清風南海中学校に合格!多子世帯のママが実践した「口うるさくない」受験サポート|親たちの中学受験体験記Vol.29
「勉強しなさい」と言われれば言われるほど子どもは動かない——そう感じたことのある保護者は多いのではないでしょうか。
パートをしながら3人の子どもを育てる田中さんは、つきっきりで勉強を見る時間も、口うるさく声をかける余裕もありませんでした。それでも長男の颯太くんは自ら机に向かい、清風南海中学校への合格を果たしました。
貼り紙で勉強の導線をつくる、短くても毎日続ける習慣を守る、納得できる言葉で声をかける——忙しい多子世帯だからこそ生まれた、子どもが自走するためのサポート術を紹介します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
【保護者プロフィール】
| お名前 | 田中 彩(仮名) |
|---|---|
| お住まい | 大阪府八尾市 |
| 年齢 | 41歳 |
| 職業 | パート |
| 性格 | おっとりしていてマイペース。 周りを大切にして人の気持ちを一番に考える |
| 家族構成 | 父、母、長女(高校2年生)、長男(本人)、次男(年少) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
| 子どもの名前 | 田中 颯太(仮名) |
|---|---|
| 性別 | 男子 |
| 現在通っている学校名 | 清風南海中学校 |
| 現在の学年 | 中学2年生(2025年受験) |
| 受験当時に通っていた塾 | 能開センター |
| 得意科目 | 国語 |
| 苦手科目 | 算数 |
| 性格 | 内向的で人見知りだが、負けず嫌いな一面もあり |
| 偏差値 | 麻受験時期の偏差値:60 学習開始時期の偏差値:72 |
| 受験結果 | 麻清風南海中学校 合格(第一志望) 帝塚山中学校 合格 |
私立に通う姉に憧れて、中学受験を決意。塾通いは小学2年生から。

―最初に、中学受験を考え始めた理由・きっかけを聞かせてください。
3歳年上の長女も中学受験をして私立に通っていたので、憧れがあったのだと思います。部活も友人関係も充実していて楽しそうでしたから。
親としてはまだ早いと思ったのですが、長男も小学2年生になる頃には中学受験をすると本人が決めていて、能開センターへの塾通いも始めました。
長女のときは地元の中学校が荒れていて通うのを嫌がったため中学受験をしましたが、長男についても、本人が希望するなら家族皆で応援しようと以前から考えていたんです。
―長男様は以前から勉強が得意なほうでしたか?
そうですね、小学校の成績は良かったです。小学校に上がる前から読書が大好きで、特に国語が得意でした。お友だちと一緒にゲームもするんですが、ゲームの休憩に本を読むほど本好きな子です。
―志望校選びは、親子でどのように進めましたか? お姉様と同じ中学校でしょうか?
いえ、娘はずっと打ち込んできたスポーツがあって、志望校は部活重視で選びました。息子は希望がなかったので、通学距離や偏差値、校風などを基準に探し始めました。
実際に今通っている清風南海中学校は私の実家近くで、進学実績が良いことやまじめな校風など、評判は昔から耳にしていました。長男は大のおばあちゃん子で、「清風南海中学校なら、おばあちゃん家から通えるよ」って教えたら、それが第一志望になりましたね。
―学校見学には参加しましたか? どのような気づきがありましたか?
清風南海中学校と同志社香里中学校の学校見学・説明会に親子で参加しました。
清風南海中学校は髪型などの校則が厳しいことで知られています。同志社香里中学校は服装をはじめ基本的に自由な校風です。生徒たちの雰囲気も対照的なのですが、大人しい長男は清風南海中学校が気に入っていました。
あと決め手になったのが、清風南海中学校の図書館の充実度です。棚を丁寧にチェックして、蔵書が多いと喜んでいたのを覚えています。
―お母様としては卒業生の進学先なども考慮されましたか?
清風南海中学校は難関国公立大への合格実績が多い点にひかれます。同志社香里中学校は、同志社大学にほぼ進学できるというのが安心で魅力的ですよね。
長男にとってどちらの選択がベストなのか迷いましたが、夫が将来の選択肢は多いほうがいいのではと。
夫は子どもたちの志望校について、本人次第だからとあまり口を出さないのですが、進路を狭めてしまうにはまだ早いと考えたようです。
―併願校は、どのような基準で選びましたか?
志望校選びを進めていくにつれて、息子の清風南海中学校への憧れがますます強くなっていきました。そのためほかに行きたい中学校がなかなか見つからなくて、併願校選びは苦労しました。
公立への進学は考えていなかったので、最後は塾に相談をしましたね。そのときおすすめされたのが帝塚山中学校と大阪桐蔭中学校でした。実際に受験をしたのは帝塚山中学校のみですが、息子が模試を受けるときはこの2つの中学校を併願校として記述していました。
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通いやすさが決め手で選んだ塾、苦手科目の実力がアップ

―併願校は塾に相談して決めたとのことですが、その塾はどのように決められましたか?
能開センターに決めたのは、自転車で10分以内という通塾のしやすさが一番の理由です。講師も子どもの心をつかむのがうまくて、苦手な算数の授業もわかりやすくて楽しいと、長女も長男も体験授業を通じて気に入っていました。
―通塾開始は小学2年生からと早めですよね? 受講科目や通塾のペースはどうだったのか気になります。
もともと3、4年生くらいから通い始めればいいかなと考えていましたが、長男は意外に負けず嫌いな一面もあって。姉には絶対に負けたくないと言って、想定よりも早くから塾に通い始めました。
通塾ペースは小学2年生のときが週1回(1回60分)から始まって、学年を追うごとに増やしました。小学5年生のときに週6回(1回300分)、小学6年生で週7回(1回300分)通っていました。受講科目は最終学年で国語、算数、理科、社会の4科目です。
―回数も時間も多くて、かなり頑張られたんですね。成績は順調に伸びていきましたか?
もともと読書好きということもあり、読解力がありました。だから最初から国語はよくできていましたね。一方で理系科目については塾に通って伸びたと思います。特に算数の図形が苦手で、わからない問題は一つずつ、根気よく親身になって教えてくれていました。
\塾選びで見ておきたいポイント/

塾の講師と相性が悪くスランプに。どう乗り越えた?

―ここまでのお話だと、順調に学力を伸ばされたのかなと思いますが、スランプはなかったのでしょうか?
実は小学6年生の春頃、算数と理科の偏差値が下がってしまいました。第一志望の清風南海中学校はずっと合格圏内だったのですが、このままではちょっと危ういかもしれない水準まで落ちて、そのときは私も息子も悩みました。
今思えば、長男はまじめですが内向的な性格。そのため「塾の講師との相性」が成績に強く影響してしまったんです。大人しい生徒でも気にかけてすくい上げるような講師でないと、息子のような性格の子は質問がしづらいみたいで。
―まだ小学生。社交性が育っていない部分はケアしてほしいですよね。塾に相談はされましたか?
はい。能開センターは土曜日も授業があって、その日だけ隣町の校舎に通っていたんです。その校舎の先生とは相性が良かったみたいで、長男の性格や苦手をきちんと理解して対応してくれました。
同じようなことで悩んでいたお友だちもいたので、塾に相談して何人か一緒に隣町の校舎に転塾しました。
小学6年生の春というタイミングで環境を変えるのもどうかと迷いましたが、結果、苦手を潰していただいて、算数と理科でも点数が取れるようになりました。
一緒に転塾した子も皆、第一志望に合格をいただけたので、あのとき決断して良かったと思っています。
―能開センターには志望校別の対策クラスなどもあるのですか?
小学4年生くらいから、清風南海中学校向けのチャレンジテストがありました。小学6年生になってからは合否判定テストもあります。対策クラスの開講は、小学6年生の夏頃です。過去問対策もすべて塾で取り組んでいたので、家庭で志望校対策をすることはありませんでした。
―塾に通いながら習い事などはしていましたか?
小学5年生まで週3回サッカーを習っていましたが、中学受験の勉強が忙しくなってやめました。本人は中学に入ったらまた始めるから別にかまわないという感じでしたね。
サッカーをやめてからは夫もサッカー好きということもあり、ときどきサッカーに連れ出してはうまくリフレッシュさせていました。
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2歳の弟を抱えての受験サポート。貼り紙を使って勉強する導線を工夫

―受験期間中、家庭ではどのようなサポートをされていましたか?
我が家には当時2歳の次男もいて、長男の受験サポートは苦労しました。私はパートもしていますし、家庭学習のときも横に座ってずっと勉強を見てあげる時間は取れませんでした。
長男は自分の部屋を持っていなかったので、ずっとリビングで勉強をしていました。これが私にとっては好都合で、家事をしながら見守ることができて良かったです。幼い子どもがいて決して静かな環境ではありませんでしたが、かえって集中力がついたと思います。
家庭でのサポートで一番気をつけたのは、体調管理ですね。塾弁を含め、栄養バランスの良い食事を作り、保育園に通う次男がかぜなどをもらってきたときは部屋を分けたりしました。
塾の授業が難しくなる高学年のときは、一度でも休むとついていけなくなることもありますから、特に体調管理には神経を使いました。
―体調管理以外で合格に結びついたと思う家庭での取り組みはありますか?
苦手にしていた算数については、とにかく計算ミスだけはなくそうと。小学4年生の頃から登校前の15分、計算ドリルに継続して取り組んでいました。正答率が低い問題まで落とさないようにするのはなかなか難しいので、シンプルな計算問題は全問正解を目指しました。毎日欠かさずに取り組んだので実力がつき、入試の頃にはかなり計算ミスが減りました。
もう一つは就寝前の暗記です。これもかなり実力がついたと思います。毎晩1時間を目安に、理科や社会などの暗記系の勉強に充てていました。
―2歳の子を見ながらの学習サポート。かなり大変だったのではないでしょうか?
本当に大変でした。だから夏休みのような長期休みには、できるだけ塾で勉強してもらうようにしました。家庭学習は朝と晩の1時間半くらいで済むようにして、一見短いようにも思えますが、サボるのはなしというルールでやっていました。
1日でもサボると遅れを取り返すのに時間がかかるので、学校の行事などでもう疲れたオーラを出してきても、必ず登校前と就寝前の1時間半は勉強するように促していました。
―促して取り組んでもらうだけでも、かなり労力がかかったのではないですか?
実際のところ、長男が塾から帰ってくるのは22時半くらいです。次男を寝かしつけながら、私が疲れて寝てしまうこともあります。夜に声かけができない日があることを見越して、それでも暗記の勉強をサボらないよう、部屋の扉に貼り紙をしたりしました。
当時は塾の教材、漢字大全や理科・社会の一問一答集を使っていたので、例えば「理科の問題を一問一答!」などと大きく書いて、長男が通る場所に貼っていました。
―導線に貼り紙をすることで、口うるさく言わなくても日々のノルマをこなせたと?
ガミガミ言っても本人が納得しないと動かないですし、反抗してくると思うんです。だから、やる気がなさそうなときは「今日サボったら、明日が大変じゃない?」と声をかけることもありました。なぜ継続して取り組んだほうがいいのか、わかるように声かけすることは意識していましたね。
あと意外と助けになったのが長女の存在です。長女が「やったほうがいいよ」などと声かけしてくれることも多かったんです。中学受験の先輩である長女がいろいろとアドバイスしてくれて、長男の長女に対する信頼が厚かったんです。受験期を通して、長女が私の代わりに長男のメンターを担ってくれたので、本当に助かりました。
\忙しい家庭でも続けられるサポートの工夫/

これまでの努力が自信に。中学受験を通して精神的にも大きく成長

―どのような受験日程だったのでしょうか?
受験初日の午前と午後に帝塚山中学校を2回受けました。翌日の午前に清風南海中学校を受けて、3日目は午後にまた帝塚山中学校を受ける入試スケジュールです。
併願校の後に本命校を受けるスケジュールだったので、「前日に移動が多いと本命校の入試に疲れが出てしまうかも」と塾からアドバイスをもらっていました。それで初日に2回、移動なしで帝塚山中学校を2回受験することに決めました。
―入試前に小学校は休ませましたか?
インフルエンザや新型コロナが流行っていたので、冬休み明けから入試まで2週間くらい休みましたね。小学校の同じクラスにも中学受験をする子が4、5人いましたが、皆休んでいました。
小学校を休むことで本人が罪悪感に駆られたりするようなら通わせようと思っていましたが、ほかの子も同じように休んでいたので、特に気にせず休めました。
―入試本番の日は、どのように送り出されましたか?
なるべく普通に、いつもどおりを心がけました。お守りを持たせるとか、合格を願って好物を作るなどもしていません。特別なことをしたほうがかえって緊張するのではと思ったので。
―息子さんは緊張しやすいタイプですか?
低学年の頃は緊張しやすくて、おなかが痛くなってしまうなんていうこともありました。ですが、中学受験を通して成長したのか、入試当日はとても落ち着いていました。
受験勉強をたくさんやってきたこともあり、「今日で終わりかー」と話していたのを覚えています。試験会場に向かう途中も、参考書ではなく大好きなミステリー小説を読んでいて、それくらい落ち着いていました。
これまで努力してきたことが自信につながっているようで、本当に最後まで平常心で入試に挑めたように思います。
─初日とその翌日、すべて合格ということで、2日目で受験は終了したんですよね?
それが、3日目も帝塚山中学校を受けたんです。初日にいただいた帝塚山中学校の合格が上位クラスではなかったのが不満らしく、リベンジしたいと。残念ながら、上位クラスの合格には至りませんでしたが、清風南海中学校から合格をいただいていたので大満足といった感じでした。
─現在の様子、清風南海中学校での生活について教えてください。

同じ価値観を持つ友人がたくさんできて、好きな本をおすすめし合ったり、一緒にアニメ映画を観に行ったりと楽しく過ごしています。校則が厳しい学校だとは思いますが、男子なのでヘアスタイルにこだわりがあるわけでもなく、不満はまったくないようです。
中学受験を乗り越えてきているので、皆、勉強熱心なのも安心できます。長男は受験後の解放感からゲームざんまいになって、最初の中間テストはクラスで最下位でした。
でも清風南海中学校はきめ細かなフォロー体制が整っていて、放課後にマンツーマン指導学習が受講できます。有料ですが卒業生などが講師を務めていて、進路などのアドバイスを通してやる気を高めてくれます。
部活前に受講できるので本人もあまり負担なく効率的に勉強ができているようです。おかげで今は成績上位をキープしています。一番のモチベーションだった「祖母宅から通う」という夢がかなって、テスト前は通学が楽な祖母宅で過ごしています。お弁当も作ってもらっていて私も助かります。
近所で暮らす従弟とも遊べますし、息子にとっても親族にとっても、もちろん私にとっても中学受験が良い方向に作用したなと感じています。
\受験本番を平常心で迎えるポイント/

取材後記
小学生が挑む中学受験、入試まで自発的に勉強を続けられる子は、そう多くはありません。過干渉にならず、子どもの意欲を高める伴走をしたいけれど、実際にどうすればいいのか悩ましいですよね。
パートをしながら3人の子どもを育てる田中さんには、受験生につきっきりで向き合う時間はありませんでした。それでも、声が届かない夜は扉に貼り紙で勉強の導線をつくり、短くても毎日続ける習慣を守り、スランプにはすぐ気づいて環境を整え、姉も父も自然とアシストに回る——限られた余裕の中で積み重ねた工夫の数々が、長男の颯太くんを自走できる受験生へと育てました。同じように子育てと仕事を両立しながら奮闘する多子世帯の保護者にとって、きっと心強いヒントになるはずです。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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