進路が決まらない高校生へ|迷いを断ち切る5ステップの選び方【プロ監修】
「進路が決まらない。でも、何を基準にどう決めればいいかわからない……」と迷っていませんか?
この記事では、迷った先輩たちがどうやって進路を決めたのかという具体例と、キャリアコンサルタントの松田剛典氏からの実践的なアドバイスをご紹介します。
先輩たちの決め方をもとに、進路を絞り込むための「5つの決定ステップ」をまとめました。読み終わるころには、自分に合った進路をみつけるためのヒントがつかめるはずです。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
松田剛典
大学卒業後、大手教育出版社に就職。 その後、人材紹介会社の大阪支社責任者として、企業と求職者のマッチングを牽引。2009年に独立。現在は高校や大学などでキャリア支援の授業や企業の採用定着支援を行いながら、子育てに悩む保護者向けのオンライン相談サービスを展開中。
目次
やりたいことがなくても大丈夫! 進路を決める5つのステップ

「将来の夢が決まっていないから進路を選べない」と立ち止まる必要はありません。ここでは、やりたいことが見つからなくても進路を絞り込んでいく5つのステップを紹介します。
ステップ1:大学・専門・就職の進路を仮決めする
まず最初は大学・専門・就職の進路について方向性を1つ選びます。ここで知っておいてほしいのは、大学とは「やりたいことを探すために行く場所」でもいいということです。
以下の特徴を見比べ方向性を仮決定しましょう。
- 大学(4年): 大学生活の中で選択肢の広さを確保したい、時間をかけてやりたいことを探したい
- 専門学校(1〜4年): 実践的で、興味のある実技・技術(IT・デザイン・医療等)を学んで早く就職したい
- 就職: 早く働いて自分でお金を稼ぎたい
松田先生のアドバイス
どの進路にも一長一短があり、「唯一の正解」はありません。やりたいことが決まっていない段階なら、急いで就職せずに将来の可能性を広げるためにも「大学進学」を選択するのも立派な戦略の1つです。大学生活の中でやりたいことを見つけた先輩もたくさんいます。
ステップ2:好きな行動パターンから学部・分野を絞り込む
方向性を決めた後、「じゃあ学部(専門領域)はどう選べばいいの?」と迷うかもしれません。以下の観点から絞り込むヒントが得られます。
興味のない選択肢を外す(最初は消去法から)
選択肢が多すぎて絞り込めない場合は、大学の学部一覧をざっとみて興味のないもの・苦手なものを省いていくのも方法です。
将来の可能性を考えて学部を選ぶ
学びたいことではなく、卒業後の進路を軸に探す方法もあります。将来の進路がまだ明確でない場合は、大学で学びながら自分の興味や適性を見つけていくことのできる学部を選ぶのも方法です。
「勉強内容」だけでなく「好きな行動パターン」からもヒントを探す
「歴史が好き」といった科目名だけで考えるのではなく、「データ分析が好き」「人と話すのが好き」「文章を書くのが好き」など、日常の行動から進路のヒントを探す方法もあります。同じ「人と話すのが好き」でも、教える、相談に乗る、提案する、接客するなど行動の中身によって、教育・心理・福祉・営業・サービスなど複数の方向に分かれます。
気になる行動をいくつか書き出し、そこから広がる選択肢を眺めてみましょう。
松田先生のアドバイス
「オシャレが好き」でも、トレンドを考える、デザインを考える、見せ方を考えるなど人によって「好き」の中身は異なります。自分の好きを分解してみて関連ある学びを探すのも方法です。
ステップ3:選んだ分野から仕事へのつながりを知る
ステップ2で仮決定した学部・分野から、将来どんな仕事につながるかのイメージを少しだけ広げてみましょう。
- 経済・経営系:企業の企画、営業、マーケティング、金融、公務員など
- 情報・工学系:ITエンジニア、データサイエンティスト、製品開発など
- 社会・心理系:人事、カウンセラー、福祉、サービス業など
松田先生のアドバイス
同じ「経済学部」でも、理論を中心に学ぶ大学もあれば、地域活性化やフィールドワークを重視する大学もあります。学部名だけで判断せず、実際の授業内容まで少し調べてみましょう。
ステップ4:エリア・費用・学力で候補校を3つ選ぶ
分野が決まったら、現実的な条件で学校を数校(挑戦校・相応校・安全校)まで絞り込み、書き出します。学力以外にも実際に通う上で以下の3点はチェックしておきましょう。
- 入試方式:一般選抜か、総合型・学校推薦型選抜を狙うか
- 場所:自宅から通えるか、一人暮らしが必要か
- 費用:4年間の学費や生活費を払えるか(保護者と相談)
松田先生のアドバイス
学ぶ内容で候補が絞り込めたら、通学経路の混雑度や校内の設備、サークル活動など、学校生活の満足度に影響する環境面にも目を向けましょう。自分なりに譲れない条件の優先順位を作って比べてみてください。
ステップ5:オープンキャンパスや相談で最終確認する
数校の志望校候補が見つかったら、実際の学校について見に行ったり、学校案内を取り寄せたり、周りに相談したりと行動をしてみましょう。
- 先生や親に興味のある志望校について具体的に話してみる
- オープンキャンパスや体験授業に参加して学校の雰囲気を確かめる
- 学校案内をいくつか取り寄せ比較する
松田先生のアドバイス
実際に足を運び、自分が毎朝そこへ通う姿をイメージできるか、自分の感覚と向き合ってみてください。訪問してみることでいろんな気づきがありますよ。
進学先(大学・専門)を比較する5つのポイント

ステップ4で候補校を絞り込む際や、迷ったときに特に注目すべき5つのポイントを整理しました。
学べる内容と将来の仕事へのつながり
シラバス(授業計画)や研究室のテーマを確認し、自分が興味を持てる授業があるかチェックしましょう。
卒業後の就職実績とキャリア支援体制
どのような業界・職種への就職に強いのか、就職活動のサポート体制は整っているかを確認します。
入試方式と自分の現在の学力レベル
今の偏差値だけで諦めず、自分の得意科目を活かせる配点や、総合型選抜などのチャンスがないか細かく確認しましょう。
入学金・授業料・生活費などのお金
入学金や授業料、一人暮らしの生活費などを早い段階で保護者と一緒に確認し、利用できる奨学金制度も調べます。
実際の通学環境とキャンパスの雰囲気
実際のキャンパスに足を運び、自分が数年間気持ちよく過ごせる環境かどうかを確かめます。
松田先生のアドバイス
費用面などを気にして、最初から選択肢から排除してしまうのはもったいないことです。やりたい気持ちを伝えたうえで、保護者や先生と話し合ってみましょう。
進路選びで失敗しないための4つの注意点

後悔しないために、避けるべき「NGな決め方」も知っておきましょう。
なんとなくのイメージだけで決める
興味を持つきっかけは「なんとなく」で構いませんが、最終的な決定理由は「なぜそこを選んだのか」を自分の言葉で説明できるように整理しておきましょう。
保護者や友人の意見だけに流される
周囲のアドバイスは参考にしつつも、言われるがままに決めるのは避けましょう。「最後は自分が選んだ」という納得感を持つことが大切です。
偏差値や知名度だけで判断する
「今の偏差値で行ける場所」だけに絞るのではなく、「何を学びたいか」「どんな環境で過ごしたいか」を基準に選ぶことで、入学後のミスマッチを防げます。
あまり調べずに口コミやイメージだけで進路決定する
ネットの口コミやイメージだけで判断せず、オープンキャンパスや公式サイトで「自分の目で確かめる」ことを徹底してください。
【準備と確認】高校生の進路はいつまでに決めるべき?

進路の大枠が決まったら、次は「いつまでに動けばいいか」のスケジュールを確認します。
入試や就職の方式によって動き出す時期は違う
進路によって、制度上の締切は大きく異なります。
進路ごとに意識したい時期と確認することは次のとおりです。
| 進路 | 意識したい時期 | 確認すること |
|---|---|---|
| 大学(総合型選抜) | 高3の出願開始(例年9月1日〜)までに志望理由を具体化 | 出願条件・志望理由・提出書類 |
| 大学(学校推薦型) | 校内選考の時期は学校ごとに異なる | 評定・推薦条件・校内選考日程 |
| 大学(一般選抜) | 志望校・受験科目は早めに絞りたい | 必要科目・受験日程 |
| 専門学校 | 高3の6月〜AOエントリーや体験入学開始 | 出願時期・選考方法・体験入学 |
| 就職 | 高3の7月1日〜学校に求人票が届く、9月5日〜応募書類の提出開始、9月16日〜選考・内定開始 | 応募書類・適性検査・面接対策 |
参考:「総合型選抜」(現行AO入試)の出願時期や合格発表時期について|文部科学省
参考:令和9年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等|厚生労働省
松田先生のアドバイス
決めるタイミングは「締め切りから逆算する視点」を持ちましょう。入試の出願日や求人応募の締切から逆算し、「いつまでに情報を集め終えるべきか」というスケジュールを組むのがおすすめです。
高3の後半からでも進路決定は間に合うか
今からでも遅くはありません。ただし、選択肢は狭くなっています。志望する選抜方式の締切を確認し、先生や保護者に今の状況を相談してみましょう。
松田先生のアドバイス
高3の時点で進路が決まっていないと焦りますが、手遅れではありません。「ここから集中して取り組む」と腹をくくり、先生や親に相談しながら現実的な選択肢を急いで絞り込んでいきましょう。
進路に悩むのは普通!先輩95人に聞いたリアル

焦りを感じているかもしれませんが、「自分だけが決められていない」わけではありません。社会人・大学生100人を対象にした当メディアのアンケートでは、95人が「高校時代に進路選択で悩んだ経験がある」と答えました。
進路に悩む平均期間は半年が最多
悩んでいた期間については、「半年」と答えた人が最多で、次いで「3カ月未満」「1年」と続きます。数カ月単位で迷った先輩はたくさんいます。
約7割の先輩が最終的な進路に満足している
進路選択で悩んだ経験がある95人のうち65人が、現在の進路に「満足している」と回答しました。

「当時やりたかったこととは違うけれど、結果的に良い出会いがあって自分の糧になっています。決まらなくても焦らず、コツコツ情報を集めることが大切です」(がみこさん・高3夏から半年間悩む)
最初から完璧な夢がなくても、情報を集めて自分で決断すれば、納得のいく道は開けます。
決められない理由は人それぞれ

やりたいことがまだ見つかっていない、自分の得意・不得意がわからない、選択肢が多すぎる、情報が足りない、学力や親の意見といった制約があるなど理由は人によって違います。
でも、理由が何であれ、ここまで紹介した5つのステップは同じように使えます。「なぜ自分が決められないのか」に立ち止まりすぎず、まずは1つ仮決めして動いてみることが、結局いちばんの近道です。
「自分の興味や得意なことを紙に書き出し整理していくうちに、自分がどの分野に向いているか少しずつ明確になりました」(ゆうこさん・高3夏から半年間悩む)
まず書き出してみる、まず1つ仮決めしてみるという小さな行動のほうが、結果的に進路を考える一歩になります。
進路が決まらない高校生のよくある質問

ここでは、進路が決まっていない高校生からよく寄せられる疑問について解説します。
やりたいことが全くなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。やりたいことがない場合は、大学進学を選んで「やりたいことを探すための4年間」にする、という考え方もあります。絶対にやりたくないことを消去していく方法で、学部を絞ってみましょう。
大学進学と就職で迷ったらどうすればいい?
「時間をかけて選択肢を広げたいか」「早く社会に出て自立したいか」という、自分が重視する生き方の軸で比較してみましょう。
親と希望する進路が対立した時の対処法は?
感情的に反発するのではなく、親が何に対して不安を感じているのか(学費、就職など)を具体的に聞き出し、進路指導の先生など第三者を交えて対話してみましょう。
一度決めた進路を変更しても問題ない?
変更しても問題ありません。ただし、時期によっては受験科目や準備内容が変わるため、周りの先生や親にできるだけ早く相談してください。
進路の悩みは誰に相談するのがベスト?
「自分の代わりに答えを出してくれる人」ではなく、「話を聞いて自分の考えを引き出し、選択肢を広げてくれる人(進路指導の先生など)」に相談しましょう。
まとめ 正解探しよりも今日決めた1つの候補へ動こう

進路を決める近道は、最初から「唯一の完璧な正解」を探そうとすることではありません。消去法で選択肢を絞り、判断できる材料を少しずつ増やしていくことです。
まずは今日、「大学に進学してやりたいことを探す」と仮決めし、気になる学部・学校を1つメモしてみる。その1歩から、あなたの納得できる進路への道が開けます。
松田先生のアドバイス
進路に悩むのは、自分の将来と真剣に向き合っている証拠です。周囲の力も借りながら少しずつ納得できる選択肢を増やし、自分らしい決断をしてください。あなたの歩む道を応援しています。
【調査概要】
調査対象:高校生時代に進路選択において「なかなか決められなかった」経験がある方(大学生・社会人100名)
調査時期:2026年4月
調査方法:インターネット調査
(塾選ジャーナル調べ:「進路が決まらない」に関する実態調査)
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
大学卒業後、大手教育出版社に就職。 その後、人材紹介会社の大阪支社責任者として、企業と求職者のマッチングを牽引。2009年に独立。現在は高校や大学などでキャリア支援の授業や企業の採用定着支援を行いながら、子育てに悩む保護者向けのオンライン相談サービスを展開中。
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