アドミッション・ポリシーとは?意味から読み解き方、大学比較、志望理由書までまるごと解説
「アドミッション・ポリシーとは何を意味する言葉なのか」「どこで確認して、大学選びや受験対策にどう使えばよいのか」と疑問を持つ高校生は多いでしょう。
アドミッション・ポリシーとは、大学や学部が「どんな学生に入学してほしいか」を示した方針のことです。総合型選抜や学校推薦型選抜の対策だけでなく、一般選抜で受ける大学を考えるときにも役立ちます。
この記事では、基本的な意味や大学ごとの違いから、抽象的な言葉の読み解き方、自分の経験との結びつけ方、志望理由書や面接での活用方法までをまとめて解説。実際に東京大学・一橋大学・早稲田大学・東邦大学のアドミッション・ポリシーを比較しながら、自分の志望校でも使える読み方を紹介します。
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目次
アドミッション・ポリシーとは?大学が求める学生像

アドミッション・ポリシーの基本的な意味と、制度上の位置づけを確認しましょう。ここで前提を整理しておくと、後で紹介する大学別の比較や読み解き方が理解しやすくなります。大学ごとの具体的な違いについては、後の比較セクションで詳しく取り上げます。
「入学者受け入れの方針」を示すもの
アドミッション・ポリシーとは、大学や学部が「どのような学生に入学してほしいか」「入学前にどのような力を身につけてほしいか」を示した方針のことです。「入学者受け入れの方針」とも呼ばれ、大学公式サイトや募集要項などで確認できます。
高校生向けに言い換えると、大学から受験生に向けた「このような人に来てほしい」というメッセージだとイメージするとわかりやすいでしょう。ただし単なる理想の性格を並べたものではなく、学力・関心・姿勢・入学後の学習意欲まで含む点に注意が必要です。
大学・学部・選抜方式ごとに内容が異なる
アドミッション・ポリシーは、大学全体として定めているものだけではありません。学部・学科ごとにも、それぞれ独自の内容が設けられています。
同じ大学でも、文学部では言語や文化への関心が重視される一方、理工系学部では数学・理科の基礎力や論理的思考力が求められることが多いです。さらに大学によっては、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜など、選抜方式ごとに評価方針を示している場合もあります。
志望校を調べるときは、大学全体だけでなく、志望する学部・学科や選抜方式の方針まで確認することが大切です。大学全体のポリシーだけを見て志望校を判断するのは避けたいところです。具体的な確認の順序は、後の「アドミッション・ポリシーの調べ方・読み方」で紹介します。
カリキュラム・ディプロマポリシーとの違い
大学の方針を示す言葉として、アドミッション・ポリシー以外に「カリキュラムポリシー」と「ディプロマポリシー」があります。この3つは合わせて「三つのポリシー」と呼ばれます。3つのポリシーの違いをまとめた表は次のとおりです。
| ポリシー | 示していること | 主なタイミング |
|---|---|---|
| アドミッション・ポリシー | 入学してほしい学生像 | 入学前 |
| カリキュラムポリシー | どのような教育を行うか | 在学中 |
| ディプロマポリシー | 卒業時に身につける力 | 卒業時 |
この表からわかるように、3つのポリシーは「入学前・在学中・卒業時」という一連の流れを示しており、ばらばらの方針ではなく互いにつながっています。卒業時に身につけてほしい力があり、その力を育てる教育内容があり、その教育を受ける学生に入学前から求める力がある、という順番です。
アドミッション・ポリシーだけでなく、カリキュラムポリシーやディプロマポリシーもあわせて読むと、入学後に何を学び、どのような力を身につける大学なのかまで理解できます。
アドミッション・ポリシーが重視される理由
アドミッション・ポリシーが注目される背景には、大学入試の大きな変化があります。総合型選抜(旧AO入試)を実施する大学は年々増え続けており、令和7年度には国立大学の92.6%、私立大学の95.8%が総合型選抜を実施しました。
入学者数も増加を続けており、令和7年度の総合型選抜による入学者数は合計126,766人にのぼっています。


総合型選抜や学校推薦型選抜では、大学が求める学生像と、受験生自身の経験・考え・将来像との接点が重視されます。アドミッション・ポリシーを理解しておくことが、志望理由書や面接を組み立てる土台になります。
一方で、総合型選抜を受ける人だけが読むものではありません。一般選抜であっても、志望校や学部を比較し、入学後のミスマッチを防ぐ材料として役立ちます。令和7年度の大学入学者のうち、総合型選抜による入学者は19.5%、学校推薦型選抜による入学者は34.1%で、合計すると53.6%を占めます(令和7年度から選抜区分の整理方法が変更されたため、前年度の数値と単純比較はできません)。
総合型選抜・学校推薦型選抜の存在感が大きくなり、大学が求める学生像を理解したうえで準備する重要性も高まっています。
参考:令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要|文部科学省
アドミッション・ポリシーからわかること

アドミッション・ポリシーを読むことで、具体的に何が読み取れるのか、大学選びや入試対策にどう役立つのかを見ていきます。ここでは読み取れる情報と、それが役立つ場面をセットで確認していきましょう。
大学が求める人物像と必要な力
アドミッション・ポリシーからは、大学が求める人物像と、入学前に身につけてほしい力を確認できます。主体性・協働性・探究心・基礎学力・論理的思考力・表現力・社会課題への関心といった言葉が代表的です。
これらの言葉をどう読み解き、自分の経験とどう結びつけるかについては、後の実践セクションで詳しく扱います。まずは、こうした言葉が大学からのメッセージの中心にあることを押さえておきましょう。
入試で評価される力と選考方法
大学が求める力は、実際の入試でどのように評価されるのでしょうか。対応関係の目安は次の表のとおりです。
| 求められる力 | 主な評価方法 |
|---|---|
| 知識・技能 | 学力試験・共通テスト |
| 論理的思考力 | 記述試験・小論文 |
| 表現力 | 面接・プレゼンテーション |
| 主体性・協働性 | 面接・活動報告書・調査書 |
| 学習意欲 | 志望理由書・面接 |
この対応は目安であり、すべての大学に共通するものではありません。実際の評価方法は、アドミッション・ポリシーだけでなく、必ず募集要項や選抜方針もあわせて確認しましょう。
大学・学部との相性
アドミッション・ポリシーからは、偏差値・知名度・立地だけではわからない、大学が重視する学び方や価値観も読み取れます。ただし、研究重視・実践重視・国際性・地域連携・少人数教育といった特色は、アドミッション・ポリシーだけでは十分にわからない場合があります。アドミッション・ポリシーを、教育理念やカリキュラムポリシーとあわせて読むと、大学が重視する学び方や価値観がより具体的に見えてきます。
自分の興味や将来像だけでなく、どのような方法で学びたいか、どのような環境で力を伸ばしたいか、大学が大切にする考え方に納得できるかという視点で確認すると、入学後のミスマッチを防ぎやすくなります。「合う・合わない」は偏差値では測れない部分です。
総合型・推薦・一般選抜での活用法
選抜方式によって、アドミッション・ポリシーの活用のされ方も変わります。
| 選抜方式 | 主な活用方法 |
|---|---|
| 総合型選抜 | 志望理由書・活動報告書・面接の軸にする |
| 学校推薦型選抜 | 推薦条件や求める人物像との接点を確認する |
| 一般選抜 | 大学・学部選びや進学先比較に使う |
総合型選抜・学校推薦型選抜では受験対策に直接関わりやすく、一般選抜では大学選びの判断材料としての意味合いが大きくなります。志望理由書や面接での具体的な使い方は、記事の後半で詳しく紹介します。
アドミッション・ポリシーの調べ方・読み方

実際に自分の志望校の情報を探し、内容を理解するための手順を確認しましょう。調べる場所を知るだけでなく、見つけた文章をどの順番で読むかまで押さえておくことが大切です。
確認する時期の目安
いつまでに読んでおくべきかは、多くの高校生が気になるポイントでしょう。基本的には、志望校や学部を考え始めた段階で一度確認しておくのが望ましいといえます。タイミングごとの目安は次の表のとおりです。
| タイミング | 確認する目的 |
|---|---|
| 高校1・2年生 | 興味のある大学・学部を比較する |
| 高2後半〜高3春 | 志望校を絞り込む |
| 総合型・推薦の出願前 | 志望理由書や面接の準備をする |
| オープンキャンパス前 | 質問したい内容を整理する |
| 合格後 | 進学先を比較する |
出願直前に初めて読むのでは、準備が間に合わない場合があります。
公式サイトや入試要項で確認する
最も確実な方法は、大学公式サイトと最新の募集要項・入試要項を直接確認することです。掲載されやすい場所としては、入試情報のページ、教育理念のページ、三つのポリシーをまとめたページ、学部・学科紹介のページなどが挙げられます。
検索する場合は「大学名 アドミッション・ポリシー」「大学名 学部名 アドミッション・ポリシー」「大学名 入学者受け入れの方針」といった検索語を使うと見つけやすくなります。パンフレットやオープンキャンパスでも確認できますが、最終的な判断は必ず公式サイトや最新の募集要項の情報で行いましょう。
大学・学部・選抜方式の順に確認する
情報を見つけたあとは、確認する順序も意識しましょう。まず大学全体の教育理念や求める学生像を確認し、次に志望する学部・学科、最後に自分が利用する選抜方式の評価方針を見ていきます。
比較する際は、大学全体の抽象的な表現だけで判断せず、学部・学科に書かれた具体的な教科や関心分野、能力にも注目することが大切です。複数の学部で迷っている場合は、同じ大学内でも学部ごとに読み比べてみましょう。
建学の精神や教育理念とあわせて読む
アドミッション・ポリシーだけを単独で読むのではなく、建学の精神や教育理念、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーと関連づけて読むと理解が深まります。
例えば「社会に貢献する人材を育てる」という理念があれば、アドミッション・ポリシーにある「社会課題への関心」や「協働性」がなぜ求められているのかが理解しやすくなります。大学がどのような人材を育てたいのか、そのためにどのような教育を行うのか、入学前に何を求めているのか、という3つの視点で読むと、言葉を表面的になぞるのではなく、大学の教育方針全体を理解できます。
抽象的な言葉を具体的な行動に置き換える
アドミッション・ポリシーには「主体性」「協働性」「自律的な思考」「実践的な課題解決」といった、抽象的な言葉が多く登場します。こうした言葉は、読んだだけでわかったつもりにならないことが大切です。抽象語を見つけたら、具体的にはどのような行動を指すのか、高校生活のどの場面で表れる力か、大学は入試のどこで確認しようとしているかを問い直してみましょう。
多くの大学で使われる代表的な表現には、いくつかのパターンがあります。
「主体性・多様性・協働性」の読み解き方:「主体性・多様性・協働性」は、大学入試で重視される「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関わる表現です。志望理由書に「私は主体性があります」となぞるだけでは、行動が具体的に伝わりません。大学が知りたいのは、あなた自身の主体性や協働性が、具体的にどんな行動として表れたかというエピソードです。意見がぶつかったときにどう折り合いをつけて一緒にゴールへ向かったか、というプロセスを思い出してみましょう。
「自律的な思考・個の確立」の読み解き方:「自律的な思考」「個の確立」は、校則の有無といった表面的な話ではなく、誰かに管理されなくても自分を律して学ぶという意味です。大学が見たいのは、ネットの意見の受け売りではなく、自分の頭で考えた意見を持っているかという点です。「みんながそうしているから」ではなく「自分はこう考えたから、あえてこの選択をした」という経験を探してみましょう。
「実践的な課題解決・実学重視」の読み解き方:「実践的な課題解決」「実学重視」は、暗記して満点を取るだけの受動的な勉強では通用しないという姿勢を示します。大学が見たいのは、学んだ知識を実際の社会や地域の問題解決へどう応用させるかという姿勢です。ニュースを見て自分なりに調べたことや、地域のボランティア・課外活動に参加した経験を探してみるとよいでしょう。
自分を無理に合わせたり経験を盛ったりしない
アドミッション・ポリシーを理解することと、自分を大学の言葉に無理やり合わせることは別の話です。経験を実際以上に大きく見せたり、大学の言葉を使うためにエピソードを作ったり、自分の考えと異なるのに「共感した」と書いたり、求める人物像のすべてに当てはまろうとしたりするのは避けたいところです。
大きな実績を並べることよりも、どのように考え、どのように行動したかという過程を、等身大の言葉で示すことが大切です。経験を実際以上に見せると、面接で詳しく聞かれた際に説明が一貫しなくなるおそれがあります。
【比較】4大学のアドミッション・ポリシーを読み比べる

アドミッション・ポリシーが大学によってどう異なるのか、実際の例で見てみましょう。ここでは、大学全体または学部ごとの方針から、特色の異なる4つの例を取り上げます。東京大学・東邦大学は大学全体、一橋大学は商学部、早稲田大学は先進理工学部の方針を確認しています。
4大学の特徴的なキーワードを整理すると、次のようになります。
| 大学 | 確認した方針 | 特徴的なキーワード | 高校生向けの意味 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | 大学全体 | 幅広い学び・広い視野・深い洞察力 | 文系・理系にとらわれず、多くのことを深く学ぶ姿勢 |
| 一橋大学 | 商学部 | 社会科学的な思考・問題設定・創造的な解 | 社会の現象に関心を持ち、自分なりの問いを立てる力 |
| 早稲田大学 | 先進理工学部 | 基礎学力・論理的思考力・主体性・英語力 | 幅広い基礎を固め、応用に意欲的に取り組む姿勢 |
| 東邦大学 | 大学全体 | 高い倫理観・自然と生命の科学・社会貢献 | 科学への関心と、それを社会に生かす責任感 |
東京大学|幅広い学びと主体的な探究
東京大学のアドミッション・ポリシーでは、「文系・理系にとらわれず幅広く学習」していることと、「知識を関連づけて解を導く」力が重視されると示されています。単に知識量ではなく、教科の枠を越えて考える姿勢そのものが評価の軸になっている点が特徴です。
高校生向けに言い換えると、一つの教科だけを極めるのではなく、複数の分野に関心を持ちながら知識をつなげて考える姿勢が求められていると理解できます。一つの興味にとどまらず、幅広い分野に関心を向けてきた経験を振り返る参考にしてみましょう。
一橋大学商学部|社会科学への関心と思考力
一橋大学商学部のアドミッション・ポリシーでは、企業や市場に関連した現象に「進んで関心を持ち」、社会科学的な思考と現実の事象との往復から「創造的な解を導く」力が求められています。実際の現象を材料に自分で問いを立て、考え抜く姿勢が中心に置かれています。
社会や経済の出来事に関心を持つこと、そこから自分なりに問題を見つけること、考えたことを実行に移そうとする姿勢という行動に言い換えるとイメージしやすくなります。身近な企業やニュースの動きに関心を持ち、自分なりに調べたり考えたりした経験を振り返ってみるとよいでしょう。
早稲田大学先進理工学部|基礎学力と論理的思考
早稲田大学先進理工学部のアドミッション・ポリシーでは、「基礎学力(知識・技能・思考力・判断力・表現力および自ら学ぼうとする主体性)」を身につけ、論理的な思考によって「応用にも意欲的な学生」を求めるとしています。異なる文化・教育体系で学んできた学生との交流を可能にする高い英語能力も望ましいとされ、理系学部らしく身につけるべき力の中身が具体的に示されている点が特徴です。
高校生向けに言い換えると、基礎学力を土台にしながら、学んだ知識を自分から発展させて考える姿勢が求められていると理解できます。実際の出願では、大学全体の理念に加えて志望学部のアドミッション・ポリシーまで必ず確認しましょう。
東邦大学|科学への関心と社会への貢献
東邦大学のアドミッション・ポリシーでは、「高い倫理観と豊かな人間性をもって、自然と生命の科学で社会に貢献する人材」を育成するため、建学の精神への共感と熱意のある学生を受け入れるとしています。科学的な専門性だけでなく、それを社会にどう役立てるかという倫理観が並んで求められている点が特徴です。
理系・医療系大学らしく、特定の教科への関心、実験や観察への姿勢、他者と協力する力に注目が集まります。東邦大学の公式ページでは、教科試験・面接・小論文・出願書類でどのような力を評価するかまで具体的に示されており、アドミッション・ポリシーと選抜方法の対応まで確認すると、対策すべき内容が見えやすくなります。
参考:学生の受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)|東邦大学
4校を見比べると、同じような抽象的な言葉が使われていても、背景にある教育理念や学問分野によって意味合いが異なることがわかります。ここで挙げた経験例はあくまで一例であり、自分の志望校のアドミッション・ポリシーは、必ず公式サイトの最新情報で直接確認しましょう。
【実践】志望校の方針を整理する3ステップ

ここまで紹介した読み方を、自分の志望校に応用してみましょう。手を動かしながら整理することで、志望校選びや受験対策に直結する情報として活用できます。
①求める学生像を抜き出す
アドミッション・ポリシーを読みながら、求める学生像に関する言葉に線を引いてみましょう。主体性・探究心・協働性・社会への関心などが代表的な対象です。
言葉だけを書き写すのではなく、どの文章の中で使われているか、何に対する主体性・関心なのか、自分が特に共感したのはどこかまでメモしておくことが大切です。「主体性」という単語一つではなく、前後の文脈まで見ることがポイントです。
②必要な力を自分の経験と結びつける
大学が求める力と、高校生活の経験を対応させてみましょう。対象となるのは、特別な受賞歴や大規模な活動だけではありません。探究学習、部活動、生徒会、文化祭・体育祭、委員会活動、ボランティア、資格取得、日々の学習、家庭や地域での経験なども対象になります。
何をしたかだけでなく、なぜ始めたか、課題にどう対応したか、何を学んだかまで振り返ってみましょう。「自分にはそんな経験がない」と思っても、まずは書き出してみることから始めましょう。
③評価方法と今後の準備を整理する
大学が求める力が、入試のどこで確認されるかを整理します。志望理由書、活動報告書、面接、小論文、プレゼンテーション、学力試験、調査書などが該当します。現時点で不足している力があっても、すぐに「自分には合わない」と判断する必要はありません。出願までにできる準備に変換して考えてみましょう。
| 求められる力 | 今からできる準備 |
|---|---|
| 社会課題への関心 | ニュースを読み、気になった問題を調べる |
| 論理的思考力 | 結論・理由・根拠の順で文章を書く |
| 表現力 | 発表や面接の練習をする |
| 英語力 | 必要な資格・技能・入試科目を確認する |
| 探究心 | 一つの疑問を継続して調べる |
この表からわかるように、求められる力ごとに、今日から始められる具体的な準備があります。
よく出る言葉を高校生活の経験に置き換える
アドミッション・ポリシーによく登場する言葉を、高校生向けに言い換えた一覧を確認しましょう。
| よく出る言葉 | 高校生向けの言い換え | 使える経験例 |
|---|---|---|
| 主体性 | 自分から考えて行動する力 | 部活動で練習方法を提案した |
| 協働性 | 異なる役割の人と協力して企画を進める力 | 文化祭で異なる係の人と分担を調整した |
| 探究心 | 見つけた疑問を継続的に調べる力 | 探究学習で一つのテーマを深めた |
| 表現力 | 自分の考えを相手に伝える力 | 発表やスピーチに取り組んだ |
| 社会課題への関心 | 世の中の問題を自分ごととして考える姿勢 | 地域活動やボランティアに参加した |
| 課題発見力 | 身近な問題や改善点に気づく力 | 学校や地域の課題を見つけて調べた |
| 多様性への理解 | 異なる文化や立場の意見に触れ、自分の考えを見直す姿勢 | 異なる文化や価値観を持つ人と交流し、自分の考えを見直した |
| 論理的思考力 | 理由や根拠を整理して考える力 | 発表や小論文で順序立てて説明した |
この表の使える経験例は、そのまま志望理由書に書く文章ではなく、自分の経験を探すヒントとして使ってください。「難しい言葉=自分には無関係」と思わず、まずは自分の経験に置き換えてみることが大切です。
読み解きシートで志望校を比較する
読んだ内容をそのままにしておくと、記憶に残りにくいものです。以下のシートを使って、志望校ごとに書き出してみましょう。
| 見るポイント | 書き出す内容 | 自分への質問 |
|---|---|---|
| 求める学生像 | 特徴的なキーワード | 自分と重なる点はあるか |
| 入学前に必要な力 | 教科・能力・姿勢 | 今から準備できるか |
| 入試での評価方法 | 面接・小論文・学力試験など | どの対策が必要か |
| 共感した点 | 印象に残った文章 | なぜ共感したのか |
| 入学後の学び | カリキュラムや教育方針 | 本当に学びたい内容か |
| 気になる点 | わからない言葉や疑問 | オープンキャンパスで質問するか |
複数の志望校について記入すると、偏差値だけではわからない大学間の違いが見えてきます。このシートを志望校の数だけ繰り返すことで、比較の軸がはっきりします。
志望理由書・面接への生かし方

アドミッション・ポリシーを、実際の受験対策にどう使うかを見ていきましょう。ここまで整理してきたキーワードや経験を、文章や回答へどう変えるかがポイントです。
アドミッション・ポリシーを丸写ししない
「貴学のアドミッション・ポリシーに共感しました」と書くだけでは、志望理由として不十分です。大学側が知りたいのは方針の暗記ではなく、どこに共感したのか、なぜ共感したのか、自分の経験とどうつながるのか、入学後にどう生かすのかという点だからです。
大学の言葉を使う場合も、必要な部分だけを取り上げ、自分の言葉で説明するようにしましょう。きれいな言葉を借りるだけでなく、自分なりの理由を添えることが大切です。
「大学の方針・経験・学びたいこと」で書く
志望理由書を書くときは、大学の方針のどこに共感したか、その考えにつながる自分の経験、入学後に学びたいこと・取り組みたいことという3つの要素を組み合わせましょう。
簡易的なテンプレートとしては、「私は、貴学部が示す『〇〇』という考えに共感しています。高校では△△に取り組み、□□について考えるようになりました。入学後は、その経験を生かして◇◇を学びたいと考えています。」という流れが参考になります。テンプレートはそのまま使うのではなく、具体的な経験や学部の授業内容を自分で入れる必要があります。この3つがそろって初めて、なぜこの大学でなければならないのかが伝わります。
OK例・NG例で書き方を確認する
実際の文章で違いを確認してみましょう。※以下は書き方を示すための架空の例です。
NG例:「貴学のアドミッション・ポリシーに共感したため志望しました。」この書き方では、どの部分に共感したのかがわかりません。自分の経験も入学後にやりたいことも見えないため、読み手には何も伝わらない文章になっています。
OK例:「私がやりたいことは、地域経済の活性化に貢献することです。貴学部のアドミッション・ポリシーにある『地域社会の課題を主体的に考える姿勢』に共感し、高校の社会見学でシャッターの閉じた商店街を目にした経験から、地域経済の衰退が雇用や暮らしにまで影響することに気づきました。貴学部の地域経済論のゼミでは、データ分析を通じて地域活性化の政策立案を学べると知り、その環境で実践的に力を伸ばしたいと考えています。」
OK例には、大学の方針・自分の経験・入学後に学びたいことの3つがすべて入っており、読み手に志望理由が具体的に伝わります。さらに、志望学部独自のゼミや授業に触れることで、他大学にも通用する内容から一歩踏み込めます。共感した箇所を一つに絞り、具体的な経験と結びつけることで説得力が変わります。
より長い形式の例文や書き方の手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
面接では共感した点と経験をセットで答える
面接でアドミッション・ポリシーについて聞かれたとき、「共感しました」だけで終わってしまうのは避けたいところです。共感した部分、共感する理由、関連する自分の経験、入学後に取り組みたいことという順序で答えると、内容に一貫性が生まれます。
志望理由書と面接の内容が大きくズレないよう、事前に整合性を確認しておくことも忘れずに。文章を丸暗記して読み上げるような回答にならないよう、自分の言葉で話せる状態にしておきましょう。
面接で聞かれやすい質問例
面接前に、アドミッション・ポリシーに関連する質問への答えを準備しておきましょう。
| 質問例 | 見られていること |
|---|---|
| 本学のアドミッション・ポリシーを読んで、どこに共感しましたか? | 大学理解 |
| あなたは本学が求める学生像にどう当てはまりますか? | 自己理解 |
| 入学前にどのような準備をしていますか? | 行動力 |
| 入学後にどのように学びたいですか? | 学習意欲 |
| 他大学ではなく本学を選んだ理由は何ですか? | 志望度 |
これらの質問は、大学があなたの「大学理解」と「自己理解」の両方を確認しようとしているものです。アドミッション・ポリシーを読み込んだうえで、自分の経験と結びつけた答えを準備しておくと、面接本番でも落ち着いて答えられます。
大学受験の面接では、アドミッション・ポリシーだけでなく、志望理由や高校生活での経験、入学後に学びたいことなども質問されます。
アドミッション・ポリシーのよくある質問

本文を読んだうえで生じやすい不安や疑問を解消しましょう。ここでは、大学の方針と自分が一致しない場合に関する疑問を中心に扱います。
内容に合わないと不合格になりますか?
アドミッション・ポリシーのすべての項目に完全に当てはまらなければ不合格になる、という意味ではありません。ただし、大学が重視する学問分野への関心や、入学前に必要な基礎力など、選考に直接関わる内容は軽視できません。
大切なのは無理にすべてへ合わせることではなく、自分と重なる部分、現在不足している部分、入学までに準備したいことを整理することです。完璧に一致していなくても、重なる部分を整理しておくと志望理由に一貫性を持たせやすくなります。
書かれていない強みも伝えてよいですか?
アドミッション・ポリシーに書かれていない経験や強みを伝えても問題ありません。ただし、その強みが大学での学びや志望理由とまったく関係しない場合は、単なる自己紹介になりやすくなります。
自分の強みを、大学の教育方針や入学後に学びたいことへどうつなげるかが重要です。強みそのものより、大学での学びとの接点を示せるかがポイントになります。
当てはまる経験がない場合はどうしますか?
華やかな実績がなくても、学校生活や日常の中から関連する経験を探すことができます。授業で疑問を持って調べた、グループ活動で意見をまとめた、苦手科目の勉強方法を工夫した、家庭や地域の問題について考えた、といった経験も、考え方や行動の過程を説明できれば材料になります。
本当に不足している力については、経験を作り上げるのではなく、出願までにできる準備や入学後に伸ばしたい姿勢として伝えましょう。特別な実績がなくても、過程を丁寧に説明することは、自己理解や学習意欲を伝える材料になります。
まとめ アドミッション・ポリシーを大学選びと受験対策に活用しよう

アドミッション・ポリシーは、大学が求める学生像や入学前に必要な力を示したものです。大学・学部・選抜方式ごとに内容が異なるため、志望先の最新情報を必ず確認しましょう。そして、読んで終わりにせず、自分の経験や今後の準備、志望理由書・面接へとつなげていくことが何より大切です。
まずは志望校を一校選び、大学全体と志望学部のアドミッション・ポリシーを確認してみましょう。気になった言葉を抜き出し、自分の経験や入学後に学びたいことと照らし合わせることで、大学選びと受験対策の両方に活用できます。アドミッション・ポリシーを読むことは、大学を知ることであり、自分を知ることでもあります。ぜひ今日から、志望校のページを開いてみてください。
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執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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