中学受験の小5、算数が急に分からなくなった。割合・図形でつまずいたときどうする?
「授業ではわかっているはずなのに、どうして家だと解けないのだろう……」
そんな違和感を抱えている保護者も多いのではないでしょうか。
これまで問題なく進んできた算数が、小学5年生になって急に難しく感じるようになるケースは少なくありません。
割合や図形といった単元に入り、問題文をどう読み取ればよいのかわからず手が止まってしまう。そんな場面が増えると、このままついていけなくなるのではないかと不安になりますよね。
そこで、早稲田アカデミー・駿台で25年以上受験指導に携わる西村創先生に、小5算数の単元でつまずいたときの具体的な対策方法についてアドバイスをもらいました。
また、中学受験の中で、子どもの苦手克服のために、保護者ができる適切なサポートの在り方についても考えていきます。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
西村 創先生
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei
目次
小5で急に難しくなった算数。ついていけず、このままでは下のクラスに落ちそう。

【CASE】小学5年生・男子
明るく、友達とすぐに打ち解けるタイプ。興味のあることには集中できますが、苦手意識を持った分野は避けてしまいがちな一面もあります。
【今回のお悩み】
ペンネーム:みのりちゃん(小学5年生 保護者)
最近、算数の学習について「ついていけていないのでは」と感じています。ここ数週間で、特に割合や図形の単元が急に難しくなったようです。
以前は30分ほどで終わっていた宿題が、最近は1時間以上かかることもあります。途中で「もう無理」と言って投げ出しそうになることもあり、塾の進度が速く、復習が追いつかないまま次の単元に進んでしまっていることに不安を感じています。
特に不安が大きいのは、割合や速さの文章題、そして図形問題です。どこから手をつければいいのかわからず固まってしまい、「わかったつもり」と「自力で解ける」の間に大きな差があるように感じます。
最近のテストでは点数が下がり気味で、このまま下のクラスに落ちてしまうのではないかと心配です。
なぜ小5で算数が急に難しく感じるの?
高学年の算数でつまずく子が多いのは、抽象度が上がるからです。
目に見える数字やモノから離れて、概念的な本質を理解して条件を整理しながら問題を解く力が求められます。複雑な問題が増えてくるため、塾の授業についていけなくなる子も決して少なくありません。
<抽象度が高い算数問題の具体例>
✔分数・小数といった目に見えない数字の計算問題✔割合・比の概念から数を導き出す問題
✔立体図形の裏側の体積を求める問題
✔つるかめ算、植木算、旅人算などの特殊算
など
このような問題は、解法をなぞるだけでは解けません。授業中に先生が図解して説明している内容を聞いて理解できたと思っていても、応用ができなければ手が止まってしまいます。
今回のケースのように、「宿題の時間が伸びる」「途中で手が止まる」という状態は、この“わかったつもり”が増えているサインといえるでしょう。つまり、小5で急に難しくなるのではなく、「自分で解けていなかった部分が表に出てくる」のがこの時期なのです。
複雑な問題を解く近道は、「図表を書くこと」
目に見えない抽象的な問題は、手を動かして自分で目に見える形にする
抽象度が高く、複雑な問題が解けない子の大半は図を書けません。自分で手を動かさないで、ただじっと上から問題を眺めているだけ。私はその状態を“上空から眺める”と呼んでいます。
例えば、割合の比や速さ問題であれば、線分図などの図を書いてそこに数字を書き込んでいくと、わかりやすいですね。図形問題も自分で図を書いてみる、そして図の中にわかっている条件から書き込むことで、隠れた部分の数値を導き出しやすくなります。

考えるだけで問題が解けていても、難易度があがるにつれて手を動かさないと解けない問題は増えてきます。頭で考えるだけでなく、目に見える形にしながら問題を解くクセをつけることが大切です。
「書かない」のではなく「書けない」ときの対処法は?
今取り組んでいる単元で、うまく図を書けないようであれば、前の学期・前学年……と自分が難なく解ける単元にまで戻り、図解の練習をするとよいでしょう。
- 立体図形につまずいたら平面図形に戻る
- 割合の線分図がうまく書けなければ単純な割合問題に戻る
どの単元であっても、わからなくなったら引き返すのが苦手克服のキホンです。戻ってみたら、理解していたつもりでも実は正しく理解していないことも。段階を踏んで学び直すことで、概念を図に起こせるようになってくるはずです。
問題文を読み解く力も復習で培われる
抽象度が上がってくると、問題を読み解く難易度も高くなります。問題読解力を身に付けたい場合にも、過去の単元の復習が有効です。
中には、「国語の勉強もしたほうがよい?」と考える人もいるのですが、算数で求められる問題読解力は国語の文章読解ほどのバリエーションはありません。その代わり、「線に対して平行である」「互いに相似である」というような算数特有の言い回しが存在します。
このような特有の言葉は、トレーニングで回数を重ねる中で、「こう問われたらこの計算式に変換されるんだ」と覚えていきます。練習問題を多く解くことで、問題読解力も自然と身に付いてくるでしょう。
点数を落とし始めたら、「分かったつもり」を疑うべし!
宿題に取り組むとき手が止まっていたり、テストで点を落としていたりするようなら、実は今やっている単元よりも前段階でつまずいている可能性が高いです。
自分では「わかった」と思っていても、苦手を克服するには前に戻ってやり直すしか方法はありません。しっかり理解できるようになるまで、何度も繰り返し復習することが何より大切です。
「何ができていないのか」子どもは自分では気付けない
自分の弱点・苦手に気付き、自ら過去に立ち返り復習しようとする子どもはおそらく稀でしょう。「できてるの?」「わかってるの?」と声をかけるだけでは、「分かってるよ」で終わってしまうことも多いです。
模試の結果から「解ける問題なのに落としているところ=苦手」を見つけ、解き直しを促す。あるいは、同じ問題を解き直すのが嫌ならば、類題を用意する。このようなサポートがまだまだ必要なのが、中学受験です。「何につまずいているのか」「どうすれば解決できるのか」は、細やかにサポートしてあげたほうがよいですね。
解決方法として、必ずしも親が勉強を教えないといけないということではありません。集団塾で授業についていけないようであれば、個別指導塾に転塾する、苦手科目だけ家庭教師をつけるなど、受験指導のプロを頼るのも一案です。
小5春であれば、受験までまだ約2年あります。軌道修正は充分できるタイミングなので、その子に適した学びの環境を整えてあげてください。
成功へ導く賢者からの金言!

抽象度の高い問題には図解が有効。
壁にぶつかったら、単元を遡り復習が鉄則!
※塾選調べ:
対象:中学受験をする予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
期間:2026年1月9日~13日実施
学年表記:掲載時点(2026年4月)に合わせています(回答時は小学4年生/新小5)
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei
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