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茨城県立並木中等教育学校に合格!「勉強しなさい」と言わず結果を出す、自主性を育む関わり方|親たちの中学受験体験記Vol.32

更新日:
中学受験
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子どもが多い大家族。茨城県立並木中等教育学校(以下、並木中等)に合格した子もいれば、中学受験では縁がなく高校受験を経て公立の進学校に通う子もいます。今回は、家族にとって直近の中学受験となった娘・心音さん(仮名)の合格体験を中心に、適性検査対策のコツから子育ての方針まで幅広くお話を伺いました。

競技スポーツの練習はほぼ毎日。それでも小学5年生の後半から家庭学習をスタートし、塾通いはわずか2〜3か月。家族の経験を糧に、心音さんは第一志望を一発で射止めました。「勉強しなさい!」とは一切言わずに子どもたちを伸ばしてきた、自主性を育む親の関わり方とは。

塾選ジャーナル編集部

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目次

【保護者プロフィール】

お名前 村瀬 修二(仮名)
お住まい 茨城県
年齢 48歳
職業 自営業
性格 誰とでも仲良くなれるコミュニケーション力

【中学受験を行った子どものプロフィール】

子どもの名前 村瀬 心音(仮名)
性別 女子
現在通っている学校名 茨城県立並木中等教育学校
現在の学年 中学2年生
受験時にしていた習い事 いばしん(茨城県学習塾 受験進学指導の茨進)
苦手科目 算数
性格 誰にでも優しいリーダータイプ、頼りがいがある。
偏差値 偏差値が出る模試の受験なし
受験結果 茨城県立並木中等教育学校 合格(第一志望)

上の子に憧れて、公立中高一貫校の受験を決意した心音さん

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―最初に、心音さんが中学受験を考え始めた理由・きっかけを聞かせてください。

上のきょうだいも茨城県立並木中等に通っており、本人も憧れがあったのだと思います。

特に上の子は、興味や得意なことがはっきりしているタイプでしたので、自立や探究を重んじる並木中等の校風と相性がよくて。かなり充実した中高時代を送っていたのを間近で見ていましたから、自分も公立中高一貫校の受験にチャレンジしたい、と考えたようです。

―お子さまたちは皆、自分から中学受験を希望したのですか?

我が家には複数の子どもがおり、その多くが中学受験を経験し、並木中等へ入学した子もいます。

子どもの大半が中学受験を志したのは、上の子が先陣を切って並木中等を選んだからでしょうか。当時、上の子になぜ受験してまで行きたいのかを聞いたところ「地元の中学校に進んでも小学校時代のメンバーとほぼ変わらないから」と話していました。いじめがあるとか、荒れているからとかではなく、ただ新しい環境や仲間がほしいからだったと思います。

―茨城県は公立中高一貫校の数が全国最多(13校)です。やはり中学受験は盛んですか?

上の子たちが中学受験のときには、茨城県内に3校しか公立中高一貫校がありませんでした。その後、大井川和彦県知事のもとで改革が進んで、2020年から数年かけて10校追加されています。

通学圏内に公立中高一貫校が増えたことで以前より盛り上がっている地域は多いと思いますが、我が家の子どもたちが通う小学校でいうと、直近のときでも中学受験はクラスメイトの2割くらいでしょうか。大半が公立狙いで入試も適性検査ですし、低学年から塾に通うような過熱感はないですよ。

並木中等には高校募集がありませんが、進学実績のよい人気校でも高校からも入れる学校もあります。ですから、 公立中高一貫校になったことでチャンスが2回になった、中学で縁がなくても高校で入ればいい、そんな感じのご家庭が多いのではと思います。

ただ東京や千葉に近い地域では、同じ茨城県でも中学受験事情は違うかと。以前から公立だけでなく、私立の中学校を目指す家庭は一定数あるし、私立対策となると受験への向き合い方も変わってくるかと思います。

―最初から第一志望は並木中等に決まっていましたか? 学校見学などには参加されましたか?

上の子の影響はありましたが、ただ公立中高一貫校に行ってみたいと考えていただけのようです。志望校はいろいろ調べてから決めたいとのことだったので、学校見学に参加しました。並木中等と茨城県立土浦第一高等学校附属中学校(以下、土浦第一中学校)の2校です。

結果、本人も並木中等の自由な校風に強く惹かれて、並木中等を第一志望に決めました。学校説明会も生徒主体なのが好印象だったのではないでしょうか。在校生がダンスを披露してくれたり、小学生たちに「待ってるよー」なんて声掛けしてくれて、とにかく楽しいんですよ。

―併願校は受験しましたか?

いいえ。本人だけでなく、我が家の中学受験は全員が公立のみです。公立は一校しか受験することができないで、ご縁がなかったら地元の中学校へ通う予定でした。

この辺りだと私立は、江戸川学園取手中学校や茗溪学園中学校が人気です。私立向けの受験勉強をしてきた子の中には並木中等を受ける子もいます。

でも、その逆はほぼ聞かない。私立は4教科が中心の学力試験なので特別な対策が必要ですから、公立向けの勉強だけでは難しいですよね。

実は、家族全員で打ち込んでいる競技スポーツもありまして、受験勉強だけに時間を割くことができないんです。だから、併願校は考えていませんでした。

\志望校・学校選びのポイント/

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中学受験と競技スポーツを両立、毎日の練習前に集中して家庭学習

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―いつから中学受験の勉強を始めましたか? 競技スポーツもずっと続けていたんですよね。

小学5年生の後半くらいからです。競技スポーツの練習もほぼ毎日続けていました。学校から帰って、練習に行く前に1日90分ほど、公立の中学受験向けの問題集に取り組んでいました

―スポーツの練習も毎日!? それでも両立ができて合格も叶えたということは、小さな頃から勉強もしていたのでしょうか?

中学受験を目指す前は学校の宿題だけです。1日30分くらいでしょうか。勉強系の習い事でいえば、英語は幼少期からネイティブの先生に習っています。

あとは読書が好きでよくしていましたね。小さな頃からよく読んでいると思います。

我が家の教育方針として、一方的に「勉強しなさい!」とは言わないようにしています。本人が必要だと感じていなかったら、頑張れないですし。親として心がけてきたのは、子どものやりたいことを叶えるためのサポートに徹することですね。

そのおかげか、うちの子たちは反抗期がなかった。喧嘩もほぼないんですよ。

―自主性を育むことを大切にされてきたんですね。具体的にはどのように?

将来、自分が何をしたいかは小さな頃からよく聞くようにしていました。好きでなかったら突き詰められないし、上達もしないと思うので。成長につれて好きなことは変化していきますが、そのときに子どもが何に夢中なのかを知るようにしてきました。

例えば競技スポーツの試合に送迎する車内などは、親子で向き合うのに良い時間です。毎回しつこく聞きはしませんが、子どもが今考えていることを聞くチャンスです。話を聞いて、大人の知識も交えながら、「じゃあどうしようかね」と一緒に深掘りすることは今もしています。

―PTA活動にも積極的に関わってきたと事前アンケートで伺っています。

小中高とPTA活動に参加してきました。自営業なので時間の融通がきくこともあって引き受けたら、意外に面白くて。

共働きのご家庭も多くなってPTA活動には賛否両論あるかと思いますが、子どもたちの学校での様子がわかったり、先生方と話す機会が得られたりとメリットも多いですよ。特に子どもが不安定になりがちな受験期は、学校に関われる機会があるのは良かったと思います。

\学習スタイル・両立のポイント/

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塾通いは2、3か月だけ。塾からもらった問題集を繰り返し解いて得点力をアップ

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―塾はどのように決められましたか?

小学6年生のときに地元の進学塾の模試を受けて、夏期講習から2、3か月だけ受講しました。上の子どもたちは模試のみだったんですが、受講料が安くなるキャンペーン中だったこともあり、入塾しました。

―入塾してよかった点、合格につながった取り組みは?

公立入試向けの充実した問題集をたくさんいただいたことですね。その問題集を中心にひたすら演習し、間違えた箇所を復習して苦手をつぶしていきました。

本人は読書が好きなこともあって国語は得意で、問題集を繰り返し解くことですぐに合格点に届きました。ただ算数は苦手で、特に図形などは最初のうちはよくつまずいていました。

―苦手科目は算数なんですね。どのように克服されたんですか?

勉強を教えるのは妻の方が上手なので、妻が解説したり、一緒に問題を解いたりしていました。クセのある応用問題なども出題される私立の学力試験とは違って、公立の適性検査はあくまでも知識は基礎レベルで、論理的思考力を問うような問題です。ですから算数が苦手とはいっても、対策するのにそれほど苦労はしませんでした。

―理数系、文系、それぞれの適性検査の他にグループ面接もあります。面接の対策は?

面接の対策は私の担当で、これも車で送迎するときなどに一緒に取り組んでいました。競技スポーツの遠征は往復で2時間以上かかるときも少なくないですから、受験期は有効に使っていました。

並木中等の面接試験は、1グループ5人くらいのグループ面接で、学習意欲や適性がチェックされます。面接対策のために普段からインターネットなどで質問の傾向を調べたり、面接ネタを印刷して集めたりしていました。

志望動機を考えさせるのはもちろんですが、よくある「無人島に2つだけ持っていけるとしたら何と何? その理由も述べてください」のような質問をして答えさせていました

あと入試直前になると、小学校でも先生が面接の練習をしてくれます。本人は物怖じしない、自分の意見がしっかりあるタイプだったので、面接は得意な方だったと思います。

―塾なしの上のお子さんたちのときはどのような勉強をされましたか?

やはり問題集を繰り返し解いて実力をつけていきました。問題集は市販のものだったり、妻がママ友の子どもが塾で使っていた問題集を譲ってもらったり。

最近は小学校の宿題が減っているのがちょっと残念ですが、基本は小学校の勉強をしっかりやって、小学5年生の秋くらいから受験勉強を始めて家庭学習で対策していました。

\塾選び・学習対策のポイント/

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中高一貫校と中高別学、どちらが教育的に良かった?

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―入試本番の様子について教えてください。

競技スポーツの練習と並行して受験勉強していましたから、いよいよ入試本番という感じもなかったというか、プレッシャーを感じているようには見えませんでした。

直前模試でもB判定が出ていましたし、問題集などの正答率から合格圏内だとわかっていたからかもしれません。特に緊張することもなく、普段どおりの実力が出せたようです。

―絶対に合格しなければ、というプレッシャーはなかったんですね。

そうですね。きょうだいの中には中学受験では縁がなく、地元の中学校に通い、高校受験で進学校に合格した子もいるんですよ。だから本人も、中高一貫校には憧れているけれど、ダメだったら高校受験でまた頑張ればいいと考えていたのではないでしょうか。

―複数のお子さまを育てて、中高一貫校も中高別学も見守ってきたんですね。教育的にどちらがよかったなどはありますか?

どちらかといえば、中高一貫校のほうが個性も伸ばせるし、大学受験にも有利だと感じました。好きなことにじっくり取り組む時間もありますし、勉強の進度も速いですから。

上の子の場合だと、得意なことに思いっきり打ち込めた6年でした。

でもやはり、子どもたちの個性によって向き不向きもありますね。中高6年間をのんびりと過ごして、大学受験が間近に迫ってから慌てていた子もいますよ。人生は長いので、そのゆっくりした6年間が今後どのように活きてくるかはまだわかりませんが。

―入学後、お嬢さまの成長を感じることはありますか?

入学して半年くらいでガラリと雰囲気が変わりました。切磋琢磨できる仲間がたくさんいるようで知的な会話も多くなり、大人っぽくなりました。今までどおり、親から勉強しなさいとは言いませんが、友人同士で自然と高め合える環境にあるようで安心しています。

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―充実した学校生活を送られているんですね。

勉強一辺倒ではなく、学校の行事や部活動も活発なので、とても楽しそうです。学校説明会の話を先程しましたが、学校の行事は生徒が主体で運営することが多いようです。だから、かえで祭(文化祭)やウォークラリーなど、とても盛り上がっていますよ。

語学研修や国際交流も盛んです。中学2年生で福島県のブリティッシュヒルズに研修に行きますし、高校1年生になるとニュージーランドでの語学研修があります。留学生も積極的に受け入れていますし、海外提携校があるので長期留学する生徒もいます。

―期待と違っていた点はありませんか?

予想以上に通学が大変だとは言っています。並木中等の最寄り駅は3つくらいあるんですが、どれも学校まで遠い。バスもありますが、混むうえに定刻どおりに来ないことも多いみたいです。だから今は最寄り駅から自転車で30分かけて通っています。それだけはちょっと、大変みたいですね。

\受験本番・メンタルのポイント/

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取材後記

文武両道を体現されている、村瀬さん御一家。私立受験ほどの勉強量がいらないとはいえ、競技スポーツの練習を毎日続けながらの公立中高一貫校合格は、なかなか真似のできることではありませんよね。しかも大家族、親がそれぞれを十分にサポートするのも容易なことではないでしょう。

その秘訣はお父様の口から語られているとおり、幼少期から子どものやりたいことを聞いて大切にしてきたこと。勉強に限らず、親がガミガミと指示しなければならない状況は、ほぼないのだそうです。

「そんなことが可能なのか…」と羨ましく思うところですが、その違いはきっと“子どもの意欲”なのだと感じました。本人がやりたいことに集中して頑張っているからこそ、本人のストレスも少ないのかもしれません。村瀬さん一家を見習って、子どもの自主性を育むための「親の関わり方」を今一度、我が家でも見直してみようと感じるインタビューでした。

執筆者プロフィール

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