大学受験の自己PR【例文付】受かる人・落ちる人の違いは?書き方も
「大学受験の自己PRに何を書けばいいのかわからない」「アピールできる実績がないから落ちるのでは……」と悩んでいませんか?
大学受験の自己PRで受かる人と落ちる人の決定的な違いは、目立った実績の有無ではありません。自分の「強み」と、それが表れた「具体的な行動プロセス」を正しく伝えられているかが合否を分けます。
この記事では、総合型選抜の専門家・福井先生の監修のもと、受かる人と落ちる人の違いをはじめ、失敗しない書き方4ステップやテーマ別の例文4選を解説します。専門家のアドバイスやNG例も紹介するので、合格を引き寄せる自分らしい自己PR作成にぜひ役立ててください。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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監修者
福井悠紀
1995年、大阪府生まれ。京都大学経済学部経済経営学科卒業。大学3年生次にAOIの創業に参画し創業当時から志望理由、面接、小論文の指導を行う。塾内の教材開発にも長年にわたり携わってきた。
目次
大学受験の自己PR評価基準と合否の違い

総合型選抜や学校推薦型選抜では、自己PRが評価材料の一つになることがあります。
まずは、大学受験における自己PRの役割と、大学側がどこを見ているのかを確認しましょう。
自己PRでは「自分の強み」と「根拠となる経験」を伝える
大学受験の自己PRでは、自分の強みと、その強みを裏付ける経験をセットで伝えることが大切です。
「協調性があります」「責任感があります」と書くだけでは、その人らしさは十分に伝わりません。
たとえば「責任感」をアピールするなら、責任感を発揮した出来事まで説明します。学校行事や部活動、委員会活動など、身近な経験で構いません。
その中で何を考え、どのように行動したのかを示すことで、強みに説得力が生まれます。
大学側は、成績や偏差値だけではわからない人柄や考え方も見ています。自己PRは、自分がどのような人物なのかを知ってもらうための材料と考えましょう。
自己PRと志望理由の違い
自己PRは「自分がどのような人なのか」、志望理由書は「なぜその大学で学びたいのか」を伝えるものです。
内容が重なることはありますが、中心となるテーマは異なります。
自己PRでは、これまでの経験を振り返りながら、自分の強みや価値観を説明します。一方、志望理由書では、将来の目標や学びたい内容、大学を志望する理由などが中心です。
自己PRと志望理由書の違いをまとめると、次のようになります。
| 項目 | 主に伝えること | 時間軸 |
|---|---|---|
| 自己PR | 強み・考え方・行動の特徴 | これまでの経験が中心 |
| 志望理由書 | 学びたいこと・志望理由・将来像 | これからが中心 |
自己PRでも、最後に「大学で強みをどう生かしたいか」に触れることがあります。ただし、志望理由ばかりを書いてしまわないようにしましょう。
福井先生のアドバイス
自己推薦書はあなたの「これまで」について書くものです。「これから」に主眼を置いた「志望理由書」とは別のものになります。あなたが持っているほかの人と違う強みは何かを具体的なエピソードで示しましょう。
大学側はアドミッション・ポリシーとの相性も見ている
自己PRを考える際は、志望大学や学部のアドミッション・ポリシーも確認しましょう。
アドミッション・ポリシーとは、大学が示している学生の受け入れ方針です。どのような学生を求めているかが示されています。
たとえば、主体性を重視している大学なら、自分から課題を見つけて行動した経験が自己PRの材料になります。
ただし、アドミッション・ポリシーの表現をそのまま自己PRに書く必要はありません。
自分自身の経験と照らし合わせ、「どの部分が自分の強みと重なるか」を考えることが重要です。
福井先生のアドバイス
アドミッション・ポリシーの文言をそのまま引用して自己PRを作成するのは避けましょう。
具体的なエピソードを交えアドミッション・ポリシーにどのように合致しているかを説明するべきなのに、アドミッション・ポリシーの文言を丸写しで書いても意味がないためです。
高校生の自己PRには何を書く?テーマの選び方

「自己PRに使えるほどすごい経験がない」と感じる高校生もいるでしょう。
しかし、自己PRに必要なのは大きな実績ではありません。普段の学校生活や勉強の中にも、自分の強みを伝えられる経験はあります。
部活動・学校行事で取り組んだこと
部活動や学校行事は、行動や考え方を具体的に説明しやすい自己PRのテーマです。
部長やキャプテンなどの役職についていなくても問題ありません。練習を継続したこと、後輩を支えたこと、チーム内で意見を調整したことなども材料になります。
文化祭や体育祭についても同様です。「実行委員長を務めた」といった肩書だけを見るのではなく、その中で自分がどう動いたかを振り返ってみましょう。
結果よりも、課題に対してどのように工夫したかを掘り下げることがポイントです。
勉強・資格取得で努力したこと
勉強や資格取得も、継続力や計画性などを伝えられる自己PRの材料になります。
「テストで高得点を取った」「資格に合格した」という結果だけを書く必要はありません。苦手科目を克服するために勉強方法を変えた経験や、毎日少しずつ学習した経験も使えます。
たとえば、毎日30分の勉強を続けたのであれば、続けるためにどのような工夫をしたかまで考えてみましょう。
結果とともに努力の過程を書くことで、その人らしい自己PRになります。
課外活動・ボランティアで経験したこと
学校外での活動では、自分から行動した経験や他者との関わりを伝えやすくなります。ボランティアや地域活動、探究活動などに参加した経験があれば振り返ってみましょう。
重要なのは、活動に参加した事実だけではありません。そこで何に気づき、自分は何を考え、どのような行動を取ったのかを整理します。
大きな成果がなくても、活動を通じて価値観が変わった経験などは自己PRの材料になります。
継続してきたこと・責任を持って取り組んだこと
日常の中で長く続けてきたことにも、自分の強みが表れています。委員会活動や習い事、家庭で任されていることなどでも構いません。
たとえば「毎朝早く学校へ行き、部活動の準備を続けていた」という経験なら、継続力や責任感につながる可能性があります。自分では当たり前だと思っている行動ほど、強みを見つけるヒントになることがあります。
「なぜ続けられたのか」「どんな工夫をしたのか」を考えてみましょう。
大学受験の自己PRを書く4ステップ

自己PRのテーマが決まったら、すぐに文章を書き始める必要はありません。
自己分析から順番に整理すると、自分の強みと大学との接点が見えやすくなります。
ステップ① 自己分析で自分の強みを見つける
最初に、これまでの経験を振り返り、自分の強みを整理しましょう。部活動や学校行事、勉強、友人との関わりなどを思い出します。
その際、「何をしたか」だけで終わらせないことが重要です。「なぜそうしたのか」「困ったときにどうしたのか」「何を学んだのか」まで考えてください。
たとえば、文化祭でクラスの意見をまとめた経験があるなら、単なる活動実績ではありません。周囲の話を聞く力や、意見を調整する力が表れている可能性があります。
自分では強みに気づきにくい場合は、家族や先生、友人に聞くのも一つの方法です。
ステップ② 志望大学・学部を調べる
次に、志望する大学や学部がどのような学生を求めているかを調べましょう。
まず確認したいのがアドミッション・ポリシーです。そのほか、学部のカリキュラムや授業内容などにも目を通しておくとよいでしょう。
自分の強みを何でもアピールすればよいわけではありません。大学が重視していることと、自分の経験がどこで重なるのかを考える必要があります。
大学について調べることで、自己PRの最後に「強みを大学でどう生かすか」も書きやすくなります。
ステップ③ 強みとアドミッション・ポリシーを結び付ける
自己分析で見つけた強みと、大学が求める学生像との接点を探しましょう。
たとえば、大学が社会問題への関心を求めているとします。その場合、探究活動やボランティアなど、自分の関心を行動に移した経験がないか振り返ります。
ここでも、無理に自分を大学へ合わせる必要はありません。自分の経験の中から、大学の方針と自然につながるものを選びます。
「大学が求めているから主体性と書こう」と考えるのではなく、主体性が実際に表れた自分の経験を探すことが大切です。
ステップ④ 強みを具体的なエピソードで伝える
自己PRでは、強みを具体的なエピソードによって裏付けましょう。「私の強みは協調性です」だけでは、読み手は具体的な人物像をイメージできません。
エピソードは、「どのような状況だったか」「何をしたか」「どうなったか」の流れで整理すると伝わりやすくなります。
さらに、なぜその行動を取ったのかを加えると、自分の価値観まで伝えられます。
福井先生のアドバイス
エピソードを書く際には、5W1Hを意識してできるだけ具体的に書きましょう。
5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の英単語の頭文字をとった言葉です。この6つに基づいて情報を整理することで、正しく伝えることができます。
エピソードにもよりますが、どのような困難があったか、どのように工夫して解決したかということも合わせて書けると良いでしょう。
高校生の自己PR例文4選【福井先生コメント付き】

ここからは、高校生が大学受験で自己PRを書くときの例文を紹介します。
例文をそのまま使うのではなく、自分と近い経験を探し、構成や伝え方を参考にしてください。
例文①:部活動のリーダー経験をアピール
リーダー経験を伝える場合は、役職ではなく「どうチームに働きかけたか」を具体的に示しましょう。
私の強みは、周囲の意見を尊重しながらチームをまとめるリーダーシップである。
高校では、サッカー部の副キャプテンとして活動していた。3年次には、メンバー間の意見の対立が続き、チームの雰囲気が悪化する時期があった。
その際、私は「全員が納得できる目標をつくることが必要だ」と考え、部内ミーティングを自主的に提案した。メンバー一人ひとりに意見を聞き、目標や不満点を共有する場を設けたことで、次第に緊張がほぐれ、チームに一体感が生まれた。
結果として、県大会では過去最高のベスト8に進出し、最後の試合では、チームメイトから「あなたがまとめてくれたおかげでここまで来られた」と言ってもらえたことが印象に残っている。
大学では、この経験で培った対話力と調整力を活かし、ゼミ活動やグループワークなどでも積極的に貢献していくつもりである。また、学びの場においても、異なる考え方を尊重しながら意見をまとめる姿勢を大切にし、自分の視野をさらに広げていきたいと考えている。
福井先生のアドバイス
どのような意志を持って、解決のために行動したのかが具体的に書かれていて良いですね。なぜ、全員が納得できる目標づくりが重要だと考えたのかというあなたの価値観が書けると、より良い自己PRになるでしょう。
例文②:課外活動の経験をアピール
課外活動では、参加した事実よりも、自分で課題を見つけて動いた過程を示すことがポイントです。
私の強みは、自ら課題を見つけ、主体的に行動できる探究心と実行力である。
私は高校2年のときに、地域の商店街と連携したイベント企画にボランティアとして参加した。
当初はチラシ配りなどのサポート業務が中心であったが、イベント運営に関わる中で「商店街に若年層の来場者が少ない」という課題に気づき、自らその改善策を考えた。
周囲の大人に相談しながら、InstagramやXで高校生に向けて各店舗の魅力を紹介するキャンペーン企画や、地元店舗での職業体験ワークショップなどを提案した。
これらのアイデアをPowerPointでスライドにまとめ、商店街の会合でプレゼンを行い、企画書として提出した。
最終的にその案の一部が採用され、イベント当日は前年よりも多くの来場者が集まった。
終了後には、地元の店舗の方々から「若い視点がとても役立った」と声をかけてもらい、大きな達成感を得ることができた。
大学では、地域や社会に対して自ら関心を持ち、課題解決に関わる姿勢をさらに深めていくつもりである。
フィールドワークや実習などにも積極的に参加し、実践的な力を身につけながら、社会とつながる学びを広げていきたいと考えている。
福井先生のアドバイス
自ら課題を見つけて、プレゼンをし、ほかの人を巻き込みながらアイデアの実現まで達成できたということを、具体的なエピソードと共に示せているのが素晴らしいですね。
若年層の来場者の増加になぜSNSが効果的だと考えたのかも詳しく書けると、より伝わりやすいと思います。
例文③:将来の目標と大学での学びをアピール
将来の目標を使う場合も、「目標がある」だけでなく、そのために行動してきた経験まで示しましょう。
私の強みは、自分の将来像を明確に持ち、それに向けて計画的に努力できる力である。
私は将来、発展途上国の教育支援に携わる仕事をしたいと考えている。
きっかけは、中学生の頃に参加した国際協力イベントで、教育を受けられない子どもたちの現状を知ったことである。
高校では国際問題に関する資料を自主的に読み進め、学校外でもNPOの講演会やボランティア活動に積極的に参加した。
また、英語力を高めるためにオンライン英会話を継続し、英検準1級を取得した。
これらの経験を通じて、教育の機会が個人の人生を左右する現実に触れ、自分が将来関わりたい分野が明確になった。
その目標を実現するためには、国際協力や教育政策を体系的に学べる環境が必要であると感じている。
貴学の国際学部では、教育・文化・政策の3つを横断的に学べるカリキュラムが整っており、私の目標に直結している。
大学では、現地調査や実地研修などにも積極的に取り組み、将来的には現場で実践できる知識と視野を広げていきたいと考えている。
福井先生のアドバイス
目標に向けて、逆算して努力できている点が評価されるでしょう。出願書類で設問の関係上、将来像を具体的に述べられなかった場合などに効果的な書き方だと思います。
きっかけの部分で、自分がなぜ教育支援に興味を持ったのかを深掘りできると、努力の原動力が説明できてより良くなると思います。
例文④:責任感を具体的なエピソードでアピール
責任感のような抽象的な強みは、「責任を持って何をしたか」を具体的にすることが大切です。
私の強みは、どのような状況でも最後まで責任を持って物事に取り組む姿勢である。
途中で投げ出さず、自分に任されたことは必ずやり遂げようとする意識を常に持っている。
高校では図書委員を務め、3年時には学校全体で取り組む読書週間イベントの責任者を任された。
例年になく準備期間が短く、周囲の協力を得ながら全体をまとめる必要があったが、誰かに任せきりにせず、自分の役割以上のことにも積極的に取り組んだ。
特に企画運営や当日の進行表作成などでは、ミスが出ないよう何度も確認を重ねた。
開催後には担当の先生から「細かいところまで気を配ってくれて本当に助かった」と声をかけていただき、自分の責任感が形になったと実感した。
大学でも、自分の役割に責任を持って行動する姿勢を大切にしたいと考えている。
グループでの活動やゼミでの発表などでも、周囲に信頼される存在として取り組んでいくつもりである。
将来的には、どんな仕事に就いても「任されたことは必ずやり遂げる人」でありたいと考えている。
福井先生のアドバイス
性格や強みが表れているエピソードですね。面接のために、書類に書かなかったほかのエピソードも用意しておけると良いでしょう。
アピールポイントが「責任感」と「細部までの確認」の二つに分かれている印象なので、どちらか一つに絞ると一貫性が生まれると思います。
自己PRに書くことがない高校生はどうする?

「部長ではない」「大会で結果を残していない」といった理由から、自己PRに書くことがないと感じる人もいます。
しかし、大学側に伝えられる強みは、目立つ実績の中にだけあるわけではありません。
目立った実績や特別な経験がなくても問題ない
自己PRでは、実績の大きさよりも、経験の中でどう考えて行動したかが重要です。
たとえば、部活動で大会に出場できなかったとしても、練習を継続した経験は残っています。文化祭で中心人物にならなくても、周囲を支えるために工夫したことがあるかもしれません。
自己PRを考えるときに、「人よりすごいこと」を探す必要はありません。自分がどのような場面で何を考え、どのように動いたのかを振り返りましょう。
日常の「続けたこと・工夫したこと」から探す
自己PRの材料が見つからないときは、日常の中で続けたことや工夫したことを探してみましょう。
毎日の勉強、部活動の準備、委員会活動など、本人にとって当たり前になっていることもあります。「頼まれなくても続けていることはないか」「周囲からよく任されることはないか」と考えてみてください。
また、失敗した経験も自己PRの材料になります。失敗した後に何を考え、どう改善したかを伝えられれば、そこから行動力や粘り強さが見えることがあります。
一つの経験を「行動・工夫・学び」まで掘り下げる
自己PRでは、多くの経験を並べるより、一つの経験を深く掘り下げるほうが強みを伝えやすくなります。
たとえば「部活動を3年間続けた」という経験があるとします。
そこで終わらせず、続ける中で困ったことや、自分なりに工夫したことを考えます。さらに、その経験を通して何を学んだのかまで整理してください。
「経験→行動・工夫→学び」と掘り下げることで、特別な実績がなくても、その人ならではの自己PRになります。
高校生の自己PRでよくあるNG例【改善例付き】

自己PRでは、良い内容を書こうとするあまり、強みを並べすぎてしまうことがあります。
ここでは、高校生の自己PRで起こりやすいNGパターンを、改善例とともに確認します。
NG例①:経験や長所を並べるだけになっている
経験を並べるだけでは、そこからどのような強みが表れているのかが伝わりません。
【NG例】
私の長所は、協調性と積極性である。
文化祭ではクラスの出し物に参加した。
部活動では毎日練習に励んだ。
勉強においては、コツコツと努力することを大切にしている。
将来は、社会の役に立つ人間になりたいと考えている。
この例では、文化祭や部活動など複数の経験が書かれています。しかし、それぞれの経験で何を考え、何をしたかがわかりません。
一つの経験を選び、行動や工夫まで具体的に説明しましょう。
【改善例】
私の強みは、周囲と協力しながら積極的に行動し、目標に向かって粘り強く取り組めることである。
高校では文化祭の実行委員として、クラス企画のリーダーを務めた。
準備期間中は意見がまとまらず、雰囲気が悪くなりかけたこともあったが、私は全員の意見を一度聞いたうえで、共通点を見つけて企画を再構成した。
その結果、クラス内の協力体制が整い、本番当日には多くの来場者に楽しんでもらうことができた。
終了後、担任の先生から「あなたがまとめてくれたから成功した」と言葉をかけていただいたことが印象に残っている。
大学では、こうした経験で培った協調性や行動力を生かし、グループでの研究活動やプロジェクトにも積極的に貢献していきたいと考えている。
NG例②:長所だけをアピールしている
「責任感があります」などの長所だけでは、その強みを判断する根拠がありません。
【NG例】
私は責任感が強く、真面目に物事に取り組むタイプである。
学校の課題には常に期限を守って提出し、グループワークでも積極的に役割を担ってきた。
友人からは「ちゃんとしている」と言われることが多く、自分でもその通りだと思っている。
将来もこの責任感を生かして、社会に貢献したいと考えている。
長所を伝える際は、「どのような場面で発揮したか」まで説明する必要があります。困難に直面したときの行動を加えると、強みがさらに伝わりやすくなります。
【改善例】
私の強みは、責任ある立場を自覚し、自分の役割を最後までやり遂げる力である。
高校では、図書委員として学年全体の貸出イベントの運営を任された。
開始直前に担当の先生が不在となり、準備や日程の見直しなどを委員のメンバーと自分たちだけで進める必要があった。
最初は混乱もあったが、私は全員に役割分担表を作成して共有し、毎朝の連絡確認を欠かさず行った。
当日を無事に迎えることができたときには、メンバーから「安心感があった」と言ってもらえたことが何よりうれしく、自信にもつながった。
大学でも、状況に応じて柔軟に行動しつつ、与えられた責任は必ず果たす姿勢を大切にしていきたいと考えている。
NG例③:内容が抽象的で具体性がない
「努力家」「真面目」といった言葉は、具体的な行動で裏付けることが重要です。
【NG例】
私は努力を大切にしている。
これまでどんなことにも手を抜かず、真面目に取り組んできた。
高校生活では、勉強も部活動も全力で頑張ってきた。
このような姿勢を大学でも生かしていきたいと考えている。
この内容だけでは、何をどの程度努力したのかがわかりません。期間や行動などを具体的にすると、読み手が状況をイメージしやすくなります。
【改善例】
私の強みは、地道な努力を継続し、結果につなげる力である。
高校2年生のとき、苦手であった英語を克服するために、1日30分の音読と単語の復習を毎日欠かさず続けた。
最初は成果が見えず、勉強方法を変えようかと悩んだこともあったが、「やると決めたことを継続する力も必要だ」と考え直し、自分に合った勉強スタイルを模索した。
その結果、模試では英語の偏差値が10以上伸び、英検準2級にも合格することができた。
努力が形になったことは自信につながり、ほかの教科にも前向きに取り組めるようになった。
大学でも、すぐに結果が出ないことにも粘り強く向き合い、自分のペースで力を積み重ねていきたいと考えている。
NG例④:強みとエピソードに一貫性がない
最初に示した強みと、その後のエピソードは一本の線でつながるようにしましょう。
【NG例】
私にはリーダーシップがある。
学校では図書委員を務め、日々の活動に真面目に取り組んできた。
また、部活動では周囲の人と協力しながら努力を重ねた。
将来は医療関係の仕事に就き、人の役に立ちたいと考えている。
一つひとつは前向きな内容ですが、リーダーシップを裏付ける具体的な出来事が見えません。
また、図書委員、部活動、医療関係の仕事と話題が移り、何を伝えたいかがぼやけています。
【改善例】
私の強みは、周囲の意見をまとめながら目標に向けて行動するリーダーシップである。
高校2年の文化祭では、クラス企画の実行チームの中心メンバーとして準備を進めた。
当初は方向性がまとまらず、準備も思うように進まない状況であったが、私は有志で小グループを立ち上げ、全員のアイデアを整理してスケジュールに落とし込む役割を担った。
進行が遅れそうな場面では、放課後に自主的に残って作業を進めたり、仲間に声をかけて役割を再分担したりと、細かい調整を重ねながら準備を進めた。
本番当日には、クラス全員が協力して一体感のある発表を実現することができた。
終了後、担任の先生から「チームを動かす力がある」と声をかけていただいたことが印象に残っている。
大学では、この経験を生かし、グループワークやゼミ活動でも周囲を支えながら前向きに取り組みたいと考えている。
福井先生のアドバイス
自己PR書は志望理由書よりシンプルです。とはいえ、最初の下書きが「NG例」のようになってしまうのはごく普通のことです。
メモ書きのように断片的だったり具体性が足りなかったりしても、あとから整理して磨けば大丈夫です。
「最初はうまくいかなくて当たり前」「書きながら強みが見えてくる」という感覚で、気負わずに書き進めてください。
大切なのは、書き直しを恐れずブラッシュアップを重ねる姿勢です。
大学受験の自己PRを書くときの注意点

自己PRの内容が決まったら、読み手に伝わりやすい形に整えていきます。
ここでは、文章を仕上げる際に特に注意したいポイントを確認しましょう。
結論→具体例→大学での活かし方の順で書く
自己PRは「強み→具体的なエピソード→大学でどう生かすか」の順にすると伝わりやすくなります。
まず、「私の強みは〇〇です」と結論を示します。
続いて、その強みが表れた一つの経験を説明してください。
最後に、その強みを大学生活でどのように生かしたいかを書きます。
複数の経験を盛り込むより、一つの経験を詳しく書くほうが文章に一貫性が生まれやすくなります。
また、先生や友人から言われた言葉があれば、必要に応じて加えてもよいでしょう。第三者の評価が入ることで、強みを客観的に伝えられる場合があります。
例文はそのまま使わず自分の言葉に置き換える
例文は文章の流れを学ぶために使い、自分の経験や言葉に必ず置き換えましょう。他人の例文をそのまま使ってしまうと、自分の経験との間に矛盾が生じる可能性があります。
また、総合型選抜や学校推薦型選抜では、提出書類の内容について面接で質問されることもあります。自分で経験していないことや、自分の言葉では説明できない内容を書かないようにしてください。
例文を見る際は、「この人はどの順番で書いているか」「どこまで具体的に説明しているか」に注目しましょう。
書類と面接で内容に一貫性を持たせる
提出した自己PRは、面接でも自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
書類と面接で一言一句同じ内容を話す必要はありません。ただし、書類では「協調性」が強みなのに、面接ではまったく異なる人物像を示すと、内容が伝わりにくくなります。
自己PRに書いた経験について、「なぜその行動をしたのか」「ほかに選択肢はなかったか」などを聞かれる可能性も考えておきましょう。
文章を完成させた後は、自分が書いた内容を口頭でも説明してみると面接対策になります。
高校生の自己PRについてよくある質問

最後に、高校生が自己PRを考える際に迷いやすいポイントをまとめます。
本文で扱った内容とあわせて確認し、自分の文章を仕上げる際に役立ててください。
自己PRのエピソードは一つに絞ったほうがいい?
基本的には、自分の強みが最も伝わるエピソードを一つ選ぶとまとめやすくなります。
いくつもの経験を書くと、何をアピールしたいのかがぼやける場合があります。一つの経験について、困ったことや工夫、結果まで掘り下げるほうが、自分の考え方を伝えやすくなるでしょう。
ただし、設問の文字数や内容によっては、二つの経験を取り上げても問題ありません。その場合も、それぞれの経験から何を伝えたいのかを整理しておきましょう。
福井先生のアドバイス
書きたいエピソードが複数あるのですが、どうすれば良いかという質問をよくいただきます。
まずは強みが最も際立つエピソードを一つ選んで書くのが基本です。いくつも盛り込むと構成が複雑化し、何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。
ただし、一つでは情報量が不足する場合や、二つのエピソードをどうしても取り上げたい場合は、二つにしても構いません。その際は、それぞれのエピソードでどの強みをアピールしたいのかを整理してから書くようにしましょう。
部活をしていなくても自己PRは書ける?
部活動をしていなくても、自己PRを書くことはできます。
勉強や委員会活動、学校行事、習い事、ボランティアなども材料になります。
自己PRで重要なのは、部活動をしたかどうかではありません。自分の経験の中で、どのような考え方や行動の特徴が表れているかを見ることが大切です。
「周囲からよく任されること」「長く続けていること」なども振り返ってみましょう。
自己PRと長所は同じもの?
長所は自己PRの材料の一つですが、自己PRそのものではありません。
たとえば「責任感がある」は長所です。自己PRでは、その責任感が表れた具体的な経験まで伝えます。
さらに、大学でその強みをどう生かしたいかまで示せると、文章としてまとまりやすくなります。「長所+根拠となる経験+大学での生かし方」と考えると整理しやすいでしょう。
面接でも自己PRと同じ内容を話していい?
面接でも、提出した自己PRと同じ強みを軸に話して問題ありません。むしろ、書類と面接で人物像に一貫性があるほうが、自分の強みを伝えやすくなります。
ただし、提出書類を暗記して読み上げる必要はありません。面接では質問に合わせて要点を絞り、自分の言葉で答えましょう。
また、自己PRに書いたエピソードについて詳しく聞かれても説明できるよう、背景や行動理由を整理しておくことが重要です。
まとめ 高校生の自己PRは強みを具体的な経験で伝えよう

高校生の自己PRで重要なのは、目立った実績を見つけることではありません。自分の強みがどのような経験の中で表れたのかを、具体的に伝えることが大切です。
まずは、学校生活や勉強、部活動などを振り返ってみましょう。「続けたこと」「工夫したこと」「困ったときに行動したこと」を探すと、自分では気づいていなかった強みが見えてくることがあります。
強みが見つかったら、一つのエピソードを選び、なぜ行動したのかまで掘り下げてください。そのうえで、志望大学のアドミッション・ポリシーとの接点を確認すると、大学受験で伝わりやすい自己PRに近づきます。
例文は答えではなく、自分の経験を文章にするための参考です。まずは完成度を気にしすぎず、自分の経験を書き出すところから始めてみましょう。
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執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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