承認欲求とは?中高生にもわかりやすく解説|特徴・原因・SNSとの付き合い方
「友達からどう思われているか気になる」「テストで良い点を取って褒められたい」「SNSの反応が少ないと落ち込む」。こうした経験に心当たりがある人は少なくないはずです。
それは、承認欲求と関係しているかもしれません。承認欲求とは、人から認められたい、自分の頑張りをわかってほしいと思う気持ちのことです。誰もが多かれ少なかれ持っている、ごく自然な感情であり、持っていること自体は悪いことではありません。
この記事では、承認欲求の意味や特徴、強くなる背景に加え、勉強や友人関係、部活、SNS、進路でどのように表れるのかを具体的に紹介します。そのうえで、周囲の評価との付き合い方や、保護者としての接し方までまとめました。
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目次
承認欲求とは?意味を簡単に解説

承認欲求という言葉は知っていても、その中身を正確に説明できる人は多くありません。まずは基本的な意味を、身近な例とあわせて確認していきましょう。
承認欲求は「認められたい」という気持ち
承認欲求とは、「誰かに認められたい」「自分の存在や頑張りに気づいてほしい」と思う気持ちのことです。
具体的には、次のような感情が当てはまります。
- 褒めてもらいたい
- 頑張ったことに気づいてほしい
- 自分のことを大切な存在だと思ってほしい
中高生の生活に置き換えると、「テストで良い点を取って親に褒められたい」「部活で活躍して先生や仲間に認めてもらいたい」といった気持ちも、承認欲求のひとつです。
こうした気持ちは、一部の人だけが持つ特別なものではありません。程度の差こそあれ、多くの人が自然に持っている感情だといえます。
承認には「他人から」と「自分から」の2つの視点がある
承認について考えるときは、「周囲から認めてもらうこと」と「自分自身で自分を認めること」という2つの視点があります。
勉強という同じ場面でも、誰の評価を基準にするかによって受け止め方は変わります。以下の表で違いを見てみましょう。
| 視点 | 具体例 |
|---|---|
| 他人から認めてもらう | 90点を取って、親や先生に褒められたい |
| 自分自身で認める | 前回より10点上がった自分を、自分自身で評価する |
この表からわかるように、他人からの評価が基準になる場合と、自分自身の変化や努力が基準になる場合とでは、受け止め方が変わってきます。他人から認めてもらうことも、自分自身で努力や成長を認めることも、日常の中で経験するものです。ただ、他人からの評価だけに偏ると、周囲の反応に一喜一憂しやすくなることがあります。
心理学では承認欲求をどう考える?
心理学でも、人から認められたいという気持ちは、人間の欲求のひとつとして研究されてきました。
代表的な考え方のひとつに、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「欲求階層説」があります。マズローの欲求階層説では、人から尊重されたいという気持ちや、自分自身に価値を感じたいという欲求が「尊重の欲求」として位置づけられています。
現在「承認欲求」と呼ばれるものを考える際にも、よく紹介される理論のひとつです。
承認欲求は悪いものではない
「承認欲求が強い=性格が悪い」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、それは正確ではありません。
「先生に認めてもらいたいから勉強を頑張る」「試合で活躍したいから練習を重ねる」というように、承認欲求は努力や挑戦のきっかけになることもあります。
一方で、「誰かに認めてもらえなければ自分には価値がない」と感じるほどになると、周囲の評価に振り回されて苦しくなる場合もあります。
大切なのは、承認欲求があるかないかではなく、それとどう付き合っていくかです。
承認欲求が強い人の特徴と原因

承認欲求が強く表れているときには、周囲の評価や他人との比較を気にしやすくなることがあります。ここで紹介する特徴はあくまで一例で、当てはまるからといって「承認欲求が強い」と断定できるものではありません。
周りからの評価が気になりやすい
「人からどう見られているか」が、行動を決める大きな基準になりやすい状態です。
中高生であれば、「先生からどう評価されているか」「クラスでどう思われているか」「親に認めてもらえているか」といった場面で表れやすくなります。
周囲の目を気にすること自体は珍しいことではありません。ただ、それによって自分の行動を決めすぎると、次第に負担が大きくなることがあります。
人と比べて落ち込みやすい
学校生活には、成績、部活での活躍、友達の数、SNSの反応など、他人と比較できる材料が数多くあります。
「友達が90点、自分が80点だったから落ち込む」というように、自分自身の成果よりも、他人との上下関係で評価してしまうケースがこれにあたります。
比べる人がすべて承認欲求が強いとは限りません。ただ、この傾向が強いほど、他人の状況に自分の気分が左右されやすくなります。
褒められないと不安になりやすい
「頑張ったのに褒めてもらえないと意味がない」「相手から反応がないと、自分が否定されたように感じる」といった状態です。
ポイントは、反応がもらえなかったときに、必要以上に落ち込んだり、自分の価値まで低く感じたりするかどうかです。
失敗や否定を怖がりやすい
「評価を下げたくない」という気持ちが強くなると、挑戦そのものを避けてしまう場合があります。
たとえば、「間違えるのが恥ずかしくて授業で発言しない」「不合格が怖くて挑戦校を避ける」「下手だと思われたくなくて新しいことを始めない」といった行動です。
承認欲求は、学習意欲や新しい挑戦にも影響することがある点は、教育の観点からも見過ごせないポイントです。
承認欲求が強くなるのはなぜ?
承認欲求の強さが人によって異なる理由は、ひとつに絞れるものではありません。
本人の考え方やこれまでの経験、家庭や学校での人間関係、他者との比較、SNSなど、さまざまな要因が関係する可能性があります。
特に現代の中高生については、SNSで評価や反応が数字として見えやすい環境も、背景のひとつになり得ます。
「育ち」だけが原因ではない
「幼いころに褒めてもらえなかったから」「親から愛情をもらえなかったから」という説明だけで、承認欲求の強さを決めつけることはできません。
幼少期の家庭環境が影響する可能性はありますが、それだけがすべてを決めるわけではありません。前の項目で挙げたように、友人関係や学校での経験、本人の特性、SNSとの付き合い方など、複数の要因が積み重なっていると考えるのが自然です。
保護者の方も、「自分の育て方が悪かったのでは」と必要以上に思い詰める必要はありません。
中高生の承認欲求はどこに表れる?

ここからは、承認欲求そのものの善し悪しではなく、学校生活のどんな場面にどの程度影響しているのかを見ていきます。
思春期は周りの目が気になりやすい
思春期は、友人や学校など家庭以外の人間関係が広がっていく時期です。それにともなって、「自分は周囲からどう見られているのか」を意識する機会も自然に増えていきます。
「友達に認められたい」「仲間に入りたい」という気持ちは、この時期に生まれやすいものです。周りの目が気になること自体を、過度に問題視する必要はありません。
勉強やテストの成績が気になる
「親や先生に褒められたい」「友達より良い点数を取りたい」という気持ちは、勉強を始めるきっかけになることがあります。
一方で、「クラスで上位でなければ意味がない」「悪い点数を取ったら自分には価値がない」と考えるようになると、勉強そのものよりも周囲からの評価が目的になってしまい、苦しさにつながることもあります。
承認欲求は、勉強のモチベーションにも、負担にもなり得る両面を持っています。
友人関係や部活で認められたい
友人関係やクラス、部活動でも、承認欲求は日常的に表れます。
「嫌われたくなくて友達に合わせる」「クラスで人気者になりたい」「部活でレギュラーになって認められたい」「先生や先輩から期待されたい」といった気持ちがこれにあたります。
認められたいという気持ちは、集団の中で頑張るエネルギーになることもあります。ただし、無理に周囲へ合わせ続けると、次第に負担が大きくなる場合もあるため注意が必要です。
SNSの「いいね」や反応が気になる
Instagramなどでは、「いいね」やコメント、フォロワー数など、他人からの反応が数字としてはっきり見えます。
そのため、「友達より反応が少ない」「投稿したのに誰も反応してくれない」「楽しそうな友達の投稿と自分を比べる」といった状況が起こりやすくなります。
中高生の場合、SNSでつながっている相手が学校の友人であることも多く、オンライン上で感じた比較や評価への不安が、学校での人間関係にも影響する場合があります。SNSそのものが悪いわけではなく、比較や評価を意識しやすい仕組みになっている、と理解しておくとよいでしょう。
進路を「人からどう見られるか」で選んでしまう
「偏差値が高い高校だから」「有名大学だから」「親に褒めてもらえそうだから」「友達からすごいと思われたいから」といった理由が、進路選びに含まれることもあります。
こうした気持ち自体を否定する必要はありません。ただ、進学先は自分自身が実際に通う場所です。「人からどう見られるか」だけでなく、「自分は何を学びたいか」「どんな生活を送りたいか」にも目を向けることが大切です。
承認欲求の満たし方・付き合い方

承認欲求との付き合い方は、周囲から褒めてもらうことだけではありません。自分自身でも努力や成長を認められるようにすることが大切です。ここでは、今日から試せる考え方を紹介します。
承認欲求を無理になくそうとしない
まず大切なのは、「認められたい」と感じる自分自身を否定しないことです。
承認欲求は自然な気持ちであり、完全になくすことを目標にする必要はありません。目指したいのは、「人から認められたい」という気持ちがあっても、それだけで自分の価値を決めない状態です。
過去の自分との比較にも目を向ける
「友達より上か下か」だけで評価するのではなく、自分自身の変化にも目を向けてみましょう。
「前回より5点上がった」「1週間勉強を続けられた」「苦手だった問題が解けた」など、比べる相手を自分にも広げてみると、評価の基準が少し変わってきます。
他人と一切比べないようにするのは現実的ではありません。比較の対象を、自分自身にも増やしてみる、という考え方です。
努力や成長を自分でも認める
結果だけでなく、そこに至るまでの過程にも目を向けてみましょう。
「毎日机に向かった」「わからない問題を質問した」「失敗してももう一度挑戦した」といった行動を、自分自身でも評価する習慣です。
他者からの評価だけでなく、自分自身でも努力や成長を認めることは、評価の軸を一つ増やす考え方になります。
SNSとの距離や使い方を見直す
SNSを完全にやめる必要はありません。ただ、使い方を少し調整してみることは有効です。
「寝る前は見ない」「勉強中はスマホを別の場所に置く」「投稿への反応を何度も確認しない」といった工夫があります。
SNSを見ると毎回落ち込む、勉強中も反応が気になって集中できないと感じるなら、一度距離を取ってみることをおすすめします。
つらいときは一人で抱え込まない
周囲の評価が気になって学校へ行くのがつらい、勉強に集中できない、SNSを見るたびに強く落ち込む。こうした状態が続き、日常生活への影響が大きいと感じる場合は、信頼できる大人に相談してかまいません。
家族、学校の先生、養護教諭、スクールカウンセラーなど、中高生が利用できる相談相手はいくつもあります。「困ったときに相談する」という選択肢があることを、覚えておいてください。
子どもの承認欲求が気になる保護者へ

ここからは、お子さんの様子から承認欲求の強さが気になっている保護者の方に向けて、接し方のヒントをお伝えします。
結果だけでなく努力や工夫を見る
「100点だからすごい」「合格したから偉い」と結果だけを評価するのではなく、そこに至るまでの過程にも目を向けてみましょう。
「毎日続けていたね」「苦手な科目にも取り組んでいたね」といった声かけが、その一例です。結果だけでなく過程にも目を向けることで、子ども自身が「自分はここまで頑張った」と振り返るきっかけにもなります。
きょうだいや友達と比べない
「お兄ちゃんはもっと勉強した」「〇〇さんはもっと成績がいい」といった比較は、できるだけ避けたいところです。
比較するのであれば、「前回よりできるようになった」「以前より自分で勉強するようになった」というように、本人の変化に目を向ける比較がおすすめです。
評価する前にまず話を聞く
子どもが何かを話したとき、「それはすごい」「そんなことで落ち込まなくてもいい」とすぐに評価や判断をする前に、本人がどう感じたのかを聞いてみましょう。
「どうだった?」「自分ではどう思っている?」といった問いかけです。
承認は、褒めることだけではありません。自分の話を最後まで聞いてもらうことも、子どもが「自分の気持ちを受け止めてもらえた」と感じるきっかけになります。
「自分はどうしたい?」を大切にする
進路の話をするときは、「どこの高校なら安心?」「どの大学なら周囲に評価される?」という基準だけでなく、「どんな学校生活を送りたい?」「何を学んでみたい?」「自分はどうしたい?」と、本人の考えを聞いてみてください。
保護者が正解を与えるのではなく、本人自身の判断軸を一緒に育てていく関わり方が、長い目で見て子どもの支えになります。
承認欲求についてよくある質問

承認欲求と自己顕示欲の違いは?
承認欲求は「認めてもらいたい」という気持ち、自己顕示欲は「自分を周囲に示したい」という気持ちです。意味は異なりますが、「自分をアピールして認めてもらいたい」というように、両方が結びついて表れることもあります。
承認欲求がない人もいる?
承認欲求は「ある・ない」の二択で捉えるものではなく、人によって強さや表れ方が異なります。
周囲の評価をあまり気にしないように見える人であっても、承認欲求が完全にないと断定することはできません。
承認欲求が強いか診断できる?
インターネット上のセルフチェックだけで、「承認欲求が強い」と断定することはできません。
あくまで、自分が人からの評価をどのくらい気にしているかを振り返るための材料として活用するとよいでしょう。
承認欲求の強さに男女差はある?
性別だけで「承認欲求が強い・弱い」と判断するのは適切ではありません。
承認欲求の強さや表れ方には個人差があり、性別以外にも性格や経験など、さまざまな要素が関わっていると考えられます。
まとめ 承認欲求はなくすより上手に付き合おう

承認欲求とは、人から認められたいと思う自然な気持ちです。持っていること自体は、決して悪いことではありません。
中高生にとっては、勉強を頑張る、部活で挑戦する、友達との関係を築くといった原動力になることもあります。一方で、周囲の評価ばかりを基準にしてしまうと、次第に苦しさを感じることもあります。
「人からどう思われるか」を気にしてはいけないわけではありません。それと同じくらい、「自分はどう思うか」「自分はどうしたいか」にも目を向けてみてください。
保護者の方にとっても、目指すのは子どもの承認欲求をなくすことではなく、子ども自身が自分の努力や成長に気づき、認められるような関わり方を続けていくことです。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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