への一番の近道です。
部長や大会入賞などの目立った実績がなくても、日々の高校生活の中で自分が考え、工夫して行動した経験は、活動報告書の材料になり得ます。まずは「何もない」と決めつけず、高校生活を振り返るところから始めてみましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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