【2027年度入試】年内入試とは?注目の「学力型年内入試」も詳しく解説!
「年内入試って何?」「一般入試と何が違うの?」と疑問を感じている受験生や保護者は多いのではないでしょうか。
年内入試とは、大学入試のうち「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」など、試験実施から合格発表までが年内(主に12月)に完結する入試方式の総称です。
文部科学省の調査によると、2025年度の大学入学者のうち53.6%が総合型選抜または学校推薦型選抜を通じて入学しています。すでに大学入学者の半数以上が、いわゆる「年内入試」を経て進学している計算です。一般入試だけが受験の選択肢ではなくなりつつある今、年内入試の仕組みを理解しておくことは、受験戦略を考えるうえで欠かせません。
この記事では、年内入試の意味と種類、学校推薦型選抜・総合型選抜・学力型年内入試それぞれの違い、近年注目を集めている学力型年内入試の最新動向、メリット・デメリット、そして「一般入試と併願できるのか」「塾は必要なのか」といったよくある疑問まで、入試方式を選ぶ際の判断材料になるよう解説します。
編集部
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目次
年内入試とは?|大学入学者の半数以上が推薦・総合型で合格

年内入試とは、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)など、一般選抜よりも早い時期に試験が実施され、多くの場合は年内に合否が判明する入試方式の総称です。一般選抜が学力試験の点数を主な評価基準とするのに対し、年内入試では志望理由書や面接、評定平均、活動実績など、多面的な要素をもとに選抜が行われます。
ただし、「年内入試=すべての選考が12月31日までに完結する」とは限りません。大学や入試方式によっては、合格発表や入学手続きの締め切りが年明けにかかるケースもあります。志望校のスケジュールは、必ず最新の募集要項で確認するようにしましょう。
文部科学省データで見る年内入試の拡大
年内入試は、もはや一部の受験生だけの選択肢ではありません。
文部科学省「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」によると、2025年度の大学入学者のうち53.6%が総合型選抜または学校推薦型選抜によって合格しています。大学に入学した2人に1人以上が年内入試を経ている計算です。
以下は入試方式別の入学者割合をまとめた表です。
2025年度(令和7年度)大学入学者の入試方式別割合
| 入試方式 | 入学者の割合 |
|---|---|
| 一般選抜 | 約46% |
| 総合型選抜+学校推薦型選抜(年内入試) | 約54% |
受験戦略を考えるうえで、年内入試を視野に入れることは今や当たり前の選択肢になりつつあります。「推薦や総合型は一部の特別な生徒が使う入試」という印象は、すでに過去のものといえるでしょう。
年内入試が注目されている背景|大学側・受験生側それぞれの事情
年内入試がここまで広がった背景には、受験生側と大学側、それぞれの事情があります。
受験生側では、「現役で合格を決めたい」という志向が年々強まっています。一般選抜の結果が出る2〜3月まで進路が確定しない不安を避け、できるだけ早く合格を手にしたいと考える高校生が増えているのが現状です。評定平均や部活動・ボランティアなどの活動実績を入試に活かしたい、一般選抜と組み合わせて受験機会を増やしたいというニーズも高まっています。
大学側には、少子化が加速する中で早期に入学者を確保したいという切実な事情があります。それだけでなく、各大学が定めるアドミッション・ポリシーに合った人材を、学力試験だけでなく面接や志望理由書、活動実績も含めた多面的な評価で選びたいという意図も、年内入試の拡大を後押ししています。
年内入試にはどんな種類があるの?

年内入試には、大きく分けて「学校推薦型選抜」「総合型選抜」「学力型年内入試」の3つがあります。いずれも一般選抜より早い時期に選考が行われますが、評価される内容や出願条件、向いている受験生のタイプはそれぞれ異なります。
まず3つの入試方式の違いを表で整理します。
年内入試の種類と特徴
| 入試方式 | 主な評価内容 | 出願条件 | 向いている人 | 併願のしやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 学校推薦型選抜 | 評定平均・調査書・面接など | 高校の推薦が必要 | 評定が高く、高校生活を積み上げてきた人 | 指定校は専願のみ。公募は一部併願可 |
| 総合型選抜 | 志望理由書・面接・活動実績など | 大学により異なる | 志望理由が明確で、自己表現が得意な人 | 専願・併願どちらもあり(大学による) |
| 学力型年内入試 | 基礎学力テスト+書類・面接など | 大学により異なる | 学力で勝負したいが早めに結果を出したい人 | 併願可のケースが多い |
それぞれの特徴を以下で詳しく説明します。
学校推薦型選抜(旧推薦入試)
学校推薦型選抜は、高校の校長による推薦書をもとに出願する入試方式です。「指定校推薦」と「公募推薦」の2種類があり、仕組みが大きく異なります。
指定校推薦は、大学があらかじめ指定した高校にのみ推薦枠が与えられる制度です。自分の高校が指定校でなければ出願できず、1校あたりの推薦枠も1〜3名程度と限られています。出願前に校内選考があり、評定平均や学校生活全般の評価をもとに推薦者が決まります。合格後は原則として入学が確約されるため、専願制が基本です。
公募推薦は、大学の出願条件を満たしていれば、どの高校からでも応募できる方式です。ただし、評定平均の基準(例:3.5以上など)や取得資格などの条件が設けられている場合が多く、条件を満たしていなければ出願できません。
どちらの方式でも、評定平均は高校1年生からの成績をもとに算出されるため、入学後すぐに意識して取り組むことが重要です。
総合型選抜(旧AO入試)
総合型選抜は、大学が定めるアドミッション・ポリシーに基づき、学力試験の点数だけでなく、志望理由や意欲・適性・活動実績などを多面的に評価する入試方式です。2021年度から現在の名称に改められました。
選考では、志望理由書・活動報告書・面接・小論文・プレゼンテーションなど、大学によってさまざまな方法が組み合わされます。部活動や生徒会活動、ボランティア、資格取得、探究活動なども評価材料になることがあります。
「総合型選抜は学力不問」と思われがちですが、それは誤解です。大学で学ぶための基礎学力や、志望分野への深い関心・思考力も選考で問われます。高校2年生の段階から志望理由の整理や活動実績の積み上げを始めることが、合格への近道になります。
学力型年内入試

学力型年内入試とは、総合型選抜や学校推薦型選抜の枠組みで実施されながら、基礎学力テストや適性検査などの筆記試験を選考の中心に据えた入試方式です。従来の年内入試が志望理由書や面接・評定平均を重視していたのに対し、筆記試験の比重が大きくなる点が大きな違いです。
以下の表で、学力型年内入試と従来の年内入試、一般選抜の違いを整理します。
3つの入試方式の比較
| 比較項目 | 学力型年内入試 | 従来の年内入試 | 一般選抜 |
|---|---|---|---|
| 主な評価 | 基礎学力テスト+書類・面接など | 評定平均・志望理由書・面接など | 学力試験(筆記) |
| 実施時期 | 年内 | 年内 | 年明け(1〜3月) |
| 学力試験 | あり | 原則なし〜一部あり | あり |
| 併願 | 可のケースが多い | 専願が多い | 可 |
「年内に結果を出したいが、学力でしっかり勝負したい」という受験生にとって、学力型年内入試は有力な選択肢のひとつです。ただし、学力型であっても書類や面接など人物評価との組み合わせが条件となっているため、筆記対策だけでは不十分です。
国公立大学と私立大学で年内入試の傾向はどう違う?
年内入試は私立大学に多いイメージがありますが、国公立大学でも総合型選抜や学校推薦型選抜が実施されています。国公立と私立では制度の特徴が異なるため、注意が必要です。
国公立大学の年内入試では、共通テストの受験を出願条件や選考要素に組み込むケースが多く、選考が複数段階になることもあります。「国公立大学=年内入試がない」というイメージは正確ではありませんが、私立大学に比べて実施大学・学部の数は限られているのが現状です。なお、指定校推薦は私立大学に特有の制度で、国公立大学では原則として実施されていません。
私立大学では、指定校推薦・公募推薦・総合型選抜・学力型年内入試など、方式が多様です。大学独自の基礎学力テストを課すケースも増えており、「私立の年内入試は学力不問」とは一概にはいえません。
大学・学部ごとに出願条件や選考方法は大きく異なるため、受験を検討している大学の最新の募集要項を必ず確認することが最初のステップです。
学力型年内入試の最新動向|従来との違いや実施大学も解説

年内入試の中でも特に注目を集めているのが「学力型年内入試」です。2025年度入試から首都圏の私立大学でも導入が広がり、受験生・保護者・高校現場の関心が一気に高まりました。ここでは、学力型年内入試の制度的な背景、首都圏で注目された流れ、文部科学省をめぐる動き、受験生が注意すべきポイントを整理します。
従来との違いは学力試験を年内に実施すること
従来の学校推薦型選抜や総合型選抜では、評定平均・志望理由書・面接・小論文などが選考の中心でした。これに対して学力型年内入試では、基礎学力テストや適性検査、教科・科目に関する筆記試験が選考に組み込まれます。
「年内に実施されるが、学力試験でしっかり評価される入試」というのが学力型年内入試の本質です。
ただし、すべての大学で筆記試験だけで合否が決まるわけではありません。書類・面接・小論文などの人物評価と組み合わせて選抜される場合がほとんどです。入試名称だけで判断せず、何で・どのような比重で評価されるのかを募集要項で確認することが重要です。
2025年度入試では首都圏の大学にも動きが広まった
学力重視型の年内入試は、実は関西圏では30年以上前から定着しています。関西の私立大学では、書類審査と学力試験を組み合わせた公募推薦が広く行われており、面接や小論文を課さない形式も珍しくありませんでした。
しかし、こうした形式はこれまで「関西特有の文化」と見られており、首都圏ではあまり一般的ではありませんでした。状況が変わったのが2025年度入試です。東洋大学や大東文化大学などの首都圏私立大学が「基礎学力テスト型」の選抜を導入したことで、教育業界で大きな話題となりました。
「推薦=内申・面接中心」というイメージが変わりつつある今、学力型年内入試は今後も導入大学が増える可能性があるため、志望校の入試方式は早めに確認しておくことをおすすめします。
条件付きではあるが「学力型年内入試」が認められている
2025年度入試では、東洋大学や大東文化大学といった首都圏の私立大学が「基礎学力テスト型」の学校推薦型選抜、いわゆる学力型年内入試を導入したことで、教育業界内外で大きな話題を呼びました。
ところが、これらの入試方式は「生徒の安易な進路選択につながり、高校での学びに影響を与えかねない」などの理由で、文部科学省から注意喚起がなされました。全国の大学に実施要項の遵守を求める事態になったのです。
こうした状況を受けて、文部科学省は高校と大学の代表で構成される「大学入学者選抜協議会」において、年内入試での学力試験の是非について議論を開始。その中で、大学側からは「年内入試でも学力を測っておきたい」という意見が多数出ました。
これを踏まえて、文部科学省は、小論文や面接などの選抜方法を組み合わせることを条件に早期の実施を認めることを決めました。
つまり、単独の学力試験のみでは認められないものの、「人物評価」と「学力評価」の組み合わせによる年内実施はルール内で可能となったのです。
2027年度入試から、総合型選抜・学校推薦型選抜では面接が原則必須に
2026年度入試で学力型年内入試が条件付きで認められた一方、実態として「教科・科目の個別テストの配点割合が著しく高く、実質的に学力検査の成績だけで合否が決まっている」大学が一部で見られました。これは総合型選抜・学校推薦型選抜の本来の趣旨に反するとして、大学入学者選抜協議会が令和8年5月27日付で全国の大学長に対して注意喚起を行っています。
これを受けて、2027年度入試(令和9年度)からは、総合型選抜および学校推薦型選抜において原則として面接を必ず組み合わせて行うことが明記されました。また、教科・科目の個別テストを実施する場合も、他の評価方法とバランスの取れた配点で活用すべきとされており、個別テストの成績が評価・判定の大部分を占めるような選抜は不適切と明示されています。
つまり2027年度入試からは、年内入試で学力試験を課す場合でも、面接を含む人物評価との組み合わせが原則として必須になります。
参考:大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い|文部科学省
学力型年内入試を実施する大学【2027年度入試】
実際に受験を検討する際は、入試名称・試験日・出願条件・試験科目・評価方法・専願か併願かの可否・入学手続き期限を必ず確認してください。同じ「学力型年内入試」でも、大学によって内容は大きく異なります。
以下は、2027年度入試において学力型年内入試を実施する予定の大学の一部です。
2027年度入試において学力型年内入試を実施する予定の大学(一部)
| 大学名 | 入試の名前 | 試験日 |
|---|---|---|
| 大東文化大学 | 総合型選抜(基礎学力テスト型) | 2026年12月13日(日) |
| 関東学院大学 | 総合型選抜 基礎学力評価型 | 2026年10月18日(日)、12月13日(日) |
| 神奈川大学 | 総合型選抜(適性検査型) | 2026年11月22日(日) |
| 大妻女子大学 | 総合型選抜(基礎学力型) | 2026年11月15日(日) |
| 昭和女子大学 | 公募制推薦入試<基礎学力テスト型> | 2026年11月22日(日) |
参考文献:総合型選抜(基礎学力テスト型)|大東文化大学、総合型選抜(9月募集/11月募集)|関東学院大学、総合型選抜(適性検査型)(2027年度)|神奈川大学、総合型選抜|大妻女子大学、推薦入学試験|昭和女子大学
掲載情報は2026年6月時点のものです。試験日・出願条件・評価方法は変更になる場合があります。受験を検討している場合は、各大学の最新の募集要項を必ずご確認ください。
年内入試のメリットは?

年内入試には、受験生にとって魅力的なメリットがいくつかあります。ただし、どのメリットも「自分の状況に合っているかどうか」によって活きてくるものです。それぞれのメリットがどんな受験生に当てはまりやすいかを意識しながら解説します。
早く合否がわかる
年内入試の最大のメリットのひとつが、合否の結果を早く知ることができる点です。一般選抜では試験や合格発表が2〜3月に集中しますが、年内入試では多くの大学で11〜12月中に結果が出ます。
進路が早く決まることで、精神的な不安から解放され、残りの高校生活を落ち着いて過ごせます。入学前の準備や学習にも時間を充てやすくなり、保護者にとっても受験スケジュールや費用の見通しを早めに立てられるという安心感があるでしょう。
早期に合格が決まることは、時間的・精神的な余裕をもたらすという点で、大きなメリットといえます。
ただし、合格後に学習をやめてしまうと、入学後の授業についていけなくなるリスクがある点には注意が必要です。
受験のチャンスが増える
年内入試を活用することで、一般選抜が始まる前に合格を得るチャンスが生まれます。年内入試で合格できれば進路が確定しますが、仮に不合格だった場合でも、多くのケースで年明けの一般選抜に切り替えて再挑戦できます。
「年内入試で挑戦しつつ、一般選抜も視野に入れる」という戦略は、合格の可能性を最大化するうえで有効な考え方です。
ただし、専願制や入学確約が条件となっている入試では、合格後に他大学を受験できなくなる場合があります。出願前に専願・併願の条件を募集要項で必ず確認してください。
学力だけでなく、高校時代の取り組みや実績も評価対象
年内入試では、評定平均や部活動・生徒会活動・ボランティア・資格取得・探究活動など、高校生活で積み上げてきた経験が評価材料になります。一般選抜の筆記試験では伝わりにくい「自分らしさ」や「これまでの取り組み」をアピールできるのが、年内入試ならではの強みといえるでしょう。
特に総合型選抜では、活動実績そのものだけでなく、「その経験から何を学んだか」「大学でどう活かしたいか」という思考の深さが問われます。
「筆記試験は苦手だが、自分の経験や志望理由を言葉で伝えることが得意」という受験生にとって、年内入試は実力を発揮しやすい場になります。
一般入試と比べて倍率が低い場合がある
年内入試は、一般入試と比べて相対的に競争率(倍率)が低くなるケースがあるという点も、大きな魅力のひとつです。
例えば、自己推薦入学試験を実施している中央大学国際経営学部では、一般選抜と総合型選抜の倍率の違いは以下のようになっています。
中央大学国際経営学部(2026年度)の倍率の違い
| 入試形態 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 学部別選抜(一般方式) | 1,112 | 235 | 4.7 |
| 自己推薦入学試験 | 125 | 37 | 3.4 |
出典:一般選抜2026年度入試データ|中央大学、総合型選抜過年度入試データ|中央大学
ただし、「倍率が低い=合格しやすい」とは限りません。出願条件を満たした受験生同士の競争になる点、面接や志望理由書の完成度が合否を左右する点は念頭に置いてください。倍率は学部や年度によって大きく変わるため、過年度の入試結果を志望校の公式サイトで確認することをおすすめします。
年内入試のデメリットは?

年内入試には魅力的なメリットがある一方、事前に理解しておくべきリスクや注意点も存在します。「なんとなく受けてみた」「早く決まるから楽そう」という理由だけで出願すると、後悔につながる可能性があります。
ここでは、出願前に確認しておきたいデメリットを整理します。
出願条件や校内選考のハードルが高い
年内入試の多くは、出願にあたって一定の条件を満たす必要があります。評定平均の基準(例:3.5以上、4.0以上など)が設けられているケースが多く、条件を満たしていなければそもそも出願できません。出席状況や生活態度、課外活動の実績が判断材料になる場合もあります。
指定校推薦では、出願前に校内選考があります。同じ大学を希望する生徒が複数いる場合、限られた推薦枠をめぐって校内で競争が生じます。成績だけでなく、学校生活全体の評価が選考に影響するため、日頃からの積み重ねが問われる入試方式といえます。
評定平均は高校1年生からの成績をもとに算出されるため、出願を考えているなら高校入学直後から意識して取り組むことが大切です。
まずは志望校の募集要項で出願条件を早めに確認し、担任や進路指導の先生に相談することをおすすめします。
合格後の辞退が難しいケースもある
年内入試、特に指定校推薦や専願制の総合型選抜・公募推薦では、合格後に辞退することが非常に難しいケースがあります。指定校推薦は「合格=その大学への進学を確約する」制度であり、合格後に辞退すると翌年以降の後輩の推薦枠に影響が出る可能性もあります。
「早く合格が決まる」というメリットの裏側には、「その後の進路変更がしにくくなる」というリスクがあります。
出願前に、本当にその大学・その学部で学びたいかどうかを、保護者と本人でしっかり話し合うことが重要です。
志望理由だけでなく、学費・通学距離・卒業後の進路まで含めて確認したうえで出願を決断することをおすすめします。
年内入試=「必ず合格」というわけではない点に注意
推薦や総合型選抜と聞くと「受かりやすい」「合格が約束されている」と思われがちですが、実際には不合格になるケースも少なくありません。総合型選抜や公募推薦では、大学が求める人物像とのマッチング、志望理由の明確さ、面接・小論文の完成度などが合否を左右します。「その大学で何を学びたいか」を自分の言葉で説得力をもって伝えられるかどうかが、重要なカギになるでしょう。
また、「ほぼ受かる」と思われがちな指定校推薦でも、学部・学科によっては不合格になることがあります。
年内入試に挑戦しながらも、一般選抜に向けた学習を並行して続けることが、リスク管理として大切です。
合格後も大学入学に向けた勉強を続ける必要がある
年内に合格が決まると、どうしても学習量が落ちてしまいがちです。しかし合格後に勉強をやめてしまうと、大学入学後に苦労するリスクがあります。一般選抜を経て入学した学生との間に学力差を感じるケースも報告されています。
英語・数学・専門分野の基礎など、大学の授業で必要になる知識は合格後も継続して学んでおくことが重要です。大学によっては合格後に入学前課題や入学前教育プログラムが用意されていることもあるため、合格通知とともに届く案内を必ず確認してください。
合格はゴールではなく、大学で学ぶための準備のスタートと捉えることが、入学後の充実した学びにつながります。
入学手続き期限によっては一般入試の結果を待てないことがある
年内入試と一般選抜の併願が制度上可能な場合でも、入学手続きの締め切りスケジュールによっては一般選抜の結果が出る前に入学金や授業料の納付を求められるケースがあります。「併願可」と記載されていても、手続き期限の都合で進学先の決断を早めに迫られることがあるのです。
特に、年内に合格した大学の入学手続き期限が1月末や2月初旬に設定されている場合、一般選抜の合格発表を待たずに判断しなければならないことがあります。延納制度を設けている大学もありますが、すべての大学が対応しているわけではありません。
募集要項で必ず確認すべき項目は、専願・併願の可否、合格後の辞退可否、入学手続きの締め切り日、そして延納制度の有無の4点です。
年内入試についてよくある質問(FAQ)

年内入試は、制度が多様化している一方で、情報がわかりづらいと感じる方も多いかもしれません。
ここでは、年内入試についてよくある質問を解説します。
年内入試を実施している国公立大学はありますか?
結論からいえば、年内入試を導入している国公立大学も一定数存在します。ただし、国公立大学では現在も一般入試(前期・後期日程)を基本とする大学が多く、年内入試の導入は一部に限られているのが現状です。
とはいえ、総合型選抜や学校推薦型選抜を通じて、年内に合否が判明するケースも増えつつあり、以下のような大学ではすでに実施されています。
年内入試を実施している国公立大学(一部)
| 大学名 | 入試のタイプ・名前 |
|---|---|
| 筑波大学 | 推薦入試(学校推薦型選抜) |
| 北海道大学 | 総合型選抜(フロンティア入試TypeⅡ) |
| 横浜国立大学 | 総合型選抜 |
参考:令和8年度 推薦入試(学校推薦型選抜)学生募集要項(令和7年9月1日 公表)|筑波大学、令和9(2027)年度 学生募集要項 フロンティア入試 (総合型選抜)|北海道大学、令和8年度(2026年度)入学者選抜要項|横浜国立大学
ただし、国公立大学において「指定校推薦」は原則として実施されておらず、これは私立大学に特有の制度となっています。
国公立大学の年内入試は大学ごとに制度設計が異なるため、出願条件や選考スケジュールなどは必ず大学の最新の募集要項を確認するようにしましょう。
年内入試はどんな人に向いていますか?
年内入試は、すべての受験生にぴったり当てはまるとは限りませんが、選抜方法の特性に合う人にとっては力を発揮しやすい入試方式です。
以下のような特徴を持つ人は、年内入試を考えてもよいでしょう。
- 評定平均が出願基準を大きく上回っている
- 部活動やコンテストなどで顕著な実績がある
- 英検®やTOEFLなどの資格を取得している
- コミュニケーション力が高く、自分の考えを言語化できる
- 大学で学びたいことが明確になっている
- アドミッション・ポリシーをしっかり読み込み、理解している
年内入試に向いている人については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
年内入試と一般入試どちらが難しいですか?
年内入試と一般入試では、選抜方法や求められる能力が異なるため、どちらが難しいかは一概にはいえません。
年内入試には、総合型選抜や学校推薦型選抜などがあり、調査書(評定平均)や志望理由書、面接、小論文、活動実績など、人物面や意欲が重視される傾向があります。一方で、一般入試では学力試験(筆記テスト)での得点が合否に直結するため、純粋な学力勝負になりやすいという特徴があります。
そのため、「筆記試験には自信があるが面接は苦手」という人には一般入試が向いている場合もあれば、逆に「成績や活動実績に自信がある」「自分の考えを言葉で表現するのが得意」という人には年内入試が有利に働くこともあるのです。
また、年内入試は倍率が低めなこともありますが、出願条件(評定平均や校内選考)や準備期間の短さがハードルになることもあり、「受かりやすい」「楽な入試」というわけではありません。
結論としては、自分の強み・性格・準備状況に合わせて最適な入試方式を選ぶことが重要です。どちらが難しいかではなく、「どちらの選抜スタイルが自分に合っているか」を基準に考えるとよいでしょう。
大学受験で一番つらい時期はいつですか?
つらいと感じる時期は人それぞれですが、多くの受験生が精神的・体力的につらいと感じる傾向にあるのは、秋の追い込み時期から共通テスト本番までの期間です。
具体的には、11月〜1月中旬ごろまでが最も負担が大きいとされており、勉強量がピークに達するだけでなく、模試の結果や周囲との比較から焦りや不安を感じやすくなります。
また、志望校の最終決定や出願準備なども重なるため、「時間が足りない」「気持ちが追いつかない」と感じることが多い時期でもあります。
このような時期に心身のバランスを崩さないためには、無理のない学習計画を立てることや、適度な休息、相談できる相手を持つことが大切です。
年内入試を活用することで、早めに合格を得てこの時期の負担を軽減できるケースもあるため、選択肢のひとつとして検討する価値はあるでしょう。
年内入試は一般入試と併願できますか?
基本的には、年内入試と一般入試の併願は可能です。
多くの大学では、総合型選抜や公募推薦などの年内入試に出願しても、同じ大学・他大学の一般入試を併願できる制度となっています。そのため、年内入試でチャレンジしつつ、万が一に備えて一般入試を受けるという戦略を取ることも可能です。
ただし注意したいのは、指定校推薦のような「専願制」の入試方式です。これらは「合格した場合はその大学へ必ず進学する」ことが前提となっているため、他大学の併願や、一般入試の受験が制限される場合があります。
そのため、出願を検討している大学・学部の募集要項を必ず事前に確認し、併願の可否や注意点を把握しておくことが重要です。
また、大学によっては「同一学部内での重複出願不可」「日程の重複」など、実質的に併願が難しくなるケースもあるため、出願計画は早めに立てておくと安心です。
年内入試対策として塾に通う必要はありますか?
年内入試では、調査書や推薦書に加え、面接・小論文・プレゼンテーションなど、大学ごとの多様な評価項目に対応する必要があります。
中でも、面接や小論文は「どう対策すればよいかわからない」と感じる受験生も多く、独学だけでは不安が残る部分です。内容の構成や話し方、表現方法などは、第三者からの客観的なフィードバックを受けることで、大きく改善できる分野でもあります。
そのため、必要に応じて塾や予備校のサポートを活用することは、効果的な対策手段のひとつです。必要に応じて、学校外の力も借りながら準備を進めていくことをおすすめします。
おすすめの塾については、以下の記事をご覧ください。
まとめ 年内入試をうまく利用して志望校合格のチャンスを増やそう!

年内入試は、総合型選抜・学校推薦型選抜・学力型年内入試という3つの方式を中心に、今や大学入学者の半数以上が利用する入試の主流になっています。「推薦や総合型は一部の人が使うもの」という時代は終わり、受験戦略の選択肢として年内入試を考えることは当たり前になりつつあります。
一方で、出願条件のハードル、合格後の辞退制限、合格後の学習継続など、事前に把握しておくべき注意点も少なくありません。早く結果が出ることはメリットですが、それだけを理由に出願を決めると、後から後悔するリスクもあるでしょう。
年内入試と一般選抜を組み合わせた戦略的な受験計画が、合格のチャンスを最大化する近道です。
まずは志望校の募集要項を確認し、出願条件・評価方法・入学手続き期限を把握するところから始めましょう。年内入試の対策に不安があれば、面接・小論文・志望理由書を専門的にサポートしてくれる塾や予備校の活用も有効な選択肢のひとつです。
なお、この記事に掲載している入試情報は2026年6月時点のものです。入試制度は年度によって変更になる場合があります。最新の募集要項を必ずご確認ください。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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