中学受験、小6の11月なのに時間が足りない…過去問も苦手克服も。焦る親に専門家が回答
「塾の宿題に志望校別特訓、過去問の解き直し……。どう考えても時間が足りない」小学6年生の11月、そんな焦りを抱えている保護者も多いのではないでしょうか。
入試本番が近づくにつれ、やるべきことは一気に増えていきます。頑張っているはずなのに過去問の点数は合格最低点に届かず、カレンダーの残り日数ばかりが気になってしまう。子ども以上に、親のほうが眠れないほど焦ってしまうこともありますよね。
限られた時間の中で、何を優先し、何を削ればいいのか。早稲田アカデミー・駿台などで30年以上受験指導に携わる西村創先生に、過去問で解き直す問題の選び方や、直前期の時間の使い方を伺いました。焦りを「今やるべきこと」に変えるためのヒントを、一緒に整理していきましょう。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
「もう間に合わないかも」と毎日焦っています。過去問も苦手克服も終わりません

【CASE】当時小学6年生・男子(アンケート回答時 中学1年生)
真面目でマイペースな性格。言われた課題にはコツコツ取り組むが、不器用で1つの問題にこだわりすぎて時間がかかってしまう傾向がある。
【今回のお悩み】
ペンネーム:サクラサクさん(当時小学6年生 保護者)
11月に入り、入試本番までの残り日数がどんどん減っていくことに焦っています。第一志望校の過去問演習を本格的に始めたものの、目標とする合格最低点にはまだ届いていません。特に算数では、最初の計算ミスから崩れてしまうこともあり、このままで本番に間に合うのか不安です。
塾の通常課題や志望校別特訓の宿題をこなすだけで、平日も土日も手一杯です。過去問で間違えた問題の解き直しや、類似問題の復習までやりたいと思っても、物理的に時間が足りません。睡眠時間を削るわけにもいかず、「やるべきことは山積みなのに、カレンダーの残り日数だけが減っていく」と感じています。24時間では足りないように思えて、親の私のほうが夜も眠れないほど焦ってしまいます。11月のこの時期、何を優先し、何を削ればよいのでしょうか。
11月に焦るのは当たり前。できていないことより「できること」に目を向けて
小6の11月にもなると、受験生本人だけでなく保護者も焦りを感じやすくなります。「このままで本当に間に合うのだろうか…」と不安になることもあるでしょう。しかし、実は子ども本人はそこまで危機感を持っていないケースも少なくありません。この時期、親が意識したいポイントは次の2つです。
1. 無理のないペースで、やれることを継続してやり続ける
1つ目は、背伸びをしすぎず、できることを着実に続ける学習計画づくりです。入試本番が近づく焦りから、予定を詰め込みすぎてしまうご家庭が目立ってきます。しかし、「今の学習計画は子どもにとって負担が大きすぎないか?」と、ときどき立ち止まって見直すことも大切です。
2. 「合格までの距離」を見える化する
2つ目は、「時間が足りない」という漠然とした不安を具体化することです。まず、志望校の合格最低点と過去問の得点を比較し、「あと何点必要なのか」を数字で整理してみましょう。
仮に、合格最低点まで28点足りないのであれば、4科目なら1科目あたり約7点。仮に1問5点の問題が多い学校であれば、「1科目につき2問正解が増えれば合格に届く」という見方ができます。
あくまでも一例ですが、「まだ28点も足りない」と考えるのと、「各科目あと2問ずつ伸ばせばいい」と考えるのとでは、受験への向き合い方は大きく変わるはずです。
過去問の解き直し、「解説を読んでも理解できない問題」は思い切って捨てていい
塾の通常課題に志望校別特訓、過去問の解き直し。この時期にすべてを完璧にこなそうとすると、どうしても時間が足りなくなります。新たに勉強時間を生み出すのが難しいなら、「やらないこと」を決めるしかありません。
取捨選択の基準は、「間違えた問題の解説を読んで理解できるかどうか」です。解説を読んでも理解できない問題は、思い切って後回しにしましょう。入試までの短い期間で長時間取り組んでも、得点にはつながりにくいからです。
一方、解説を読んで「あ、そういうことか」と理解できる問題は、得点源に変えられる問題です。詳しいテキストや市販の参考書で理解を深め、類題を解いて確実に取れるようにしていきましょう。
11月以降は、新しい難問を追いかけるよりも、こうした「あと少しで正解できる問題」を確実に解けるようにするほうが効率的です。解説でわかる問題を解けるようにするだけでも、点数はだいぶ上がりますよ。
→ 参考書で理解を深め、類題で得点源に
✔ 解説を読んでも理解できない
→ 思い切って後回しに
何を捨てるかの判断は、子ども自身ではなかなかできません。保護者が意識して、一緒に決めてあげてください。
“時間が足りない”を解消するための家庭学習の工夫
塾の課題や過去問演習に追われる11月は、新たに勉強時間を増やすのが難しい時期です。だからこそ大切なのは、今ある時間をどう使うか。計算力の強化や集中力アップにつながるちょっとした工夫を取り入れることで、学習効率を高められます。毎日のスキマ時間の活用法や、集中力を高めるコツを紹介します。
朝や寝る前、勉強を始める前の10分を活用。計算や漢字練習にあてる
今回のお悩みにあるように、計算問題を間違えるのは習熟度がまだ足りていないからと考えられます。計算力を鍛えるには、練習を積み重ねるのが着実です。まとまった学習時間を確保する必要はありません。例えば、朝や寝る前の10分を計算の時間にしてもいいですね。
また、「勉強を始めるまでの時間」にも注目しましょう。いざ机に向かってから本格的に集中し始めるまでには、意外と時間がかかるもの。そんなときは、すぐに過去問のような難問に取りかかるのではなく、計算や漢字など取り組みやすい学習から始めるのがおすすめです。
心理的なハードルの低い課題でエンジンをかけてから本格的な学習へ移ることで、限られた時間を有効に使いやすくなります。
集中力を高めるために、目の前の課題を区切り“終わり”を設定する
集中力を高めるには、時間を区切るのも効果的です。例えば、「計算を10分したら休憩しよう」「過去問の解き直しは15分で区切ろう」というように、あえて強制的に時間を決めてみましょう。
先が長いゴールを目指すよりも、目前のゴールを目指すほうが子どもは集中しやすくなります。問題演習の際に、ストップウォッチのカウントダウン機能を使うのもおすすめですよ。
親の焦りは消さなくていい。焦りを「今日やること」に変えよう
「焦らないで」と言われても、入試を目前にした11月に落ち着いていられる親はいません。正直なところ、この時期に焦りを手放せた親を私は見たことがありません。焦ってしまうのは、それだけ真剣に子どもの受験に向き合っているからこそ。無理に消そうとしなくていいんです。
大切なのは、その焦りを具体的な行動に変えていくことです。「あと2問」を取るために、残りの期間をどう使うか、今日は何をやるか。そこまで細かく決めていけば、漠然とした不安は「今日できること」に変わっていきます。
成功へ導く賢者からの金言!

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※塾選調べ:
対象:中学受験をした子ども、または受験予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
調査期間:2026年6月18日〜23日
学年表記:お悩み当時の学年で記載しています。(回答時は中1)
執筆者プロフィール
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