2024/03/30
公開

【大学入試】受験料はいくら?国公立・私立大学別に入学後の費用なども紹介

大学へ進学するためには、さまざまな項目で大きな費用が必要となります。入学時や入学後に「これほどかかるとは思わなかった」とならないように、早いうちから少しずつ準備を始めていきましょう。まずは大学入試の受験料から知ることが大切です。今回は国公立大学・私立大学別に、受験料についてご紹介します。入学後に必要となる費用や、受験料をできるだけ抑える方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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大学受験料はいくらかかる?国公立・私立大学別に紹介

まずは大学受験に関わる費用について、受験料や交通費・宿泊費などの詳細について見ていきましょう。

大学受験料はいくら?国公立・私立大学別に紹介

大学を受験するためには受験料が必要です。国公立大学を受験するのか私立大学を受験するのか、全部で何校ほど受験するのかによってトータルの金額は変わってきます。

国公立大学・私立大学別の受験料の目安は次のとおりです。

項目 費用の目安
大学入学共通テスト ・3教科以上の受験は18,000円
・2教科以下の受験は12,000円
・成績開示を希望する場合は、教科数に関係なく800円
国公立大学の二次試験 1校あたり、平均17,000円
私立大学の一般選抜 1校あたり、平均35,000円
私立大学の大学入学共通テスト利用入試 1校あたり、平均15,000円
私立大学の願書購入代 1校あたり、平均1,000円

大学入学共通テストの費用は、2022年1月におこなわれた試験のものです。国公立大学の二次試験費用は私立大学よりも安く見えますが、大学入学共通テストの費用も加算される点に注意しましょう。

私立大学の一般選抜費用の平均は、1校あたり35,000円。ただし医学部や歯学部、薬学部等の場合は、40,000円~60,000円ほどかかるところもあります。私立大学では願書購入代が必要ですが、国公立大学は基本的に無料です。

大学受験の平均費用はいくら?

大学受験時の平均費用はどのくらいなのでしょうか?以下の表は株式会社日本政策金融公庫が2021年に発表した、「令和3年度「教育費負担の実態調査結果」」によるものです。

学校別 受験費用 学校納付金 入学しなかった学校への納付金 トータルの入学費用
国公立大学 27万7,000円 28万6,000円 10万8,000円 67万2,000円
私立大学・文系 31万3,000円 40万6,000円 9万9,000円 81万8,000円
私立大学・理系 32万2,000円 46万6,000円 10万円 88万8,000円

受験費用には受験したすべての学部と学科の受験料、交通費・宿泊費が含まれています。学校納金とは入学金や寄付金、学校債など、入学時に必要となる初期費用のことです。入学納付金を払ったけれども、入学しなかった子どもも含む金額であることに注意してください。

交通費・宿泊費

受験する大学が遠方にある場合、新幹線や高速バスといった交通費、ホテル代といった宿泊費も必要です。遠方になればなるほど交通費がかさみ、また国公立大学の二次試験は2日間にわたっておこなわれることもあるため、ケースによっては前泊を含めて2泊分の宿泊費もかかってくるでしょう。

移動する都市間 交通費の目安 宿泊費の目安 1泊2日のトータル費用
大阪~東京 13,870円×往復(新幹線・自由席) 1泊5,000円 32,740円
博多~大阪 14,750円×往復(新幹線・自由席) 1泊5,000円 34,500円

大学受験料はいつまでに払う?

受験料の支払期日は大学によって異なります。余裕を持って志望校の願書を入手し、期日を確認しておきましょう。複数の大学や学部を受験する場合、支払い期日や受験料をリストにまとめておくと、支払い忘れを予防できます。

また銀行や郵便局から受験料を支払う場合、それぞれの営業時間にも気を付けたいところです。

【国立・公立・私立大学別】大学入学後にかかる主な費用の目安

無事に大学入試に合格した後は、入学金や授業料などを支払わなければいけません。国立大学・公立大学・私立大学別に、入学金と授業料、トータルでかかる費用を紹介します。

入学金

入学金の目安は次のとおりです。

学校別 入学金の目安
国立大学 28万2,000円
公立大学 39万3,426円
私立大学・文系 24万2,579円
私立大学・理系 26万2,436円
私立大学・医科歯科系 103万8,128円

国立大学の入学金は文部科学省が標準額として、28万2,000円と定めています。ただしあくまでも標準額で、各大学が上限20%以内で自由に設定可能です。大学や学部、学科によって多少異なります。

公立大学の学費は国立大学と同程度とされていますが、注意するべき点は入学前の居住地によって入学金に差を付けていること。

公立大学は都道府県や市の税金を使って運営されているので、居住している子どもと居住していなかった子どもとの間で、あえて差を設けています。居住していなかった子どもの場合、10万円~20万円以上高く設定されているのが通常です。

私立大学では文系なのか理系なのか、医科歯科系なのかにもよって入学金の目安は変わってきます。

授業料やその他にかかる費用

授業料のほか、大学や学部によっては実習費や施設設備費などの費用もかかってきます。大学別の主な費用の目安は次のとおりです。

学校別 授業料の目安 その他の費用
国立大学 53万5,800円 実習費などは基本的に授業料に含まれている
公立大学 53万7,809円 実習費などは基本的に授業料に含まれている
私立大学・文系 74万6,123円 25万円~30万円ほど
私立大学・理系 104万8,763円 30万円~45万円ほど
私立大学・医科歯科系 273万7,037円 170万円~330万円ほど

国立大学と公立大学の実習費などは、基本的に授業料に含まれています。私立大学では授業料の他に、実習費といった費用も加算されてくるので注意しましょう。特に医科歯科系の学部・学科では、授業料と合わせて年間500万円以上かかると思ってください。

トータルでかかる費用はいくら?

大学入学後にかかる1年間の費用目安は以下の通りです。

  • 国立大学:81万7,800円
  • 公立大学:93万1,235円
  • 私立大学:123万8,702円~707万5,165円


私立大学の特に医科歯科系の学部・学科は授業料や実習費が高く、医学部と歯学部、薬学部は6年間通わなければいけません。数千万円単位の費用が必要となることから、できるだけ早い段階での資金準備が求められるでしょう。

大学受験の費用を節約する方法

これまでで解説してきたように、大学受験には入学後の授業料なども含めて、多額のお金が必要です。そのため多くの人が、できるだけ費用を抑えたいと考えているのではないでしょうか。続いては大学受験の費用を節約するための方法を、全部で6つ紹介します。

同じ大学の学部違いであれば、併願割引を活用する

大学によっては併願割引をおこなっているところがあります。併願割引とは、同じ大学の違う学部や学科を複数受験する際に、受験料を割り引いてくれる制度です。

たとえば神奈川大学の場合、1つの学部を受験すると3万5,000円の受験料がかかります。2つの学部を受験する場合、通常であれば3万5,000円×2で合計7万円が必要です。しかし併願割引を利用すると2つ目の受験料が2万円になるため、3万5,000円+2万円で5万5,000円。1万5,000円も安くなる計算です。

特に「志望大学は1つで決まっているけれども、受験する学部を絞れない」といったケースで活用できます。

願書はWEBで出願する

先に述べたように私立大学の願書を入手する際は、1校あたり平均1,000円が必要です。たかだか1,000円と感じる人がいるかもしれませんが、受験校が多くなれば特に大きな出費となるでしょう。

大学によってはホームページからのWEB出願を認めているため、願書代を支払う必要がなくなります。必要書類を送る際の郵送料はかかってしまうものの、願書代がかからないのは大きなメリットとなるでしょう。またWEB出願をすると、受験料を割り引いてくれる大学もあります。

地方試験を活用する

3つ目の方法は地方試験の活用です。地方試験とは大学のキャンパスがあるところだけでなく、全国の主要都市でも受験を認めている制度を指します。

遠方からわざわざ大学のキャンパスまで受験をしに行くと、交通費や宿泊費などが大きくかさみます。受験生の費用負担をできるだけ軽くすることを目的として、地方試験を導入している大学は少なくありません。

たとえば青山学院大学が2022年2月におこなう「一般選抜(全学部日程)」では、全学部を対象に地方試験を実施。東京にある青山キャンパスのほか、横浜・名古屋・福岡でも受験が可能です。

受験生が住んでいる都道府県に会場がなかったとしても、大学のキャンパスより近い場所で受験ができれば、交通費や宿泊費をグッと抑えられるでしょう。

大学入学共通テスト利用入試を使って、地元で受験する

私立大学の中には一般選抜だけでなく、大学入学共通テストを利用した入試をおこなっているところがあります。大学入学共通テストの受験会場はすべての都道府県にあるため、子どもが住んでいる身近な場所で受験できるでしょう。交通費を抑えられ、基本的に宿泊費はかからないはずです。

また受験料は平均15,000円と、一般選抜の35,000円よりもリーズナブル。大学入学共通テストの受験料が別にかかりますが、受験校が多くなればなるほどトータルの費用は安く済みます。

給付型奨学金を活用する

5つ目は給付型奨学金を活用することです。経済的な理由から大学へ通うことが難しい子どもを対象にしたもので、2020年4月に新しい制度がスタートしました。最も大きな特徴は、返還義務がないこと。貸与型奨学金とは異なり、給付型奨学金は返還する必要がありません。

また奨学金の給付だけでなく、入学金と授業料の免除・減免がセットになっているのも大きな魅力です。

主に対象となるのは4人家族で、世帯年収が約380万円未満。世帯年収に応じて3段階に分けられ、それぞれで支援額が変わってきます。基本的には子どもが通っている高校から申し込みをしてください。

塾・予備校の費用を抑える

大学受験対策として塾や予備校へ通う場合、授業料などの費用を抑えておく方法もあります。学習塾や予備校の授業料が場所によって異なるだけでなく、受講科目やコマ数を調整することでも費用をグンと抑えられるようになるはずです。

高校生におすすめの安い塾については、以下の記事で特集をしています。ぜひご覧ください。

【高校生】大学受験対策の安いおすすめ塾|費用相場や塾に通うメリットも解説

大学受験に向けて通う塾・予備校の費用相場

大学受験対策として、塾や予備校へ通う子どもは少なくありません。具体的な費用は塾・予備校によって異なりますが、子どもの学年や指導スタイル別で、以下のように大まかな費用相場というものがあります。

学年 公立高校 私立高校
高校1年生 71,534円 85,200円
高校2年生 98,567円 120,636円
高校3年生 150,650円 183,807円
平均額 106,884円 129,313円

上記の表は文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によるもので、1つの家庭でどのくらいの塾費用を出しているかの平均数値です。私立高校へ通っている子どもは、公立高校へ通っている子どもよりも全体的に費用が高めとなっています。また受験学年となる高校3年生の場合、高校1年生や2年生と比べて費用が大きく上昇しています。

ただし上記の数値には塾に通っていない家庭、つまり塾代がゼロ円の家庭も含まれていることに注意してください。通塾していない家庭を除くと、塾や予備校の費用相場はさらに高くなるものと考えられます。

下の表は授業スタイル別の年間費用相場です。

学年 集団指導 個別指導
高校1年生~2年生 40万円~50万円 50万円~80万円
高校3年生 50万円~70万円 60万円~100万円

一般的に個別指導は集団指導よりも、授業料が高めに設定されています。生徒1人が負担する講師の人件費がかさむためです。

ただし個別指導塾の中でも1対1の完全マンツーマンなのか、講師1人に対して生徒が複数付くのかによっても、大まかな授業料は変わってきます。生徒数が多くなればなるほど、授業料は安くなるのが通常です。

まとめ

大学受験では受験料の他に、住んでいる場所によっては交通費や宿泊費なども必要です。また大学入学時には入学金や授業料、実習費など、さまざまな名目でお金がかかってきます。

併願割引や地方試験を利用したり、私立大学の願書をWEBで提出したりすることで、受験に関わる費用を抑えられるはずです。今回紹介した節約方法も参考にして、無駄な出費をできるだけ防ぎながら大学受験を迎えましょう。

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塾選(ジュクセン)編集部

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