多くの学習塾や予備校では、普段の授業とは別に冬期講習が開催されます。でも塾に通った経験がないと、冬期講習がどのような内容なのか良く分かりませんよね。いつから始まるのか、そして講習の目的や参加することのメリットなど気になることもたくさんあるでしょう。 今回は塾の冬期講習を取り上げて、一般的な日程や参加するメリット、そして気になる費用などについて解説します。
目次
そもそも学習塾や予備校で開催される冬期講習とは、どのようなものなのでしょうか?冬期講習とは名称のとおり、冬の期間を利用して行われる講習会のことを指します。塾や予備校の通常授業とは別に開催されることが多く、集団型指導や個別指導など、受講先によって指導スタイルはさまざまです。具体的にどのような目的で、そしてどのようなカリキュラムで行われるかは場所によって異なります。
冬期講習に参加することが決まった際、気になるのが「どのくらいの費用が必要なのか?」ではないでしょうか。どれほど高い効果が期待できたとしても、大きく家計に影響を与えるような金額では困ってしまいますよね。
冬期講習に関わる平均費用や相場をチェックしていきましょう。下記で紹介する平均費用・相場には、正月特訓代は含まれていません。正月特訓は名前の通り、年末や年始に行われる特別特訓講座のこと。正月特訓を開催している多くの塾は、特訓費用を冬期講習に含まないので注意してください。
まずは小学生です。小学生が通う塾の場合、中学受験対策を目的とした進学塾なのか、それとも学校の授業理解をメインとした塾なのかによっておおまかに費用は異なります。
進学塾の冬期講習では、受験学年となる小学6年生で5万円~7万円ほど、受験学年以外の子どもで2万円~5万円が相場です。授業理解をメインとした塾の場合、約2万円~4万円と考えておくと良いでしょう。
こちらの記事でも小学生の冬期講習の費用について解説しているので、ぜひ併せて参照してみてください。
・小学生の冬期講習について解説!小4・小5・小6の学年別費用やおすすめ塾も紹介
次は中学生です。
学習塾の中には主に複数の生徒が一緒に授業を受ける集団型と、一人ひとりのニーズに合わせて指導をしてくれる個別型の2つがあります。中学生向けの学習塾では集団型なのか個別型なのかによって、冬期講習の費用は大きく異なるのが特徴です。
集団型の場合、費用相場は2万円~7万円ほど。そして個別型では4万円~10万円ほどが相場となっています。いずれの指導形態も、受験学年となる中学3年生では高くなる傾向にあると思って良いでしょう。
こちらの記事でも中学生の冬期講習の費用について解説しているので、ぜひ併せて参照してみてください。
・【2023年最新】中学生におすすめの冬期講習ランキング10選!特徴や費用、選び方も紹介
・【2023年最新】中学生の無料・低価格で通える冬期講習8選!料金を抑える4つの方法も解説
高校生の場合も中学生と同じように、集団型なのか個別型なのかによって、おおまかな費用差が生じます。
集団型の場合は3万円~8万円ほど、そして個別指導では4万円~13万円ほどが相場です。
冬期講習を開催している学習塾や予備校は、それぞれで対象としている子どもが異なります。そのため講習を受ける目的も、対象となる子どもによって様々です。
中学受験をする小学6年生や高校受験をする中学3年生、そして大学受験を控えている高校3年生や高校既卒生にとっての目的は、入試対策です。
冬期講習が開催される時期は多くの学校の受験直前。直前に迫った受験対策をメインに行います。
中学受験では各学校の出題傾向に合った問題演習を行い、さらに公立中高一貫校受験に向けては適性検査対策も行われることでしょう。
高校受験では志望校の入試問題演習、また中学1年生からの学習内容を総復習する時間が確保されるかもしれません。
そして大学受験でも志望校別の入試問題演習や、センター試験対策に重点が置かれるのが通常です。
小学生や中学生、そして高校生の中で受験学年以外の子どもの場合、1学期や2学期に習ったことの復習を行う学習塾が多いですね。取りこぼしがないようにこれまでの学習内容を振り返り、苦手分野や理解不十分な箇所があれば徹底的に復習をします。
また先取り学習をメインにしている学習塾では、冬休み明けの3学期や次の学年で学ぶ内容の予習をすることもあるでしょう。さらに中学生や高校生の場合、定期テスト対策も取り入れているところもあります。
冬期講習で得られる主なメリットは次の4つです。
まずは勉強の復習をして、取りこぼしを防げることです。各学年の終盤に開催される冬期講習では、1学期や2学期で習った内容の総復習をすることが少なくありません。勉強は一つひとつの積み重ね。苦手な箇所や取りこぼしがあると、その後の学習効果も上手に積みあがっていかないでしょう。しかし取りこぼしや理解不十分な箇所は、なかなか自分では気づきにくいものです。
冬期講習を通して自分では気づかなかった苦手な箇所や不十分な箇所を発見し、取りこぼしを防げるようになります。
受験学年の子どもを対象とする冬期講習の場合、受験に向けた直前対策をカリキュラムに取り入れているところが多いでしょう。中学受験や高校受験、そして大学受験で合格を勝ち取るためには、志望校の出題傾向に合わせて対策を進めていくことが求められます。
しかし個人で出題傾向を正確に把握するのは決して簡単なことではありません。また受験直前の1分1秒が大切な時期に、出題傾向のことまで考えるのは大きな負担となります。
受験情報量が豊富な学習塾であれば出題傾向を正確に理解しており、各志望校の出題傾向にピッタリ沿った形で直前対策が可能です。冬期講習の受講で、他の受験生に大きな差を付けられることでしょう。
冬休みに限らず長期休暇中は学校の授業から解放されるため、自宅でダラダラと過ごしてしまう子どもは珍しくありません。課された宿題が終わってしまった後は、一切勉強しないこともあるでしょう。また受験生の中にも受験を直前に迎えることで気持ちが落ち着かず、自宅では集中して勉強に取り組めないこともあるはずです。
冬期講習は継続的に勉強ができる機会となります。受験生以外の子どもは冬期講習に通うことでだらけることなく、必然的に勉強を続けられるようになるでしょう。
また気持ちが落ち着かない受験生にとっても冬期講習がペースメーカーとなり、モチベーションや集中力を保って受験対策に専念できるようになるはずです。
最後は学習塾の通常授業ではなく、冬期講習にだけ参加する場合のメリットです。学習塾や予備校にもよりますが、中には冬期講習に参加するだけで付帯のサービスを受けられることもあります。
自習室を無料で使用できる、講師やチューターに学習相談ができるなどです。基本的には入塾をして通常授業に参加している子どもだけが得られる特権を、冬期講習会にだけ参加するだけでも得られる学習塾もあるのでチェックしておきたいところです。
さまざまなメリットがある冬期講習ですが、参加する際はいくつかの注意点があるので気を付けましょう。
冬期講習と一口にいっても、目的やカリキュラムは塾やコースによってバラバラです。「仲の良い友達が参加するから申し込みをする」「自宅から一番近いから参加する」など、安易な理由で講習を選んでしまうと満足いく効果が得られないかもしれません。
まずはなぜ冬期講習に通うのか、冬期講習でどのようなことをしたいのかを明確にしましょう。通う目的がはっきりすれば、自ずと通うべき講習が分かってくるはずです。
2つ目はいくつかの塾が開催している、冬期講習の内容を比較することです。もしすでに塾に通っているのであれば、通っている塾で冬期講習が開催されるかもしれません。もし塾生は強制参加ではない場合、「通っている塾だから大丈夫だろう」と考えない方が良いでしょう。
通っている塾の冬期講習だからといって、子どもの目的と合っているかどうかは限りません。いくつかの塾で開催する講習の内容をしっかりと吟味し、比較検討した上で選ぶことが大切です。
ほとんどの冬期講習は塾で直接開催されます。そのため自宅から塾まで往復をしなければいけません。寒い時期に開催されるため、あまりにも塾が遠いと通塾が体に負担となるかもしれません。また都心部在住で朝の早い時間や夕方の時間に移動をする場合、満員電車に乗って体調と崩すことも考えられるでしょう。
通塾が負担とならない場所にあるのかどうか、開催される時間帯はどうなのかも良く検討することが大切です。
受験生の場合は得意科目も受講をするのがおすすめです。多くの受験生にとって冬期講習は、入試に向けた苦手科目の克服に重点を置いているかもしれません。しかし苦手科目だけを受講してしまうと、子どもによっては「全然できない」「合格できないかもしれない」などと、自信喪失につながってしまう可能性があります。
得意科目も一緒に受講しておけば、自信を失わずに入試本番を迎えられるでしょう。
▼塾選びのポイントを詳しく解説した記事はこちら
・【2024年】中学生におすすめの学習塾22選!塾選びの方法や特徴を徹底解説
・【2024年最新】大学受験塾のおすすめ20選!いつから通うべき?費用まで紹介
冬期講習は一般的に学校が冬休みの期間に開催されます。冬休み期間は主に自治体などによって異なるものの、おおむね12月下旬から1月上旬ごろまで。冬期講習会の日程もだいたい同じです。ただし塾の中には12月上旬から1月下旬ごろまでを、冬期講習として開催しているところもあります。
講習に申し込みをする場合、「講習会の開催が早いことから、申し込み締め切りに間に合わなかった」といった状況におちいらないように注意してください。早めに冬期講習の情報を集め、いつまでに申し込みをすれば良いのかをチェックしておきましょう。
「普段は塾に通っていないけど、冬期講習にだけ参加したい」と思っている人がいるかもしれませんね。多くの塾では冬期講習だけに参加することは可能です。
ただし基本的な学習習慣が確立されていない子どもは注意しましょう。講習中だけ一生懸命勉強をしても、講習会終了後に自学自習をしなければ意味がありません。勉強とはコツコツとした積み重ねが大切なもの。自学自習がなければ講習中に学んだ知識も定着しないでしょう。
また進学塾が開催している冬期講習の中には、非常にレベルの高い授業を行っているところもあります。授業へ付いていける十分な学力が身に付いていないと、参加すること自体が大きな負担となるかもしれません。
人によっては「他の塾で開催する冬期講習に参加したい」「冬期講習代を工面するのが難しい」などの理由から、通っている塾の冬期講習参加を断りたいと思っていることもあるでしょう。もし通っている塾の冬期講習に参加したくない場合、どのように断れば良いのでしょうか。
ストレートに「他の塾の冬期講習に参加します」と答えても良いのですが、人によっては角が立つと思うかもしれませんね。
「冬休みは家族の予定があるので参加できません」「受験学年になってから参加させようと思っています」などを理由にすると、角を立てずに断れます。参考にしてみてください。
基本的に塾の冬期講習は、学校の冬休み期間に開催されます。進学塾なのかどうか、そして受験学年なのかどうかによって具体的なカリキュラムや費用は異なるのが一般的です。
冬期講習に参加をする場合、まずはなぜ講習に参加したいのかを明確にしましょう。目的をはっきりさせることで、目的にピッタリ合った冬期講習を見つけられるようになるはずです。
今回紹介した記事を、ぜひ冬期講習選びの参考にしてくださいね。
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塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。
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