夜間大学とは? 主な設置大学一覧と学費・メリット&デメリット・就職への影響を解説
「学費を抑えて大学に進学したい」「昼間は働きながら学びたい」と考え、夜間大学が気になっている人もいるでしょう。一方で、通える大学はどこにあるのか、就職や学歴で不利にならないか、不安を感じる人も少なくありません。
夜間大学は、主に夕方から夜に授業を行う大学や課程です。昼間部より学費を抑えやすく、仕事やアルバイトと両立しながら大学卒業を目指せます。
この記事では、各大学の公式サイトや入試情報を基に、現在募集している主な夜間大学を紹介します。学費、メリット&デメリット、就職への影響も整理するので、自分に合う進学先か判断するために役立ててください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
夜間大学とは? その特徴を簡単に解説
夜間大学とは学校教育法に基づき、夕方から夜にかけて授業を行う大学の学部・課程のことです。

学校教育法に基づき制度化された仕組みで、正式には「夜間学部」「第二部」などと呼ばれます。昼間は仕事やアルバイトをしながら通える点が特徴です。具体的な開講時間は大学ごとに異なります。
参照:文部科学省「学制百年史」
夜間部・第二部・イブニングコースなど名称は大学で異なる
「夜間大学」という呼び方は総称であり、実際の名称は大学によって異なります。
「夜間部」「第二部」「イブニングコース」などが代表的な例です。名称は違っても、夜間に授業を行う課程である点は共通しています。
夜間大学の多くは4年制。卒業すると大学卒業資格を得られる
夜間大学の修業年限は、私立大学の多くが昼間部と同じ4年制です。一方、国公立大学の夜間学部の多くは4年制ですが、大学によっては5年制としているケースもあります。
参照:文部科学省「学制百年史」
夜間部がある主な大学一覧

夜間部を設置している大学は、私立・国公立を合わせても限られています。かつて多くの大学にあった夜間部・第二部は、この十数年で募集停止が相次ぎ、現存するのはごく一部です。
ここでは、2027年度入試で出願できる大学を、公式サイトで確認できた範囲で紹介します。地域や学部によっては該当校がないため、志望校を探す際は必ず各大学の公式サイトで最新の募集状況を確認してください。
夜間部がある主な私立大学
私立大学の夜間部は、東京に集中しています。学費は昼間部よりも安く設定されている点が共通しています。
<夜間部を設置している主な私立大学>
| 大学名 | 学部名 | 学科名 |
|---|---|---|
| 日本大学 | 法学部第二部(夜間部) | 法律学科 |
| 東洋大学 | 第2部・イブニングコース | 東洋思想文化学科・日本文学文化学科・教育学科・経済学科・経営学科・法律学科・社会学科・国際地域学科 |
| 東京理科大学 | 理学部第二部 | 化学科・数学科・物理学科 |
| 東京電機大学 | 工学部第二部(夜間部) | 機械工学科・情報通信工学科・電気電子工学科 |
| 國學院大學 | 神道文化学部 フレックスA(夜間主)コース | 神道文化学科 |
| 北海学園大学 | 経済学部・経営学部・法学部・人文学部(2部・夜間部) | 経済学部2部:経済学科・地域経済学科/経営学部2部:経営学科/法学部2部:法律学科・政治学科/人文学部2部:日本文化学科・英米文化学科 |
| 大阪経済大学 | 経営学部 第2部 | 経営学科 |
| 福岡大学 | 商学部第二部 | 商学科 |
参照:各大学の公式HPまたは入試要項(表内リンク)
夜間部がある主な国公立大学
国公立大学の夜間主コースは、北海道から沖縄まで全国に点在しています。私立大学の第二部とは異なり、社会人向けの選抜のみを実施する大学もあるため、出願前に入試方式を必ず確認してください。
<夜間部を設置している主な国公立大学>
| 大学名 | 学部名 | 学科名 |
|---|---|---|
| 小樽商科大学 | 商学部(夜間主コース) | 経済学科・商学科・企業法学科・社会情報学科 |
| 室蘭工業大学 | 工学部(夜間主コース) | 創造工学科 |
| 山形大学 | 工学部(フレックスコース) | システム創成工学科 |
| 名古屋工業大学 | 工学部(夜間主) | 基幹工学教育課程 |
| 電気通信大学 | 情報理工学域(夜間主コース) | 先端工学基礎課程 |
| 静岡大学 | 人文社会科学部(夜間主コース) | 法学科・経済学科 |
| 大阪教育大学 | 教育学部 学校教育教員養成課程 | 小学校教育(夜間)5年専攻 ※修業年限5年 |
| 広島大学 | 法学部・経済学部(夜間主コース) | 法学科・経済学科 |
| 徳島大学 | 理工学部(夜間主) | 理工学科(社会基盤デザイン・機械科学・応用化学システム・電気電子システム・知能情報の5コース) |
| 香川大学 | 法学部・経済学部(夜間主コース) | 法学科・経済学科 ※社会人選抜のみ |
| 愛媛大学 | 法文学部(夜間主コース) | 人文社会学科 |
| 琉球大学 | 国際地域創造学部(夜間主) | 国際地域創造学科 |
| 神戸市外国語大学 | 外国語学部 第2部 | 英米学科 |
| 高知県立大学 | 文化学部 | 文化学科(文化総合系・夜間主コース) |
※上記は現時点で確認できた代表例です。他にも夜間課程を設置する大学がある可能性があるため、進学先を検討する際は必ず各大学の公式サイトをご確認ください。
参照:各大学の公式HPまたは入試要項(表内リンク)
夜間大学の学費は安いってホント? 【昼間部と比較】

夜間大学の学費は、昼間部より安く設定されているケースが大半です。国立大学の夜間主コースでは、入学料・授業料を昼間コースの半額程度に設定しているところもあります。金額は各大学が個別に定めているため、大学によって差がある点に留意してください。
私立大学の第二部も、昼間部よりおおむね4〜5割安く設定されています。以下で具体的な金額と、奨学金制度の利用可否を解説します。
夜間大学の学費例
夜間部がある大学の学費について、いくつか例を紹介します。
<夜間大学の学費目安(初年度納入金)>
| 大学名 | 課程名 | 初年度納入金の目安 |
|---|---|---|
| 日本大学 | 法学部第二部(夜間部) | ・第二部は約74万円 ※第一部の初年度納入金は126万円 |
| 東洋大学 | 第2部(イブニングコース ) | ・第二部の初年度納入金は71万円 ・第二部の2年次以降は53万円 ※第1部の2年次以降は101万5,000円以上 |
| 北海学園大学 | 経済学部2部(夜間部) | ・第二部は63万9,000円 ※第一部の初年度納入金は126万4,000円 |
| 小樽商科大学 | 商学部(夜間主コース) | ・入学料は14万1,000円 ・授業料は26万7,900円 ・いずれも昼間コースの半額に設定 |
参照:各大学の公式HPまたは入試要項(表内リンク)
【大学の学費について詳しくはこちら】
学費の差と奨学金・減免制度
夜間部の学費が安い理由は、国立大学の場合は各国立大学法人の判断によるものです。私立大学も各校の判断のため、大学・学部によって割引率は異なり、一律に「半額」とは限りません。志望校ごとの金額を必ず確認してください。
なお夜間大学の学生も、国の「高等教育の修学支援新制度」(給付型奨学金+授業料等減免)を利用できます。ただし私立大学の場合、授業料減免の上限額は夜間部の方が低く設定されている点に留意してください。
【奨学金について詳しくはこちら】
夜間大学に通うメリット

夜間大学の最大のメリットは、学費を抑えながら大学卒業資格を得られる点です。昼間は仕事やアルバイトに充てられるため、経済的な負担を抑えつつ、社会経験を積みながら学べます。
また、年齢や経歴の異なる学生と机を並べることで、昼間部にはない刺激も得られます。以下で3つの利点を具体的に見ていきます。
学費を抑えながら大学卒業を目指せる
前章で解説したとおり、夜間大学の学費は昼間部よりおおむね4〜5割安く設定されています。奨学金と組み合わせることで、経済的な負担をさらに抑えることも可能です。卒業時に取得できる学位は、昼間部と同じ学士です。
入試の難易度は昼間部より穏やかな傾向。学位は同じ「大卒資格(学士)」
夜間大学は、同じ大学の昼間部(第一部)と比べて、入試の倍率や難易度が穏やかな傾向にあります。ただし、この傾向は大学・学部によって差があり、必ずしもすべての夜間大学に当てはまるわけではありません。志望校の実際の難易度は、大学が公表する入試結果(倍率等)で確認することをおすすめします。
卒業時に授与される学位は、昼間部と同じ「学士(大卒資格)」です。同じキャンパスの設備や教授陣のもとで学び、その大学の卒業生としての学歴を得られる点は、大きなメリットと言えます。
昼間に仕事やアルバイトをしやすい
授業は主に夕方から夜に開講されるため、日中の時間を仕事やアルバイトに充てられます。すでに就職している社会人はもちろん、生活費や学費を自分で工面したい学生にとっても、両立しやすい環境です。
幅広い年代や経歴の学生と学べる
夜間大学には、高校を卒業したばかりの学生だけでなく、社会人経験者や主婦、定年後に学び直す人など、多様な背景を持つ学生が集まります。
例えば、福岡大学商学部第二部には、高校卒業後の学生に加え、公務員・経営者・看護師・シニア層などの社会人学生が多く在籍しています。異なる立場の学生と議論する機会は、昼間部にはない学びの幅を広げてくれます。
愛媛大学法文学部の夜間主コースにも、働きながら学ぶ人だけでなく、主婦や定年後に入学する人がいます。
参照:福岡大学「商学部第二部」/愛媛大学法文学部「夜間主コース」
夜間大学のデメリットと後悔しやすいポイント

夜間大学は学費を抑えられる一方、生活面での負担も伴います。仕事やアルバイトとの両立、帰宅時間の遅さ、学生生活の制約など、入学後に「思っていたのと違った」と感じやすいポイントがあります。後悔しないためにも、事前にデメリットを理解しておくことが大切です。
仕事やアルバイトとの両立が大変
授業は夕方から夜にかけて行われるため、日中フルタイムで働きながら通学する場合、体力的・時間的な負担は小さくありません。定期試験やレポート提出の時期には、仕事との調整が必要になる場面も出てきます。
帰宅時間が遅くなりやすい
授業終了時刻は21時前後の大学が多く、そこから帰宅するため、就寝時間が遅くなりがちです。翌日も仕事や授業がある場合、生活リズムの維持が課題になります。特に自宅から大学まで距離がある場合は、帰宅時間がさらに遅くなる点に注意が必要です。
学生生活の選択肢が限られる場合がある
サークルや部活動、学園祭などの学生生活は、昼間部の学生を中心に運営されていることが多く、夜間部の学生が参加しにくい場合があります。授業以外の時間帯に活動が集中するイベントには、参加のハードルが上がることもあります。
選べる大学・学部が少ない
夜間大学は、この十数年で募集停止が相次ぎ、選べる学校が限られています。地域や学びたい分野によっては、通える範囲に該当校がないケースも少なくありません。志望校を選ぶ際は、まず現存する大学を把握したうえで検討する必要があります。
夜間大学は学歴や就職で不利になる?

夜間大学を卒業しても、昼間部と同じ大学卒業資格(学士)を取得できます。ただし、学位そのものに違いはなくても、卒業証明書や成績証明書には「第二部」「夜間主コース」といった課程名が残る大学もあり、就職活動でどう扱われるか気になる人も多いでしょう。ここでは、証明書への記載と、就職活動で重視されるポイントを解説します。
大学によっては、履歴書や卒業証明書に夜間部と記載がいる
成績証明書や卒業証明書に「第二部」「夜間主コース」などの課程名が記載されるかどうかは、大学によって対応が分かれます。
記載の有無は在籍していた(している)大学の教務窓口・キャリアセンターで直接確認するのが確実です。就職活動で証明書の提出を求められた際に、履歴書の記載と食い違いがあると不要な誤解を招く可能性があるため、記載方法に迷う場合は事前に大学へ相談することをおすすめします。
就職活動で評価されるポイント
夜間大学の学生は、働きながら学び続けた継続力や、限られた時間の中で学業と仕事を両立させてきた経験が評価されるケースがあります。
例えば北海学園大学の2部(夜間部)学生は、1部学生と同様に「北海学園大学生」として扱われ、優劣なく企業から評価されており、高い就職実績を挙げています。
参照:北海学園大学「2部(夜間部)で学ぶメリット」
就職活動の面接では、「なぜ昼間部ではなく夜間部を選んだのか」という質問を受けることがあります。このとき、「偏差値が低かったから」「入りやすかったから」ではなく、
- 「自分の力で学費を払って進学したかった」
- 「昼間の時間を活用してインターンや仕事、資格の勉強に挑戦したかった」
のような明確な目的意識を伝えることが重要です。学業と仕事を自分の力でやり抜いた経験は、伝え方次第で昼間部の学生以上に「自立心」や「計画性」の高さとして評価されることもあります。
就職活動では、夜間部であることよりも、学業への取り組み方や身につけたスキルを具体的に伝えることが重要です。
夜間大学についてよくある質問

夜間大学について、よくある質問に答えます。
夜間大学の授業は何時から何時まで?
大学により異なりますが、18時前後に開始し、21時前後に終了するケースが多いです。例えば東洋大学第2部・イブニングコースは18時15分開始で90分授業を2時限行います。
参照:東洋大学「第2部・イブニングコース(夜)」
出願前に、志望大学の時間割を必ず確認してください。
夜間大学から昼間部へ転部できますか?
大学によっては、在学中の成績等をもとに、夜間部から昼間部への転部制度を設けています。
例えば日本大学法学部では、成績基準を満たした学生を対象に、第二部から第一部への転部制度がありますが、募集人員は若干名です(※ただし、社会人選抜での入学者は転部不可) 。
参照:日本大学法学部「法学部生対象 転部(第一部・第二部間)・転科選考について」
神戸市外国語大学の外国語学部第2部でも、学部(昼間)英米学科への転部制度が利用できます。
参照:神戸市外国語大学「入学してからの転部・転学科は可能ですか。」
制度の有無や条件は大学ごとに異なるため、志望校の学生募集要項で確認してください。
夜間大学に年齢制限はありますか?
夜間大学に、年齢の上限はありません。一般選抜であれば、高校卒業などの資格を満たせば、年齢を問わず出願できます。
一方で、社会人選抜には年齢の下限が設けられているケースがあります。例えば日本大学法学部の第二部社会人選抜では、出願時に満22歳以上であることが条件の一つです。
なお大学によっては、夜間部の一般選抜自体を実施しておらず、社会人選抜(年齢の下限あり)のみで学生を募集しているケースもあります。例えば、香川大学法学部・経済学部の夜間主コースは社会人選抜のみの募集です。
つまり、夜間大学は「若い人向け」という制度ではなく、社会人の学び直しも想定した仕組みといえます。年齢に関する条件は大学や入試方式によって異なるため、志望校の募集要項で必ず確認してください。
夜間大学でもサークルに参加できますか?
大学によりますが、参加できる場合が多いです。東洋大学第2部・イブニングコースでは、すべての学生が同じキャンパスで学ぶため、学部・学科の枠を超えたクラブ・サークル活動が活発に行われています。活動時間帯によっては参加しにくいケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ 夜間大学の学費やデメリットを比較して選ぼう

夜間大学は、学費を抑えながら大学卒業資格を目指せる進路のひとつです。ただし、現存する大学は全国で限られており、地域によっては該当校がない場合もあります。まずは通える範囲の大学を確認したうえで、学費・生活面の負担・学歴上の扱いを比較し、自分に合った進学先か判断することが大切です。焦らず、公式サイトの最新情報を確認しながら検討を進めてください。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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