熱帯雨林気候(Af)とは?何を覚える?特徴・分布・雨温図の見分け方を解説
「熱帯雨林気候って、一年中暑くて雨が多い気候だった気がするけど、ほかに何を覚えればいいんだっけ」。授業やテスト前にそう感じたことはないでしょうか。
熱帯雨林気候(Af)は、一年中気温が高く降水量も多く、はっきりした乾季がない気候です。高校地理では、この特徴に加えて分布・雨温図・植生・土壌・農業までセットで問われます。
この記事では、単なる暗記ではなく「何を覚えればいいか」と「雨温図をどう見分けるか」の2点を、つながりのある形で整理していきます。
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目次
まずこれだけ覚える|熱帯雨林気候の早見表
本文を読む前に、記事全体の地図として次の表を確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記号 | Af |
| 気候の特徴 | 一年中高温多雨、はっきりした乾季なし |
| 分布の中心 | 赤道付近 |
| 代表地域 | アマゾン川流域・コンゴ盆地・東南アジア |
| 植生 | 熱帯雨林(アマゾン川流域ではセルバ) |
| 土壌 | ラトソル(赤色でやせた土) |
| 農業 | 焼畑農業・プランテーション |
この表は詳しい説明ではなく、これから読む内容の全体像です。それぞれの項目が本文でどうつながっているのか、順番に見ていきましょう。
熱帯雨林気候(Af)とは?まず特徴を押さえよう

熱帯雨林気候は、ケッペンの気候区分における熱帯の一つで、「Af」と表されます。最も大切な特徴は、一年を通して気温が高く、降水量も多いことです。
なお、「熱帯雨林気候」は気候の種類を指す言葉であり、「熱帯雨林」はその気候のもとで発達する森林を指します。似た言葉ですが、意味は別だと理解しておいてください。
一年中気温が高く、雨が多いのが特徴
熱帯雨林気候の特徴は、一年中気温が高いこと、一年を通して降水量が多いこと、はっきりした乾季がないこと、そして季節による気温差が比較的小さいことです。
ここで注意したいのは、「一年中暑い」ことよりも「一年中雨が多く、はっきりした乾季がない」ことのほうが、熱帯雨林気候を見分けるうえで重要だという点です。
後で紹介する熱帯モンスーン気候(Am)やサバナ気候(Aw)も、気温だけを見れば一年中高いことがあります。つまり気温だけでは熱帯雨林気候と決めつけられません。この違いは、雨温図の章で改めて扱います。
なぜ一年中高温で雨が多い?
高温多雨という結果には、理由があります。
赤道付近に位置する地域では、一年を通して太陽高度が高くなります。太陽高度が高いと地表が強く暖められ、暖められた空気は上昇気流となります。
上昇した空気は上空で冷やされて雲をつくり、雨が降りやすくなります。赤道付近では、赤道低圧帯や、その付近に形成される熱帯収束帯の影響で上昇気流が生じやすく、雨が多くなります。
熱帯雨林気候の地域では、午後には、発達した積乱雲によって短時間に強い雨が降ることもあります。
赤道付近では一年を通して強い日射を受け、熱帯収束帯の影響も受けやすいため、高温多雨になりやすいという理屈です。
Afになる気温・降水量の条件
ここまでの「一年中暑い」「一年中雨がある」という特徴は、ケッペンの気候区分では具体的な数値によって判定されています。
熱帯(A)に分類される条件は、最寒月の平均気温が18℃以上であることです。そのうえで、Afと判定されるには、最も雨の少ない月でも降水量が60mm以上あることが条件になります。
「一番雨が少ない月でも60mm以上降る」ということは、目立った乾季が存在しないことを意味します。この2つの数値は、後の雨温図の見分け方でもう一度使いますので、頭の片隅に置いておいてください。
熱帯雨林気候はどこにある?分布と代表的な国・地域

熱帯雨林気候がどこにあるかを考えるとき、国名を大量に暗記する必要はありません。まずは「世界のどのあたりに分布する気候なのか」という大きな位置関係から理解していきましょう。
赤道付近に広く分布している
熱帯雨林気候は、赤道付近を中心に分布しています。具体的には、南アメリカ・アフリカ・東南アジアの赤道周辺に広がっています。
ただし、「赤道に近い=必ずAf」と機械的に覚えるのは避けてください。赤道付近にはAfが多いものの、標高や海流、季節風などの影響によって、赤道上でも熱帯雨林気候にならない場所があります。
ここでは、まず「赤道付近に多い」という大枠をつかみ、次に紹介する代表地域とセットで押さえておけば十分です。
テストで覚えたい3つの代表地域
熱帯雨林気候の分布として、高校地理でまず押さえたいのは次の3地域です。
- 南アメリカ大陸のアマゾン川流域
- アフリカ大陸のコンゴ盆地
- アジアの東南アジア
大陸と代表地域を対応させると覚えやすくなります。具体例としては、ブラジル周辺、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどが挙げられます。
ただし、これらの国そのものすべてが熱帯雨林気候というわけではありません。国の中には複数の気候区分が存在することも多いため、「ブラジルの一部」「インドネシアの一部」というように、地域単位でとらえるようにしてください。
テスト対策としては、国名をたくさん覚えるよりも、アマゾン・コンゴ・東南アジアという3地域を地図の上で確認できることを優先しましょう。
→【内部リンク:世界の気候区分の覚え方まとめ】
熱帯雨林気候の雨温図はどう見分ける?

定期テストや模試では、雨温図から気候区を判断する問題が出ることがあります。熱帯雨林気候は、気温だけでなく、降水量と乾季の有無まで確認することが大切です。
雨温図は「気温→降水量→乾季」の順で見る
雨温図を判断するときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
まず気温を見て、一年を通して高温になっているかを確認します。次に降水量を見て、どの月にも一定量の降水があるかを確認します。最後に乾季を見て、極端に雨の少ない時期がないかを確認します。
「一年中暑い」というだけでAfと判断するのは誤りです。 熱帯モンスーン気候やサバナ気候も熱帯の仲間なので、気温だけならAfと同じように一年中高いことがあるためです。
そのため、①気温で熱帯かどうかを確認する→②降水量を見る→③はっきりした乾季がないか確認する、という順番で見ると判断しやすくなります。
シンガポールの雨温図で特徴を確認

実際の数値で確認してみましょう。シンガポールの月平均気温は、最も低い1月・12月でも26.8℃、最も高い5月でも28.6℃で、一年を通してほとんど変わりません。
気温がもっとも高い月ともっとも低い月の平均気温の差を年較差と呼びますが、シンガポールの年較差は2℃程度しかなく、非常に小さいことがわかります。
一方、降水量に目を向けると、最も少ない2月でも104.9mmの雨が降っており、Afの条件である60mmを大きく上回っています。年間を通して途切れることなく、まとまった雨が降り続けているのが特徴です。
このように、気温の折れ線がほぼ一直線に近く、降水量の棒グラフがどの月も一定以上の高さを保っている場合、熱帯雨林気候(Af)と判断しやすくなります。
Af・Am・Awは「乾季」で見分ける
Af・Am・Awはいずれも一年中高温な熱帯の気候区です。そのため、違いを見分けるなら気温ではなく降水量に注目する必要があります。
3つの気候区の違いを整理すると、次のようになります。
| 気候区 | 乾季の有無 |
|---|---|
| Af(熱帯雨林気候) | はっきりした乾季がない |
| Am(熱帯モンスーン気候) | 短い乾季がある |
| Aw(サバナ気候) | 雨季と乾季がはっきり分かれる |
この表からわかるのは、同じ熱帯でも「雨の少ない月がどれくらい乾燥しているか」によって区分が変わるという点です。
雨温図でAfかどうか迷ったときは、まず年間で最も雨が少ない月をチェックし、そこにまとまった雨が残っているかを確認する習慣をつけましょう。
熱帯雨林気候の植生・土壌・農業をつなげて覚えよう

高温多雨という気候の特徴は、植物だけでなく土壌や農業のあり方にも影響しています。ここでは、高温多雨から熱帯雨林、ラトソル、農業へとつながる一連の流れとして理解していきましょう。
高温多雨のため熱帯雨林が発達する
一年中温暖で水分も豊富なため、植物は一年を通して成長しやすく、常緑広葉樹を中心とした密林、いわゆる熱帯雨林が発達します。
南アメリカのアマゾン川流域に広がる熱帯雨林はセルバと呼ばれます。また、海岸や河口付近など、海水と淡水が混ざり合う場所には、マングローブと呼ばれる植物群が見られます。
「Af→熱帯雨林が発達する」という関係を押さえることが、この章でいちばん大切なポイントです。
土壌は赤色のラトソル
ここで多くの高校生が誤解しやすいポイントがあります。熱帯雨林が豊かだからといって、土壌まで栄養豊富とは限りません。
高温多雨の環境では、大量の雨によって土の中の栄養分が溶け出し、流されやすくなります。その結果、水に溶けにくい鉄やアルミニウムの成分が地表付近に残り、赤色のラトソルと呼ばれる土壌が形成されます。
「森林は豊かでも、土壌は養分に乏しい」という対比は、テストでも狙われやすい部分なので、意外性とセットで覚えておくとよいでしょう。
焼畑農業やプランテーションが行われる
養分の乏しい土壌では、森林を焼いた灰を一時的に肥料として利用する焼畑農業が伝統的に行われてきました。代表的な作物には、キャッサバやタロイモなどがあります。
一方、熱帯地域では、高温な気候を生かして天然ゴムや油ヤシなどの商品作物を大規模に栽培するプランテーションも見られます。代表的な作物としては、天然ゴム、油ヤシ、カカオ、バナナなどが挙げられます。
このように、高温多雨という気候が熱帯雨林を生み、雨の多さがラトソルという土壌をつくっている一方で、そこで営まれる農業には、土壌の性質に対応した焼畑農業と、気候を生かして商品作物を栽培するプランテーションという、性格の異なる2つのかたちがあると理解しておきましょう。
熱帯雨林気候はどう覚える?テスト前のポイント

ここからは新しい知識を増やすのではなく、これまでの内容をテストで思い出しやすい形に整理していきます。
「Af・高温多雨・赤道付近・熱帯雨林・ラトソル」をセットで覚える
熱帯雨林気候に関する用語は、バラバラに暗記するよりも、意味のあるつながりとして覚えるほうが記憶に残ります。
Afという記号を見たら、「一年中高温多雨・乾季なし」「赤道付近」「熱帯雨林」「ラトソル」までセットで思い出せるようにしましょう。そのうえで、土壌の性質に応じた焼畑農業や、気候を生かしたプランテーションが営まれている、という農業の側面まで結びつけられれば理想的です。
テスト直前には、この一連のキーワードを順番に思い出せるか確認するだけでも、効率よく復習できます。
間違えやすい3つのポイント
最後に、テストで間違えやすいポイントを、誤りと正解のセットで確認しておきましょう。
まず、「熱帯なら必ず雨季と乾季がある」というのは誤りです。Afには、はっきりとした乾季がありません。
次に、「一年中暑ければAf」というのも誤りです。熱帯モンスーン気候やサバナ気候も一年中高温なので、区別するには降水量を見る必要があります。
最後に、「熱帯雨林が豊かだから土壌も肥沃」というのも誤りです。ラトソルは養分に乏しい土壌である点に注意してください。
熱帯雨林気候に関するよくある質問

熱帯雨林気候の代表的な都市は?
代表的な都市として、シンガポールなどが挙げられます。都市名を単独で覚えるというより、雨温図の代表例として押さえておくと、問題を解くときに役立ちます。
赤道上はすべて熱帯雨林気候?
いいえ、すべてではありません。赤道付近には熱帯雨林気候が多く見られますが、標高が高い高原や山岳地帯では気温が下がるため、熱帯雨林気候にならない場所もあります。
熱帯雨林気候ではどんな服装が適している?
高温多湿という特徴から、一般的には薄手で通気性のよい衣服が適しているとされています。地域や生活様式によって差はあるため、あくまで気候面からの目安としてとらえてください。
熱帯雨林気候ではどんな家や暮らしが見られる?
地域によって暮らし方は大きく異なりますが、高温多雨の環境に対応するため、風通しを重視した造りの住居が見られる地域もあります。熱帯雨林気候だからといって、住居の形式が一つに決まっているわけではありません。
Afの「f」は何を意味する?
Afの「A」は熱帯を、「f」は一年を通して湿潤で、乾季がないことを表します。「f=乾季なし」と覚えておくと実用的です。
まとめ 熱帯雨林気候は「Af・高温多雨・赤道付近」をまず押さえよう

ここまで、熱帯雨林気候の特徴から分布、雨温図の見分け方、植生・土壌・農業までを見てきました。改めて振り返ると、熱帯雨林気候とはAfと表され、一年中高温多雨で、はっきりした乾季がない気候のことでした。
分布は赤道付近を中心に、特にアマゾン川流域・コンゴ盆地・東南アジアが代表地域です。そこには熱帯雨林が広がり、多量の降水によって養分が流出しやすいラトソルが形成されます。また、焼畑農業や、天然ゴム・油ヤシなどを栽培するプランテーションも押さえておきましょう。
雨温図の問題に出会ったときは、気温だけでAfと判断せず、降水量と乾季の有無まで確認する習慣を持っておいてください。
熱帯雨林気候は、用語を一つずつバラバラに覚えるのではなく、「Af・高温多雨・赤道付近・熱帯雨林・ラトソル」をセットで覚えることで、テスト本番でも思い出しやすくなります。
執筆者プロフィール
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