保護者が知っておきたい受験・進路情報まるわかり!

保護者が知っておきたい受験・進路情報まるわかり!

メニュー

【2026最新】小論文の書き出し例9選|NG例と出題タイプ別の型を『オキテ55』著者が解説

更新日:
大学受験
アイキャッチ画像

総合型選抜や学校推薦型選抜で小論文が課されることになり、「最初の一文はどう書けばいいのだろう」と悩む受験生は少なくありません。「インパクトのある書き出しが必要なのでは?」「最初に結論を書いた方がいいのでは?」と考えてしまいがちですが、大学入試の小論文で採点者が見ているのは、文章の上手さではありません。

大切なのは、設問の意図を正しく読み取り、その設問に合った内容から書き始められているかどうかです。

この記事では、小論文の序論にあたる「書き出し」の考え方を中心に、評価される書き始め方を例文とともに解説します。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

鈴木 鋭智

監修者

鈴木 鋭智

合同会社ロジカルライティング研究室代表。ベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」シリーズ著者。元・代々木ゼミナール講師。小論文を「文章表現ではなく問題解決の科目」と再定義し、合格率を倍増させる。NHK Eテレ「テストの花道」出演、朝日中高生新聞の連載などメディアでも活躍。現在は全国の高校で小論文講習会を開催するほか、企業からも講演、研修のオファー多数。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)

目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断
目次

書き出しは「おしゃれな表現」ではなく「出題の理解」

書き出しは、小論文全体の方向性を決める重要な部分です。とはいえ、採点者は「おしゃれな書き出し」や「印象的な表現」を期待しているわけではありません。

大学教授がまず確認しているのは、「この受験生は設問の意図を理解しているか」という一点です。ここで方向を間違えると、その後にどれだけ丁寧に書いても、高い評価を得ることは難しくなります。

 

62970 1

必要なのはセンスではなく「設問への対応力」

小論文では、どれだけ文章が上手でも、設問で聞かれていないことを書いてしまうと評価は高くなりません。例えば、次のような設問を見てみましょう。

(設問例)
「高校生のSNS利用について、あなたの考えを述べなさい。」

この設問で求められているのは、高校生のSNS利用について考えを述べることです。ところが、書き出しで次のような内容を書いてしまう受験生もいます。

(NG例1)
私はSNSで友人とトラブルになった苦い経験がある。そのときは「もうSNSは使いたくない」と思ったが、時間がたつと再び利用するようになった。

このような体験談は、設問で「あなたの経験を踏まえて」と求められていれば有効です。しかし、今回の設問にその条件はありません。出題者が求めているのは個人的な体験談ではなく、高校生のSNS利用という社会的なテーマについてメリット、デメリット、その解決策を考えることなのです。

(NG例2)
SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略である。代表的なものにはLINEやInstagram、X(旧Twitter)などがあり、近年では世界中で多くの人が利用している。スマートフォンの普及に伴い、高校生にとっても身近なコミュニケーション手段となっている。

一見すると知識が豊富なように見えますが、この設問で求められているのはSNSの意味や種類を説明することではありません。用語の解説や豆知識で字数を使うよりも、高校生のSNS利用についてどのような問題があり、どう考えるべきかを書き始める方が、設問に正しく答えた小論文になります。

(NG例3)
SNS。その小さな画面の向こうには、無限の可能性と大きな危険が広がっている。

ポエム調の書き出しですが、大学入試の小論文では評価されません。大学教授(学者)は文献を読むとき、レトリックに惑わされずに内容の核心を読み解くのが仕事だからです。

このような表現は入試とは関係ない場、たとえば校内の作文コンクールなどで使いましょう。

鈴木先生

書き出しで最も大切なのは、「設問は何を答えてほしいのか」を読み取り、その問いに正面から答え始めることです。まずは設問をよく読み、「この問題では何を書くことが求められているのか」を考えてから書き始めましょう。

どんなテーマ・出題形式にも対応できる書き出し例文9選

Etc Image

小論文の書き出しは、パターンを多く覚えればよいというものではありません。大切なのは、設問に合わせて「最初に何を書くべきか」を判断することです。

<設問の条件別 書き出しの型早見表>

設問の条件 書き出しの型
賛成・反対に分かれるテーマ メリットから書き出す
キーワードが抽象的 定義から書き出す
誰が見ても問題だとわかるテーマ 具体例から書き出す
課題文の要約を求められる 課題文の要約から書き出す
資料(グラフ・表)がある 資料の説明から書き出す
下線部の説明を求められる 設問への答えから書き出す
賛成/反対を明らかに、と指定 賛成から書き出す
賛成/反対を明らかに、と指定 反対から書き出す

ここでは、実際の入試で使いやすい書き出しを9つに整理して紹介します。

【設問の種類や型を詳しく知りたい人はこちら】

① メリットから書き出す

問題:在宅勤務の導入について

(書き出し例)
在宅勤務のメリットは、育児や介護など家庭の事情があっても仕事を続けられることである。近年、親の介護のためにベテラン社員が突然退職してしまう「介護離職」が社会問題となっている。本人たちの収入がなくなってしまうだけでなく、職場にとっても重要な戦力を失うことになり、損失が大きい。在宅勤務が可能になれば、家庭の事情と折り合いをつけながら働き続けることが可能となる。

賛成・反対に分かれるテーマでは、まずメリットから書き始めるのが基本です。

「テクノロジーが高度に発達した21世紀の現代において…」のような前置きは不要です。単刀直入に「〇〇のメリットは」「〇〇の必要性は」から始めることで、この答案がメリット、デメリット、解決策の順に進むことが採点者に伝わります。

つまり、冒頭の一文だけで「この受験生は出題意図を理解している」と示すことができるのです。

② 定義から書き出す

設問:誰もが生き生きと暮らせる社会の実現について、行政や企業は何をするべきか。あなたの考えを述べなさい

 (書き出し例)
誰もが生き生きと暮らせる社会とは、高齢者や障害者、低所得者が不自由なく生活することができ、外国人や性的少数者が不当な差別を受けることのない社会である。しかし現実には、経済的な事情や障害の有無、国籍や性別などによって、十分な教育や就労の機会を得られない人も少なくない。このような課題を解決し、一人ひとりが能力を発揮できる社会を実現するためには、行政や企業が互いに連携しながら支援の仕組みを充実させていく必要がある。

設問の中に「誰もが」「生き生き」のように抽象的な言葉が含まれていることがあります。そのまま書き始めると、何について論じているのかが曖昧になりがちです。

このような場合は、最初に自分なりに言葉の意味を定義しましょう。「誰も」とはどんな人たちを指すのか、「生き生きと暮らせる」とは何ができることなのか。抽象語を具体化してから論じることで、答案全体の方向性がはっきりします。

③ 具体例から書き出す

設問:環境汚染について、あなたの考えを述べなさい。

(書き出し例)
近年、海洋生物が誤ってプラスチックごみを飲み込む事例が世界中で報告されている。また、細かく砕かれたマイクロプラスチックは魚介類の体内にも取り込まれ、食物連鎖を通じて私たちの健康への影響も懸念されている。海洋汚染は生態系を壊すだけでなく、水産資源の減少や観光地の環境悪化などを通して、私たちの生活にも影響を及ぼす社会問題である。

設問のキーワードが漠然としているとき、そのまま「環境汚染は深刻な問題である」とくり返しても、何がどう問題なのかが見えてきません。

そこで、最初に具体例を挙げると、問題の中身が伝わりやすくなります。ただし、具体例はあくまで問題提起のために使います。体験談やニュースの紹介だけで終わらせるのではなく、その後に「誰にどんな実害があるのか」へつなげることが大切です。

④ 課題文の要約から書き出す

設問:以下の文章を要約した上で、あなたが考えたことを述べなさい。

(書き出し例)
課題文によると、日本人は相手との調和を重視して曖昧な表現を用いる傾向がある一方、欧米人は自分の意見を明確に伝えることを重視する傾向があるという。そのため、異なる文化を持つ人々と円滑にコミュニケーションを取るためには、自分の価値観だけを基準に考えるのではなく、相手の文化的背景や考え方を理解しようとする姿勢が重要であると筆者は述べている

課題文を踏まえる問題では、まず課題文の内容を要約してから自分の考えに入ります

このとき、「日本人は」から始めると、それが筆者の意見なのか、自分の意見なのかが紛らわしくなります。

そこで、「課題文によると」と始めることで、第一段落が要約であることを明確にします。さらに段落の最後を「と筆者は述べている」または「以上が筆者の主張である」で締めると、次の段落から自分の考えに移ることがはっきりします。

⑤ 資料の説明から書き出す

設問:資料1〜2より、日本の少子化についてあなたが考えたことを述べなさい。

(書き出し例)
資料1によると、日本では出生数が年々減少している。また、資料2では、若い世代ほど結婚や出産に経済的不安を感じている人が多いことが示されている。以上より、少子化は個人の価値観だけでなく、社会や経済の状況とも深く関係していることがわかる。

資料型の小論文では、単刀直入に「資料1によると」から始めるのがわかりやすい書き方です。

第一段落で与えられた資料すべてに言及し、段落の最後で「以上より」とまとめます。大切なのは、資料をただ並べることではありません。複数の資料を合わせて読むと何が言えるのか、総合的な問題提起として整理することです。

⑥ 設問への答えから書き出す

設問:次の文章を読み、下線部「教育に対する示唆」とは何かを説明した上で。あなたが考えることを述べなさい。

 (書き出し例)
筆者のいう『教育に対する示唆』とは、動物の世界でも個体ごとに課題解決のプロセスに違いがあるように、子どもの教育においても一人ひとり学習のプロセスが違ってもいいという提言である。しかし、現在の学校教育では、同じ内容を同じ方法で学び、同じ基準で評価する場面が少なくない。そのため、それぞれの得意分野や学ぶ速さの違いが十分に生かされているとは言い難い。私は、一人ひとりの個性に応じた学び方を選択できる教育環境を整えることが重要であると考える。

下線部説明が求められている場合は、まずその問いに直接答えることが大切です。「筆者のいう〇〇とは、〜ということである」と書き始めると、設問に正面から答えていることが伝わります。

この例のように筆者の「理想論」が述べられているときは、その理想通りになっていない「現実」をぶつけることで問題提起の段落にすることができます。

下線部は、課題文の問題提起や筆者の主張に関わる重要な部分です。ここを読み違えると、その後の小論文全体が的外れになってしまうので気をつけましょう。

⑦ 賛成から書き出す

ディベート型で、設問に「賛成か反対か、あなたの立場を明らかにした上で意見を述べなさい」と条件がついている場合の書き出しです。

(書き出し例)
私は在宅勤務の導入に賛成である。なぜなら、在宅勤務によって育児や介護など家庭の事情があっても仕事を続けられるからである。

設問で「賛成か反対かを明らかにしなさい」と指定されている場合は、冒頭で立場を示します。

ただし、このタイプの出題は大学入試全体では少数派です。賛成・反対を求める条件がつく出題は大学入試全体の5%以下であり、年々減っています。そのため、いつでも「私は賛成です」から始めればよいわけではありません。設問の条件をよく確認することが大切です。

⑧ 反対から書き出す

(書き出し例)
私は在宅勤務の導入に反対である。なぜなら、仕事のパソコンを家庭に持ち出すことで機密情報が漏洩したり、勤務時間の把握が曖昧になったりするからである。

ディベート型の変化型です。反対の立場から述べる場合は、デメリット、メリット、解決策の順に書いても構いません。

ただし、冒頭で反対の立場を示したとしても、反対意見だけを一方的に述べる答案は評価されにくくなります。メリットとデメリットには、できるだけ同じくらいの字数を割きましょう。双方の意見に公平に耳を傾けた上で、最後に現実的な解決策を示すことが重要です。

⑨ 体験談から書き出す

設問:「心理的安全性」の大切さについて考えることを、あなたの経験を踏まえながら述べなさい。

 (書き出し例)
私は文化祭実行委員の会議で、自分の意見を否定されるのではないかと不安になり、発言をためらった経験がある。一方、部活動では先輩や顧問がどのような意見にも耳を傾けてくれたため、自分の考えをためらわずに発言することができた。同じ自分であっても、意見を言える場と言えない場があることから、発言のしやすさは性格だけで決まるものではなく、その場の心理的安全性に大きく左右されるのだと実感した。

小論文で自分の体験談を書くのは、設問に「あなたの経験を踏まえながら」と書かれている場合のみです。しかも、大学入試の小論文で体験談が求められる出題は全体の2%しかありません。(出願書類の自己PR書、活動報告書は別です)

体験談を書く場合も、出来事を詳しく紹介することが目的ではありません。自分の経験を通して「どのような問題に気づいたのか」「なぜその問題が起きたのか」を考え、その後の問題提起や解決策につなげることが大切です。

体験談はあくまでも議論のきっかけであり、小論文の中心になるものではないことを意識しましょう。

鈴木先生

この9パターンを使いこなせば、どんなテーマ・出題形式の小論文にも対応できます。多くの大学・学部は毎年同じような形式で出題するので、志望校の過去問を3年分くらいチェックしておきましょう。

【結論の書き方も知りたい人はこちら】

複数の設問は「別個の小論文」ではなく「1本の小論文」

Image Etc (8)

大学入試では、一つの設問だけでなく、「要約」「理由説明」「あなたの考え」のように複数の設問で構成される小論文も少なくありません。

このような問題では、それぞれの設問を別々に考えるのではなく、「全体で一つの小論文になっている」という視点が重要です。

まずは設問ごとの字数を確認し、それぞれがどの役割を担っているのかを見極めましょう。それによって、どこから書き始めるべきかも自然に決まります。

問2の意見論述がメイン:要約をどう意見につなげるか

設問

 問1:次の文章を100字で要約しなさい。
問2:これに対するあなたの意見を600字で述べなさい。

設問が複数に分かれているときは、まず各設問の字数に注目しましょう。

このように、問1の要約が100〜200字程度と短く、問2の意見が600字以上と長い場合は、問2だけで一つの小論文を書くイメージになります。

例えば問2が600字なら、200字ずつの三段落構成を意識すると、全体の流れを組み立てやすくなります。

ここで注意したいのは、問1で書いた要約を問2でもくり返さないことです。問1ですでに筆者の主張をまとめているので、問2ではそこから自分の考えを書き出します

課題文が賛成・反対に分かれるテーマなら「メリットから」、誰が見ても問題であるテーマなら「具体例」や「誰が困っているのか」という問題提起から始めると、答案全体が自然につながります。

設問が分かれていても、それぞれを独立した問題として考えるのではなく、全体で一つの小論文を完成させるという意識を持つことが大切です。

設問で役割が分かれている:問1をくり返さず、議論を進める

設問

問1:これらの資料を200字で要約しなさい。 
問2:問1の状況が生まれる要因を200字で述べなさい。
問3:食料自給率向上のために行政は何をするべきか、あなたの考えを200字で述べなさい。

(問3の書き出し例)
食料自給率を向上させるためには、行政が新規就農者への支援や農業の効率化を進めるべきである。具体的には、新規就農者への補助金や研修制度を充実させるとともに、ICTやロボット技術を活用したスマート農業の導入を後押しすることが考えられる。農業の担い手不足や生産性の低下を改善することで、国内の食料生産を安定させ、食料自給率の向上につなげることができると考える。


このように三つの設問がそれぞれ200字程度で構成されている場合は、三段落構成の小論文が、そのまま設問ごとに分割されていると考えるとわかりやすくなります。

  • 問1で現状や問題点を整理する
  • 問2でその原因を分析する
  • 問3でそれまでに書いた内容を踏まえて解決策を提案する

つまり、問3で改めて問題提起や原因分析をくり返す必要はありません。

書き出しから「〇〇するべきである」と解決策を提示し、その具体的な内容を続けて説明する方が、設問の意図に沿った答案になります。

複数の設問に分かれている小論文では、それぞれの設問がどの役割を担っているのかを見極めることが重要です。前の設問で書いた内容をくり返すのではなく、次の段階へ議論を進めることを意識しましょう。

鈴木先生

意見を先に書いて要約を後回しにする人も多いですが、これは危険! 「要約してみたら、思っていたのと違うテーマだった」ということもよくあります。数学と同じで、問1、問2が問3のヒントになっているものです。

NG行動:問題提起をせず感想文に脱線してしまう

Image Etc (10)

書き出しは答案全体の印象を左右する部分ですが、「印象に残る文章を書こう」と意識しすぎる必要はありません。

むしろ、小論文では避けたい書き出しがあります。ここでは、多くの受験生がやってしまいがちな例を紹介します。

「私は〜と思います」は感想。社会への提案ではない

受験生が最も書きがちな書き出しが、「私は〇〇すべきだと思います。」という形です。

もちろん、日本語として間違っているわけではありません。しかし、小論文で求められているのは、自分の感想や好き嫌いではなく、社会の問題を分析し、解決策を考えることです。

設問で「賛成か反対かを明らかにしなさい」と指示されていない限り、最初から自分の立場を決めてしまうと、その後の議論が一方的になりやすくなります。

まずは問題や現状を整理し、その後で解決策を提案する流れを意識しましょう。

設問のオウム返しは文字数の浪費。何が問題なのか一歩踏み込む

もう一つ多いのが、設問を言い換えただけの書き出しです。例えば、

  • 食品ロスは大きな問題である。
  • 少子化は日本の課題である。

このような文章だけでは、採点者に新しい情報は伝わりません。書き出しでは「誰が困っているのか」「何が問題なのか」を一歩具体的に書くことが大切です。例えば、

  • 食品ロスは廃棄コストの増加や環境負荷につながっている。
  • 少子化によって地域社会を支える働き手が不足している。

というように書けば、その後の議論へ自然につながります。

名言・ことわざの引用も文字数の浪費。テーマそのものから入る

  • 温故知新という言葉があるように……
  • 福沢諭吉は「天は人の上に人を造らず」と言いました。

このような書き出しも、ときどき見かけます。印象に残りそうだと思うかもしれませんが、多くの場合、その後の議論との結び付きが弱くなってしまいます。

大学教授が知りたいのは、受験生が有名な言葉を知っているかどうかではありません。設問で問われている問題を理解し、考えられているかどうかです。

限られた字数を有効に使うためにも、書き出しからテーマそのものに入りましょう。

鈴木先生

小論文では「上手な書き出し」を目指す必要はありません。設問に正しく答えるための第一歩として、問題提起やメリットの整理から始めれば十分です。読み手に伝わりやすい答案ほど、奇抜な表現ではなく、内容が自然に伝わる書き出しになっています。

小論文の書き出しに必要なのは「暗記」よりも「習慣」

Image Etc (16)

書き出しは、例文を丸暗記してもあまり役に立ちません。少しテーマが変わるだけで、使えなくなってしまうからです。それよりも、「設問を読んだら何を書くべきか」を判断する練習を重ねる方が、本番でも応用できます。

書き出しが書けない人は「分類していない」だけ

問題を見たら、最初に考えたいのは、

  • 賛成・反対に分かれるテーマなのか
  • 誰が見ても問題であるテーマなのか

に分けることです。この判断ができれば、第一段落で何を書くべきかは自然に決まります。書き出しで迷う受験生の多くは、文章が書けないのではなく、設問の種類を判断できていません

過去問を見るときも、まずは「どちらのタイプか」を分類する習慣をつけるとよいでしょう。

いきなり800字から書く必要はない。1段落だけ書く

小論文の練習というと、毎回800字や1000字を書こうとしてしまいがちです。もちろん、それも大切ですが、最初の段落だけをくり返し書く練習も効果的です。

設問を読み、「この問題なら最初に何を書くか」だけを考える練習なら、短時間でも取り組めます。第一段落が決まれば、その後の段落も組み立てやすくなります。

ニュースを見て「大変だなぁ…」で終わらせない

ニュースを読むときも、「大変な出来事だった」で終わらせず、

  • 誰が困っているのか
  • なぜその問題が起きているのか

を考える習慣をつけると、小論文の力につながります。社会問題を「問題解決」という視点で見ることができるようになると、書き出しで何を書くべきかも自然と見えてきます

鈴木先生

この考え方は、小論文だけでなく、総合型選抜で行われる集団討論にもそのまま応用できます。ディベートでは双方の立場を整理し、ディスカッションでは問題点と解決策を考えるという基本は変わりません。書き出しの考え方を身につけることは、大学入学後にも役立つ「問題解決の考え方」を身につけることにつながります。

小論文の書き出しでよくある質問

image_etc

ここでは、小論文の書き出しについて受験生からよく寄せられる質問に答えます。

文字数配分はどうする? 長さの目安ではなく「何を書くか」が大事

「書き出しは何文字」と決まっているわけではありません。大切なのは文字数ではなく、第一段落で何を書くかです。テーマを整理し、その後の議論につながる内容になっていれば、長さにこだわる必要はありません。

「私は~」から書き出していい?「立場を明確して」と言われたら

設問で立場を明確にするよう指示されている場合を除けば、「私は〜」から始める必要はありません。まずは社会の問題や現状を整理する方が、その後の答案を組み立てやすくなります。

最初に結論を書く? パターンに固執せず、設問条件に合わせる

設問によります。「賛成か反対かを明らかにしなさい」という条件がある場合は、最初に立場を書いても問題ありません。

一方、そのような指定がない場合は、問題提起やメリット・デメリットの整理から始めた方が、議論を広く展開できます。

資料型小論文の書き出しは? 読み取れるメッセージを簡潔に示す

資料の数字や文章をそのまま書き写す必要はありません。資料全体から読み取れるメッセージを整理し、それを第一段落で簡潔に示しましょう。資料を説明することが目的ではなく、その資料を踏まえて考えることが目的です。

まとめ 小論文の書き出しは「設問にきちんと答える」ことがすべて

Image Etc (14)

小論文の書き出しは、「かっこいい一文」を考える場面ではありません。最も重要なのは、設問の意図を正しく理解し、その設問に合った第一段落を書くことです。

  • 賛成・反対が分かれるテーマなら、まず双方の立場を整理する
  • 誰が見ても問題であるテーマなら、問題提起から始める
  • 要約や理由説明では、自分の意見ではなく、筆者の主張を正確にまとめる

この基本を押さえるだけで、書き出しで迷う時間は大きく減っていきます。

小論文は最初の一文の出来栄えを競う試験ではありません。問題を正しく理解し、読み手に伝わる形で考えを組み立てていくことが、評価される答案への第一歩になります。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部のサムネイル画像
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

鈴木 鋭智のサムネイル画像
合同会社ロジカルライティング研究室 代表
鈴木 鋭智

合同会社ロジカルライティング研究室代表。ベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」シリーズ著者。元・代々木ゼミナール講師。小論文を「文章表現ではなく問題解決の科目」と再定義し、合格率を倍増させる。NHK Eテレ「テストの花道」出演、朝日中高生新聞の連載などメディアでも活躍。現在は全国の高校で小論文講習会を開催するほか、企業からも講演、研修のオファー多数。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)

最大12,000円分プレゼント
目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断
塾選で塾を探す