学校推薦型選抜とは?仕組みやほかの選抜方式との違いを徹底解説【2027年度受験】
「学校推薦型選抜とはどんな入試なのか」「指定校推薦と公募制推薦の違いは何か」「一般選抜や総合型選抜とどう違うのか」そんな疑問を持つ受験生や保護者の方は多いのではないでしょうか。
学校推薦型選抜は、高校の校長から推薦を受けて大学に出願する入試方式です。文部科学省の調査によると、2025年度(令和7年度)の大学入学者のうち、学校推薦型選抜による入学者は22万1,415人にのぼり、全体の34.1%を占めています。一部の受験生だけが使う特別な入試ではなく、3人に1人以上が活用している入試方式です。
参考:令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要|文部科学省
この記事では、学校推薦型選抜の制度の基本から、出願条件・選考方法・スケジュール・併願可否、推薦をもらうためのポイント、不合格になったときの対処法、合格後にやるべきことまで、順を追って解説します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
学校推薦型選抜とは?まずは制度の基本から

学校推薦型選抜とは何か、どのような仕組みになっているのかを確認しましょう。一般選抜や総合型選抜との違いも含めて、制度の全体像を整理します。
学校推薦型選抜は「高校の推薦が必要」な入試
学校推薦型選抜は、大学が定める条件を満たしたうえで、高校の校長による推薦を受けて出願する入試方式です。2021年度入試から「推薦入試」に代わる名称として使われるようになりました。
誰でも自由に出願できるわけではなく、評定平均・出席状況・生活態度・校内選考などを通過する必要があります。志望大学に出願する前に、まず在籍校からの推薦を得ることが第一の条件です。
学校推薦型選抜は大学入試で大きな割合を占めている
学校推薦型選抜は、ごく一部の受験生だけが使う入試ではありません。文部科学省の調査によると、2025年度(令和7年度)の大学入学者のうち、学校推薦型選抜による入学者は22万1,415人で、全体の34.1%を占めています。

大学受験において、学校推薦型選抜は一般選抜と並ぶ主要な入試方式として大きな存在感を持っています。
学校推薦型選抜は「公募制推薦」と「指定校推薦」に分けられる
学校推薦型選抜は大きく「公募制推薦」と「指定校推薦」の2つに分けられます。2つの方式は出願できる高校の範囲や合格率、専願・併願の扱いなど、仕組みが大きく異なります。
以下の表で主な違いを確認しておきましょう。
公募制推薦と指定校推薦の主な違い
| 公募制推薦 | 指定校推薦 | |
|---|---|---|
| 出願できる高校 | 条件を満たせばどの高校からでも出願可 | 大学が指定した高校の生徒のみ |
| 実施している大学 | 国公立・私立ともに多数 | 主に私立大学 |
| 校内選考 | 大学によって有無が異なる | 希望者が多い場合は校内選考あり |
| 競争率 | 全国から受験生が集まるため高め | 校内選考を通過すれば合格率は高い |
| 専願・併願 | 大学によって異なる | 原則として専願 |
公募制推薦は出願できる範囲が広い分、競争率が高くなりやすいのが特徴です。一方、指定校推薦は在籍校に枠がなければそもそも利用できませんが、校内選考を通過できれば合格の可能性が高まります。まずは自分の高校にどの方式の枠があるかを確認することが、最初のステップです。
各方式の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
国公立大学と私立大学での違いは?
学校推薦型選抜は、国公立大学と私立大学とで制度の特徴が大きく異なります。志望校の種類によって準備内容が変わるため、違いを把握しておきましょう。
国公立大学と私立大学の学校推薦型選抜の主な違い
| 国公立大学 | 私立大学 | |
|---|---|---|
| 募集人数 | 少なめ | 比較的多い |
| 評定平均の基準 | 高めに設定されることが多い(4.0以上など) | 大学によって幅広い。基準を設けない大学もある |
| 推薦方式の種類 | 主に公募制推薦のみ | 公募制・指定校推薦・スポーツ推薦・資格推薦など多様 |
| 共通テスト | 課す大学が多い | 課さない大学が多い |
| 選考内容 | 小論文・面接・口頭試問・実技など多面的 | 書類審査・面接・小論文が中心 |
国公立大学では推薦入試でも学力面の準備が欠かせない一方、私立大学は活動実績や資格など個人の強みをアピールしやすい方式が充実しています。いずれの場合も、志望校の募集要項を必ず確認するようにしましょう。
一般選抜との違いは?
一般選抜は、主に入試当日の学力試験の得点によって合否が決まります。これに対し、学校推薦型選抜では高校在学中の成績・課外活動・人物面などが総合的に評価されます。
「一発勝負」の要素が少なく、日々の積み重ねが評価に直結するのが学校推薦型選抜の大きな特徴です。
総合型選抜との違いは?
学校推薦型選抜と総合型選抜は、どちらも書類・面接・小論文などを使う場合がありますが、出願条件やスケジュールが異なります。以下の表で主な違いを整理しておきましょう。
学校推薦型選抜と総合型選抜の主な違い
| 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 | |
|---|---|---|
| 出願資格 | 高校の推薦が必須 | 原則として本人の意思で出願可 |
| 評定平均の基準 | 設けている大学が多い | 設けていない大学が多い |
| 主な選考方法 | 書類審査・小論文・面接など | 書類審査・面接・小論文・プレゼン・グループディスカッションなど |
| 出願開始時期 | 11月以降 | 9月ごろから(大学によって異なる) |
| 合格発表時期 | 12月ごろ(共通テスト利用は2月ごろ) | 11月ごろ(大学によって異なる) |
制度の違いを正確に把握したうえで、自分に合った方式を選ぶことが重要です。総合型選抜の詳細については、以下の記事をご覧ください。
学校推薦型選抜の出願条件は?

学校推薦型選抜を受けるには、大学が定める条件を満たすだけでなく、在籍校からの推薦を得ることも必要です。「自分は出願できるのか」を早めに確認するために、主な出願条件を整理しておきましょう。
評定平均の基準を満たす必要がある
多くの大学では、出願条件として「評定平均値」の基準が設けられています。評定平均とは、高校1年生から3年生1学期までのすべての教科・科目の成績(5段階評価)を合計し、科目数で割った数値です。大学によって「3.8以上」「4.0以上」「4.3以上」など基準はさまざまで、この数値を下回ると出願できないケースもあります。
自分の評定平均が志望校の基準を満たしているかどうか、できるだけ早い段階で確認しておくことが重要です。通知表を見ながら担任の先生に相談するのが確実な方法です。
外部検定・課外活動の実績が評価されることもある
英検®やTOEFL、日商簿記、情報処理技術者試験などの外部検定資格が評価対象となる大学もあります。大学によっては、資格の取得が出願条件に含まれているケースもあるため、志望校の募集要項を確認しておきましょう。
部活動・生徒会・ボランティア・地域活動なども、調査書や志望理由書を通じてアピール材料になります。重要なのは実績そのものよりも、その経験を通じて何を学び、どう成長したかを自分の言葉で説明できるかどうかです。
学校内での推薦枠を得る必要がある
大学の出願条件を満たしていても、在籍校から推薦を得られなければ出願できません。多くの高校では、成績・出席状況・生活態度・課外活動などをもとに校内選考が行われます。特に人気の大学では複数の希望者が出ることもあり、校内選考を通過することが最初の関門となります。
志望する大学の推薦を希望する場合は、早めに担任や進路指導の先生に意思を伝えておくことが大切です。
指定校推薦の推薦枠は毎年変わる場合がある
指定校推薦の推薦枠は、大学側の判断によって毎年内容が変わることがあります。先輩の年に枠があった大学・学部でも、自分の年には枠がなくなっている場合や、募集人数が変わっている場合があります。
最新の推薦枠の情報は高校の進路指導室や担任の先生から確認するのが確実で、ウェブ上の情報は古いケースがあるため注意が必要です。
学校推薦型選抜の選考方法は?

出願後は、大学ごとに定められた方法で選考が行われます。書類審査から面接、学力試験まで、選考内容は大学・学部によってさまざまです。自分が受ける大学でどのような選考が行われるかを事前に把握し、必要な準備を逆算しておきましょう。
調査書・推薦書・志望理由書などの書類審査
多くの大学で、選考の基礎となるのが書類審査です。主な提出書類は調査書・推薦書・志望理由書・自己推薦書などで、それぞれ異なる観点から評価されます。調査書には成績・出欠状況・課外活動の記録が、推薦書には人物面や取り組みへの姿勢が記載されます。
志望理由書では、なぜその大学・学部を選んだのか、入学後に何を学びたいのか、将来どう活かすのかを具体的に書くことが求められます。「その大学・学部でなければならない理由」を自分の言葉で書けるかどうかが、志望理由書の質を左右します。
小論文
小論文では、与えられたテーマを正確に読み取り、自分の意見を筋道立てて述べる力が問われます。文章の構成力・表現力はもちろん、学部系統に関連するテーマや時事問題が出題される場合もあるため、日頃から社会の動きに関心を持っておくことが役立ちます。
書き慣れていない場合は、過去問演習や添削指導を通じて構成力と表現力を高めておくことが重要です。
面接
面接では、志望理由・高校生活で力を入れたこと・入学後に学びたいこと・将来の目標などが聞かれることが多いです。個人面接と集団面接のどちらが行われるかは大学によって異なります。
回答を丸暗記するのではなく、自分の経験に基づいて自然に話せる状態を目指すことが大切です。模擬面接を繰り返し、第三者からフィードバックをもらうことで、本番での落ち着きと説得力が高まります。
プレゼンテーション・口頭試問・実技試験が課される場合もある
大学・学部によっては、書類審査や面接に加えて、プレゼンテーション・口頭試問・実技試験が課されることがあります。国公立大学や専門性の高い学部では、学問への理解や思考力を深く問われるケースもあります。
選考内容は大学・学部ごとに異なるため、募集要項を必ず確認し、必要に応じて個別の対策を講じることが重要です。
共通テストが課されるところもある
特に国公立大学の学校推薦型選抜では、大学入学共通テストの受験が出願条件となる場合があります。「推薦だから学力試験はない」と思い込むと、準備不足になるリスクがあります。
共通テストが必要な大学を志望する場合、必要科目や配点は大学・学部ごとに異なるため、推薦対策と並行して共通テストの準備も計画的に進めることが求められます。
学校推薦型選抜で推薦をもらうためのポイントは?

高校からの推薦を得るためには、入試直前だけでなく、高校生活全体を通じた積み重ねが大切です。評定平均・課外活動・日常の学校生活など、複数の要素が総合的に評価されることを意識して過ごしましょう。
高1・高2から定期テストに取り組む
評定平均は高3になってから急に上げることが難しく、高1・高2の成績が最終的な数値に大きく影響します。定期テストで安定した得点を積み重ねることが、評定平均を高める最も確実な方法です。
体育・音楽・美術などの実技教科も評定に含まれるため、主要教科だけに集中するのは禁物です。苦手科目を早めに把握し、放置せずに対策することが評定平均の底上げにつながります。
提出物・授業態度・出席状況も意識する
定期テストの点数だけが評定や校内選考に影響するわけではありません。提出物の期限遵守、授業中の取り組み姿勢、出席状況なども評価の対象になります。欠席や遅刻が多い場合、出願条件を満たせなかったり、校内選考で不利になったりする可能性があります。
日頃の学校生活全体が推薦につながるという意識を持つことが大切です。
課外活動や生徒会活動などで実績を積む
部活動・生徒会・ボランティア・資格取得などの経験は、調査書や志望理由書でのアピール材料になります。全国大会出場や表彰歴といった大きな実績がなくても、継続して取り組んできたこと、担ってきた役割、その過程での成長も評価されます。
大切なのは「何をやったか」だけでなく、「その経験を通じて何を学び、どう活かすか」を自分の言葉で伝えられることです。
活動実績は記録しておく
課外活動の内容は、時間が経つと記憶が薄れて出願書類に書きづらくなることがあります。活動した時期・役割・取り組んだ内容・成果・学んだことを、その都度メモとして残しておきましょう。
記録があると、志望理由書の作成や面接の準備をする際に、具体的なエピソードとして活用しやすくなります。
志望校が決まれば早めに先生に相談する
推薦を考えている場合は、志望校が固まった段階で担任や進路指導の先生に早めに意思を伝えることが重要です。相談が早ければ、募集要項の確認、校内選考のスケジュール把握、面接・小論文対策など、学校側からのサポートを受けやすくなります。
「まだ迷っている」という段階でも、先生に相談しておくことで選択肢が広がることがあります。
オープンキャンパスや大学パンフレットで志望理由を深める
志望理由書や面接で「なぜその大学・学部なのか」を具体的に答えるためには、大学について深く調べておく必要があります。オープンキャンパスへの参加、大学パンフレットの取り寄せ、公式サイトでのカリキュラム確認などを通じて、学部の特徴・ゼミ・取得できる資格・卒業後の進路などを把握しておきましょう。
実際にキャンパスを訪れた経験や、そこで感じたことを志望理由に盛り込むと、説得力が増します。
学校推薦型選抜のスケジュールは?

学校推薦型選抜は、高1・高2からの準備が合否に直結する入試方式です。各時期に何をすべきかを把握しておくことで、焦らず対策を進めることができます。ここで紹介するスケジュールはあくまで目安です。志望校の公式サイトや募集要項で正確な日程を確認してください。
高1・高2|評定平均と活動実績を意識する
高1・高2の成績も評定平均に含まれるため、この時期からの取り組みが出願条件を左右します。定期テストへの取り組みや提出物の管理を丁寧に続けることが、高3時点での評定平均を安定させることにつながります。
課外活動や資格取得も、無理のない範囲で少しずつ積み重ねておくと、出願書類でのアピール材料になります。
高3春〜夏|志望校の募集要項を確認する
高3に進んだら、できるだけ早い段階で志望校の推薦方式・出願条件・必要書類・選考内容を確認しましょう。推薦枠の有無や種類は学校によって異なるため、在籍校の進路指導室や担任の先生にも確認が必要です。
校内選考がいつ行われるかも学校ごとに異なるため、担任の先生に早めに確認しておくと安心です。
高3夏〜秋|校内選考を受ける
多くの高校では夏から秋にかけて校内選考が行われ、推薦候補者が決定します。選考の判断材料は成績・出席状況・活動実績・志望理由などで、学校によって重視する項目が異なります。
校内選考を通過することが大学への出願の前提となるため、この時期が推薦取得の最初の関門になります。早い高校では7月ごろから選考が始まるケースもあります。
高3秋〜冬|出願・小論文・面接などの選考を受ける
校内選考を通過したら、大学への出願書類を準備します。出願は多くの場合11月上旬から中旬にかけて受け付けられます。
小論文・面接・プレゼンテーション・共通テストなど、選考内容は大学・学部ごとに異なるため、募集要項で確認したうえで個別に準備を進めましょう。
高3冬|合格発表・入学手続きを行う
共通テストを課さない方式であれば、12月中に合格が決まり年内に進路が確定するケースもあります。合格後は入学手続きの締め切りを確認し、必要書類の準備や入学金の納入を期限内に行うことが大切です。
合格通知が届いたら、手続きの期限をすぐに確認し、保護者と連携しながら漏れなく対応しましょう。
高3通年|不合格に備えて一般選抜の準備も並行する
推薦対策に集中しながらも、基礎学力の維持と一般選抜の出願スケジュールの確認は並行して続けることが重要です。
「推薦があるから大丈夫」と学力面の勉強をやめてしまうのは危険で、一般選抜を現実的な選択肢として残しておく意識が大切です。
学校推薦型選抜は併願できる?専願との違い

学校推薦型選抜を検討するうえで、「他の大学と併願できるのか」「合格後に辞退できるのか」は重要な確認事項です。方式によってルールが異なるため、出願前にしっかり把握しておきましょう。
指定校推薦は原則として専願
指定校推薦は、合格したら必ずその大学に進学することを前提とした入試方式です。他大学との併願はできず、合格後の辞退も原則として認められません。辞退した場合、在籍校の後輩への推薦枠が取り消されるケースもあり、学校全体に影響が及ぶことがあります。
第一志望でない大学の指定校枠を安易に利用することは避け、本当に進学する意思がある場合にのみ出願を検討しましょう。
公募制推薦は併願できる場合もある
公募制推薦は、大学や方式によって専願の場合と併願可能な場合があります。同じ大学でも学部や推薦方式によって異なることがあるため、一概に「公募制は併願できる」とは言えません。
併願可否は必ず募集要項で確認することが必要で、思い込みで出願すると規約違反になる可能性があります。
合格後に入学辞退できるかは募集要項で確認する
合格後に入学を辞退できるかどうかは、方式によって異なります。入学手続き後に辞退した場合、納入した入学金が返還されないケースが多く、経済的な損失が生じることもあります。
辞退の可否・手続き方法・納入金の扱いは、出願前に必ず募集要項を確認し、高校の先生にも相談したうえで判断することが大切です。
学校推薦型選抜のメリットは?

学校推薦型選抜には、一般選抜にはない独自のメリットがあります。自分の強みや状況に合った受験方式かどうかを判断するうえで、参考にしてください。
学校の成績を生かせる
高校1年から積み重ねてきた成績や課外活動の実績を、入試に直接活かせるのが学校推薦型選抜の大きな魅力です。一般選抜では入試当日の筆記試験の結果が合否を大きく左右しますが、学校推薦型選抜では調査書や推薦書など、高校生活全体を示す資料が重視されます。
緊張や体調などの当日の状態に左右されにくく、継続的な努力がそのまま評価につながる入試方式です。
指定校推薦の場合は合格率が高い傾向にある
指定校推薦は、在籍校の校内選考を通過して推薦を得られれば、合格できる可能性が高い入試方式です。大学側が信頼を置く高校からの推薦であるため、出願後に不合格となるケースは多くありません。
ただし、面接での不適切な言動や提出書類の不備があれば合格が保証されるわけではないため、選考への丁寧な準備は欠かせません。
受験のチャンスを増やすことができる
公募制推薦などを活用することで、一般選抜とは別の受験機会を得ることができます。不合格になった場合でも一般選抜で同じ大学に再挑戦できるケースが多く、リスクを抑えながら受験の選択肢を広げられます。
評定平均などの出願条件を満たしている場合は、学校推薦型選抜を戦略的に組み込むことで合格の可能性を高められます。
早く進路を固めることができる
共通テストを課さない方式であれば、12月中に合格が決まり年内に進路が確定する場合があります。進路が早く決まることで受験へのプレッシャーから解放され、入学後の学習準備や一人暮らしの手続きなどを落ち着いて進められます。
精神的な余裕が生まれることで、大学入学後のスタートをより充実したものにしやすくなるのも、学校推薦型選抜ならではの利点です。
学校推薦型選抜のデメリット・注意点は?

学校推薦型選抜にはメリットがある一方、事前に把握しておくべき注意点もあります。制度の特性を正しく理解したうえで、自分に合った受験方式かどうかを判断しましょう。
出願条件や校内選考のハードルが高い
学校推薦型選抜では、評定平均・活動実績・出席状況など、出願前にクリアすべき条件が複数あります。大学側の条件を満たしていても、校内での希望者が多い場合は推薦を得られないこともあります。
推薦を視野に入れる場合は、高1・高2の段階から出願条件を意識して学校生活を送ることが重要です。
一般選抜と並行して勉強するのが難しい
志望理由書の作成・小論文の練習・面接の準備など、推薦型選抜の対策には相当な時間がかかります。これらに集中しすぎると、一般選抜に必要な学力の維持が難しくなるリスクがあります。
推薦対策と並行して基礎学力の勉強も続けられるよう、早めに時間配分の計画を立てることが求められます。
「推薦=必ず合格」ではない
高校から推薦を得られても、大学側の選考で不合格になる可能性はあります。特に公募制推薦では全国から受験生が集まるため、競争率が高くなることもあります。国公立大学の推薦では学力面の評価も厳しく、合格が保証されているわけではありません。
推薦を得た後も気を緩めず、面接・小論文・書類など各選考に向けた準備を丁寧に続けることが大切です。
合格後は入学辞退が難しい場合がある
指定校推薦や専願制の公募推薦では、合格後に入学を辞退することが原則として認められていません。出願後に「やはり別の大学に行きたい」と思っても、取り消しが難しい点は指定校推薦と共通しています。
出願前に「本当にその大学に進学したいか」を十分に考えておくことが、後悔のない進路選択につながります。
学校推薦型選抜に合格した後にやるべきこと

推薦型選抜で早めに合格が決まることは、入学準備に時間を使えるという大きなメリットです。合格後の期間を有意義に過ごすために、やるべきことを整理しておきましょう。
大学から出される課題に取り組む
推薦合格者には、入学前に課題図書の読書レポートや小論文、オンライン講座の受講などが課される場合があります。提出期限を守ることはもちろん、内容にも丁寧に取り組むことで、入学後の学びへのスムーズな移行につながります。
課題の有無や内容は大学から案内が届くため、合格通知とあわせて必ず確認するようにしましょう。
英語・数学など基礎学力の勉強を続ける
合格後に勉強を完全にやめてしまうと、大学入学後の授業についていくのが難しくなる場合があります。特に英語は多くの学部で必須となり、数学も理系・経済系の学部では基礎力が直接問われます。
学部に関係する基礎科目を中心に、無理のないペースで勉強を続けることが、大学での学習の出発点を安定させることにつながります。
入学予定の学部で学ぶ分野に触れておく
入学前の時間を使って、学部に関連する入門書・ニュース・大学のシラバスなどに目を通しておくと、入学後の授業への理解が深まります。難しい専門書でなくても、関連テーマの新書や一般向けの解説本から始めれば十分です。
学ぶ分野への関心を深めておくことで、入学後の勉強へのモチベーションが高まり、大学生活をより充実したスタートで切ることができます。
生活面・通学面の準備を進める
合格後は、通学ルートの確認・一人暮らしの場合の住居探し・パソコンや教材の準備・奨学金の申請・入学手続き書類の提出など、実務的な準備が数多く発生します。保護者と連携しながら、期限のある手続きから優先的に進めていくことが大切です。
やるべき手続きをリストアップして整理しておくと、抜け漏れを防ぎながら落ち着いて準備を進めることができます。
学校推薦型選抜に落ちたらどうする?

推薦型選抜は合格率が高い方式もありますが、不合格になる可能性はゼロではありません。「落ちたらどうしよう」という不安を抱えたまま対策を進めるより、事前に動き方を決めておくことで気持ちが安定します。推薦の準備と並行して、万が一の場合の備えも整えておきましょう。
一般選抜・共通テスト利用入試の出願スケジュールを確認する
推薦型選抜の結果が出る前から、一般選抜や共通テスト利用入試の出願期間を確認しておくことが重要です。出願締め切りを過ぎてしまうと、受験できる大学の選択肢が大幅に減ってしまいます。
推薦の結果を待ってから動き始めるのではなく、出願スケジュールだけでも事前に把握しておくことが、切り替えをスムーズにするための準備になります。
学校の先生や塾に相談して受験校を見直す
不合格になった後は、志望校・併願校・出願方式を冷静に見直す必要があります。気持ちが落ち込んでいる時期に一人で判断しようとすると、視野が狭くなりがちです。
学校の先生や塾の講師に相談することで、自分の学力や状況に合った現実的な受験戦略を立て直しやすくなります。不合格後の相談は早ければ早いほど、選択肢を広く持てます。
推薦型選抜の対策中も基礎学力の勉強は続けておくことが重要
不合格後に一般選抜へ切り替えた場合、それまでの学力の積み上げが合否を左右します。推薦対策中も、1日の中で英語・数学・国語などの基礎学力の勉強時間を確保し続けることが大切です。
どの結果になっても対応できる受験体制を整えておくことが、精神的な安定にもつながります。
学校推薦型選抜でよくある質問(FAQ)

ここでは、学校推薦型選抜に関してよく寄せられる疑問にお答えします。
学校推薦型選抜に受かる確率はどれくらいですか?
合格率は「公募制」か「指定校推薦」か、また大学の種類によって大きく異なります。以下の表は、令和6年度の学校基本調査をもとにした合格率の目安です。
令和6年度 学校推薦型選抜の合格率(大学種別)
| 大学タイプ | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 国立大学 | 30,099人 | 12,246人 | 約41% |
| 公立大学 | 20,977人 | 9,284人 | 約44% |
| 私立大学 | 419,217人 | 272,764人 | 約65% |
参考:令和6年度 学校推薦型選抜実施状況(文部科学省)をもとに作成
私立大学では比較的高い合格率が示されていますが、国公立大学では狭き門となっています。また、指定校推薦は校内選考を通過できれば合格率が非常に高い一方、公募制推薦は全国から受験生が集まるため競争率が高くなる傾向があります。合格率はあくまで全体の目安であり、「推薦=必ず受かる」ではない点には注意が必要です。
学校推薦型選抜に向いている人・受かる人の特徴は何ですか?
学校推薦型選抜では、次のような特徴を持つ受験生が強みを発揮しやすい傾向があります。
- 評定平均が高く安定した成績を維持している
- 志望理由が明確で大学・学部への熱意を具体的に伝えられる
- 部活動・生徒会・ボランティアなどでの活動実績がある
- 面接や小論文で自分の考えを落ち着いて表現できる
成績だけでなく、高校生活全体を振り返ることが大切で、継続してきた取り組みや担ってきた役割が評価されることもあります。一度、担任の先生や進路指導の先生と一緒に自分の強みを整理してみましょう。
評定平均が足りない場合でも出願できますか?
大学が定める評定平均の基準を満たしていない場合、その大学の推薦入試には出願できないことがあります。ただし、評定平均の基準を設けていない大学もあるため、まずは志望校の募集要項を確認することが必要です。
評定平均の基準が届かない場合でも、活動実績や資格を重視する推薦方式、あるいは総合型選抜や一般選抜など、他の入試方式で出願できる可能性があります。
学校推薦型選抜では、塾に通った方がよいですか?
必ず通わなければならないわけではありませんが、小論文・面接・志望理由書の作成・共通テスト対策に不安がある場合は、塾や予備校の活用が有効です。学校の先生も対応してくれますが、対策にかけられる時間には限りがあります。
特に小論文や面接は、繰り返し練習して第三者に評価してもらうことで、本番での対応力が大きく高まります。自分に必要なサポートを見極めながら、学校と塾を組み合わせて活用することを検討してみましょう。
まとめ 学校推薦型選抜をうまく活用して志望校を狙おう!

学校推薦型選抜とは、高校からの推薦を受けて大学に出願する入試方式です。評定平均や課外活動、生活態度など、高校3年間の積み重ねが評価される仕組みになっています。
出願条件や校内選考といったハードルはありますが、それを乗り越えた先には「日々の努力が入試に直結する」という推薦型ならではの強みがあります。一般選抜とは異なる形で自分の実績を示せる入試方式として、前向きに検討する価値があります。
「自分には推薦は無理かも」と思っている人も、評定平均や活動実績を改めて確認してみると、意外と条件を満たしているケースは少なくありません。まずは担任や進路指導の先生に相談し、自分に合った受験方式を一緒に探してみることをおすすめします。
執筆者プロフィール
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